著者
萩原 洋一 池田 諭 中森 眞理雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.33, pp.33-40, 1999-05-10

マージソートは時間計算量がO(n log n)(nはソートされるレコードの個数)であり高速であるが,内部ソートとして実行する場合,作業場所として大きさnの配列を要するのが欠点であるとされている.本論文では,作業場所として数語だけを要するマージソートを提案する.新しいマージソートの時間計算量はO(n log^2 n)であり,従来のアルゴリズムより悪いが,これは作業場所とのトレードオフの結果である.Mergesort is one of the fastest sorting algorithm, since it requires only O (n log n) of computing time. Mergesort, however, requires an array of size n as working area, when executed as an internal sort. In the present paper, we propose an algorithm which is a modified version of mergesort. The space complexity of the proposed algorithm is only O. The time complexity is O (n log^2 n), which is worse than the existing merge sort and is the result of the tradeoffs between time and space complexities.
著者
佐藤充 森 辰則
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.124, pp.113-120, 2006-11-23

質問応答の回答としても字による解だけでなく画像や地図も表示できるシステムを提案する.既存の質問応答システムと画像検索,ジオコーディング,地図APIを組合せ、物に関する質問に対しては画像を,場所を問う質問に対しては地図を表示する.質問応答の解に対応する画像などに曖昧性があっても,質問文に含まれる情報を用いて適切なものを絞り込める.評価実験によれば,質問応答の解が正しかったときに,画像は0.70,地図は0.85の精度で適切なものを表示できることが分かった.また,正解が複数存在するリスト型の質問においては,ユーザは並べられた画像を見ることでそれぞれの解を比較できたり,ひとつの地図上でそれぞれの解の位置関係を把握できるというように,質問応答システムにおける新しい回答の提示方法を示した.We propose a system that can display not only the answer string of a given question but also images or maps related to ths answer. The system consists of an existing Q/A system, an image search engine, a geocoding engine and a map API. Images are displayed when the question is about things like an animal, a plant or a person. Maps are displayed when the question is about place. Appropriate images or maps are selected by using the information in the question sentence even if the answer string is related to several different types of images or location. The experimental results show that the accuracy of fisplaying images is 70 percent, and that of displaying maps 85 percent under the condition that answer strings are collect. Moreover, we show a new method that presents a result of the list-type question-answering on a display simulataneously. A list-type question may have two or more correct answers. Using the method, a user can compare the answers by seeing listed images, or a user can tell the positional relation among the answers by seeing a map in which all answers are marked.
著者
本庄 勝 森川 大補 小塚 宣秀 山口 明 大橋 正良
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.444, pp.55-60, 2004-11-12

ユビキタス社会の一つのシナリオとして,ユーザは実世界環境から個人に関わる情報を生活の中で収集することが可能になり,携帯端末はひとつのゲートウェイになって稼動するものと考えられている.これまでに我々は,そうした個人や周りの環境の情報に関する情報を個人環境プロファイルと定義し,統合的に収集管理活用するための個人環境プロファイル活用ブラットフォームを構築してきた.個人環境プロファイル情報はユーザの備忘録としてみることができ,近年注目されているweblogユーザの生活のログを残す性質とも似ている.そこで本論文では, weblogをベースとした可視化ツール(Profile Blog)の実装について検討報告を行う.
著者
喜多 善史 大口 滋 森田 善一郎
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.711-719, 1978-05-01

For the precise measurement of the electrical resistivity of molten metals at high temperature, the four-probe method has been improved by use of a newly designed cell in which the four electrodes made of the same material as the specimen were installed. The results of the preliminary experiment on molten tin and copper were in excellent agreement with those of the previous studies by other investigators, and it was proved that "the improved four-probe method" was quite suitable for the measurement of the electrical resistivity of molten metals at high temperature. The electrical resistivity of molten iron, cobalt and nickel, obtained in the temperature range from melting point to about 1660℃ (iron) and 1620℃ (cobalt and nickel), showed a linear dependency on temperature as represented by the following equations. Fe : ρ(μΩ・cm)=0.0154t(℃)+112.3 Co : ρ(μΩ・cm)=0.0192t(℃)+91.8 Ni : ρ(μΩ・cm)=0.0116t(℃)+70.2 Probable error in the measurement was estimated to be about ±0.2%. The ratio of the resistivity of the liquid metal (ρ_l) to the solid metal (ρ_s) at melting point was evaluated to be 1.06, 1.14 and 1.40 for Fe, Co and Ni respectively.
著者
世良 元 岩澤 昭一郎 森島 繁生 Terzopoulos Demetri
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎
巻号頁・発行日
vol.95, no.553, pp.9-16, 1996-03-06
被引用文献数
2

ヒューマンインタフェースにおける擬人化エージェントの実現やエンタティメント映像生成に向けCGによる人物像の生成が望まれている。本稿では現実感の高い人の顔を表現することを目的として物理法則に基づく筋肉モデルを提案する。一方、人の表情を作成する研究は数多く見られるが、会話時の口形状に対しての研究は少ない。特に自然な会話のアニメーションの合成のため、口形状の表現に適した筋肉の種類と形状の改良を行った。また、実画像からの測定結果に基づき口形状の作成を行った。また音韻継続時間を考慮に入れ、音と同期したアニメーションを生成した。
著者
石川 貴博 森島 繁生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎
巻号頁・発行日
vol.98, no.682, pp.21-28, 1999-03-23
被引用文献数
1

コンピュータグラフィクス(Computer Graphics 以下 CG) による顔表現方法の1つとして顔面筋肉モデルが挙げられる。現在、顔面筋肉モデルの表情筋は、単なる線分で表現され、実際の表情筋の様な複雑な形状を与えられていない。そこで、本論文ではこれらのことに着目し、表情筋の形状データを使用し、同時にその表情筋の運動表現を試みる。表情筋の運動表現は、表情筋がバネの集合体であると仮定し、運動方程式を解くことで実現させる。また下顎骨を剛体と仮定し、咀嚼筋による下顎骨の運動制御を提案する。下顎骨は咀嚼筋の収縮時の力を受けて回転運動を行う。これらの結果、表情筋の形状を考慮した運動表現および咀嚼筋による下顎骨の運動表現が可能になった。
著者
伊東 大介 四倉 達夫 森島 繁生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.122, pp.17-24, 1999-06-17
被引用文献数
1

近年、人間の顔表情をCG (Computer Graphics)にて表現することは映画の特殊効果や、ヒューマンインタフェースのためのエージェントの表現として-般的になっており、そのクオリティは実写に近いレベルまで達している。しかしながらそれらの構築に対しアニメータ等の膨大な労力と資金が必要であり、製作期間も長期間にわたるのが現状である。そこで本論文ではリアルな顔画像生成のため、皮膚組織や表情筋を持つ顔面筋肉モデルを用いて表情表出を行うシステムを構築し、各表情筋の変化に対応した筋電を測定する装置を用いて各々の筋電を測定し、各筋肉の収縮をモデル化する。測定データから顔面筋肉モデルの表情筋をコントロールして、リアルな口形状のモデル化を実現するシステムも可能となった。
著者
太田 さゆり 森 博志 星野 准一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.165, pp.77-82, 2003-06-26

音楽と連動したダンス動作の作成は,映画やゲームなどの様々なコンテンツにおいて重要である.本稿では,ビデオ映像から音楽とダンス動作の関連を分析して再構成することで,新しいダンス動作を自動的に生成する手法を提案する.まず,音楽を構成単位ごとに分割して,音楽特微量とダンス動作の相関を求める.次に,新しい音楽が入力されたときに,分析によって得られた音楽・動作相関を適用することで,新しいダンス動作を生成する.本稿では,現代的な踊りの代表例としてヒップホップに適用した結果を示す
著者
森脇晃 國分剛 尾下真樹 尾下 真樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.91, pp.67-72, 2006-08-18
被引用文献数
1

我々は,入力された自然言語による文章からアニメーションを生成するシステムを開発している.本論文では 複数の動作を並列・連続して行うような入力文に対応した手法を提案する.本手法では,入力された自然言語文中の動作間の時間関係を表す要素に注目した意味解析を行い,各動作をどのような組み合わせ・順序で実行するという情報を持つ動作時間テーブルを生成する.その動作時間テーブルに基づき,データベースから検索された動作データを接続または合成することで自然なアニメーションを生成する.We have been developing an animation system that converts a natural-language input text to an animation. In this paper, We present new methods to handle input text that includes a series of serial ad parallel motions. Our system retrieves the temporal relationship between verbs in an input text and generates a time table which represents the execution-schedule of corresponding motions. A synthesized animation is generated by connecting and compositing motion data that are searched from a motion database.
著者
新倉 聡 佐々木 将士 藤森 成一
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 電子情報学部 (ISSN:13472666)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.77-82, 2005-09-30
被引用文献数
1

近年では、パソコン、インターネットの普及に伴い、個人でも手軽にネット証券などで株式売買ができるようになり、さらに、売買手数料の値下がりは、個人投資家の増大傾向を誘っている。一方、株式予測は、ニューラルネット、カオス、フラクタルなどの新しい概念をもとに予測研究が盛んに行われており、特にニューラルネットによる予測が一般に行われている。それらの予測は、いずれも数値データをベースとした予測方法であるため、知識データベースからの、売買予測も必要である。このため、本研究では、株式売買シミュレーションモデルを論理プログラミング言語の1つである、Prologを用いて行った。論理プログラミングでは、問題領域における知識として、事実及び規則の表現が基本であり、結論は、これらの知識と推論を用いて、論理的に導かれる。そこで、本研究では、これらの初歩的取り扱いとして、いくつかのテクニカル分析を株式売買に関する必要知識あるいは規則として用い、株の買い、売りを論理的側面から判定し、利益をあげる事ができるかどうかの予測可能性について検討した。即ち、従来の、株価データから、市場予測で使われるテクニカル分析の中短期の予測に適しているオシレーター系のストキャステイクス(STC)とワコーボリュームレシオ(WVR)、チャート分析のゴールデンクロス(GC)等の指標を、事実あるいは、規則として捉え直し、短期間の売買シミュレーションを行ない、日足による短期間売買において利益獲得を実現するシミュレーションモデルを研究した。本研究では、買い先行のみの売買をシミュレーションしている。

1 0 0 0 OA 千島探験

著者
笹森儀助 編
出版者
笹森儀助
巻号頁・発行日
1893
著者
大森 寛史 和田 哲 五嶋 聖治 中尾 繁
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
Crustacean research (ISSN:02873478)
巻号頁・発行日
no.24, pp.85-92, 1995-12-15
被引用文献数
7

函館湾葛登支岬の潮間帯転石城において,ホンヤドカリの貝殻利用状況と貝殻資源量について調査を行った.コドラート採集の結果,巻貝の出現頻度に比べクロスジムシロガイとタマキビガイを利用している個体の割合が有意に高いことがわかった.ヤドカリの貝殻の種類に対する選好性実験では,クロスジムシロガイを最も好んでいることから,貝殻の種類に対する選好性が貝殻利用状況に影響を与える1つの要因となっていることが示唆された.採集された個体の貝殻サイズの適合度(SAI)はヤドカリのサイズの増加に伴って減少する傾向が認められた.貝殻の種類別にSAIと貝殻資源量との関係についてみると,貝殻資源量が最も多いと思われるサイズの個体は比較的適した大きさの貝殻(SAI=1)を持っており,それより大きい個体ではSAIは1より小さく,それよりも小さい個体ではSAIは1より大きい値となることが明らかになった.すべての個体についてみると,いずれの種類の貝殻を利用している個体も比較的通した貝殻を利用していた.ヤドカリサイズの増加に伴って利用している貝殻の種類が変化していたことから,貝殻の種類を変えることによって,全体としては比較的高いSAIを維持していることが示唆された.
著者
森川 大補 本庄 勝 小塚 宣秀 山口 明 大橋 正良
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.692, pp.143-148, 2004-02-27
被引用文献数
2

我々は,ユーザ自身に関わるプロファイル情報,ユーザ周辺の環境に関するプロファイル情報などをユーザ状況に応じて集約し,個人環境プロファイルとして体系化するユーザプロファイル管理基盤を検討している.本橋では,まず,我々が想定する個人環境プロファイル構築モデルを述べる.次に,個人環境プロファイルのデータモデルとその更新手法について,我々が設計した個人環境プロファイルの実例を交えて述べる.さらに,個人環境プロファイルを活用したサービスのために必要となるイベント検出機能とクエリ処理機能を説明する.
著者
前田 英作 南 泰浩 堂坂 浩二 森 啓 近藤 公久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TL, 思考と言語 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.296, pp.51-56, 2006-10-12

NTTコミュニケーション科学基礎研究所では,2005年より「環境知能」をテーマとした研究プロジェクトを進めている.このプロジェクトの目的は,音声処理,音響処理,言語処理,対話,視覚情報処理,探索,学習,ネットワークなどのコミュニケーションのための情報処理技術を有機的に統合することにあり,それによって実現される新たな生活様式の提案も視野に入れている.本稿では,この取り組みの狙いとこれまでの進展を紹介する.
著者
森田 昭広 古賀 久志 渡辺 俊典 横山 貴紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.30, pp.49-54, 2006-03-17

グラフのマッチング問題は一般に計算量が膨大であるが,問題固有の属性情報などを用いて効率的な探索を実現できる可能性がある.本研究では,グラフマッチング問題が入力2グラフから生成される積グラフの最大クリークを抽出する問題へ還元できることに着目し,その効率化のために2つの属性情報利用アルゴリズムを考案した.1つ目はクリーク抽出の探索過程で属性情報を用いて探索領域を削減する方法,2つ目は積グラフの生成時に属性情報を用いて積グラフの規模自体を抑制する方法である.これらを計算機実験によって比較検証した結果,双方共に有効であるが,特に後者の有効性が顕著であることを確認した.Graph matching problem has a very high computational complexity. But we can reduce it by exploiting domain-specific information such as object's attributes. In this research, where we solve the graph matching problem by reducing it into a maximum clique problem in a product graph generated from the two input graphs, we propose two algorithms, both exploiting attribute information. One is the method of decreasing the search space by using attribute information in the process of maximum clique search. The other is the method of decreasing the size of the product graph by using attribute information during the product graph generation. Through experiments we showed that, although both are effective, the latter dominates the former.
著者
森本 康彦 植野 真臣 柴田 晋吾 横山 節雄 宮寺 庸造
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.581, pp.25-30, 2006-01-21
被引用文献数
1

現在e-Learningシステムの主流となっているWBTの学習コンテンツについて記述する標準規格としてSCORMがある. しかしSCORMは, 教師が通常の授業で行っているような, 学習者の状況に応じて学習者同士で議論させたり, 個別の質問に応じたりという, 本来授業に必須となる学習者のインタラクションによる学習状態遷移を記述することができない. そこで, 本論文では, e-Learning上で, 学習者のインタラクションを中心とした授業を実現させることを目的とし, 現在のSCORMに学習者のインタラクションによる学習状態遷移と各状態でのコントロールを記述する枠組みを追加した(SCORM-LST). さらに, SCORM-LSTに基づくLMSについて提案した. このLMSは, 学習者のインタラクションと教師のコントロールを容易に実現でき, クラスルーム的な授業の展開を可能にする. さらにLMSの標準化とそれを使った教育支援システムの発展が期待できる.