著者
于 楊 日永田 智絵 堀井 隆斗 長井 隆行
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.4F2OS25a03, 2020 (Released:2020-06-19)

近年,スマートフォンやタブレットなどデジタル端末の発展により,ユーザーが視聴できる動画は膨大な量に達している.こうした中で,消費者のニーズに対応するパーソナライズされたビデオコンテンツの分類,検索および配信は依然として解決すべき課題である.一般に,人間は情緒的特性に基づいて映画や音楽を選ぶ傾向がある.従って,感情喚起を分析することで,この課題に対して一つの指針が得られる可能性がある.動画によって喚起される感情は,オーディオとビデオの両方のモダリティに関係している.そこで本研究では,マルチモーダル情報の統合によって動画による感情喚起を推定する深層学習モデルを提案する.映画データベースを用いた実験により,マルチモーダル情報を統合したことによる推定性能の変化について検証し,従来手法に比べ推定精度が向上することを示す.また最近話題となっているAutonomous Sensory Meridian Response (ASMR) 動画を解析し,感情喚起と閲覧回数,高・低評価数など視聴者の行動との関係性を検証する.
著者
楊 芳溟
出版者
日本女性学研究会
雑誌
女性学年報 (ISSN:03895203)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.3-22, 2023-12-16 (Released:2023-12-16)
参考文献数
49

日本に赴任する夫に随伴、ないし日本在住の夫と結婚するために日本に移住した中国人女性は、言語・慣習・法律など多くの障壁ゆえに日本社会において周縁的な位置に置かれ、社会的孤立などの困難を経験しやすい。本稿の目的は、こうした女性らによるインフォーマル経済としての私人「代理購入(以下、代購)」活動に焦点を当てることで、この活動が彼女らの社会経済的位置および自己認識にどのように影響するかを解明することである。こうした変化は、移民女性についての従来の視点、すなわち、下方移動論とエスニック・ビジネス論では捉えきれないものであり、また、私人代購をもっぱら経済活動としてのみ捉える視点からも見えてこないものである。 日本に随伴・結婚移住した中国人女性7名の調査を通じて、私人代購には経済活動として収入を得るという経済的価値があることがまず明らかになった。それだけでなく、私人代購を社会的行為として検討してみると、日本での生活のなかで疎外感と孤独感を感じた女性らにとっては、私人代購には日本社会と接点を持つ手段としての側面はもちろん、母国の人との関係を保つ手段としての側面があることがわかった。また、女性らは消費者との相互作用のなかで、他者から必要とされることを通じて自分の価値を見出しており、私人代購には承認獲得行為としての側面もあることが確認できた。しかし、中国人を対象に行う母国向けの経済活動の多くは中国語でおこなうことができるため、日本社会への統合の側面から見ると私人代購には限界もあることを指摘しなければならない。
著者
佐藤 奨平 川手 督也 李 裕敬 楊 上禾
出版者
日本フードシステム学会
雑誌
フードシステム研究 (ISSN:13410296)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.304-309, 2021 (Released:2021-03-25)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

In Taiwan in recent years, the sales volume of organic agricultural products and foods has been increasing year by year, and the organic market is growing, against the backdrop of heightened awareness of safety, security and health. Recent research is revealing the actual situation of building an organic food chain in Taiwan, but the actual situation of the efforts of co-ops is unclear. The Homemakers Union Consumers Co-op, which is a nationwide organization, was established for the purpose of creating a safe environment for obtaining safe food. In addition, this co-op aims to realize a sustainable society by building a food chain of organic agricultural products and food. This article reveals that the collaborative product development process plays an important role.
著者
佐藤 奨平 川手 督也 李 裕敬 楊 上禾
出版者
日本フードシステム学会
雑誌
フードシステム研究 (ISSN:13410296)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.280-285, 2022 (Released:2022-03-31)
参考文献数
13

This study clarifies the actual conditions of organic food products and business development in food manufacturers to understand the actual conditions of the organic food business in Taiwan. In particular, we examine the case of SauceCo Co., Ltd. Results of the analysis reveal that SauceCo has expanded the organic food category through innovation and marketing. SauceCo’s organic food and management development are not limited to the innovation process. Marketing, especially the opportunity for direct communication such as the NCHU Organic Farmers Market, is also used to develop and improve organic foods.
著者
楊 虹
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.162, pp.66-81, 2015 (Released:2017-12-26)
参考文献数
19

本研究は,話題上の話し手・聞き手の役割交替の様相を分析し,中日母語場面の話題展開のパターン及び中日母語話者の話題上の聞き手としての会話の参加の仕方の相違を明らかにした。分析の結果,1.日本語母語場面と比べ,中国語母語場面では,話し手と聞き手の役割交替が頻繁に見られ,聞き手側だった参加者が話し手役割の発話をする場合が多く見られることがわかった。2.「役割固定型」「協調的役割交替型」「役割回帰型」「話し手役割競合型」という4つの話題展開のパターンが見られ,この4つのパターンの生起分布について,中日母語場面を比較したところ,有意差が見られた。一つの話題が展開していくプロセスにおいて,日本語母語場面では,話題上の話し手と聞き手が比較的固定的であるのに対して,中国語母語場面では,会話参加者の双方が話し手役割をめぐって交渉する場面も多く見られるという中日母語場面の異なる特徴が明らかになった。
著者
王 麗楊 用稲 栄 寒川 昌平 谷野 彰子 山田 佐知子 桑原 隆
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.51, no.10, pp.617-620, 2018 (Released:2018-10-30)
参考文献数
9
被引用文献数
1

【目的】われわれはクロライドチャネル活性化下剤であるルビプロストンの透析患者に対する血清電解質に及ぼす影響を検討した. 【対象と方法】従来の便秘薬では効果のない慢性便秘症の血液透析患者7名に本薬を追加投与し, 血清電解質の変化を8週間検討した. 【結果】全例で排便の改善を認めたが, 1名が嘔気のため2週後に, 2名が下痢のため4週後, 6週後に内服を中止した. 血中リン濃度 (mg/dL) は, 投与2週後には, 5.8±0.9から5.1±0.8 (n=7, p=0.034) へと低下し, 4週後には継続した6名中5名, 8週後には4名全例で投与前より低い値を維持した. 中止例はすべて中止後リン値が上昇した. 投与前後2週間では, 収縮期血圧は変化を認めなかったが, 投与前除水困難の症例を除く6例全例で除水量が減少した. 【結論】ルビプロストンは慢性便秘症の透析患者の高リン血症を改善した.
著者
井上 達彦 鄭 雅方 坂井 貴之 楊 稼怡
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.29-41, 2022-03-31 (Released:2022-03-31)
参考文献数
21

ビジネスモデルというのは儲けの仕組みであり,その本質は「価値の創造と価値の獲得」にある。価値の創造と獲得についてはマーケティングでも早くから注目されており,価値創造については顧客との相互作用の視点,価値獲得については価格づけの視点でそれぞれ検討されてきた。しかし,価格づけにおいて「収益モデル」自体を見直すという発想には至らなかったし,価値創造と獲得の視点が統合されることもなかった。そこで本稿では,収益モデルや価値創造の方法に注目する。顧客との活発な相互作用によって価値創造をしている中国のショートムービーアプリを分析することで,価値創造と獲得の整合性と,マーケティング研究におけるビジネスモデル概念の意義を探る。
著者
楊 丹 中園 眞人 牛島 朗
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.83, no.744, pp.209-218, 2018 (Released:2018-02-28)
被引用文献数
3 2

Through collecting and arranging the historical and archaeological data about Manchu residence in Northeast China, this paper aims to analyze the evolution process of Manchu residence form(primitive cave dwelling, semi- subterranean dwelling, above-ground-Courtyard Residence) and heating(stove-Huodilong-original Kang-Wanzi Kang). China's Manchu and their ancestors have three times to rise, the sphere expands, agriculture develops, and communication with other ethnic groups deepens, so they also have three times quantum leap in residence form. The first time is that the residence form evolves from primitive cave dwelling into semi- subterranean dwelling. Sushen and Yilou people's building technology was lower and they had to live in deep cave to endure cold. In 5-10 century, Wuji and Mohe people began to widely use pillars to support beam and their technology for building roofs was also more mature, the depth of the cave also became shallower, and the semi-underground residence was formed. And at this time the heating method evolved from primitive stove into Huodilong that the shape was “┓”and it had one narrow flue to connect stove and smoke vent. The second time is that the residence form evolves from semi-subterranean dwelling into above-ground. In 10-12 century, the Jin Dynasty, Jurchen people's heating method had been greatly improved, it evolved from Huodilong which had only one flue into primitive Kang which had three or four flues. Primitive Kang solved the heating problem and it was a necessary condition for Jurchen people to build the above-ground dwelling. Besides, Jurchen people mastered the construction method that how to build the roof on the vertical wall, so they had the technical conditions for building the above-ground dwelling. The third time is that the residence eventually evolves into the courtyard form. In late 16th century-early 17th century, the later Jin Dynasty, Jurchen people's sphere was expanded and the residential culture was influenced by the Han-nationality, the 2-span's residence appeared that the bedroom and kitchen was separated by wall. After that, the building scale was expanded and the 3-span's residence which called Pocket room generally appeared. And then, in the bedroom, three sides (south, west and norths) were built Wanzi Kang and the Wosaku was hanged on the west wall which preserved genealogy and ancestors' portraits, the Kuahai chimney stood beside the west gable wall. They constitute the characteristics of Manchu residence. Qing army entered the Central Plains in the mid-17th century, the east-west symmetrical residence type appeared that had one kitchen and two bedrooms. But because the west room was the Manchu people's important place for religious activities and it needed larger area, so the 4-span's residence appeared. Since the 19th century with the raise of Manchu economic and social status, the building scale expanded again, Manchu people generally built the symmetrical 5-span's residence which liked the Han's. And most of middle-class and upper-middle-class Manchu people imitated the Han's residence style to build three-section-compound and Siheyuan. Generally, the west-wing-room is warehouse and the east-wing-room is stored food, if family is big, the west-wing-room is also used to live.
著者
楊 紅梅 齋藤 健司
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
日本体育・スポーツ・健康学会予稿集 第72回(2022) (ISSN:24367257)
巻号頁・発行日
pp.399, 2022 (Released:2022-12-22)

日本における相撲の歴史は長く、奈良時代の相撲節会、鎌倉時代の武家相撲、江戸時代の勧進相撲など、多様な形式で行われて。特に、江戸時代になると全国で勧進相撲が興行として行われ、1781年に相撲会所が結成され、庶民の娯楽文化として定着した。その後、江戸時代が終了し、西洋文化を取り入れて明治維新、日本社会の近代化がすすめられる過程で、このような社会の変革に相撲団体も対応し存続を図る必要性が生じた。そして、1889年に東京大角力協会が結成され、1925年に財団法人大日本相撲協会が設立されました。この財団法人大日本相撲協会の設立以後、日本においては、相撲協会が法人化に伴う組織改革を繰り返しながら団体組織として維持発展してきた。本研究は、日本の伝統的な文化である相撲が近代社会の変革に対応し、西洋の文化及び制度との衝突を克服することができたのは、この団体の法人化にあると考えた。そこで、まず、本研究では、相撲協会が初めて法人化された1925年の大日本相撲協会の設立までを研究の対象とし、相撲協会の法人化の過程を明らかにし、法人化の歴史的な意義を考察することを研究の目的とした。また、本研究では、相撲協会の財団法人化という制度の変化について、歴史的新制度論の分析の視角に基づいて、歴史的な制度の変化の過程を明らかにした。相撲協会の財団法人化という制度の変化がどのような歴史的過程で行われたのか、制度の変化に影響を与えた歴史的事実や関係するアクターの行動を明らかにした。また、1925年の大日本相撲協会の財団法人化の政策決定過程について考察した。具体的には、1909年に常設館が開館し国技として大相撲興行制度が整備されていく過程、1925年に摂政杯を契機に東、西相撲協会が合併し、大相撲が統一され、その後財団法人となる過程、そして財団法人設立後、組織·制度などの改革が行われる過程を明らかにした。

2 0 0 0 OA あつま風俗四

著者
楊洲周延
出版者
松木平吉
雑誌
安津末風俗
巻号頁・発行日
1901