著者
村井 源
雑誌
じんもんこん2020論文集
巻号頁・発行日
vol.2020, pp.157-164, 2020-12-05

複雑な物語構造をもった物語ジャンルに対して,基本的な物語のパターンの重ね合わせとして物語構造をデータ化する手法を提案した.また提案手法を用いてブラック・ジャック98話の構造を43種類のパターンで記述し,パターンの共起から7つの因子を抽出した.さらにこれらの抽出結果に読者の人気投票を合わせて用いることで,読者の評価に強く影響する物語の要素を計量的に特定した.
著者
藤村 匠 内田 豪気 春松 敏夫 加藤 源俊 石岡 茂樹 小森 広嗣 下島 直樹 佐藤 裕之 廣部 誠一
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.310-314, 2017-04-20 (Released:2017-04-20)
参考文献数
17

今回,我々は膣欠損を合併した直腸膣前庭瘻に鎖肛根治術と同時に小腸グラフトを用いた膣形成を施行した1 例を経験したので報告する.症例は9 か月の女児.出生時に肛門を認めず,日齢2 に人工肛門造設された後に当院紹介となった.直腸膣前庭瘻に対する術前造影で腟欠損に気づき,腹腔鏡による内性器精査で遠位膣欠損と左右に分かれた子宮,正常の卵巣を認め,染色体核型は46XX で,Mayer-Rokitansky-Küster-Hauser 症候群と診断された.本例は体重増加を待って1 歳11 か月時にanterior sagittal anorectoplasty(ASARP)と同時に小腸グラフトを利用した膣形成が行われた.女児鎖肛・前庭瘻症例は婦人科系臓器の形成異常をしばしば伴う.会陰部所見のみでそれらを把握することは困難で,術前造影時に膣造影で診断し,同時に肛門形成・膣形成を行うことは治療戦略として有用である.
著者
柴 裕子 溝尻 源太郎 野崎 智嗣
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.184-191, 1995-04-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
22
被引用文献数
4 2

声門閉鎖不全は, 声帯突起の部位は閉鎖し声門膜間部にのみ閉鎖不全がみられるものと, 声帯突起の部位が閉鎖せず声門軟骨間部から声門膜間部にかけて後方を底とした三角形の声門閉鎖不全がみられるものとに大別される.後者は, Posterior Glottal Chink (PGC) と呼ばれ, 声帯結節との関連が注目されている.われわれは, 声帯結節31例をPGCの有無によってPGC (+) 16例, PGC (-) 15例に分類し, 比較検討した.その結果, 1.PGC (+) 群では硬起声や, 起声時の声帯の過内転が高頻度にみられ, PGCと過緊張性発声の関連が示唆された.2.声帯結節31例の音声は, 平均すると気息性を特徴とする軽度の嗄声で, 総合的嗄声度ではPGC (+) 群がPGC (-) 群より悪化していた.音響分析の結果には両群間に差はなかった.3.PGC (+) 群はPGC (-) 群より発声時の声門間隙が大きく, 呼気流率の上昇と発声持続時間の短縮がみられた.
著者
小松 源一 河合 彊 神吉 義明
出版者
公益社団法人 日本マリンエンジニアリング学会
雑誌
日本舶用機関学会誌 (ISSN:03883051)
巻号頁・発行日
vol.16, no.6, pp.508-514, 1981 (Released:2010-05-31)
参考文献数
7

In the marine Diesel engine, there still remains problems about the relation between thermal loads of engines and the indicated values of thermometer. Therefore, the exact measurement of exhaust gas temperature has expected up to the present. The indicated value is mainly affected by two factors which are the measurement factors of exhaust gas temperature and the gas flow in the exhaust pipe, and it is still not clear how these two factors affect the indicated value.In this study the measurement factors affecting on the indicated value were examined, using two kinds of steady state exhaust gases in the duct and the thermometer well which was filled several thermocouples up the axial surface. Owing to the results, the temperature of the tip of well usually is different from gas temperature, even if the longitudinal length of well takes enough. Therefore, it seems that it is not suitable to make the reading gas temperature, the correcting of the reading is necessary to take account thermal characteristics of well in the duct.
著者
源河 朝治 神里 みどり
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.87-96, 2022 (Released:2022-07-28)
参考文献数
37

【目的】放射線療法後の頭頸部がんサバイバーにおける晩期有害事象と社会的困難との関連を明らかにする.【方法】照射後1年以上が経過した頭頸部がんサバイバーの症状を既存の疾患特異的QOL尺度の一部で評価した.分析は記述統計を行い,社会的困難と晩期有害事象および基本的属性との関連を検討した.【結果】対象者は73人(回収率70.8%)であった.晩期有害事象は口腔乾燥の有症率および重症度が最も高かった(79.5%).また,社会的困難は会食時の困難の有症率が最も高く(87.7%),会話困難の重症度が最も高かった.照射後5年以上経過した群は症状の重症度が高く,社会的困難と晩期有害事象には有意な正の相関がみられた.社会的困難は嚥下障害と唾液異常,手術歴と関連していた.【結論】頭頸部がんサバイバーは長期にわたり複数の晩期有害事象と社会的困難を有していた.今後は外来にて包括的なアセスメントとケアを行う必要がある.
著者
高橋源次編
出版者
旺文社
巻号頁・発行日
1972
著者
多々良 源 河野 浩 柴田 絢也
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

スピン伝導現象と制御(スピントロニクス)は基礎科学と応用の両面で緊急かつ重要な課題である。本研究ではスピントロニクス現象において本質的な役割を担っているスピンに作用する有効電場及び有効磁場に関する理論的解析をおこなった。その結果、それらの場は電荷に作用する通常の電磁気現象と同様の数学的構造をもち、これによりエレクトロニクスと同等な信頼性をもつデバイス設計が可能であることが明らかになった。また、スピンの運ぶ情報を電荷情報に変換するためにはスピン軌道相互作用が重要な役割をしていることもわかった。この変換をスピンの電磁気学の観点でみると、磁化の運動からモノポールが誘起されアンペール則により起電力が発生するという新たな現象であることがわかった。このことはスピントロニクスをエレクトロニクスに融合させる上での新たな可能性を示唆している。

1 0 0 0 OA 大日本史

著者
源光圀 編
出版者
吉川半七
巻号頁・発行日
vol.第9冊 巻74−85 列伝, 1900
著者
加藤 源俊 下島 直樹 富田 紘史 廣部 誠一
出版者
日本小児放射線学会
雑誌
日本小児放射線学会雑誌 (ISSN:09188487)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.72-77, 2019 (Released:2019-11-22)
参考文献数
15

急性虫垂炎は小児の急性腹症をきたすcommon diseaseである.急性虫垂炎と診断された場合,標準治療は手術による虫垂の切除だが,複雑性虫垂炎に対してはinterval appendectomy(以下,IA)を選択することもある.軽症の場合,手術や抗菌薬投与を行わずとも症状の軽快が得られるspontaneously resolving appendicitis(以下,SRA)の報告もある.東京都立小児総合医療センター(以下,当施設)では,急性虫垂炎が疑われる場合は小児外科医が超音波検査を施行,急性虫垂炎の確定診断及び当施設独自のGrade分類を行い,治療方針を決定している.虫垂壁の構造が保たれている,または不整であっても血流が亢進している場合は,補液のみで経過観察を行う.壁構造の不整かつ血流の低下,もしくは壁構造の消失がみられる場合は準緊急的な手術,もしくはIAの方針としている.腫瘤形成性虫垂炎に対しては,抗生剤加療を先行し,膿瘍消失後3か月以降にIAを行っている.超音波による虫垂の形態評価,血流評価は,急性虫垂炎の診断のみならず,治療方針を決める上で有用であると考えられた.
著者
玄 丞烋 車 源日 筏 義人
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.46, no.11, pp.673-680, 1989-11-25 (Released:2010-11-22)
参考文献数
11
被引用文献数
30 40

ポリビニルアルコール (PVA) 濃厚水溶液を凍結させた後, 0℃付近の低温にて徐々に解凍させることにより高含水率で高強度なPVAハイドロゲルが得られる. 重合度1750, けん化度99.5mol%のPVA濃度30wt%の水溶液を-20℃で24時間凍結させた後, 5℃にて10時間かけて徐々に解凍させて得られたPVAハイドロゲルの強伸度はそれぞれ約60kg/cm2. と500%を示すのに対し, 同じ条件下で凍結させ, 室温下, 3時間で解凍させたPVAハイドロゲルの強伸度は35kg/cm2と400%であった. PVAハイドロゲルはPVA濃厚水溶液の凍結の際水相とPVA相とに相分離され, その後の低温結晶化により多孔質構造が形成される. X-線回折とSEM観察からPVAハイドロゲルは微結晶をもつミクロ多孔質構造であることが認められた.
著者
若松 弘也 山田 健介 勝田 哲史 白源 清貴 松本 聡 松本 美志也
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.347-353, 2018-05-15 (Released:2018-06-23)

2015年10月に発表されたJRC蘇生ガイドライン2015における一次救命処置の推奨は次の通りである.胸骨圧迫のテンポは,100〜120回/分を推奨する.胸骨圧迫の深さは,6cmを超える過剰な圧迫を避けつつ,約5cmの深さで行うことを推奨する.CPR中の胸骨圧迫の中断は最小限とし,胸骨圧迫比率をできるだけ高くして,少なくとも60%とすることを提案する.心停止の疑いのある人の近くにいる,意思がありCPRを実施できる人に,ソーシャルメディアなどのテクノロジーを用いて情報提供することを提案する.JRC蘇生ガイドライン2015で強調されている胸骨圧迫の重要性は,ガイドライン2005,2010から引き継がれている.