著者
丹羽,源男
出版者
日本歯科医史学会
雑誌
日本歯科医史学会会誌
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, 1995-09-30

歯科をはじめ,今日の生活に広く活用されているフッ素は,発見がたいへん困難で「化学者泣かせ」だった.フッ素を人類にもたらした3人の化学者を紹介する.
著者
鴨井 久博 小倉 喜一郎 佐藤 勉 丹羽 源男 鴨井 久一
出版者
Japanese Society for Oral Health
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.185-190, 2001-04-30 (Released:2017-12-08)
参考文献数
13

亜鉛(Zn)は必須微量元素の1つで,その摂取不良は成長遅延や免疫低下,味覚異常など多岐にわたる臨床症状を示すことが知られているが,Zn欠乏時の臨床症状の発現機構やZn代謝については不明な部分も多い。このため,本研究では口腔粘膜組織,おもに歯列組織周辺に対するZn欠乏の影響を調べる目的で,生後4週齢のWistar系雄性ラット12匹を対照群とZn欠乏群の2群に分け,特殊精製粉末飼料にて3週間飼育した。その結果,Zn欠乏群において体重増加は対照群に比べ緩やかであり,実験開始2週目ころより腹部,頸部などにおける脱毛がみられ,血清Zn濃度,血清ALP活性ともに価値であった。走査電子顕微鏡観察においては,Zn欠乏群に異物の蓄積や不規則な形態を呈した。また光学顕微鏡観察では今回の実験においてZn欠乏群に歯局組織の変化はみられなかったが,口蓋部における粘膜表層の角化や歯肉境移行部付近から頬粘膜にかけて錯角化が観察された。
著者
藤田 祐一 栗栖 源嗣
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.066-071, 2011 (Released:2011-03-30)
参考文献数
25
被引用文献数
1

Protochlorophyllide (Pchlide) reduction is the final step to make up the spectroscopic properties of chlorophyll a in biosynthesis of chlorophyll. During evolution, photosynthetic organisms have invented two structurally unrelated Pchlide reductases; light-dependent Pchlide reductase (LPOR) and light-independent (dark-operative) Pchlide reductase (DPOR). LPOR is an NADPH-dependent enzyme operating as a key enzyme for the light-dependent greening in angiosperms, and DPOR is a nitrogenase-like enzyme that allows gymnosperms, algae, cyanobacteria and photosynthetic bacteria to produce (bacterio)chlorophylls even in the dark. We will review recent major research progresses on Pchlide reductases, especially, crystallographic structure and proposed reaction mechanism of DPOR. Differential operation and evolutionary implications of these enzymes are also discussed.
著者
高木 源
出版者
東北福祉大学
雑誌
東北福祉大学研究紀要 = Bulletin of Tohoku Fukushi University (ISSN:13405012)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.47-54, 2022-03-18

解決志向短期療法は目標に焦点を当てる支援モデルであり,特に,具体的で実現可能な目標を設定することが重要となる。そこで,本研究では,大学生・大学院生320 名を対象として実施された調査の目標に関する記述データおよび目標の具体性および実現可能性に対する専門家の評価を用いて,目標の記述内容を入力値,専門家の評価を出力値とする機械学習を行い,その精度を確認した。その結果,具体性の精度は83.75% から84.37%,実現可能性の精度は73.84% から76.25% であり,いずれも意味のある予測がなされていると考えられた。また,具体性が高いと評価された目標には,行動水準の記述が多く,目で見て確認ができるような目標が,具体性が高い目標として,評価されていると考えられた。次に,実現可能性が高いと評価された目標には,自分自身の行動や一人でも達成できるような目標が,実現可能性が高い目標として,評価されていると考えられた。これらの結果から,幾らか改善が必要となる点はあるものの,目標の具体性および実現可能性を機械的に評価することが可能だと考えられた。
著者
沼知 寿美子 佐藤 光源
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1995

メタンフェタミン(MAP)やアンフェタミン(AMP)などの覚せい剤を長期反復投与した際に観察される逆耐性現象(以下逆耐性と略)は,その出現様式,行動内容の変化及び抗精神病薬への反応性の類似から覚せい剤神経病の発症と再発の生物学的機序に関する研究モデルとされている.逆耐性に最も直接的に関連した神経化学的な変化は逆耐性形成動物に覚せい剤を再投与した際のドパミン(DA)作動性神経終末からのDAの過剰放出である.低用量の覚せい剤はドパミントランスポーター(DAT)に作用してDAを細胞外へ輸送する(交換拡散モデル:FischerとCho.1979)と考えられており,最近DATの発現を阻止したマウスでは上記のDA過剰放出や逆耐性が形成されないことが確認された(Girosら,1996)ことから逆耐性形成時にはDATのDA放出機構に何らかの異常が生じている可能性が示唆されている.そこで今回我々はMAP逆耐性形成後断薬7日目の,1.ラット脳線条体を用いてDATに特異的なリガンドである〔^<125>I〕RTI 55の結合実験を行い,逆耐性に伴うDATの変化を検討し,2.定常状態での^<11>C-MAPの脳内動態の変化について検討した.非線形最小二乗法による解析の結果,DATへの〔^<125>I〕RTI 55の特異結合は高親和性,低親和性部位の2つが存在した.解離恒数(Xd)に関しては両群に有意な差は認められなかったが,逆耐性群では高親和性部位の最大結合数(Bmax)が対照群に比較して有意に増加していた(p<0.05,t-test)).しかし,^<11>C-MAPの脳内動態は線条体,側坐核/嗅結節,小脳のいずれの部位でも両群に有意な差は認められなかった.最近,コカイン誘導体で標識されるDATの高親和性部位はDAT機能を反映することが報告されており,今回の結果はMAP逆耐性に伴って少なくとも断薬7日目にはDATの高親和性部位のBmaxが増加し,再投与の際のDA過剰放出の一部に関与することを示唆すものであるが,薬物動態の変化はある特定の神経細胞の変化のみでは説明が困難であると考察した.
著者
宮崎 正 小浜 源郁 手島 貞一 大橋 靖 高橋 庄二郎 道 健一 待田 順治 河合 幹 筒井 英夫 下里 常弘 田代 英雄 田縁 昭 西尾 順太郎
出版者
一般社団法人 日本口蓋裂学会
雑誌
日本口蓋裂学会雑誌 (ISSN:03865185)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.191-195, 1985-12-31 (Released:2013-02-19)
参考文献数
20
被引用文献数
1

昭和56年-57年の口唇裂口蓋裂の発生率について全国15都道府県の1009産科医療機関を対象に調査を行い,以下の結果を得た.1.調査施設における全出産数(死産も含む)は384,230名で,そのうち口唇裂口蓋裂児は701名で発生率は0.182%であった.2.各裂型ごとの発生率は口唇裂0.052%,口唇口蓋裂0.086%,口蓋裂0.037%であった.3.調査地域を東日本と西日本に区分し,地域別発生率を比較すると,西日本の方がやや高率に本症が発生する傾向が見られた.
著者
松田 雛乃 村井 源
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.289-296, 2020-05-23 (Released:2020-06-30)
参考文献数
10
被引用文献数
1

本研究では日記の重要性に着目し,書き手の属性による文体特徴の差異の分析を行った.ブログから文章を収集し,文体特徴を示す単語を抽出した.tf-idfを用いて作成した単語ベクトルで因子分析を行い,老年男性・老年女性・若年男性・若年女性の4カテゴリの文体特徴を分析した.その結果,属性による文体の差異が判明した.また,全カテゴリ共通の文体特徴などが見られた.
著者
有村 源一郎 上村 卓矢 八代 拓也
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
化学と生物 (ISSN:0453073X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.428-432, 2019-07-01 (Released:2020-07-01)
参考文献数
13

植物由来アロマ成分(香り・匂い)は,植物の生存戦略において重要な役割を担う.われわれのよく知る花の香り以外にも,害虫に食べられることでも植物の匂いは放出される.これらの匂いは,害虫の天敵をひきつけ,周囲の植物にも「危険」を知らせる警報としての役割を担う.このように,動けない植物は匂いを駆使することで周囲の生物とコミュニケーションを図る(1).植物アロマ成分であるテルペン類は,抗虫性,抗炎症,抗がん,およびリラクゼーション(抗ストレス)などの多岐にわたる薬理効果が備わることから,世界中の研究者や医療関係者から注目されている.本稿では,植物が作り出す揮発性テルペンなどの生態系における機能,当該成分を利用した有機農法の開発,新たな医薬品(漢方)および機能性食品成分としての可能性について紹介する.
著者
原中 喜源 石合 嘉紀 栗原 亮
出版者
公益社団法人 自動車技術会
雑誌
自動車技術会論文集 (ISSN:02878321)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.551-557, 2010 (Released:2010-06-16)
参考文献数
15
被引用文献数
1

本実験ではサーキットを運転中のプロドライバの前頭前野の脳波活動を高精度携帯型脳波計により計測した. その結果, 単独走行と他車との間に追い越しがある混走では前頭前野のα波とβ波の活動が異なることが示唆された. また, 単独走行のβ波とラップタイムの関係のレース車両開発への応用の可能性を検討した.
著者
田中 陽平 高野 弘基 滑川 将気 鈴木 倫明 源甲斐 信行 阿部 博史
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
pp.10825, (Released:2020-12-15)
参考文献数
15

要旨:症例は47歳女性,廊下で倒れているところを発見され当院に救急搬送された.診察上左共同偏視,全失語,右重度片麻痺,右半側空間無視を認めた.頭部MRIは左中大脳動脈M1近位閉塞を認めた.経皮的血栓回収療法を行い完全再開通を得た.術後,3D-CTAで左内頸動脈起始部に突出する構造物を認め,carotid webと診断し,他に塞栓源を認めなかったため,この病変が塞栓源であると考えた.Carotid webに対し頸動脈ステント留置術(CAS)を行い,術後経過は良好である.Carotid webは頸部内頸動脈起始部後壁にできる棚状構造物で,脳梗塞の塞栓源の一つと考えられている.内科的治療単独では高率に脳梗塞を再発するといわれており,外科治療が考慮される.本例のように,carotid webに対するCASは安全に施行可能であり,有用な再発予防の選択肢の一つと考える.

1 0 0 0 OA 金葉和歌集

著者
[源俊頼 奉勅撰]
出版者
[歌書刊行会]
巻号頁・発行日
vol.巻第1-10, 1909