著者
中島 英博 深堀 聰子 田中 一孝 斎藤 有吾 長沼 祥太郎
出版者
一般社団法人 大学教育学会
雑誌
大学教育学会誌 (ISSN:13442449)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.35-38, 2022 (Released:2023-06-23)
参考文献数
2

This study empirically examined how higher education institutions are transformed through the development of a teaching and learning management system. Under the cooperation of the mechanical engineering faculty at Kyushu University, we discuss how program-level educational goals are reflected in subject-level educational goals within a group of faculty members and how they are evaluated in charge of the subjects. The main conclusions are as follows. First, expert judgment was cultivated at a high level among faculty members, regardless of whether they had experience in teaching and learning management. The feature of the discipline of mechanical engineering and the organizational routines contribute to enhancing the expert judgment among faculty members. Second, organizational routines sharing educational goals and evaluation tasks between skilled and junior faculty members and the sharing of educational goals at the program level through the confirmation of graduate school entrance exam questions are the keys to enhancing organizational learning.
著者
久保 公利 早坂 秀平 田中 一光
出版者
道南医学会
雑誌
道南医学会ジャーナル (ISSN:2433667X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.29-33, 2023 (Released:2023-06-01)
参考文献数
10

【背景】「ピュアスタット®」は消化器内視鏡治療における漏出性出血に対して使用される吸収性局所止血剤(自己組織化ペプチド技術を用いた透明なペプチド溶液)であり、血液と反応しハイドロゲルを形成することにより出血点を物理的に塞いで止血するのが特徴である。2021年12月に保険適用が開始され、安全性が高く簡便であることから当院では2022年2月に導入した。【目的】当院におけるピュアスタット®を用いた止血の現状について検証すること。【対象】2022年2月から2022年8月までに使用した34例を対象として、1)リスク因子、2)適用部位、3)適用疾患、4)出血の程度と止血方法、5) 止血率について検証した。【結果】34例のうち,男性は19例,女性は15例で,平均年齢は75.4歳であった。1)抗血栓薬の服用 18例、肝硬変 1例、透析 1例であった。2)胃 16例、大腸 9例、十二指腸乳頭 5例、十二指腸 3例、胃管 1例であった。3) 内視鏡治療中出血 16例(EMR 7例、ESD 5例、Precut 3例、Cold polypectomy 1例)、消化性潰瘍 8例(胃 3例、十二指腸 3例、直腸 2例)、内視鏡治療後出血 4例(Precut 2例、胃瘻造設術 1例、ESD 1例)、胃癌出血 3例、胃粘膜出血 2例、胃静脈瘤破裂 1例であった。4) 漏出性 27例(単独 12例、クリップ併用 12例、止血鉗子併用 3例)、噴出性 5例(クリップ併用 3例、止血鉗子併用 2例)、拍動性 2例(クリップ併用 2例)であった。5)97.1% (33/34)であった。【結語】ピュアスタット®は漏出性出血のみならず拍動性/噴出性出血に対する止血方法の選択肢として有用であり、他の止血方法(クリップ、止血鉗子)と組み合わせて使用すると有効である。
著者
塩崎 恭平 田中 一晶 中西 英之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第27回 (2013) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1G52in, 2013 (Released:2018-07-30)

ビデオチャットにおいて,ロボットを用いて身体動作や身体接触を再現する場合,映像とロボットを組み合わせたシステムのデザインによってソーシャルテレプレゼンスが変動する可能性がある.本研究では,身体接触と身体動作を再現する指相撲ロボットハンドを開発し,ロボットハンドの配置や操作者の映像の範囲を変えて組み合わせた.これらの方法がソーシャルテレプレゼンスにどのような影響を与えるか検証する実験を行った.
著者
牧 祥 本間 善之 土屋 英俊 田中 一成 青木 滋 武岡 元 三木 猛生 大島 博 山本 雅文 森本 泰夫 小川 康恭 向井 千秋
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.7-18, 2013-06-28 (Released:2017-09-04)
参考文献数
16

地上の1/6の重力環境(1/6G)の気相中における浮遊粒子状物質(SPM)の挙動を調べるため、パラボリックフライトによる擬似弱重力環境下で模擬月砂粒子(シュミラント)を実際にチャンバー内で拡散させた。エルトリエータのカットオフ値が1/6Gでは√<6>倍に増加することを利用し、気相中の浮遊粒子状物質(SPM)の重力影響を検証した。その結果、気相中の弱重力環境下を浮遊するSPMの沈降速度がストークスの式を使って表せることを明らかにするとともに、浮遊時間が重力の逆数に比例することを示した。SPMの粒径別濃度変化を数値計算した結果、重力が低く、天井が高い屋内ほど粒子が長時間残留することが示唆された。これは月面上でダストが屋内に侵入した場合、その除染作業に多くの時間がかかることを意味している。浮遊時間が粒径により異なるため、ばく露の危険性も粒径で異なっていると考えられる。ばく露の危険性がSPMの浮遊時間の長さにのみ依存すると考えるのであれば、粒径1.0μm以下の微細粒子や10μm以上の大形粒子には、重力差の影響を考慮した対策は必要ない。一方、粒径2.5〜10μmの粒子は、地上では浮遊時間が比較的短いが、月面上ではやや長時間浮遊する。この範囲の大きさのSPMに対しては、安全基準を厳格化などの新たな対策が必要であると考える。

1 0 0 0 OA 十年雑感

著者
田中 一生
出版者
東欧史研究会
雑誌
東欧史研究 (ISSN:03866904)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.173-177, 1986 (Released:2017-09-28)
著者
乳井 美樹 田中 一正
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.10, no.3, pp.427-431, 2001-03-31 (Released:2018-08-07)
参考文献数
17

慢性閉塞性肺疾患患者の航空機内労作における経皮的酸素飽和度(SAT)測定を経験した.日常生活においてはSATは96%を保持し,運動負荷でもSATの低下を認めず日頃ゴルフを楽しんでいる患者であるが,航空機内ではSAT 85%前後,機内移動時のSATは75%と著しい低酸素血症を示した.以上より慢性閉塞性肺疾患患者の航空機での移動には危険性を伴うことが確認された.
著者
田中 一晶 小山 直毅 小川 浩平 石黒 浩
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.622-632, 2018-02-15

人とインタラクションを行うロボットの感情表現は,感情状態をそのまま表現するか,感情状態とは無関係に社会性を表現するか,いずれかの方針で設計されている場合が多い.本研究では,これらの感情表現を情動的表現,社会的表現と定義し,新たに両方を組み合わせた感情表現手法を提案した.人が愛想笑いを行うとき,目元の表情には感情が不随意に表れるが,口元の表情を随意に変化させて微笑むといわれている.この知見に基づいて,提案手法では,目元は情動的表現によって,口元は社会的表現によって表情を決定する.人との対話実験において,提案手法を実装したロボットと一方の感情表現しか行わないロボットとを比較した結果,提案手法は人間らしい印象と社会的な印象の両方において高い評価が得られる可能性が示唆された.さらに,親密さの評価として,友だちになりたいなど,強い社会的結合を必要としない項目の評価では社会的表現が有効に働くが,一緒に生活したいなど,より強い社会的結合を必要とする項目の評価では,情動的表現も必要であることが示唆された.
著者
鵜澤 吉宏 金子 教宏 田代 尚範 宮川 哲夫 田中 一正 押味 由香
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.67-70, 2007-04-27 (Released:2017-04-20)
参考文献数
11

3学会合同呼吸療法認定士が,資格取得後どのように呼吸療法へかかわっているかについて全国規模のアンケート調査を実施した.回答者の意見として資格の取得を通じた学習で知識の向上は得られたと感じているが,業務への反映が不十分であること,呼吸療法業務に従事していない者が多くみられた.本制度への今後の希望は資格制度の発展への期待が最も多く,続いて職場環境の充実,教育体制の確立などの意見もみられた.
著者
道浦 大祐 中原 佳夫 宇野 和行 田中 一郎
出版者
公益社団法人 日本材料学会
雑誌
材料 (ISSN:05145163)
巻号頁・発行日
vol.65, no.9, pp.652-655, 2016-09-15 (Released:2016-09-20)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

We improved the carrier mobility of the pentacene thin film transistors (TFT), which were fabricated with polysilsesquioxane (PSQ) gate dielectric layers, from 0.082 to 0.31 cm2V-1s-1 by treating the PSQ surface with ultra-violet irradiation (UV)/O3 and 1,1,1,3,3,3-hexamethyldisilazane (HMDS). It was found that the PSQ layers were flattened by the UV/O3 treatment, and the PSQ surface became hydrophilic at the same time because the organic functional groups on the PSQ surface were changed to hydroxyl groups. The grains of the pentacene films deposited on the UV/O3-treated PSQ surfaces were found to be as large as a few microns. However, the carrier mobility of the pentacene TFTs was not so much improved as expected from the largely grown pentacene grains probably because the hydroxyl groups scattered the charged carriers. In addition, the off-current of the pentacene TFTs increased by 4 orders of magnitude. It is thus considered that the hydroxyl groups also worked as hopping sites for the increased off-current which flew without the gate voltage. On the other hand, the carrier mobility of the pentacene TFTs fabricated with the PSQ dielectric layers of which surfaces were treated with UV/O3 and HMDS became ~4 times larger than that without any surface treatment of the PSQ layers, and also the off-current decreased by 3 orders of magnitude because the hydroxyl groups were changed with silyl groups by the HMDS treatment.
著者
和田 侑也 田中 一晶 中西 英之
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI)
巻号頁・発行日
vol.2013-HCI-154, no.8, pp.1-8, 2013-07-29

ロボットハンドを用いて遠隔地間で擬似的に握手を行う遠隔握手は,通常のビデオチャットよりもソーシャルテレプレゼンスを強化することがわかった.遠隔握手の方法として,会話相手とロボットハンドの繋がりを持たせる方法,会話相手の手の動きとロボットハンドの動きの同期を見せる方法,ユーザがロボットハンドを操作する方法が考えられる.本研究では,これらの方法がソーシャルテレプレゼンスにどのような影響を与えるかを,被験者実験を通して検証した.
著者
田中 一志 荒川 創一 藤澤 正人
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.565-568, 2010 (Released:2011-02-03)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

高齢者の尿路感染症の特徴として,加齢や併存疾患に関連する感染防御能の低下や,前立腺肥大症などの尿路の基礎疾患による排尿機能障害にともなった複雑性尿路感染が多くみられることが挙げられる.また,基礎疾患による日常の活動性の低下や障害などにより尿道カテーテルが留置されていることが多く,これらに生じた尿路感染症は難治性であり院内感染症の原因にもなる.さらに尿道カテーテル留置は無症候性細菌尿が高頻度に認められることとも関係しているが,これらは特別なハイリスクグループをのぞいて抗菌薬投与の適応とはならない.一方で自他覚症状に乏しいことから,時に重症化する場合がある.原因菌については,複雑性尿路感染症の頻度が高いため大腸菌以外の感染も多く,ほとんどで抗菌薬の曝露歴が有るため耐性菌の頻度も高い.治療に際して想定される菌種に有効な抗菌薬を選択する必要がある.また,重症化した場合には,抗菌化学療法に加え,外科的処置およびそのタイミングが重要となってくる.