著者
田中 孝治 津森 伸一
出版者
教育システム情報学会
雑誌
教育システム情報学会誌 (ISSN:13414135)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.94-107, 2021-04-01 (Released:2021-04-01)
参考文献数
28
被引用文献数
1

This paper provides readers with some suggestions on how to understand learning assessment using qualitative data, and sides with researchers who use/want to/are wondering whether to use qualitative data. In addition, the paper aims to put modes of learning assessment using qualitative data in JSiSE on the agenda for discussion. As an assertion of the paper, we hold up the research-question-first that designs research from the research-question. Moreover, we try to make a JSiSE hypothesis-deduction model and to summarize several requirements for research and paper in empirical and interpretive researches. In order to resolve conflicts between mode of thought based on each research, we argue about that (i) researchers and readers/reviewers need to be aware of their own paradigms and that (ii) it is necessary that some comments based on logico-scientific mode are translated into one based on narrative mode.
著者
田中 孝治 加藤 隆
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.83, no.3, pp.182-192, 2012 (Released:2012-11-23)
参考文献数
30
被引用文献数
1

Often after opening an emergency door, an evacuee may need to turn right or left or go further straight ahead to reach the emergency exit. This study examined whether the currently-adopted emergency exit sign could be made more effective with advance information on the evacuation route. The current sign was modified by adding a left-bent or right-bent arrow to its left-facing or right-facing version respectively. In a computer-simulated evacuation task, participants were required to decide as quickly as possible which direction to turn after going through the door under the current or the modified exit sign. The modified sign was shown to be effective in leading the participants to choose the direction consistent with its directional arrow, whereas the current sign, whether left-facing or right-facing, showed no such effect. However, in a recognition memory test given immediately following the completion of the simulated evacuation task, many of those who had successfully chosen the direction suggested by the modified sign falsely selected the current left-facing sign as what they had seen.
著者
田中 孝治 加藤 隆
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.39-47, 2009-08-31 (Released:2010-11-10)
参考文献数
34

本研究では,新たな知識の習得という実社会の学習に即した課題において,「再学習の機会を学習ではなくテストに用いる」,「学習時に意識的なメタ記憶判断を行う」,「再学習の時間間隔をあける」という三つの学習方略の効果を検証した.時間間隔をあけるという要因については他の学習方略の中に組み込む形で操作した.実験1a・1bでは,2回の学習フェーズをともに学習に用いる統制条件との比較において,再学習に替えてテストを行うことの効果および学習時に意識的にメタ記憶判断を行うことの効果は認められなかった.しかし,2回の学習フェーズの間隔を短くするときよりも長くするときのほうが成績が良いという分散効果が一貫して見られた.さらに実験2では,こうした分散効果が学習フェーズの間で行う挿入課題の質と難易度に影響を受けないことが示された.本研究において示された分散効果の頑健性と生態学的妥当性は,分散学習がさらなる加算的な効果をもたらすものと期待できることから,分散学習をあらゆる学習方略とともに取り入れることを推奨するものといえる.
著者
田中 孝治 水島 和憲 仲林 清 池田 満
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
pp.40065, (Released:2017-01-31)
参考文献数
31

多様化する仕事に適応できるように,企業の人材育成には,日常的に自ら育つ環境づくりが重要である.本研究では,分析過程が残る特徴と分析過程でストーリーラインが記述される特徴を持つ質的データ分析手法SCATを用いることで,新入社員の学び方の学びとその指導にあたった指導員の支援方法の表出化を試みた.本研究では,新入社員研修で用いる週報を新入社員と指導員とが対話する学習環境として捉え,週報に5週間に渡って記述された新入社員の振り返りとその振り返りに対する指導員のコメントを分析対象とした.分析結果から,指導員が,経験の積み重ねによる知識構築のプロセスである経験学習サイクルに沿って,実習員の学び方の学びを支援することで,実習員の学び方の学びが深化していることが読み取れた.本研究では,週報の分析から得られた結果を基に,学び方の学びの経験学習サイクルを転回する実習員と指導員の相互作用モデルを作成した.
著者
田中 孝治 水島 和憲 仲林 清 池田 満
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.1-12, 2017-05-20 (Released:2017-05-26)
参考文献数
31
被引用文献数
7

多様化する仕事に適応できるように,企業の人材育成には,日常的に自ら育つ環境づくりが重要である.本研究では,分析過程が残る特徴と分析過程でストーリーラインが記述される特徴を持つ質的データ分析手法SCAT を用いることで,新入社員の学び方の学びとその指導にあたった指導員の支援方法の表出化を試みた.本研究では,新入社員研修で用いる週報を新入社員と指導員とが対話する学習環境として捉え,週報に5週間に渡って記述された新入社員の振り返りとその振り返りに対する指導員のコメントを分析対象とした.分析結果から,指導員が,経験の積み重ねによる知識構築のプロセスである経験学習サイクルに沿って,実習員の学び方の学びを支援することで,実習員の学び方の学びが深化していることが読み取れた.本研究では,週報の分析から得られた結果を基に,学び方の学びの経験学習サイクルを転回する実習員と指導員の相互作用モデルを作成した.
著者
田中 孝治 森川 綾香 石川 健介
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会研究会資料 先進的学習科学と工学研究会 92回 (2021/7) (ISSN:13494104)
巻号頁・発行日
pp.04, 2021-06-30 (Released:2021-07-02)

コロナ禍の学校教育システムにおける価値共破壊を回避することが必要である。著者らの大学の学科では,学生が主体となってピアサポートサービスを提供するオンライン心理教育的援助サービスが実施された。本研究では,ピアサポートサービスの提供者を対象に質的調査を行い,心理教育的援助サービスにおける教員と学生の価値共創を検討した。
著者
藤野 義之 井上 拓哉 小坂 優太 田中 孝治
出版者
宇宙太陽発電学会
雑誌
宇宙太陽発電 (ISSN:24321060)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.42-46, 2021 (Released:2021-03-10)
参考文献数
5

現在,宇宙太陽発電(SPS)を実現させるために小型衛星を用いた実証実験が計画されている.実証実験においては,衛星から送信されるビーム形状を正確に評価することが必要となる.これまでは送信アンテナをパラボラアンテナとしてビーム形状を再現,評価してきた.今回,フェーズドアレーアンテナとした場合の基地局配置の指針を示し,二次元最小二乗法によってパターンを再構成し有効性があることを確認した.また,勝浦だけでなく,臼田を通る軌道をについて,その有効性や課題を示した.
著者
齋藤 宏文 金子 智喜 河野 宜幸 村上 圭司 國井 喜則 友田 孝久 田中 孝治 平子 敬一 中須賀 真一 白坂 成功
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J104-B, no.7, pp.669-672, 2021-07-01

低高度地球観測衛星からのデータダウンリンクの高速化を目的に,シンボルレート300 Msps,64APSK変調,及び256APSK変調,左右円偏波多重方式のデータダウンリンクの軌道上実証実験を行った.64APSK変調にて2.65 Gbit/sec,256APSK変調にて3.3 Gbit/secの低高度衛星からの世界最高の通信速度が確認された.
著者
田中 孝治 梅野 光平 池田 満 堀 雅洋
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.356-367, 2015-09-01 (Released:2016-03-01)
参考文献数
29
被引用文献数
8

It is not difficult for residents, for the most cases, to know the knowledge of disasterprevention, while it is quite difficult for them to take appropriate evacuation behavior.For example, it is easy to know why flooded underpasses should not be gone through bycars. It is just because cars would be submerged and got stuck on the way. However,people sometimes fail to apply such knowledge to take an appropriate action, due tothe so-called knowledge-to-action gap. In the present study, a preliminary investiga-tion and two experiments were conducted. The purpose of the investigation is to clarifythe kinds of unsafe evacuation behavior with reference to newspaper articles on flooddisaster over the past 15 years. The two experiments are to examine if the knowledge-to-action gap can be confirmed by means of paper-and-pencil tests consisting of knowledgeand intention tasks. Preliminary investigation revealed ten kinds of unsafe evacuationbehaviors in flood disaster. Experiments 1 and 2 indicated that participants take unsafeevacuation behaviors even though they have appropriate knowledge. In addition, theexperiment 2 indicated that they perceived danger in unsafe evacuation behaviors andflood disaster situation.These results demonstrate an aspect of unsafe evacuation be-havior, and the importance of disaster prevention education, which has to be carefullydesigned to bridge the gap between knowledge and action for disaster prevention.
著者
田中 孝治 園田 未来 池田 満 堀 雅洋
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.153-164, 2016-12-24 (Released:2017-03-23)
参考文献数
32
被引用文献数
5

情報モラルに関する知識を有していたとしても,その知識を行動として具現化しようとする意図が形成されなければ,実効的な意味で知識を習得したとは言い難い.本研究では,一般的な知識として正しい行動を問う知識課題と自身が実際に選択する行動を問う意図課題を用いて,高校生を対象に知識と行動意図の不一致を定量化した.実験1・2では,意図課題の正答率の方が知識課題の正答率よりも低く,実験参加者が適切な知識を有しているにもかかわらず情報モラルに反する行動をとることが示された.また,実験2では,実験参加者はクラスメイトが情報モラルに反する行動をとる割合を高く推定していることが示された.これらの結果は,知識と行動の不一致を認識させ適切な行動意図の形成を促す情報モラル教育の重要性を示すものである.
著者
田中 孝治
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, 2012

虚記憶とは,実際には起こっていない事柄を起こったこととして誤って思い出すことである。虚記憶を検討する実験手法として,DRMパラダイムと呼ばれる手法が確立されている。本研究では,DRMパラダイムで見られる虚再認が,漢字一字の刺激に対しても見られるかについて検証を加えた。ルア項目1項目とルア項目の関連項目15項目で構成されるリストを12種類作成し,DRMパラダイムに用いた。その結果,6種類のリストにおいて,関連項目が学習時に提示されると,関連項目が提示されない場合に比べて,後のテストにおいて学習時に提示されていないルア項目についても,学習時に提示されたという偽りの既知感を高めることが示された。この結果は,漢字一字の刺激に対してもDRMパラダイムによって虚再認が生成されることを示すものといえる。今後,本研究で虚再認が示されたリストが頑健なものであるかについてはさらに詳細な検証が必要である。
著者
田中 孝治
出版者
愛知大学経営総合科学研究所
雑誌
経営総合科学 (ISSN:09166432)
巻号頁・発行日
no.105, pp.23-53, 2016-02-23