著者
松尾 豊 友部 博教 橋田 浩一 中島 秀之 石塚 満
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.46-56, 2005 (Released:2005-01-05)
参考文献数
20
被引用文献数
13 28

Social relation plays an important role in a real community.
著者
鹿野 和彦 大口 健志 林 信太郎 矢内 桂三 石塚 治 宮城 磯治 石山 大三
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.126, no.5, pp.233-249, 2020-05-15 (Released:2020-09-17)
参考文献数
38
被引用文献数
2

田沢湖カルデラから2-1.8Maのある時期に噴出した火砕流密度流起源のテフラを記載した.下部は多面体~平板型ガラス片と岩片に富むテフラで,マグマ水蒸気爆発に伴ってカルデラ崩壊が始まったことを示唆する.上部は淘汰不良無層理の気泡型ガラス片に富むテフラで,岩屑なだれ堆積物と共存しており,カルデラ形成噴火最盛期に放出されたことを示唆する.これらは長期的にわたって侵食され田沢湖近傍でさえほとんど残っていない.カルデラ形成後の1.8-1.6Maには2つの溶岩ドームがカルデラ床に,2つの溶岩流が外輪山に噴出している.また,カルデラ形成前にはカルデラ南縁で少量の安山岩が噴出している.
著者
力丸 宗弘 高橋 大希 小松 恵 石塚 条次 清原 玲子 山口 進 高橋 秀彰
出版者
秋田県農林水産技術センター畜産試験場
巻号頁・発行日
no.25, pp.75-83, 2011 (Released:2013-10-08)

比内地鶏は一般的なブロイラーより官能評価が良好である。本研究では,鶏肉のおいしさに影響する要因を特定するため,比内地鶏とブロイラーのもも肉における一般成分,遊離アミノ酸,イノシン酸,脂肪酸組成の分析および官能評価を行った。比内地鶏とブロイラーを同じ日にふ化し,(1)8週齢ブロイラー区,(2)22週齢ブロイラー区,(3)22週齢比内地鶏区の3区を設定した。比内地鶏とブロイラーを同じ環境下で飼育し,8および22週間同じ飼料を給与した。8週齢ブロイラー区は22週齢比内地鶏区より遊離アミノ酸とグルタミン酸含量が有意に高かった。22週齢比内地鶏区は8週齢ブロイラー区よりインシン酸含量が有意に高かったが,22週齢比内地鶏区と22週齢ブロイラー区に有意な差は認められなかった。これらの結果からイノシン酸含量は肉用鶏間の違いよりむしろ日齢(週齢)間の違いを反映していることが示唆された。一方,アラキドン酸含量は比内地鶏とブロイラーとの間で有意な差が認められた。また,「蒸し肉」あるいは「スープ」の官能評価においても22週比内地鶏区は22週ブロイラー区より有意に味,うまみ,こくみ,後味が強く,嗜好性が高かった。これらの結果からアラキドン酸が比内地鶏のおいしさに関与している可能性が示唆された。しかしながら,比内地鶏のアラキドン酸含量とおいしさとの関与を解明するためには更なる研究が必要である。
著者
大和田 裕亮 水野 淳太 岡崎 直観 乾 健太郎 石塚 満
出版者
一般社団法人 言語処理学会
雑誌
自然言語処理 (ISSN:13407619)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.423-459, 2013-06-14 (Released:2013-09-14)
参考文献数
18
被引用文献数
1

東日本大震災では安否確認や被災者支援のためにTwitterが活躍したが,一方で多種多様な情報が流通し,混乱を招いた.我々は,情報の信憑性や重要性を評価するには,ツイート空間の論述的な構造を解析・可視化し,情報の「裏」を取ることが大切だと考えている.本稿では,ツイートの返信および非公式リツイート(以下,両者をまとめて返信と略す)に着目し,ツイート間の論述的な関係を認識する手法を提案する.具体的には,返信ツイートによって,投稿者の「同意」「反論」「疑問」などの態度が表明されると考え,これらの態度を推定する分類器を教師有り学習で構築する.評価実験では,返信ツイートで表明される態度の推定性能を報告する.さらに,本手法が直接的に返信関係のないツイート間の論述的な関係の推定にも応用できることを示し,ツイート間の含意関係認識に基づくアプローチとの比較を行う.
著者
辻 健 石塚 師也 池田 達紀 松岡 俊文
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-05-19

衛星データの解析、地表調査、地震データの解析を用いて、2016年熊本地震の断層活動とその断層セグメントの境界の特徴を調べた。衛星データに干渉SAR解析を適用した結果から、一連の断層活動に伴う地表変動を明瞭に知ることができる。その干渉SAR解析の結果をもとに現地調査を実施し、実際の地表変動を確認した。特に阿蘇山周辺にみられた複雑な地表変動に注目した。干渉SAR解析の結果から、九州西部(熊本市〜阿蘇山)では北東—南西方向に伸びる直線状の断層システムを確認できるが、局所的な変動に注目すると火山といった地質の不均質性に影響を受けた断層活動や地表変動を確認できる。4月16日に発生した本震(M7.3)では、阿蘇山より南西側の断層が活動しており、阿蘇山周辺で断層運動が止まったことが分かる。断層運動は右横ずれであるため、断層のエッジの南側にあたる阿蘇山では水平方向への引っ張りの力が働き、北側にある大津町周辺は圧縮の力が働いている。実際に、阿蘇山のカルデラ内部は引張による地表の沈降が明瞭に認められる。特に大きく沈降している地域はマグマ溜まりの位置とも整合的で、引張に伴うマグマ溜まりの変形が関係している可能性がある。このような変動は2011年の東北地方太平洋沖地震でも確認されている。現地調査でも、引張に伴うとみられる巨大な開口亀裂が阿蘇市狩野(カルデラ内部)に見られた。巨大亀裂の開口幅は約1m以上あるものもあり、走向は北東—南西方向で本震の断層と方向が整合的であった。一方で、断層の北側に位置する菊池郡大津町では、本震断層とは異なったいくつかの断層運動が認められた。これらの断層の走向は東西方向で、逆断層運動をしている可能性がある。現地調査では、この大津町でみられた地表変形には横ずれ方向への運動は認められなかった。これらは阿蘇山という火山岩体西部での急激な本震断層の停止とそれに伴って生じる局所的な圧縮の力によって形成されたと考えられる。本震の約2時間後(4月16日3:55)に阿蘇で発生したマグニチュード5.6の地震では、震源が阿蘇山の北東側へと進展し、九重連山へと達している。干渉SAR解析の結果からも、その直線的な変動を見ることができる。熊本〜阿蘇〜九重にかけての地震メカニズム(横ずれ断層)と九重〜大分にかけての地震メカニズム(正断層)は異なることから、九重連山は地殻に働く応力分布の境界として働いている可能性がある。これらのことから火山(阿蘇山や九重連山)は、地震のセグメンテーションの境界として働いている可能性がある。これは火山体や火山性堆積物の強度は他の場所とは異なっていることや、断層の摩擦特性に影響を与える地殻温度が火山周辺では異常に高いことに影響している可能性がある。
著者
黒川 茂莉 石塚 宏紀 渡邊 孝文 村松 茂樹 小野 智弘 金杉 洋 関本 義秀 柴崎 亮介
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.18, pp.1-6, 2014-05-08

携帯電話通信時の位置情報履歴は,全国を網羅的に人々の移動が把握可能であるため,都市交通施策などへの応用が期待されている.都市交通施策のあり方を検討するために国士交通省を始め各自治体で実施されているパーソントリップ調査では,人々の滞在地,滞在時間だけでなく滞在目的も重要な調査項目となるが,滞在目的推定の研究はいまだ不十分である.そこで本稿では,携帯電話通信時の位置情報履歴から,個人の滞在地及び滞在時間を検出し,自宅,職場,お出かけ先などの各滞在地に対する滞在目的を推定する手法を評価する.評価では,利用同意を得た 1250 名の 4 週間の位置情報履歴と行動に関する Web アンケート結果を用いた.Location information associated with communication records of mobile phones has paid attention as a probe for person trips. In this paper, we evaluate a methodology to estimate semantics of significant places extracted from locations associated with communication records. The accuracy of the methodology is demonstrated by experiments using actual communication records of 1250 subjects.
著者
石塚 恭子 田中 健二郎 竹内 俊充 長澤 恒保 戸苅 彰史
出版者
日本歯科薬物療法学会
雑誌
歯科薬物療法 (ISSN:02881012)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.81-88, 2017 (Released:2017-12-27)
参考文献数
75

Fracture risk increases substantially with age due to decreased bone density and muscle mass, and also problems with vision and balance. In the elderly, medication used to treat non-skeletal disorders is one of the causes of bone fracture accompanying decreased QOL. Increased fracture risk by medication is based on either adverse drug reactions on bone metabolism or adverse drug events such as falls. The use of fall risk-increasing drugs (FRIDs), such as opioids, dopaminergic agents, anxiolytics, antidepressants and hypnotics/sedatives, have been demonstrated to increase risk of fracture. Furthermore, in addition to FRIDs, many drugs have been found to affect bone mass and fracture risk as a result of the side effects on bone metabolism. The present article reviews the current understanding of several drugs influencing fracture risk. In particular, drugs affecting fracture risk through sympathetic neuronal activity are also discussed.
著者
石塚 倫子
出版者
人間環境大学
雑誌
人間と環境 : 人間環境学研究所研究報告 : journal of Institute for Human and Environmental Studies (ISSN:13434780)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.65-75, 1998-03-31

AD43年、ローマ人のブリタニア征服以来、都市として着実に発展してきたロンドンは、16世紀末には世界に誇るメトロポリスとなっていた。シティと呼ばれる市壁の内部はイギリス経済の中枢として機能し、一方、市壁の外側の隣接区域には、大都市の必要悪とも言える施設(酒場、売春宿、劇場、精神病院、らい病院、処刑場、牢獄など)が寄り集まっていた。特にテムズ川南岸のサザックは「リバティ」と呼ばれ、複雑な権力関係が錯綜していたため逆に無法地帯と化していた。サザックにはシティからはじき出された浮浪者、犯罪人、失業者、得体のしれない外国人等が集まり、歓楽と危険、解放と無秩序が入り乱れた特殊な世界となっていた。しかし、都市ロンドンはこの周縁の地に、穢れたもの、忌まわしいものを引き受けてもらうことで、内部の秩序を保っていたのである。シティとサザック-この二種類の地域は文化における中心と周縁の関係に相当し、互いに緊張関係を保ちながら都市ロンドンを支えていた。特に大衆劇場は周縁に位置し、当時の都市文化を裏側から照射する場でもあった。ここでは、シェイクスピア劇を中心に大衆劇場の周縁性と意義について論じてみた。
著者
石塚 良次
出版者
経済理論学会
雑誌
季刊経済理論 (ISSN:18825184)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.6-16, 2011-07-20 (Released:2017-04-25)

1) Theory of alienation and concept of subject The purpose of this paper is to discuss on how Wataru Hiromatsu's theory of reification contributes development of economics. He conceptualized transition from the early to the late Marx as 'from the theory of alienation to the theory of reification'. This transition isn't just in wording but the change in paradigm. The alienation theory presupposes the subject-object schema, because alienation originally meant the process in which human essence spilled out into object (objectification), and the object turning against the subject as a hostile and alien force (alienation). The whole alienation theory had to be abandoned once the subject-object schema was abandoned, and got relationalist worldview in which the relation is given ontological priority. According to Hiromatsu, Marx's Labor Theory of Value does not presuppose subject/object schema, but reification theory. Traditional Marxian economists insist that each commodity have inherent value because worker (subject) embodied or materialized his abstract labor, substance of value, to commodity (object). But substance of value is not prior to exchange relations, but reification of relationship between persons and things. Value is not just relations (or idea) but reificated relations. Commodity producers treat as if value is something substantial inherent to individual commodity. It is not just illusion, but social fact (Emile Durkheim) with sozialen Macht (Marx). We need to sublate (aufheben) both the 'society substantialism'-'individual substantialism'. 2) The game theoretic approach to Marxian theory of alienation Tadasu Matsuo attempts to reconstruct Marx's theoretical system as the alienation theory, which, in turn, interpreted in terms of game theory, neoclassical framework. Game theory provides a model for social institutions and cooperation between individuals. It assumes that people are rational actors. But we don't think this theoretical framework does explain social norm as it really is. Social norm is not something rationally selected. Rational actors are not real agent but theoretical fictions. Matsuo stand on the side of 'individual substantialism', we mentioned above. 3) Criminal liability and rational agent Criminal law refers a theoretical person in the society who shows average judgment, because only rational person can be liable. If he or she does not intend to do it, he or she is not guilty. Crime is not just a bodily movement but must be voluntary act droved by inherent motivation, criminal intent. But this kind of view is very modern, not historically universal. The reason why criminal law require fictional agent is very similar to economics. One of the basic facts of modern psychology is that ultimate driving force behind human behavior is not free will but involuntary unconsciousness. 4) Economics and evaluational agent Assumption of homoeconomicus received a lot of criticism, because of its unreality. Actually, it is not empirical notion but axiom of neoclassical microeconomics. Economics is not only empirical science but also normative science, making economic policy. So you need theoretical benchmark to judge its adequacy. Subject in the theory of alienation is equivalent of homoeconomics in neoclassical microeconomics. Both theory adopt methodological individualism, so benchmark must be individual, rational agent. 5) Unalienated society? Matsuo considers unalienated society, depending each other with mutual consent, is desirable. But it is not feasible and desirable. We should rather accept minimum level reification.
著者
野口 英之 ソウザ カシルダ アデリア サンパイオ シルバ ホジアニ オリベイラ オウリケ ルーカス 諏訪 錬平 梶本 卓也 石塚 森吉 ピント アルペルト カルロス マーティンス リマ アドリアーノ ジョゼ ノゲイラ サントス ジョアキン ヒグチ ニーロ
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.124, 2013

細根は森林の炭素循環の重要な構成要素であるが、その動態を測定する各種の手法には、微環境の改変や測定値の信頼性、機材の価格等、それぞれに問題点がある。とくにアマゾン等の熱帯地域では細根の成長・枯死・分解のサイクルも早いと考えられるため、環境条件に応じた適切な測定方法の検討が不可欠である。本研究では、ブラジル・マナウス近郊の熱帯林において、砂質土壌が分布する斜面下部と、粘土質の土壌が分布する斜面上部で、フラットベッド・スキャナを用いて直径2 mm未満の細根の成長と枯死の動態を測定した。イングロースコアを用いた細根成長量の測定も併せて実施し、結果を比較した。また地形単位ごとに土壌含水率の変動も測定し、細根の動態との関係を検討した。スキャナによる測定では、とくに多雨期に斜面下部で活発な成長と枯死が観察されていたが、斜面上部では成長・枯死のサイクルは非常に緩慢であった。一方、イングロースコアによる測定では、斜面下部と上部で1年間の細根生長量にほとんど差がなかった。後者では埋設期間中の枯死分を測定できず、とくに斜面下部ではかなりの過小評価になっていた可能性が高い。