著者
石塚 利孝 鹿島 薫
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.205-212, 1986-04-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
4

Lake Ogawara is located in the eastern part of Aomori Prefecture, north Japan. The authors obtained the Holocene lake sediments by all-cored borings at two sites of lake-side lowland, and presumed the Holocene water level changes of Lake Ogawara through diatom analysis of the sediments. At the Loc. A near the Chushi (I) shell-mound site formed early to middle Jomon period, the succession of three diatom zones can be subdivided. Zone I (-1.8_??_+1.0m); marine species constitute about 90%, and Paralia sulucata, Diploneis smithii are dominant. Zone II (+1.0_??_+2.6m); the rate of marine species decreases from lower to upper horizon, and Cyclotella striata v. subsalina, which lives in brackish lagoon, is dominant. Zone III (+2.6_??_+5.0m); fresh water species accounts for more than 90%, and marine species cannot be observed. Navicura radiosa, Fragilaria construens and Eunotia veneris are dominant. At the Loc. B near Futatsumori shell-mound site formed early to middle Jomon period, the succession of three diatom zone can be subdivided. Zone I (-0.5_??_-0.0m); Cyclotella striata v. subsalina accounts for about 50%. Zone II (0.0_??_+3.0m); fresh water species constitute more than 90%. Navicula radiosa, Melosira ambigua, which live in fresh-water pond, are dominant. Zone III (+3.0_??_+5.0m); fresh water species constitute more than 90%. But Eunotia veneris, which lives in a boggy environment, is dominant. On the basis of the result of diatom analysis, 14C date and tephrochronology, water level of Lake Ogawara was 2m higher than that of present about 4, 500_??_5, 000 y. 8. P., and it had lowered to the same level as present till 3, 500 y. B. P.. Since then water level has been stable.
著者
小島 千絵 平石 光俊 石塚 洋一
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.185-190, 2003-02-28 (Released:2010-06-28)
参考文献数
8
被引用文献数
1

私共は当科初診時に難治性で, かつ咽頭以外にも口内炎や潰瘍が認められた症例で, その後に突然の下血を起こし, クローン病と診断しえた2症例を経験した.今回の症例は, 2症例ともに口内炎ならびに喉頭の白苔と咽頭潰瘍が消化器症状に先行して出現していた.これらの事より, 耳鼻咽喉科に受診するアフタ性口内炎や咽頭潰瘍に関して, 喉頭の所見や消化器症状などにも留意し, 便秘や軟便, 下血などの有無を確認し, クローン病の可能性も念頭におきながら経過観察が必要と考えられた.
著者
高本 亜希子 池中 良徳 杉本 真夕 岩野 まな美 福島 聡 一瀬 貴大 中山 翔太 高橋 圭介 加藤 恵介 石橋 弘志 石塚 真由美 有薗 幸司
出版者
Japanese Society of Food Chemistry
雑誌
日本食品化学学会誌 (ISSN:13412094)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.17-27, 2019 (Released:2019-04-26)
参考文献数
25
被引用文献数
1

In this study, we determined the concentration of seven neonicotinoid insecticides and 13 of their metabolites in 46 bottled greentea beverages, and estimated the daily intake of neonicotinoids in adults and children from these drinks. Liquid chromatography coupled with electrospray ionization tandem mass spectrometry (LC–ESI/MS/MS) analysis revealed that six neonicotinoids and two metabolites were detected in bottled green-tea beverages, and the 50th percentile concentration indicated dinotefuran > thiacloprid > clothianidin > imidacloprid > thiamethoxam > acetamiprid > N-desmethyl-acetamiprid > thiacloprid-amide. The concentration and composition profile of neonicotinoids in bottled green-tea beverages were different between brands; however, no significant differences were observed among manufacturing sites. The concentration of acetamiprid in bottled green-tea beverages was significantly correlated with that of N-desmethyl-acetamiprid. A significant relationship between concentrations of thiamethoxam and clothianidin in bottled green-tea beverages was also observed, suggesting those neonicotinoids are metabolized during the tea leaves cultivation period. The daily intake for neonicotinoids in both adults and children from consumption of bottled green-tea beverages was < 2.1% when compared with the acceptable daily intake (ADI) of neonicotinoids.
著者
石塚 二葉
出版者
独立行政法人 日本貿易振興機構アジア経済研究所
雑誌
アジア経済 (ISSN:00022942)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.25-48, 2021-12-15 (Released:2022-01-07)
参考文献数
30

大衆組織は,ベトナムの独立達成の過程において重要な役割を果たし,以後,情勢の変化に応じてさまざまに異なる任務を与えられてきた。しかしながら,いずれの時期においても,大衆組織が社会主義政治システムの基本的な構成要素であり,そのさまざまな活動を通じて共産党一党独裁体制を支えていることに変わりはない。革命や戦争,生産活動などのための大衆動員の必要性が低下したドイモイ期においては,大衆組織は,その構成員の利益を代表したり,構成員の間の相互扶助を促進するなど,一定の民主的ないし開発上の役割を果たすようになっている。このように構成員にとって有用な活動を行うことにより大衆組織は彼らの忠誠心を確保し,党の路線の伝達や当局への情報提供などの伝統的な役割を効果的に果たすことで,政治体制の安定性向上に貢献することが期待されているのである。本稿は,ベトナムで最多の構成員を擁し,最も活動的な大衆組織であるといわれる女性連合に焦点を当てる。その草の根レベルの組織・活動の実態調査を手掛かりとして,女性連合が日常的に多様な任務を遂行していることを示し,ベトナムの社会主義政治体制の安定性に貢献するその能力や直面する課題についての若干の評価を行う。
著者
野田 航 石塚 祐香 石川 菜津美 宮崎 優 山本 淳一
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.93-105, 2021-05-31 (Released:2021-11-17)
参考文献数
17
被引用文献数
1

本研究の目的は、発達障害のある児童2名の漢字の読みに対して刺激ペアリング手続きによる遠隔地学習支援を実施し、その効果と社会的妥当性について検討することであった。事例Iにおいてはタブレット端末による刺激ペアリング手続きの教材を用いた自律的な学習をビデオ通話およびメールで遠隔地学習支援を行い、事例IIにおいてはビデオ通話を用いて教材提示から評価までをすべて遠隔で実施した。両事例とも、課題間多層プローブデザインを用いて介入効果を検証した結果、漢字単語の読みの正答率が向上した。また、対象児と保護者を対象に実施した社会的妥当性のインタビューから、本研究の遠隔地学習支援は高く評価されていた。一方で、事例Iにおいては介入効果の維持に一部課題が残った。介入効果を維持させるための介入手続きの改善、介入効果の般化の検討、介入実行度の検討など、今後の課題について考察した。
著者
松村 真宏 加藤 優 大澤 幸生 石塚 満
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.554-564, 2003-10-15 (Released:2017-05-29)
参考文献数
23
被引用文献数
7 12

議論の論点をすばやく発見し理解するためには、議論構造を可視化してユーザに提示することが有効である。そこで本稿では、議事録から話題の単位(セグメント)を同定し、さらに同定したセグメント間の関連を調べることにより、議論構造を構造化マップとして可視化するシステムを提案する。また、構造化された議論に影響の普及モデルIDMを適用することにより、議論の発展のトリガとなる話題を発見することを試みる。アンケートによる調査の結果、適度に議論が分割・構造化された構造化マップは、ユーザが議論の論点を直感的に捕らえるための手がかりを提供していることを示す。また、IDMにより同定された話題は、構造化マップにおける入次数、出次数に着目した結果よりもPrecisionが高いことを示す。
著者
石塚 仁保 寺原 史貴 松木 有莉 櫻田 啓介 中村 裕一 鈴木 千波 小原 秀治 小原 郁司
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.48-56, 2020 (Released:2020-07-16)
参考文献数
7
被引用文献数
1 2

薬剤師はスペシャリストとして求められる領域が拡大しているが,認定・専門薬剤師のキャリアパスに関連する意識調査は少ない。本研究では,JA北海道厚生連札幌厚生病院の全薬剤師(37名)を対象とし,キャリア形成と資格取得・研究活動に関する意識調査を行なった。Googleフォームによる無記名,選択肢および記述回答式の調査を実施したところ,有効回答率は100%であった。キャリアパスに関する設問では,現在重視している業務と将来重視したい業務を比べた際,「幅広い経験・知識・技能を習得する」を選択した割合は前者で多く,「専門領域の経験・知識・技能を深める」と「認定・専門薬剤師の資格取得」を選択した割合は後者で多かった。このことから,現在は幅広い経験・知識・技能の習得を重視し,将来においては専門性を深めていきたいと考えていることが推測された。認定・専門薬剤師に関する設問では,資格取得を志す理由として「関連する分野への興味」が最も多く選択されており,専門分野への興味が資格取得の最も大きな動機になることが考えられた。研究活動に関する設問では,「日常業務との両立」や「研究時間の確保」,「研究メンバーとの連携」が研究活動を行なううえで困ったこととして多く選択されていた。このことから,時間の有効活用,さらに周囲との連携等も必要になることから,時間の確保とスケジュール管理が重要になることが考えられた。
著者
石塚 真美 三木 明子
出版者
日本産業看護学会
雑誌
日本産業看護学会誌 (ISSN:21886377)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.1-7, 2016 (Released:2021-10-29)
参考文献数
28
被引用文献数
1

【目的】病院看護師における仕事の資源・個人資源とワーク・エンゲイジメントとの関連を明らかにする.【方法】3病院の看護師1,014名に無記名自記式質問紙調査を実施した.【結果】ワーク・エンゲイジメントを従属変数とした重回帰分析の結果,経験年数1~3年,4~9年,10年以上の3群において楽観性が,1~3年は看護管理者の力量・リーダーシップが,4~9年は雇用形態,勤務形態が,10年以上は勤務形態,ケアの質を支える看護の基盤,看護師と医師との良好な関係,水平型ソーシャル・キャピタルが有意に関連していた. 【考察】「将来を前向きにとらえる」楽観性は,看護師の重要な個人資源であることが示された.また,1~3年は看護管理者のリーダーシップが,10年以上は教育・研修プログラムが組まれていること,医師との建設的な協働関係や相互の信頼があること,職場のスタッフが互いに認め合い,容易に意思疎通が図れることが仕事の資源として重要であった.4~9年の看護師のワーク・エンゲイジメントに関連する仕事の資源が明らかにならず,今後検討していく必要がある.
著者
草野 有紀 及川 輝樹 石塚 吉浩
出版者
特定非営利活動法人 日本火山学会
雑誌
火山 (ISSN:04534360)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.327-346, 2021-12-31 (Released:2022-02-22)
参考文献数
54

Nikko-Shirane Volcano located on the border of Gunma and Tochigi prefectures had the largest eruption on the historic records in AD 1649. We reconstructed the eruption event based on the geological mapping of the pyroclastic fall deposit and craters at the summit, 14C dating of soil underlying the pyroclastic fall deposit and interpretation of historic records. The pyroclastic fall deposit is observed in a 10×6 km area around Nikko-Shirane Volcano and thickens to the summit of Mt. Shirane. The pyroclastic fall deposit is preserved at>4 km east from the summit and observed 5-8 cm thick around Lake Yunoko and 20 cm thick in maximum around the southern part of Senjogahara. Based on the historic records of the 1649 eruption, the craters with about 220 m in long axis diameter and 30 m deep located next to a small shrine at the summit were opened. Thus, the 1649 eruption is considered to occur at the summit of Mt. Shirane and pyroclastic materials fell east to southeast ward. The total mass of pyroclastic fall deposit is estimated at 2×107-3×107 m3 which is a digit larger than the previous report, and it is comparable to Volcanic Explosive Index=3 and Magnitude=3.4-3.6. The pyroclastic material contains essential vesicular vitreous particles consisting 1-48 % (mean 19 %) of component in 250-2000 μm fraction. Combination of the essential particles in the 1649 pyroclastic materials suggests that a magmatic eruption was occurred during the 1649 eruption. The essential particles are concentrated in three principal distribution axes of the pyroclastic fall deposit extending to the east, southeast and west. However, the pyroclastic fall deposit is composed of a lot of fine particles, indicating that the 1649 eruption would be possible of a phreatomagmatic eruption triggered by magma intrusion to an aquifer below the volcanic body. Around the time of the eruption, lahar occurred at the western valley of Mt. Shirane and flowed through Ohirogawara to the Nigamatazawa River.
著者
石塚 哉史 小泉 隆文
出版者
日本農村生活研究会
雑誌
農村生活研究 (ISSN:05495202)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.31-36, 2003-03-01
被引用文献数
4

周知の通り、わが国の伝統食品は、食生活の多様化にともない消費率が停滞している。この傾向の要因として高度経済成長期以降に起きた社会生活の変化があげられる。とくに食生活面においては、女性の社会進出による家事の省力化にともなう調理時間の短縮、外食・中食産業の発展による「食の外部化」、「食の洋風化」の進展による若年層の和食離れなどが関係していると思われる。こうした状況は、伝統的な和食食材と位置づけられるこんにゃく製品においても例外ではない。こんにゃく製品は、煮物や鍋物等の食材として消費されていたが、「食の洋風化」、「食の外部依存度の上昇」による影響から、わが国のこんにゃく製品の消費は、1970年代以降は継続して停滞傾向を示している。また昨年(2001)は、BSE(牛海綿状脳症)の影響から、すき焼きの消費量が減少したため、糸こんにゃくの消費動向も同様な動向を示したといわれている。このようにこんにゃく産業を取り巻く環境は厳しいものになりつつあるが、こんにゃく製品に対する消費者の意識と行動に関しては、既存研究もあまり存在しておらず不明瞭な点が多い。そこで本報告は、1.最近のわが国におけるこんにゃく製品の消費動向、2.こんにゃくにたいする消費者意識の特徴、の2点を解明すること、を目的におこなった。
著者
鹿野 和彦 谷 健一郎 岩野 英樹 檀原 徹 石塚 治 大口 健志 Daniel J. Dunkley
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.118, no.6, pp.351-364, 2012-06-15 (Released:2012-11-07)
参考文献数
76
被引用文献数
7 8

赤島層デイサイト溶結火山礫凝灰岩についてジルコンのU-Pb年代とフィッション・トラック(FT)年代,斜長石のAr-Arプラトー年代を測定し,それぞれ72 Ma,65〜63 Ma,34 Maの値を得た.ジルコンは自形に近い外形とこれに調和的な累帯構造を保持し,かつ溶結した基質や軽石もしくは緻密なレンズの中に散在しており,本質結晶と考えられる.個々のジルコンのU-Pb年代値は集中して標準偏差も1〜2 Maと小さく,マグマの噴出年代を示している可能性が高い.FT年代値は,FTの短縮化が確認できるので,噴出後に熱的影響を受けて若返ったと考えることができる.斜長石のAr-Ar年代値は,段階加熱の広い範囲で安定しているものの,プラトー年代値は上位の門前層火山岩の同位体年代値の範囲内にあり,門前層の火山活動によってアルバイト化して若返った可能性が高い.得られたU-Pb年代は,東北日本においても後期白亜紀の後半に酸性火山活動が活発であったとする見解を支持する.
著者
石塚 陽
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測と制御 (ISSN:04534662)
巻号頁・発行日
vol.37, no.11, pp.791-797, 1998-11-10 (Released:2009-11-26)
参考文献数
30