著者
福田 大輔 力石 真
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_497-I_510, 2013 (Released:2014-12-15)
参考文献数
80
被引用文献数
2

本稿では,離散-連続モデルの研究動向に関するレビューを行った.まず,研究の系譜を (1) ミクロ経済理論より演繹的に導出される構造型モデル,(2) 現象記述の自由度を高めることに主眼を置いた誘導型モデルに大別し,各特徴を整理した.その上で,(a) 経済理論への整合性を重視する場合にはキューンタッカー条件より導出される構造型モデルの適用が望ましいこと,(b) 現象記述や不完全観測下での行動モデルを構築する場合には誘導型モデルの方が現象記述の自由度が高いこと,(c) 両系譜の特徴を活かすことで,経済理論を踏まえつつ現象記述の自由度を高めた折衷型モデルの構築が可能であること等を明らかにした.最後に,交通行動分析分野における離散-連続モデルの適用事例を体系的に整理し,今後の研究の方向性についての展望をまとめた.
著者
箕輪 はるか 北 和之 篠原 厚 河津 賢澄 二宮 和彦 稲井 優希 大槻 勤 木野 康志 小荒井 一真 齊藤 敬 佐藤 志彦 末木 啓介 高宮 幸一 竹内 幸生 土井 妙子 上杉 正樹 遠藤 暁 奥村 真吾 小野 貴大 小野崎 晴佳 勝見 尚也 神田 晃充 グエン タットタン 久保 謙哉 金野 俊太郎 鈴木 杏菜 鈴木 正敏 鈴木 健嗣 髙橋 賢臣 竹中 聡汰 張 子見 中井 泉 中村 駿介 南部 明弘 西山 雄大 西山 純平 福田 大輔 藤井 健悟 藤田 将史 宮澤 直希 村野井 友 森口 祐一 谷田貝 亜紀代 山守 航平 横山 明彦 吉田 剛 吉村 崇
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

【はじめに】日本地球惑星科学連合および日本放射化学会を中心とした研究グループにより、福島第一原子力発電所事故により放出された放射性物質の陸域での大規模な調査が2011年6月に実施された。事故より5年が経過した2016年、その調査結果をふまえ放射性物質の移行過程の解明および現在の汚染状況の把握を目的として本研究プロジェクトを実施した。2016年6月から9月にかけて、のべ9日間176名により、帰還困難区域を中心とする福島第一原子力発電所近傍105箇所において、空間線量率の測定および土壌の採取を行った。プロジェクトの概要については別の講演にて報告するが、本講演では福島県双葉郡大熊町・双葉町の土壌中の放射性セシウム134Csおよび137Csのインベントリ、土壌深部への移行、134Cs/137Cs濃度比、また空間線量率との相関についての評価を報告する。【試料と測定】2016年6・7月に福島県双葉郡大熊町・双葉町の帰還困難区域内で未除染の公共施設36地点から深さ5 cm表層土壌を各地点5試料ずつ採取した。試料は深さ0-2.5 cmと2.5-5 cmの二つに分割し、乾燥処理後U8容器に充填し、Ge半導体検出器を用いてγ線スペクトルを測定し、放射性物質を定量した。【結果と考察】137Csのインベントリを航空機による空間線量率の地図に重ねたプロットを図1に示す。最大濃度はインベントリで137Csが68400kBq/m2、比放射能で1180kBq/kg・dryであった。インベントリは空間線量率との明確な相関がみられた。深部土壌(深さ2.5-5.0 cm)放射能/浅部土壌(深さ0-2.5 cm)放射能の比はおおむね1以下で表層の値の高い試料が多かったが、試料ごとの差が大きかった。また原子力発電所より北北西方向に134Cs/137Cs濃度比が0.87-0.93と明確に低い値を持つ地点が存在した。
著者
福田 大輔 吉野 広郷 屋井 鉄雄 プラセティヨ イルワン
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.737, pp.211-221, 2003-07-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
26
被引用文献数
2 1 7

“休日には労働の制約が無く, 個人は, 平日には行うことのできないアクティビティを時間や予算の制約下で行うことができる”という考えに基づき, アクティビティ間のトレード・オフ関係に着目して, 休日の活動時間価値を推定する方法を体系的に提示した. まず, 時間制約, 予算制約下の最適化行動モデルにおいて, 各アクティビティの限界効用が異なる場合が生じることに注目し, 時間配分モデル, 活動選択モデルという2種類の行動モデルを導出した. 次に, 仮想データを用いた数値実験を通じて, モデルのパラメータ推定上の諸特性を明らかした. 最後に, 活動時間価値の推定方法と信頼性評価の方法について述べ, その数値実験例を示した.
著者
田淵 景子 福田 大輔
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.666-673, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
10
被引用文献数
1

本研究では,再帰ロジット型交通モデルを用いてサブスクリプション型MaaSの設定を評価する方法を提案した.提案方法は,与えられたMaaSの条件(サブスクリプション型MaaSに含まれる交通手段やその範囲等)に対して,利用者が支払いたいと考える最大の定期利用料金を交通行動理論と整合的に算出し,適切なMaaSの範囲設定と料金水準の関係を定量的に明らかにすることができる.ケース・スタディとして,東京都市圏パーソントリップ調査データを用いてマルチモーダル再帰ロジット交通行動モデルのパラメータ推定を行い,良好な結果を得られたことを確認した.その上で,構築したモデルを東京都市圏の特定地域に適用してMaaS導入評価のシミュレーションを行ったところ,MaaS導入前の現状の交通サービスの料金設定と比べて,MaaS導入後には妥当な許容定額料金が算出されることを確認した.これにより提案する評価手法に一定程度の妥当性があることを明らかにした.
著者
日下部 貴彦 柳沼 秀樹 福田 大輔 高橋 哲 今 健 佐野 薫 野村 紗希子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学)
巻号頁・発行日
vol.75, no.6, pp.I_369-I_377, 2020
被引用文献数
1

<p><tt>高速バスは,充実した道路ネットワークのもとでは比較的柔軟に路線を設定できるなどといった特徴を有しており,鉄道を補完する都市間交通手段である.しかし,実際には需要が比較的小さな起終点間を結んでおり運行頻度が少ないことから,利用者の到着希望時刻に合う便がないなどといった不便さも存在する.そこで,方面が異なるバス同士の乗継環境の整備により利用可能なバスの本数を増やすことで,その利便性を向上できると期待される.本研究では,環状道路に近接した高速道路サービスエリア等への乗継専用バス停の設置による高速バスサービスの改善状況を想定したアンケート結果の分析を通じて,利用者にとっての利便性向上の要因把握やバス路線選択行動規定要因の分析を行い,乗継路線及び乗継地点を設</tt><tt>定する際に必要な路線特性を明らかにした. </tt></p>
著者
紺野 剛史 金月 寛彰 福田 大輔 園田 俊浩
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

近年,日本の高齢者人口は増加している. 介護期間を短縮する方法として,高齢者の転倒リスク検出を検討した. 本論文の目的は,非接触センサーで転倒リスクを検出することである.40人の被験者による5メートルの歩行テストのビデオを撮影し,次に,OpenPoseを使ってそれらを処理した.最後に,リハビリ運動指導員は転倒リスクを3段階で評価した.本稿では,3つの機械学習モデルについて転倒予測の精度評価を報告する.その結果,非接触センサーを使用してもすべてのアルゴリズムで約80%の精度が得られることがわかった.
著者
中西 航 小林 巴奈 都留 崇弘 松本 拓朗 田中 謙大 菅 芳樹 神谷 大介 福田 大輔
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.I_787-I_797, 2018
被引用文献数
4

観光施策の検討において,周遊行動の実態把握は重要である.アンケート調査やプローブデータの利用など様々な方法が存在するが,コストや普及率の問題から十分なサンプル数を得ることは容易ではない.本研究では,パッシブなデータ取得手段であるWi-Fiパケットセンサーを用いた周遊行動把握の可能性を検討する.沖縄本島・本部半島周辺の複数観光地にセンサーを設置し,観光客が所有するモバイル端末からのプローブリクエストデータを複数日にわたり計測した.計測データからプローブリクエストの特性を把握し,来場者数の推定可能性を確認したうえで,複数地点での同一端末の計測情報を用いて観光地間のOD表とトリップチェインの作成を行った.来場者数の時系列変動や地点間流動量の大小関係について妥当な結果を得るとともに,課題を整理した.
著者
羽鳥 剛史 福田 大輔 三木谷 智 藤井 聡
出版者
科学・技術研究会
雑誌
科学・技術研究 (ISSN:21864942)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.107-114, 2012 (Released:2013-01-11)
参考文献数
26
被引用文献数
1

本研究の目的は、モノに関する記憶の想起がそのモノに対する愛着意識にどのような影響を及ぼすかについて実証的に検討することである。この目的の下、具体的なモノとして「自転車」に着目し、大田区在住の自転車利用者704名を対象として実験を行った。この実験では、自転車に関する記憶を想起する条件を設定し、自転車への愛着意識に及ぼす影響を検証した。併せて、放置駐輪問題に関して、実験対象者の放置駐輪に対する態度を測定し、実験条件との関連を検討した。その結果、自転車に関する記憶を想起することにより、自転車への愛着意識が向上する効果が示された。さらに、自転車への愛着意識が放置駐輪を控える傾向と関連している可能性が示された。自転車に関する記憶の想起と放置駐輪に関わる態度との間には直接的な関連性は認められなかったが、共分散構造分析より、自転車に関する記憶の想起が愛着意識を活性化し、愛着意識が放置自転車配慮傾向(及び放置駐輪抑制意図)、放置自転車配慮傾向が放置駐輪抑制意図を活性化する、という因果プロセスの妥当性が示された。また、自転車に関わる記憶の想起による効果がどのような条件に依存しているかについて検証したところ、主な交通手段が自転車でない人、有料駐輪場を利用しない人、盗難経験のない人においては、自転車に関わる記憶を想起することによって、自転車への愛着が向上する効果がとりわけ強いという結果が示された。最後に、本研究の結果が放置駐輪問題に対して示唆する点についてとりまとめた。
著者
福田 大輔 山根 克 中村 仁彦
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp."1A2-I08(1)"-"1A2-I08(4)", 2007-05-11

While traditional method of estimating joiont model using thinning process of 3D shapes cannot deal sphere joint model, this paper shows a method of estimating sphere joint model by comparing 3D shapes of many frames with using texture data and technique of Reeb Graph. 3D shapes is calculated by markerless motion capture with using viewing field intersection method. This method don't need previous knowledge of joint structure. In addition, this method can create joint model of the subject which don't have any joint, for example soft-bodied creatures.
著者
屋井 鉄雄 平田 輝満 福田 大輔 鈴木 美緒 古倉 宗治 高川 剛
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

無数に存在する交差点での自転車と自動車の出合い頭事故を防ぐことを目的とし,自転車を検知するディテクターの諸元の検討,および事故を再現できるシステムの構築を行なった.その結果,歩道上の自転車の検知には70[mm]×150[mm]、300[μH]程度の四角形コイルが適していた。また,動体視野角の概念と実地観測調査結果を用い,仮想空間内で対象とする出合い頭事故の再現を可能とし,ドライビングシミュレータにより左側から進入する自転車を見落とし,衝突に至る過程を再現することができた.