著者
勝二 達也 金 智隆 林 晃正 北村 栄作 岡田 倫之 中西 功 椿原 美治 岸川 政信 桂田 菊嗣
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.89-93, 1995-01-28 (Released:2010-03-16)
参考文献数
17

意識障害が約1か月間遷延し, 多臓器不全を合併しながらも救命しえた熱中症の1例を報告する. 症例は14歳, 男性. 平成5年8月17日, サッカー部の練習中, 突然呼吸困難, 意識障害をきたした. 入院時, 意識レベル3 (JCS), 直腸温40.8℃, 発汗停止し, 呼吸不全を認め, さらに急性腎不全, 肝不全, DICを合併し多臓器不全に進行した. 9日間の高度意識障害と, さらに1か月に及ぶ軽度から中等度の意識障害を伴ったが, 持続的血液濾過, 血液透析, 血漿交換療法等の血液浄化法により多臓器不全の管理を行い, 救命するに至った.熱中症は現在でも致死率の高い疾患であり, 特に意識障害が遷延する場合は, 極めて予後不良である. 迅速な体温冷却と多臓器不全の管理が重要であり, 血液浄化療法を行うにあたって, 体温冷却を念頭におくことが望ましい.
著者
松井 繁憲 寺西 功 三田 哲也 藤野 陽三
出版者
Japanese Society of Steel Construction
雑誌
鋼構造論文集 (ISSN:18809928)
巻号頁・発行日
vol.2, no.7, pp.63-71, 1995-09-30 (Released:2011-07-04)
参考文献数
10
被引用文献数
1

For reconsideration of the corrosion protect at the interior of a steel box girder we reserch a corrosion environment of the interior of a steel box girder at Hakucho Bridge (at Hokkaido). This bridge i s composed of two box girders of which the interior as well as the exterior was not painted on the basis of the local design specifications. In one of the two box girders, a dehumidification plant was installed and has been operated for one and half year. We report about the experiment, and measurements of a temperature and a humidity, a working condition of the dehumidifier, an example of ACM corrosion sensor's output.
著者
酒向 あずみ 左京 瑛奈 松永 浩明 関口 昌利 一色 滉平 越前 宏俊 伊藤 慎 鈴木 祥司 西 功
出版者
日本アプライド・セラピューティクス(実践薬物治療)学会
雑誌
アプライド・セラピューティクス (ISSN:18844278)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.124-134, 2022 (Released:2022-10-13)
参考文献数
17

本邦において外来心臓リハビリテーションに参加する患者集団における服薬アドヒアランスへの影響因子の検討は十分ではない。本研究ではこの集団の服薬継続支援のため、処方薬服用遵守度だけではなく患者の治療に対する自発性等も調査できる構造化対面式アンケート調査法を用いて服薬アドヒアランスの調査と影響因子の探索を行った。35名の患者からUenoらの質問票を用いて得た服薬アドヒアランス評価に関する下位尺度スコアは、「服薬遵守度」(中央値15点)及び「服薬の納得度および生活との調和度」(14点)は高かったが、「服薬における医療従事者との協働性」(8点)と「服薬に関する知識情報の入手と利用における積極性」(7点)が低値であった。また「服薬遵守度」は非就労者で高く(15点)、「服薬における医療従事者との協働性」は有配偶者で高かった(11点)。本研究は予備的ではあるが、今後外来心臓リハビリテーション患者の服薬アドヒアランス向上或いは維持を図るためには、薬剤師が「患者との協働性」を改善するために患者の求める情報の察知に基づく薬物の情報提供を行い、患者の治療への主体的参加への動機付けを高める事が重要であると考えた。
著者
椿原 美治 飯田 喜俊 湯浅 繁一 河島 利広 中西 功 横川 朋子 友渕 基
出版者
社団法人 日本腎臓学会
雑誌
日本腎臓学会誌 (ISSN:03852385)
巻号頁・発行日
vol.24, no.10, pp.1127-1136, 1982-10-25 (Released:2010-07-05)
参考文献数
30

Borah, et al, demonstrated that HD is a severe catabolic stress to N-metabolism. EAA loss during HD has been speculated as a stress. In order to study this mechanism, AMIYU® (contained 8 EAA and His. 7% solution, Morishita Pharm. Co. Ltd., ) was infused into venous line throughout 5 hrs. HD with the speed of 40 ml/hr. (study A) and during the last 1 hr. of 5 hrs. HD with the speed of 200 ml/hr. (study B) . The time courses of urea generation rate (Gu.), aminogram and N-balance were compared among control, study A and study B-HD. There were no significant changes in EAA level during control HD suggesting that EAA loss was replacedd by protein catabolism. Gu. (mg/min) during 4 hrs, after control HD (20.1±1.2) was significantly higher than predialysis value (4.7±0.1), indicating the catabolic stress due to HD. Gu. after study A-HD (17.3±1.3) was significantly lower than that after control HD. But Gu. after study B-HD (23.0±0.9) was significantly higher than that after control. HD. This shows that the high dose of EAA administered during the last 1 hr. of HD is not lost into dialysate but is degradated to urea about a half because the last 1 hr, in 5 hrs. HD may be already the catabolic phase. N-balance was -3.6±0.8 (g/day) on control HD day and improved by EAA supplementation throughout HD (-2, 1±0.8). Plasma total. EAA and nonEAA levels significantly increased during 4 hrs. after control HD, suggesting that amino acids were supplied through protein degradation. But in study A, plasma total nonEAA level significantly decreased during HD, indicating that protein catabolism was suppressed by EAA supplementation throughut HD. From these results, HD itself is shown to be the strong catabolic stress to N-metabolism. The rapid decrease in plasma EA.A level due to EAA loss during HD would be one of this factor. The low dose administration of EAA throughout HD is considered to be not only replace the EAA loss, but also suppress this catabolic stress.
著者
小松 かおり 佐藤 靖明 田中 啓介 北西 功一 小谷 真吾
出版者
北海学園大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では、現代社会で最も脆弱な立場にある熱帯の小農の戦略の歴史について、主食バナナ栽培を共通項として比較し、それを元に、農民を含む地域の住民の食料主権のあり方について検討する。バナナは、アグリビジネス企業に寡占されるグローバル商品である一方、熱帯の重要な主食作物でもあるが、主食作物としてのバナナは、グローバリゼーションの中で周辺化されてきた。現在も、アフリカ、パプアニューギニア、東南アジア、中南米など世界各地の熱帯で重要な作物である。このようなバナナ生産地域における農民の戦略を比較することによって、農民の決定権と住民の食料主権のあり方について検討する。
著者
中田 友明 菊山 榮 豊田 ふみよ 山岸 公子 横須賀 誠 蓮沼 至 中倉 敬 中西 功樹
出版者
日本獣医生命科学大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

脊椎動物の性フェロモンの繁殖制御機序を解明するために、イモリの性フェロモンであるソデフリンの受容機序について分子・細胞・組織レベル、さらに個体群間において調べた。その結果、ソデフリンは繁殖期にプロラクチンとエストロジェンの影響で増加する鋤鼻器の感覚細胞で受容され、受容体は受容細胞に発現するGタンパク質から2型鋤鼻受容体であること、2つのシグナル伝達系を経て発生した性フェロモンの感覚信号は脳の副嗅球を一次感覚中枢として処理されることを見出した。また、フェロモンの構造と活性の発現には地域差があることが明らかになり、性フェロモンによる繁殖制御機序の一端が解明できた。
著者
和田 基 工藤 博典 天江 新太郎 石田 和之 上野 豪久 佐々木 英之 風間 理郎 西 功太郎 福沢 太一 田中 拡 山木 聡史 大久保 龍二 福澤 正洋 仁尾 正記
出版者
日本静脈経腸栄養学会
雑誌
静脈経腸栄養 (ISSN:13444980)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.1217-1222, 2012 (Released:2012-10-31)
参考文献数
20
被引用文献数
2

腸管不全合併肝障害(intestinal failure associated liver disease ; 以下、IFALDと略)は腸管不全(intestinal failure ; 以下、IFと略)の致死的かつ重大な合併症であるが、IF、IFALDの発生数、発症率、死亡率などの実態は知られておらず、今後の詳細な調査、検討が期待される。IFALDが進行し、不可逆的肝不全を来たした場合には肝臓-小腸移植、多臓器移植によってしか救命できないが、国内では依然として小児の脳死ドナーからの臓器提供の困難な状態が続いており、特に小児IF症例におけるIFALDの治療と予防はIF治療における最重要課題である。長期の静脈栄養(parenteral nutrition、以下、PNと略)症例では非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis、以下、NASHと略)来たすことが示され、IFALDの発症には肝臓での脂質代謝異常が関与すると考えられている。IF症例では長期PNに伴う過栄養/低栄養、必須脂肪酸の欠乏など肝臓での脂質代謝異常を来たす要因に加え、腸管細菌叢の異常などを原因とする敗血症、肝臓の循環不全により肝細胞障害を来たし、NASH/IFALDを発症し、重症化すると考えられる。新生児・乳児期のIFでは、胆汁輸送機構の未熟性や腸内細菌叢の異常をより来たしやすいことなどから胆汁うっ滞を主体とするIFALDが問題となり、幼児、学童以降ではNASHを主体とするものが多い。IFALD治療の骨子は、1) 残存する腸管を最大限に利用し、PNへの依存度を軽減すること、2) 個々のIF症例の病態を的確に評価し、適切なPN、経腸栄養(enteral nutrition ; 以下、ENと略)を実施すること、3) 短腸症候群や腸管内容のうっ滞に伴う腸内細菌叢の異常と合併するbacterial translocation(以下、BTと略)、敗血症を最大限に予防すること、である。最近、IFALDに対する魚油由来ω3系静脈注射用脂肪製剤(商品名 : Omegaven®、以下、omegavenと略)の有効性が報告されている。omegavenは(1)胆汁流出の改善、(2)脂肪化の減少、(3)免疫抗炎症作用、といった機序により胆汁うっ滞、肝炎、線維化を軽減すると考えられている。本稿では、当院におけるIF、IFALDの治療経験とomegavenの使用経験、IFALDの病因やIFALDに対するomegavenの効果に関するこれまでの報告を紹介し、IFALDに対する治療の今後の展望について考察する。
著者
中西 功 服部 雅史 原田 秀喜 神戸 健太 圓岡 岳泰 金城 希望 泉 佑樹
出版者
鳥取大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

動画像中に高速に切り替わる画像を挿入することで,知覚できない視覚刺激を作成し,それを提示した際の誘発脳波を被験者20名から集めた.脳波のα帯域のスペクトル変化を個人特徴として,ユークリッド距離により識別を試みた結果,識別率は60%程度という結果であった.また,人には知覚できない超音波(周波数20KHz以上の音)を用いて知覚できない聴覚刺激を作成し,それを10名の被験者に提示し,脳波を測定した.脳波スペクトルを対数変換したものを個人特徴とし,識別器にサポートベクターマシンを用いて識別性能を評価した結果,77%程の識別率が得られた.
著者
福澤 太一 西 功太郎 和田 基 佐々木 英之 風間 理郎 田中 拡 工藤 博典 安藤 亮 山木 聡史 石田 和之 仁尾 正記
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.48, no.5, pp.854-859, 2012

呼吸困難を呈した巨大後縦隔成熟奇形腫の1例を経験した.症例は生後4か月,女児.周産期,新生児期に異常は指摘されていなかった.4か月時,発熱と不機嫌を主訴に近医を受診したが,翌朝から哺乳不良,傾眠となり,画像上,右巨大縦隔腫瘍を認め精査加療目的に当科に紹介された.入院時,頻呼吸および陥没呼吸を認め,白血球数30,400/μl, CRP 9.7mg/dlと高度の炎症所見を認めた.胸部CTで右胸腔を占め縦隔を左方へ圧排する最大径9cmの内部に粗大な石灰化を伴う巨大充実性腫瘍を認めた.呼吸循環が保たれていたことから炎症のコントロール目的に待機手術の方針とし,入院から5日目に右開胸縦隔腫瘍切除術を施行した.腫瘍は後縦隔原発と思われ,周囲との癒着は軽度で全摘しえた.摘出標本は9×6.5×6cmで病理組織学的に成熟奇形腫と診断された.術後創感染を合併したが,呼吸循環に関しては合併症なく経過し,23病日に退院した.術後2年再発無く外来経過観察中である.
著者
山上 泰史 伊藤 良生 中西 功 副井 裕 小林 正樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会総合大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, 1997-03-06

巡回型LMSアルゴリズムが, 安定に動作するためのステップサイズの範囲は, 文献[1]で与えられている. また, それに基づく可変スデップサイズ型アルゴリズムも提案されている[2]. しかしこのアルゴリズムの収束特性については詳しく検討されていない. 本文では, 可変ステップサイズ型アルゴリズムの, z平面上における動作について考察する.
著者
二見 順 入江 浩彰 大江 修造 西 功
出版者
日本質量分析学会
雑誌
Journal of the Mass Spectrometry Society of Japan (ISSN:13408097)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.386-388, 1999 (Released:2007-10-16)

In recent studies, it has been revealed that Helicobacter pylori (HP) causes stomach cancer, stomach ulcers, duodenal ulcers and chronic gastritis. The 13C-urea breath test (UBT) is one of the diagnostic methods for HP infection. A new UBT method with the respiratory mass spectrometer developed by authors continuously measures with on-line the amount of decomposed 13C-urea in the stomach after the administration of 13C-urea. Trial examinations by the new method were carried out with two subjects; one was diagnosed positive of HP infection and the other was negative by clinical examinations. Significant difference was found in the amount of decomposed 13C-urea between both subjects. The results presented in this paper demonstrate that the new UBT method is applicable to the clinical use in the diagnosis of HP infection.
著者
中西 功 西口 直登 伊藤 良生 副井 裕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.87, no.6, pp.805-815, 2004-06-01
被引用文献数
17

オンライン署名照合において,筆順(位置情報)の時間的変化を離散ウェーブレット変換(DWT)に基づくサブバンド分解により多重レベルに分解した信号を用いることを提案する.時間領域の信号では本人と詐称者の違いが明確でない場合でも,サブバンド分解した高周波成分では個人ごとの違いがより顕著となることを利用する.ただし,本人であっても署名ごとにストローク数が変動することがあり,それが照合結果に影響を与えることから,DPマッチング法を導入することにより,ストローク数の変動を考慮した柔軟な照合方法を実現する.一方,照合アルゴリズムとしては適応信号処理技術を応用する.適応信号処理は出力と所望信号との誤差が小さくなるようにシステム内の係数を更新するもので,入力が所望信号に近ければ係数は1に収束することを利用して照合を行う.特に,正規化ステップサイズアルゴリズムを導入することにより安定した収束特性を実現する.署名照合実験の結果,本人には自筆署名の参照を許さず,詐称者には本人署名をなぞることを許した条件下において,識別率約95%が得られた.時間領域で照合する場合に比べて識別率が10%向上した.