著者
友松 雄一郎 芳野 純治 乾 和郎 若林 貴夫 奥嶋 一武 小林 隆 三好 広尚 中村 雄太 神谷 直樹 三浦 正剛
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.49, no.2, pp.178-184, 2007-02-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
39
被引用文献数
4

大腸憩室出血の特徴を,特に抗血栓薬に着目して検討した.2002年7月~2005年11月までに下部消化管出血にて大腸内視鏡検査を実施した332例のうち,大腸憩室出血と診断されたのは32例(9.6%)であった.大腸憩室出血は65歳以上の高齢者が90.6%と大部分を占めた.出血部位は左側結腸78.1%,右側結腸21.9%,出血形態は凝血塊付着81.3%,湧出性出血15.6%,噴出性出血3.1%であった.憩室は多発93.8%,単発6.2%であった.輸血を必要としない軽症は81.3%,内視鏡治療の必要がなかったものが81.3%と大部分を占めた.抗血栓薬の内服率は50%(16/32)と他の下部消化管出血をきたした疾患に比べて高値であった.大腸憩室出血例の半数は抗血栓薬を内服しており,高齢者が大部分を占めることから,大腸憩室を有する高齢者への抗血栓薬投与は出血の主な誘因の一つと考えられた.
著者
熊谷 直樹
出版者
横浜市立大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1995

結膜炎を伴わないアトピー性皮膚炎患者および、アトピー性角結膜炎患者の結膜組織、眼脂の培養を行った.それぞれ約1/3の症例で何らかの細菌が培養された.その内、約8割が黄色ブドウ球菌で他に表皮ブドウ球菌、コリネバクテリウムがみられた.自他覚症状をスコア化し、角結膜所見の重症度と培養陽性率の比較を行ったが、両者に相関関係はなかった.湿潤な活動性の眼瞼炎を併発している症例で黄色ブドウ球菌の培養陽性例が多くみられ、角結膜所見よりはむしろ皮膚所見の重症度と細菌感染が関連していると考えられた.涙液中の細菌性スーパー抗原の検出については、患者群では流涙を伴っており充分な検体採取が出来るが、コントロール群で充分な涙液採取が出来ない症例が多く、現時点では結論は出ていない.
著者
松浦 弘幸 神谷 直樹 石川 耕介 近藤 理恵 松崎 照美 行正 徹 中野 正博 玉川 雅章
出版者
バイオメディカル・ファジィ・システム学会
雑誌
バイオメディカル・ファジィ・システム学会誌 (ISSN:13451537)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.97-106, 2013-10-12

生活支援機器では,機械中心の安全概念と供に人間中心的安全が重要である.これは,人間の解剖生理学的特性に基づいて機械に各種の機構・機能的クライテリアを要請するものである.リスクは相対的で他者との比較で議論される生存率や死亡率として出力される.リスク選択は、便益と不利益を考慮して死亡リスクを10^<-5>〜10^<-6>に制御するが,最終的判断(許容レベル)は,社会の成員に委ねられる.TRISSから,ISS3の受傷者の死亡リスクは0.0035となり,これは,機器を毎日4時間程度使用し,人の寿命90年を想定すると,生涯死亡率5.8%,平均余命損失2.7年,年間死亡率0.0007と計算される.この数値は,産業別死亡率や自動車事故や不慮の事故死亡率よりも遥かに小さく,自然災害による死亡と同比率である.TRISSは,同一部位に存在する多発性外傷と高齢者の年齢の影響を考慮していない.しかし,単一外傷による軽傷や重症のリスクアジャスターとしては,ACSOTと類似の結果を与える.
著者
藤永 洋 萬谷 直樹 喜多 敏明 柴原 直利 寺澤 捷年
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.267-273, 1999-09-20
被引用文献数
1

激しい腹痛発作を繰り返すガス症状優位型の過敏性腸症候群に対して、『医学統旨』の柴胡疎肝湯が著効した一例を経験した。 患者は31歳男性。1994年11月より2〜3ヶ月ごとに激しい腹痛発作と腹部膨満感を訴え、近医へ救急受診を繰り返していた。これまでに3回入院して精査を受けたが器質的異常は認められなかった。腹痛発作に腹部膨満感などのガス症状を主に伴うことよりガス症状優位型の過敏性腸症候群と診断した。また、腹部単純X線写真で左結腸脾彎曲部に著名なガス像を認めたことから脾彎曲部症候群が疑われた。1996年6月より当科外来で『医学統旨』の柴胡疎肝湯を開始したところ、その後症状は出現しなくなった。さらに感情不安定や立ちくらみ、皮膚症状なども軽快した。 柴胡疎肝湯の目標は四逆散証で気鬱の病態が強いことであり、ガス症状優位型の過敏性腸症候群に対して有効な処方であることが示唆された。
著者
福田 恵子 藤井 麻美子 深谷 直樹
出版者
東京都立産業技術高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

近赤外分光法による脳機能計測において、測定信号に含まれる姿勢変化等の外乱や感情等の情報を含む皮膚血流の影響を大脳皮質血流から分離する計測法に関する研究を行った。まず、提案する2種類の補正信号を用いる皮膚血流変化の影響の補正手段に関して、シミュレーション及びファントム実験により、有効性を確認した。また、手段の実現に適した信号の変調・復調方式を提案し、その動作をファントム実験にて確認した。また、生体計測においては、皮膚血流の補正信号を測定対象信号と同時に計測し、測定対象信号に含まれる外乱の影響を確認した。
著者
高谷 直樹
巻号頁・発行日
2013

科学研究費助成事業(科学研究費補助金)研究成果報告書:基盤研究(B)2009-2011
著者
谷 直樹 野口 明則 竹下 宏樹 山本 有祐 伊藤 忠雄 中西 正芳 菅沼 泰 山口 正秀 岡野 晋治 山根 哲郎
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.40, no.8, pp.1536-1541, 2007-08-01
被引用文献数
11

今回,我々は直腸癌術後の膵および肝転移に対する1切除例を経験したので報告する.症例は78歳の男性で,1993年に直腸癌に対して直腸切断術,肝S7の同時性転移に対する肝部分切除を施行した.術後は無再発に経過していたが,11年目の2004年10月腫瘍マーカーの高値を指摘され,腹部遺影CTを施行したところ膵体部および肝S4に腫瘍を認めた.ERCPで膵管の途絶を認め膵体部癌および肝転移を疑い膵体尾部脾合併切除および肝部分切除を施行したが,病理組織学的検査の結果はともに11年前の直腸癌からの転移であった.大腸癌の膵転移はまれな病態であるが,初回手術から長期間を経てから生じること,経過中に肺,脳,肝臓など多臓器に血行性転移を生じる例が多いこと,予後不良であるなどの特徴を有するので治療上の注意が必要である.本邦報告例の検討から,初回手術後長期経過して発見された膵転移は切除後の予後が比較的期待できる可能性があると考えられた.
著者
池谷 直樹 谷本 潤 萩島 理 相良 博喜
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
no.26, pp.845-848, 2007-12-20
参考文献数
7
被引用文献数
1

In order to reproduce both transient dynamics and space distribution of an urban population only derived from a simple self-organism principle, a multi-agent simulation model is established. A resident agent tries to move to a cell so as to maximize his own utility that is defined by both effects of distance from the urban central and population density. The so-called "doughnut phenomenon" as well as growing Densely Inhabited District (DID) can be emulated qualitatively, even though the model bases on a simple self-organism rule.
著者
室住 正世 中村 精次 横山 裕之 茶木 一寿 津谷 直樹 福田 薫
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.35, no.8, pp.759-765, 1986-08-05
被引用文献数
1

^<107>Ag,^<116>Cd,^<65>Cu,^<61>Ni,^<296>Pb,^<203>Tl,^<68>Znの7安定同位体をスパイク(標準添加法で使用するトレーサー)として用いる水中の銀,カドミウム,銅,ニッケル,鉛,タリウム,亜鉛の同位体希釈表面電離質量分析法による同時定量法について報告する.水とは水道水,蒸留水,サブボイリング蒸留法によって得た純水で,各成分の濃度は10^<-6>g kg^<-1>ないし10^<-11>g kg^<-1>である.検出限界は成分によって相違があるが,10^<-12>gないし10^<-15>gであり,^<109>Ag/^<197>Ag,^<114>Cd/^<116>Cd,^<63>Cu/^<65>Cu,^<58>Ni/^<61>Ni,^<208>Pb/^<296>Pb,^<295>Tl/^<203>Tl,^<66>Zn/^<68>Znの測定精度は9回以上の繰り返し測定値の相対標準偏差としてスパイクで0.5%,水試料では1%であった.この方法は単に水試料に限らず無機材料一般に応用できるが,ここでは超微量分析の見地から述べる.
著者
谷 直樹 中嶋 節子 増井 正哉 岩間 香 西岡 陽子
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1997

本研究は、祭礼時の町家および街路空間を中心としたハレの日の演出に着目して、その現状を詳細に調査し、聞き取りや文献研究によって、歴史的変遷を明らかにすることを目的に進めてきた。調査期間は、平成9年度、10年度の2年間で、現地調査は本調査・補足調査を含めて近江日野祭、越前三国祭、京都祇園祭、大阪天神祭、小浜放生会、近江大津祭、京都鞍馬祭、丹波亀岡祭、伊賀上野天神祭で実施した。現地調査にあたっては、建築班・街路班・民俗班・美術班を編成して総合的な調査分析を試みた。町家・町会所でのお飾りの実測調査、街路空間における演出要素の分布調査、祭礼の建営母胎や準備状況についての聞き取り調査、屏風の作品調査等を行った。また、祭礼関係絵図、地誌、町の共有文書などの資料を収集することによって、歴史的変遷を解明した。以上の調査研究によって、神事や山車を中心にしたものが主流であった従来の祭礼研究に、町家や街路の演出手法についての新たな知見を加えることができた。その概要は次の4点に要約できる。(1) 両側町という比較的閉鎖的な都市空間では、軒庇を利用した幔幕、提灯の飾りが定型になっている。(2) 町並みを構成する町家はふだんは閉鎖的であるが、祭礼時には通りに向かって開放的になり、展示空間として機能している。(3) 町会所や当番の町家では、山車の懸装品等が展示され、コミュニティ施設にふさわしいハレの演出が見られる。(4) 祭礼時の空間演出の研究は、民家史研究や住生活史研究のみならず、歴史を活かしたまちづくりを進める上で、建築計画学、都市計画学においても大きな意味をもつものといえる。報告書は、総論として建築・都市、美術史、民俗の3つの視点から分析を行い、事例報告で鞍馬祭、天神祭、大津祭、日野祭、亀岡祭、上野天神祭、小浜放生会、三国祭を紹介した。
著者
千森 督子 谷 直樹
出版者
和歌山信愛女子短期大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

目的(1)「主屋の平面構成を通して住生活の特性と変容を明らかにする」は、今まで明確にされていなかった地域独特の平面型も含め、複数の型の分布を把握し、住生活を含めた地域特性、変容を捉えることができた。目的(2)「自然風土条件でも台風や横殴りに降る風.から家屋を守るための建物の特性と変容を明らかにする」では、.除け板や石垣、生垣などの地域独特の防風.対策や屋敷構えと家屋との関係性を掌握し、変容を明らかにした。