著者
水谷 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.45, pp.7-12, 2002-05-06

通信ネットワークは,利用者数が増すにつれて利便性が向上するサービスとして典型的な例である.この性質はネットワーク外部性と呼ばれ,クリティカル・マスに達すると普及が自動的に進行するという特性をもつ.従来から,クリティカル・マスの存在を示すモデルは提案されていたが,個人が全体の普及率にもとづいて購入意思決定するモデルとなっていた.本報告では,周囲の誰が利用しているかを考慮して購入意思決定するものとし,考慮に入れる人数および知人関係の構造がクリティカル・マスに与える影響について考察する.
著者
大谷 直樹 馬場 雪乃 鹿島 久嗣
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.29, 2015

クラウドソーシングで大規模なデータに対して注釈付けを行うためには、高い品質を小さなコストで実現する品質管理手法が求められる。本研究は、階層的な構造を持つタグを付与する階層的分類タスクに対して高精度にラベルを統合する手法を提案する。中間階層での情報を加味してワーカーの意思決定のモデルを設計し、多数決や既存手法よりも高い精度で正解ラベルを推定できることを実データを用いた実験により示した。
著者
倉田 賢生 井上 昇 近藤 聡子 斧沢 京子 谷 直樹 南 順也 大石 涼 長野 祐久 荒木 弘 桑野 博行 福岡市民病院COVID-19ワクチンワーキンググループ
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.96, no.3, pp.65-73, 2022-05-20 (Released:2022-05-20)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

本研究は,トジナメラン被接種者に出現した副反応の経日的な調査,および副反応の出現率に影響する共変量の探索を目的とした.2021年3月から4月において,福岡市民病院にて本ワクチンが接種された職員を対象に,注射部位および全身の副反応(13項目)を接種当日(day 1),day 2,day 3,day 4,およびday 5以降ごとに調査した.副反応の出現率は,ほとんどがday2において最高値を認めた.1回目接種後(および2回目接種後)のday2での出現率は,注射部位の疼痛が86.0%(86.9%),倦怠感が33.2%(76.9%),頭痛が14.3%(56.9%),筋肉痛が37.0%(57.2%),発熱が5.2%(51.1%),および関節痛が9.3%(43.9%)であった.2回目接種後は1回目と比較して副反応が遷延する頻度,および中等度以上の副反応(疼痛,腫脹,皮疹を除く)が出現した被接種者の割合がそれぞれ有意に高かった.各副反応の出現率に性差,年齢差,および接種回数による差のいずれかが存在することが認められた.特に全身倦怠感および頭痛の出現率は,女性,55歳以下の年齢および2回目接種のすべてにおいて有意に増加した.女性および2回目接種は,影響する副反応の出現率の上昇のみをもたらす共変量であった.本ワクチンの副反応の出現率は,2回目接種翌日における女性および55歳以下の被接種者において高いことが示された.本研究結果は,本ワクチン被接種者の副反応の予測,および接種日の設定の際に有用であると考えられる.
著者
太子堂 正称 井上 義朗 間宮 陽介 桑田 学 原谷 直樹 野原 慎司 高橋 泰城 板井 広明 江頭 進 小沢 佳史 佐藤 方宣 笠井 高人 高橋 聡 村井 明彦
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は、現代の経済理論が前提としている人間像について、その思想的系譜を解明することを目指して行われた。スコットランド啓蒙における「経済学の成立」から現代の行動経済学・神経経済学へと至るまでの野党な経済学者、理論の分析を通じて、効用や利潤の最大化を図る利己的人間観が登場してきた過程だけではなく、それぞれの経済思想家の主張の背後には、利他性や社会性を含む多様な人間像が含まれていたことが明らかとなった。
著者
大田 靖 水谷 直樹
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会和文論文誌 (ISSN:13498940)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.22-45, 2021 (Released:2021-08-20)
参考文献数
26
被引用文献数
3

本研究では,ファッションや映画、食品などの人間社会的流行に対して,先行研究で提案された数理モデルを基に,疫学的流行を記述する数理モデルの基礎となったSIRモデル,及びマーケティングにおけるイノベータ理論を考慮し,新しい形の流行モデルを提案した.また,一過性で終わるような流行(以下,一過性タイプの流行),及び再び盛り上がりをみせるような流行(以下,再起タイプの流行)の実データを用いて,ベイズ推定のアプローチによる提案モデルのパラメータ推定を行い,さらに,実データへのフィッティングを行った.本研究で提案されたモデルによって,再起や微細な振動を表現することが可能となり,先行研究で提案された数理モデルに比べて実データへのフィッティングにおいて,その精度を大幅に高めることができた.特に,再起タイプの流行であるKitKatや本麒麟のSNSへの投稿データにおいては,多少のずれはみられるものの,明らかに先行研究のモデルでは表現できていなかった再起や微細な振動が再現された.これらの結果から,提案モデルは人間社会的流行の変遷を説明するための便利なツールであることが結論づけられた.
著者
萬谷 直樹 岡 洋志 渡邊 妙子 長崎 直美
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.377-381, 2017 (Released:2018-02-07)
参考文献数
11
被引用文献数
2 3

黄芩含有漢方薬による肝障害の頻度を推定するため,当院の全てのカルテをレトロスペクティブに調査した。黄芩含有方剤を服用した2430例のうち,1547例(63.7%)で肝機能検査が施行されていた。1547例のうち黄芩含有漢方薬による肝障害が否定できない例を19例(1.2%)みとめた。その肝障害の臨床像は過去の報告と大差がなかった。 今回の調査でも黄芩含有方剤による肝障害の頻度は1%前後であると推測され,過去の文献報告と一致していた。
著者
萬谷 直樹 小尾 龍右 藤井 泰志
出版者
一般社団法人 日本臨床リウマチ学会
雑誌
臨床リウマチ (ISSN:09148760)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.204-207, 2010-06-30 (Released:2016-02-26)
参考文献数
8

2003年にRAを発症した44歳男性.MTX,PSL,サラゾスルファピリジンでも改善しなかった.2007年MTXとPSL15mg/日でCRPは低下したが,PSL減量で再燃.2008年12月当院受診.漢方エキス剤では改善なし.2009年3月からのエタネルセプトとMTX療法の効果は限定的で,MMP-3も上昇.8月より桂枝二越婢一湯加苓附(煎じ薬)を開始.痛みは10%まで低下し,DAS28-CRPやMMP-3も減少.今日まで低値を維持している.
著者
増田 亜樹 碓田 智子 谷 直樹
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.76, no.667, pp.1745-1751, 2011-09-30 (Released:2012-01-13)

The purpose of this paper is to consider the permanent exhibitions in public museums of history and explain the transition of their exhibitions. We selected 58 museums among public museums of history opened during the postwar period, and analyzed their original permanent exhibitions. The results are as follows. It was found that the permanent exhibitions were classified 7 types (field exhibition, general history exhibition. subject exhibition, and their combinations). Permanent exhibitions of history museums turned from field exhibition into general history exhibition in the latter half in 1970's. The subject exhibition appeared in 1980's and they have spread.
著者
一色 努 合田 英子 造々 晶子 蜂谷 直樹 越智 るり子
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.425, 2019 (Released:2021-10-30)

はじめに 重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))は意思疎通が困難なことが多く、その時々に必要なケアを看護師の判断に委ねることが少なくない。看護師は自分の頭で考え必要な看護ケアを判断し実践する。このような中、看護師の五感を使ったフィジカルアセスメント能力の向上は重症児(者)の看護ケアに効果があると考え、Z施設ではT大学の協力を得てフィジカルアセスメント研修を年2回行い今年で3年が経過した。その取り組みについて報告する。 方法 T大学病院研修センターにおいてプログラミングシミュレーション人形を使用し、重症児(者)が起こしやすい病態を、2事例設定しシミュレーション研修を行う。 研修は2人1組で行いシミュレーション8分、ディブリーフィング10分を行い、1回の研修参加者3組6名とした。 過去3年間、この研修に参加した32名の看護師にアンケート調査を行い、研修に参加したことで自身の看護ケアにどのような影響をもたらしたか、聞き取りを行った。 結果 何が起こり何を考え何を行ったか言語化することで、看護ケアに根拠と自信が持てるようになった。他者が看護ケアの根拠を伝えてくれることで、看護ケアを多角的に考えることが出来るようになった。自分に足りないところ、気付けなかったところが気付けるようになったという効果が聞き取りできた。 考察 研修参加者は2人1組で実践を行うことで、今何が起きているのかお互いに考えを述べケアを行うことで自分の頭の中の考えだけでなく相手の考えを聞くこができた。また3組それぞれの実践を見学することで、アプローチの方法が自分と異なることもあるということを知ることができたと考える。 申告すべきCOIはない。
著者
増井 正哉 谷 直樹 新谷 昭夫 田中 敏宏 中村 淳
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.247-252, 1992-10-25 (Released:2019-12-01)
参考文献数
3

THE COMMON FACILITIES, CHOKAISHO, MANAGED AND OWNED BY CHO COMMUNITIES, DURING THE EARLY MODERN TIMES ARE EVEN TODAY ONE IMPORTANT MODE OF CHO MANAGEMENT. IN SPITE OF THE GREAT SOCIAL ENVIRONMENTAL CHANGES IN THE PAST RECENT YEARS THESE FACILITIES HAVE PRESERVED AT LEAST SOME OF THEIR HISTORICAL ROLE IN THE LIFE OF CHO COMMUNITIES OF A HISTORIC CITY, KYOTO. WE FOCUSED IN THE PROFILE OF USE MANAGEMENT OF THESE FACILITIES AS WELL AS IN TRENDS OF CHANGES THESE FACILITIES FACE TODAY.
著者
中尾 達雄 増井 正哉 谷 直樹 新谷 昭夫 田中 敏宏
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.7-12, 1991-10-25 (Released:2020-05-01)
参考文献数
4

WE HAD AN INTERVIEW WITH A REPRESENTATIVE OF EACH PRESERVATION ORGANIZATION IN GION MATSURI AREA ON FUNCTIONS OF TOWN COMMUNITY HOUSES AND TOWN ORGANIZATIONS. BASED ON ACQUIRED DATA AND SOCIAL INFRASTRCTURE WE ANALYZED RELATION BETWEEN TOWN COMMUNITY AND FESTIVAL-MANAGING ORGANIZATION FROM THE STRUCTUAL AND MANAGERIAL POINT OF VIEW. NEXT WE CLARIFIED HOW EACH ITEM OF FESTIVAL PROGRAMS IS CARRIED OUT BY FESTIVAL ORGANIZATIONS AND ANALYZED MECHANISMS OF FESTIVAL MANAGIMENT BY TOWN COMMUNITY. WE THEN DEFINED NECESSITY OF FUNCTIONS OF TOWN COMMUNITY HOUSES AS FINANCIAL FOUNDATION OF FESTIVAL-MANAGING ORGANIZATION AND AS COMMON FACILITIES AND CONSIDERED HOW THOSE ORGANAIZATIONS HAVE MAINTAINED THEMSELVES.
著者
中村 淳 増井 正哉 谷 直樹 新谷 昭夫
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.1-6, 1991-10-25 (Released:2020-05-01)
参考文献数
2

DURING THE GION MATSURI, WHICHI IS A HISTORICAL URBAN FESTIVAL, NOT A SPECIAL SPACE IS PROVIDED BUT ORDINARY SPACE, HISTORICAL TOWN HOUSES (MACHIYA) AND STREETS CHANGED BEAUTIFULLY. DURING THE FESTIVAL TIME THE STREET IS DECORATED BY LANTERNS AND CURTAINS AND PEOPLE SET UP TEMPORARY NIGHT STALLS. IN HISTORICAL TOWN HOUSES (MACHIYA) THE ROOMS ARE DECORATED BEAUTIFULLY AND THE PASSENGERS CAN SEE THEM. THIS IS CALLED BYOBU MATSURI. THIS PAPER ANALYZED AND EXAMINED THE CHANGE OF THE STREET SPACE IN THE URBAN BLOCKS IN GION MATSURI AREA. THIS PAPER SUGGESTED ITS SIGNIFICANCE FOR HABITATION IN THE FUTURE IN THE CENTRAL DISTRICT.
著者
谷 直樹
出版者
平凡社
雑誌
月刊百科
巻号頁・発行日
no.560, pp.40-46, 2009-06
著者
谷 直樹 中嶋 節子 植松 清志
出版者
一般財団法人 住総研
雑誌
住宅総合研究財団研究年報 (ISSN:09161864)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.131-142, 2002

本研究は,近世大坂における蔵屋敷の住居史的な解明を目的としたものである。すわなわち,その建築構成,施設の機能空間構成の特質等を明らかにし,さらに都市大坂との関わりを蔵屋敷の年中行事を通して考察した。大坂蔵屋敷関係の資料は各所に分散しているので,まず資料の所在確認を行い,約16藩の蔵屋敷関係の資料を収集する事ができた。主に指図を分析した結果,東国と西国,大藩と小藩等で施設の構成等に差異がある事を明らかにした。また蔵屋敷内には本国の代表的な社が勧請されており,その祭礼は「蔵屋敷祭礼」として大坂の年中行事に掲げられている。蔵屋敷は経済的な機能だけでなく,大阪の都市文化を考える上でも重要な施設であった事を指摘した。