著者
遠藤 浩士
出版者
公益社団法人 埼玉県理学療法士会
雑誌
理学療法 - 臨床・研究・教育 (ISSN:1880893X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.3-8, 2015 (Released:2015-01-09)
参考文献数
9

スポーツ現場において,理学療法士がスポーツ選手や愛好家などを対象に活動するためには,スポーツの競技特性を捉えることが重要であり,スポーツ外傷・障害の予防と復帰後の競技パフォーマンスに取り組むべきである。2020年の東京オリンピックという大きな大会でスポーツ活動支援を行うためにも,理学療法士が今「何をするべきなのか?」また「何が出来るのであろうか?」。その問いに対しては,スポーツ活動をこれから行う子供や現在行っている子供からスポーツ活動を継続的に行っている選手に至るまで,地域ごとに対象者を取り巻く環境整備などに取り組んでいく必要がある。「スポーツ」という大きな括りとしては,選手のみならず監督・指導者といったスポーツ現場と,医師・理学療法士を含めた医療現場との連携が必要である。さらにスポーツ活動支援を充実するうえでは,理学療法士という職域を超えた知識や技術が求められる。
著者
遠藤 浩介
出版者
学習院大学
雑誌
研究年報 (ISSN:04331117)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.93-116, 2009

Die vorliegende Arbeit versucht anhand der Reichstagsdebatte aus dem Jahr 1911 aufzuzeigen, dass der Fraktur-Antiqua-Streit im Rahmen eines Diskurses um die Sichtbarkeit der Schrift vonstatten ging. Die Überlegenheitsansprüche der jeweiligen Schriftarten wurden einerseits entweder in ihrer Funktionalität oder ihrer künstlerischen und repräsentativen Qualität begründet; andererseits wurde auch auf den Aspekt der Schriftbildlichkeit Wert gelegt ─ dies vor allem dann, wenn die Verfechter der Antiqua deren künstlerische Qualität hervorhoben. In der Reichstagsdebatte teilten beide Seiten die Meinung, dass die Fraktur vom Aussterben bedroht sei. Diese Auffassung hing medientheoretisch mit dem Aufkommen der Schreibmaschine zusammen, die die Antiqua massenhaft verbreite und die Präsenz der Fraktur erheblich beeinträchtigte. Dem entsprechend erklärten die Antiquaverfechter, unter Berufung auf eine funktionale Strukturierung auf der sichtbaren Ebene, ihre Schrift als durchaus mediengerecht, während die Bedeutung der Fraktur nur noch in künstlerischer Qualität und nationalistischer Repräsentation("deutsche Schrift als Sinnbild vom Deutschtum")gesehen wurde. Weil aber die Rhetorik der Antiquaverfechter trotz der angeblichen Distanzierung in Wahrheit immer auf die ästhetische Dimension der Schrift zurückkam, knüpften beide Parteien in Hinsicht der künstlerischen Qualität der Schrift aneinander an. Dadurch wurde in der Diskussion immer mehr von der Bildlichkeit der Schrift geredet. Das zeigte sich vor allem in der Assoziation der Schriftform mit dem gesehenen Gegenstand und in der Identifizierung des Schreibprozesses mit dem malerischen Akt("Zeichnen" des Kreises und der geraden Linie). Daraus ergibt sich, dass die Diskussion in Fraktur-Antiqua-Streit zwischen Schriftlichkeit und Bildlichkeit auf der sichtbaren Ebene der Schrftarten oszillierte.
著者
長瀬 エリカ 遠藤 浩士 竹中 良孝 根岸 朋也 水田 宗達 佐々木 良江 浦川 宰 名塚 健史 藤縄 理
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.G3P1583-G3P1583, 2009

【はじめに】埼玉県理学療法士会スポーツリハビリテーション推進委員会では、平成20年7月27日~8月21日に埼玉県で開催された、平成20年度全国高等学校総合体育大会埼玉県大会へのコンディショニングサポート(以下、CS)を、アーチェリー・新体操・体操・ウェイトリフティング・ボート・水球の6競技において行った.CS実施の意義と今後の活動への方向性について知見が得られたので報告をする. <BR>【目的】理学療法士(以下PT)のスポーツ現場におけるCS活動の意義の把握と今後のCS活動の方向性を検討する.<BR>【方法】対象は上記6競技のCS活動(期間中延べ37日間)に参加した埼玉県士会員101名であり、アンケート用紙調査より集計を行い検討した.アンケート回答内容の使用についてはアンケート用紙調査にて承諾を得ている.<BR>【結果】アンケートの回収は82名(男53名、女29名)であった.(回収率81%)参加者の平均PT歴は5.3年、1日施術平均人数6.37人(最少競技3.0人、最多競技11.5人).CS内容はマッサージ92.7%、ストレッチ90.2%、テーピング41.5%、相談(リハビリ・進路)29.3%、アイシング28.0%だった.選手の反応は80.5%が「良好」、障害状態の把握は73.2%のPTが「できた」とし、また、98.8%が「CS活動の中から情報が得られた」「PTが現場にいる意義がある」と答えた.73.2%が「CS内容は病院で行うスポーツリハビリとは異なる」とし、「今後のCS活動への参加希望者」は63.4%、「競技による参加希望者」は26.8%、「しない」は6.1%だった.<BR> 自由記載ではスポーツ現場では短時間内での評価と即効性のある治療が要求されること、自己の力量不足の再認識をしたなどが多かった.また、競技団体による関心度の違いや競技傷害特性は現場にいることで学べた、PTとしてのアイデンティティを出すことが今後重要であるという意見があった.<BR>【考察】埼玉県士会の多大なバックアップのもと、県士会員の声から県士会という団体での初CS活動が実現した.今回のCS活動は技能のスキルアップへの意識付けや鍛錬の場にできたと考える.また、殆どのPTが短時間内での傷害把握を可能とし、スポーツ現場の要求に対応可能だった.<BR> 確かな技能により1例の悪化例もなく、選手への適切な傷害説明・施術ができた.このPTのアイデンティティを発揮できる公益活動は、今後の職域拡大や技能向上にも必要と考える.<BR> 今後の活動について約9割以上のPTがCSを希望し、現場での活動に意義があると考えていることから、現在の高校野球や他競技でのCSや技能向上の研修会が必要と示唆された.
著者
遠藤 浩正
出版者
Japanese Society for Oral Health
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.665-674, 1994-10-30 (Released:2010-10-27)
参考文献数
21
被引用文献数
5

咀嚼機能の問題は, 摂食機能の基礎となるものとして, 幼児期から老年期の各ライフステージにわたって考慮されなければならない。そこで今回, 著者は発達期の児童および生徒の咀嚼能力の評価法の確立のために, 小学生と中学生を対象に口腔内診査, 咀嚼値の測定ならびに咬合の発達と咀嚼能力の関連についての解析を実施した。調査対象は埼玉県下の小学生1年生から6年生までの児童513名 (男子249名, 女子264名) と, 中学校1年生から3年生までの生徒387名 (男子193名, 女子194名) であった。口腔内診査では現在歯数とう蝕の状態について診査を行った。咀嚼能力の測定は乾燥したピーナッツを用いた篩分法によって行った。さらに咬合の発達状態を総咬合力, 平均咬合力および咬合接触面積を用いて測定・解析を行った。今回の研究の結果より, 以下の結果を得た。1. 咀嚼値は小学校5年生あるいは6年生で低下し, 中学生ではほぼ一定となる傾向がみられた。2. 総咬合力, 咬合接触面積は増齢とともに増加する傾向がみられたが, 小学校5年生あるいは6年生で一時的に低下する傾向が認められた。3. 咀嚼能力に影響を与える因子として, 永久歯現在歯数, 総咬合力および咬合接触面積との関連性が示唆された。4. 本研究の結果から, 学齢期における食生活指導を行う際には, 咀嚼能力の発達に考慮した指導内容とする必要性が示唆された。
著者
中川 洋 森 俊一 遠藤 浩之
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.61, no.590, pp.3554-3560, 1995-10-25 (Released:2008-03-28)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

This paper describes the effects of water-emulsified fuel on diesel spray combustion. Theoretical analysis and numerical simulation show that the high momentum of water-emulsified fuel spray per unit mass due to lower calorific value leads to higher air entrainment into spray than in the case of ordinary fuel. The experimental results show that these effects cause a reduction in the temperature of the combustion reacting zone of water-emulsified fuel spray, and a shortened combustion duration, and less formation of soot and nitric oxide in a diesel engine.
著者
太田 勝巳 伊藤 憲弘 細木 高志 遠藤 浩司 梶川 修
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.407-412, 1993
被引用文献数
2 4

水耕ミニトマト, 'シュガーランプ', 'サンチェリー','ミニキャロル'および'アカコッコ'において培養液濃度が裂果発生に及ぼす影響を検討し, 裂果発生機構の解明を試みた。<BR>'アカコッコ'を除いた3品種においては培養液濃度が高いほど裂果発生が増加した。しかし, 'アカコッコ'は培養液濃度の影響を受けなかった。成熟果および裂果までの積算温度の差異はいつれの品種においても培養液濃度の影響がみられなかった。裂果発生が増加した要因は糖度の上昇, 果実の浸透ポテンシャルの低下および果肉の硬さの低下などによるものと考えられた。高濃度で栽培された果実ほど少ない水の注入量(果実体積当たりも同様) で人工裂開を生じた。<BR>'サンチェリー'は高培養液濃度で栽培された果実の果肉部分における浸透ポテンシャルが低下していた。吸水試験では高培養液濃度における果実ほど裂果が多く発生し, 果実の膨張率が高くなり, 吸水能力が高いことを示した。
著者
名塚 健史 遠藤 浩士 長瀬 エリカ 佐々木 良江 鮫島 菜穂子 竹中 良孝 北村 直美 浦川 宰 根岸 朋也 山田 智教 藤縄 理 高倉 保幸
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, 2007-04-20

【はじめに】今回、埼玉県理学療法士会スポーツリハビリテーション推進委員会(以下スポリハ委員会)では埼玉県高等学校野球連盟(以下高野連)の依頼により、第88回全国高等学校野球選手権埼玉大会(以下選手権大会)、秋季埼玉県高等学校野球大会(以下秋季大会)でメディカルサポートを実施した。そこで、実際の活動内容と今後の課題について考察し報告する。<BR><BR>【方法】選手権大会は準々決勝、準決勝、決勝の7試合、2球場で各日程4名、秋季大会は準決勝、決勝の3試合、1球場で各日2名の体制でサポートを行った。サポートスタッフはスポリハ委員会の中から甲子園でのサポート、スポーツ現場での活動経験があるメンバーを中心に構成した。サポート内容は試合前後のコンデショニング・テーピングなど、試合中は所定の場所で待機し、デッドボールなど緊急時の対応を行った。実際に行ったサポートの内容はすべて記録し、1日毎終了後高野連側へ提出した。<BR><BR>【結果】実際の活動は、テーピング、外傷に対するチェックと応急処置、試合後のコンディショニングが活動の中心であった。選手権大会はテーピング2件、外傷後のチェック約15件、アイシング2件、熱中症の対応数件、コンディショニング1件であり、秋季大会はテーピング1件、外傷後のチェック約8件、アイシング1件、コンディショニング4件であった。最も多かったのは外傷後のチェックとコンディショニングであり、1試合平均3~4件程度の活動を行った。部位の内訳は、テーピングは肘関節2件、手関節1件、コンディショニングを利用したのは2チーム5名で下肢1件、肩関節2件、腰部2件であった。<BR><BR>【考察】全体的に活動の件数が少ない傾向にあった。外傷のチェックは圧痛や運動痛など疼痛の問診を中心に行ったが、選手は試合を続けたいがために症状を正確に伝えていない可能性が考えられた。また、今回の活動は埼玉県の高野連では初めての試みであり、事前の説明が不足していたことも加わって選手や監督にサポートの内容が浸透していなかった可能性が考えられる。このため、潜在的には今回関わった以上の傷害が生じていた事が予測された。このことより、事前の組み合わせ抽選会などで理学療法士が直接サポートの説明やストレッチのデモンストレーション、障害予防の講演などを行い、サポート活動や障害予防に対する認識を向上させる必要があると感じた。今後も春季大会、夏の選手権大会、秋季大会とサポートを行うことが決まっており、サポート内容、質の向上、事前の啓蒙活動などが今後の検討課題となった。<BR>
著者
遠藤 浩士 朝倉 敬道 長瀬 エリカ 浦川 宰 佐々木 良江 藤縄 理 竹中 良孝 名塚 健史 水田 宗達 根岸 朋也
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2008, pp.C3P1422, 2009

<BR>【目的】平成20年度全国高等学校総合体育大会ボート競技大会において、埼玉県理学療法士会スポーツリハビリテーション推進委員会の中でコンディショニングサポート活動(以下、サポート活動)を行った.本大会でのPTによるサポート活動は全国でも初めての試みであり、競技・障害特性、活動成果について若干の知見を得たので報告する.<BR><BR>【対象・方法】試合出場選手695名、他関係者に対し、競技前・競技後のサポート活動を行った.公式練習を含む計7日間において、PT24名(1日平均6~7名)体制で、活動内容や利用者アンケートの集計結果を基に、競技の障害特性、介入の有効性について検討を行った.介入効果判定として、症状変化(ペインリリース法)、満足度調査(10段階法)、PTの主観的効果を指標とした.評価用紙及びアンケートの使用については、利用者から承諾を得た.<BR><BR>【結果】総利用者件数は311件で、1日平均44件、再利用率としては33%であった.男女率は、男性62%、女性38%、種目別ではシングル15%、ダブル37%、クフォド48%であり、特にクフォドのポジション別では、2番26%、3番30%の利用率が多かった.主訴は、疼痛37%、疲労感27%、張り感19%、だるさ11%であった.障害発生部位としては、男女共に腰部35%と多く、大腿部20%、下腿部14%、肩11%、膝8%であった.男女比による障害発生部位では、肩に関しては、男性よりも女性に高い傾向があった.発症期間は、大会期間中31%、7日以内5.3%、1ヶ月以内6.7%、1ヶ月以上前31%、未回答23%であった.発症機転としては、練習中29%、練習後27%、練習以外5%、不明8%、未回答31%であった.実施した具体的な内容としては、マッサージ30%、ストレッチ29%、リハ指導16%、促通8.7%であった.介入効果として、症状変化は、4以下が全体の57%、満足度調査結果は8点以上10点までが全体の86%、PTの主観的効果は、有効が61%であった.<BR><BR>【考察】障害の特徴としては、男女共に腰部・下肢への障害が多く、競技特性としてローイング運動そのもののパワーが要求される2番・3番のポジションにおける利用者が多かった.長時間における姿勢や不安定状況下での体幹の固定性が影響しているかと考えられる.特に肩の障害発生率では、女性の方が男性よりも高い傾向にあり、女性は男性に比べ、上肢への運動負荷・負担が強いられることや関節の弛緩性の問題なども影響している可能性がある.1ヶ月以上前のものや発症期間が不明確な事例など、慢性的症状を抱えている利用者が多かった.また、大会期間中における発症が予想以上に多く、大会直前の練習の追い込みや日頃抱えている慢性的症状が悪化したと推測できる.今回の利用者の症状変化・満足度調査結果やPTの主観的効果が高かったことから、PTが日常的に選手のコンディショニングに関わる事の重要性が示唆された.
著者
田淵 篤 正木 久男 稲田 洋 森田 一郎 石田 敦久 菊川 大樹 遠藤 浩一 村上 泰治 藤原 巍
出版者
The Japanese Society for Cardiovascular Surgery
雑誌
日本心臓血管外科学会雑誌 (ISSN:02851474)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.260-263, 2000

症例は26歳, 男性. 3年前にアメリカンフットボールの競技中に左膝靱帯損傷をきたし, 保存的加療を受けた. 2カ月前から左足の冷感, 知覚障害を自覚し, 当科に入院した. 大腿動脈造影では左膝窩動脈の高度狭窄, 前脛骨および後脛骨動脈の閉塞が示された. CT, MRI検査では左膝窩動脈内腔に突出した腫瘤, 解離などが考えられた. 手術は後方到達法で施行, 左膝窩動脈外側からの圧排はなく, 切開を加えると狭窄部位は白色血栓であった. 血栓を摘除し, 膝窩動脈切開部は自家静脈にてパッチ閉鎖した. 狭窄性病変の病理組織学的所見は, フィブリンを主体とした器質化血栓および内膜からなり, 血栓および内膜内に肉芽組織の進入が観察された. 本症の成因として鈍的血管損傷後の治癒過程で壁肥厚, 血栓形成をきたし, 狭窄したと考えられた. 術後経過は順調であった.
著者
松葉 豪 辺見 幸大 辻 秀人 河井 貴彦 金谷 利治 豊原 清綱 遠藤 浩平
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
pp.2014-0039, (Released:2015-03-19)
参考文献数
29
被引用文献数
3 2

溶融混練でブレンドさせたポリ(L-乳酸)(PLLA)とポリ(D-乳酸)(PDLA)試料のガラス状態から昇温時および溶融状態からの降温時の結晶化(ガラス結晶化・メルト結晶化)でのモルフォロジーの変化を追跡した.ガラス結晶化では,PLLA(PDLA)の単体からなるHomo晶とステレオコンプレックス結晶(Sc晶)が観測された.昇温に伴い,長周期は約20 nmから約63 nmとなり,コンホメーションが変化していた.Homo晶の融解後は, Sc晶の間にHomo晶の融解物が存在するため広がった密度ゆらぎ(63 nm)と,Sc晶の長周期(23 nm)の二つの相関が観測された.ミクロンよりも小さい微結晶は粗い界面をもつクラスターを形成した.一方,メルト結晶化では,降温に従ってSc晶のみが成長し,長周期の長さは, 70 nmから40 nmと減少していた.また,非常に界面のなめらかな微結晶が成長していた.
著者
遠藤 浩子 大八木 規夫
出版者
財団法人深田地質研究所
雑誌
財団法人深田地質研究所年報
巻号頁・発行日
vol.1, pp.73-96, 2000-07-10

鹿児島県出水市針原地区においt,梅雨に伴う大雨により1997年5月10日大規模な崩壊が発生し,21名が亡くなった。この崩壊源の規模は幅79m,奥行185m,深さ20m,体積12.4万m^3であった。崩壊源周囲の地質は矢筈岳火山岩類に属する鮮新世・更新世の火山岩類で,下位から火砕岩,淡灰色安山岩溶岩,暗灰色安山岩溶岩で構成されている。これらの安山岩類は著しく風化しており,崩壊源の側方崖や滑落崖では浅部は粘土質の赤褐色風化帯,その下位は玉葱状構造のよく発達した風化帯となっている。崩壊発生場所は凹状地形を呈し,1982年長崎災害の事例と類似した反復性後退崩壊の特徴をもった斜面であった。移送堆積域では,崩壊源脚部から450m下流右岸側に,玉葱状構造を残存した状態で運搬された高さ1m,幅3mのブロックを発見した。この位置は,他の機関が同様の堆積物を確認した位置よりも140m下流である。上のブロック発見位置は,空中写真判読によって小規模ながら流山の形態を示している。このような流山地形は上述のブロック発見位置よりも55m下流であった。この場所は災害後に土塊が擾乱されたが,玉葱状構造をある程度保存した礫を確認できた。したがって,崩壊源脚部から500m付近までは岩屑なだれの状態を保った部分があったと考える。また,移動体の移送の途中から流動性の高い部分も形成したと推定される堆積物も認められた。

1 0 0 0 OA 薬学概論

著者
遠藤 浩良 石井 永 野口 衛 山崎 幹夫
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.14, no.9, pp.741-746, 1978-09-01

今日は薬学概論というかたい話題でお話をしていただきますけれども, ひとつ話の内容はざっくはらんに, 日頃お考えいただいていることを話していただいて, 薬学概論なるものをここである程度浮り彫りにできれば幸いと存じます.薬学概論に関する本は実は既に何冊か出版され, 石井先生が「薬学を論じた書物」として本誌(10巻7号)に紹介しておられます.そんなところからまず何か話題を…….