著者
廣田 照幸 佐久間 亜紀 筒井 美紀 徳久 恭子 荒井 英治郎 植上 一希 末冨 芳 布村 育子 森 直人 小野 方資 宇内 一文 丸山 和昭 冨士原 雅弘 長嶺 宏作 古賀 徹 岩田 考 太田 拓紀 清水 唯一朗 二宮 祐 冨士原 雅弘 佐藤 晋平 田中 真秀 金子 良事 長嶺 宏作 香川 七海 中嶋 亮太 高木 加奈絵
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の成果として、a)初期教育研究大会の成立と講師団選出過程、b)日教組結成から1950年までの法的な位置づけと政治的な立ち位置の変容、c)「教え子を戦場に送るな」のスローガンの成立過程、d)人材確保法の成立過程、e)日教組におけるストライキ批准体制の確立、f)1973年春闘におけるストライキ戦術と交渉の解明、g)連合加入をめぐる400日抗争の解明、h)1995年の文部省と日教組の和解のプロセス、i)国際労働運動における日教組の位置を明らかにした。以上の点から、労働運動体と教育運動体としての日教組との二重性をふまえ、日教組の多面的な運動、それぞれに与えた影響を実証的に明らかにした。
著者
金子 良事
出版者
東京大学大学院経済学研究科企業・市場専攻
巻号頁・発行日
2009-03-23

報告番号: 甲24338 ; 学位授与年月日: 2009-03-23 ; 学位の種別: 課程博士 ; 学位の種類: 博士(経済学) ; 学位記番号: 博経第260号 ; 研究科・専攻: 経済学研究科企業・市場専攻
著者
金子 良事
出版者
社会政策学会
雑誌
社会政策 (ISSN:18831850)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.48-58, 2010-12-20

本稿では社会政策を「社会秩序の維持,ないし醸成を目的とした政策」と定義した。近年,日本ではヨーロッパのsocial policyの訳語に社会政策が使用されているが,研究史を踏まえるならば,これは社会福祉政策と訳すべきである。日本では歴史的に社会政策の英訳はsocial reformであった。本稿ではこの点をさらに掘り下げ,実際に明治以降に行われてきた政策の背後には社会改良主義だけではなく,社会秩序の維持ないし醸成という動機があったこと,そして,そのような施策はドイツの古いポリツァイ思想と通底していることを指摘した。また,日本における戦後の社会福祉政策においては社会権が基盤にされており,究極的には個人が中心になる。社会秩序という考え方によれば,社会政策は個人の社会権だけでなく,社会そのものに注目し,社会福祉政策を包含する概念として捉えるべきであることが示唆されている。
著者
廣田 照幸 佐藤 晋平 森 直人 二宮 祐 丸山 和昭 香川 七海 冨士原 雅弘 長嶺 宏作 太田 拓紀 小野 方資 末冨 芳 神代 健彦 田中 真秀 徳久 恭子 岩田 考 宇内 一文 荒井 英治郎 金子 良事 筒井 美紀 布村 育子 古賀 徹 植上 一希
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、日本教職員組合(日教組)の1950年代から1980年代末までの期間を研究対象に据え、日教組が所蔵する非公開史料の特別な利用、日教組幹部OBのヒアリングや私文書の活用により、それぞれの時期に日教組内部でどのような論争や対立があり、それが結果的に日教組の運動にどういう方向性を与えたのかを、労働運動と教育運動の両面から分析する。保守対革新、文部省対日教組という単純な2項対立の図式で描かれることが多かった日教組運動史を、多様なイデオロギーのグループ間のダイナミックな相互作用過程としてとらえ直していく。
著者
金子 良事
出版者
経営史学会
雑誌
経営史学 (ISSN:03869113)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.56-80, 2005-03-25 (Released:2010-11-18)
参考文献数
40

The purpose of this paper is to clarify the relationship between the wage system for male blue-collar workers at Fujigasu Spinning Company and their daily lives during the middle Taisho years.The conclusion is summarised as follows : 1. There were three types of wage forms : pay-for-person system, group-piece system, and individual-piece system. Bonuses were paid by individual rank, but this was abolished in 1920 and substituted by wage rates. In the former two wage forms, worker performance was evaluated when determining the wage rate, and in the last form, performance may have been evaluated.2. The evaluation principle of the entire company by the wage system was not established to control the workers' lives because their behavior was autonomous, and the manager did not know how to control the workers's family lives. The role of a worker in his family was not always that of the breadwinner and the workers' family lives varied. The worker could take a day off whenever heliked. The variety of workers' family lives and their behavior made it impossible for the manager to control their lives.3. The order of wage worked with the evaluation system, accepting the autonomy of workers' lives. The wage system was not organized by trade and was not the only the form of payment. In this wage system, the evaluation system was shaped as a principle of management but it was not a way of control of its workers.
著者
梅崎 修 田口 和雄 青木 宏之 島西 智輝 南雲 智映 鈴木 誠 谷合 佳代子 金子 良事 間宮 悠紀雄
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究では、労働史オーラルヒストリーの未調査の確認と新調査、方法の開発、史料館との連携を行った。第一に、過去の労働史オーラルヒストリーをリスト化した。また、新しい調査を実施し、そのすべてを冊子化した。第二に、米国で7か所、英国で数カ所のオーラルヒストリー拠点を訪問・交流し、その視察報告を作成した。また、学会にてオーラルヒストリーの方法論や教育に関する報告を行った。特にオーラルヒストリーの映像の扱い方について議論を深めた。第三に、大阪エルライブラリーにて労働史オーラルヒストリー・アーカイブというWEBサイトを作成した。現在著作権の許諾中であるが、2015年度中に公開予定である。
著者
金子 良 上村 春美
出版者
The Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering
雑誌
農業土木研究 (ISSN:18847218)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.113-118, 1961

The value of evapotranspiration (E. T.) observed by a lysimeter does not correspond to that from a field having large area in natural condition.<BR>So it is worth making study to estimate E. T. from a field by the hydrological method without using a lysimeter.<BR>The presnt data were obtained on sandy soil at the meteorological observation place and the neighbering orchard of the National Institute of Agricultural Sciences in Hiratsuka.<BR>On the sandy land where surface run off does not occur, the following hydrological relations can be obtaind : <BR><I>P</I>=<I>E</I>+<I>M</I>+<I>G</I>… (1) <BR><I>G</I>= (<I>G</I><SUB>2</SUB>-<I>G</I><SUB>1</SUB>) +<I>H</I>·<I>pa</I>… (2) <BR>where P : precipitation, <I>E</I> : evapotranspiration, <BR>M : change of soil moisture, <BR>G : recharge of ground water, <BR>G1 : ground water flowing in to the locality from upper reach, <BR>G2 : ground water flowing away from the locality to downstream reaches, <BR>H : change of ground water level, pa. : air capacity of soil in the part of changing ground water level.<BR>A small rainfall on dried soil or no rainfall gives, G_??_0. In this case, the decrease of groundwater level corresponds to (<I>G</I><SUB>2</SUB>-<I>G</I><SUB>1</SUB>), and a certain relation can be obtained between the various ground water flows and the ground water levels.<BR>This is approximately applicable to the case where G≠0, making it possible to estimate the value of (<I>G</I><SUB>2</SUB>-<I>G</I><SUB>1</SUB>) in every month through the year.<BR>Eventually, the evapotranspiration, <I>E</I> on sandy land can be obtained from (1) and (2).<BR>Generally speaking, <I>E</I> of the sandy land is approximately from 600 to 700mm, and the ratio between <I>E</I> and the pan evaporation is almost equal to 0.7. This ratio is smaller in spring and larger in fall than other seasons.
著者
和食 雄一 金子 良則 杉山 稔恵 山田 宜永 祝前 博明
出版者
Japanese Society of Zoo and Wildlife Medicine
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.57-67, 2014
被引用文献数
3

トキ(<i>Nipponia nippon</i>)は 1981年にわが国の野生下から絶滅し,2003年には最後の日本産個体が死亡した。そこで,わが国は,国家プロジェクトという位置づけのもとに,中国の飼育下個体群由来の 5羽をファウンダーとする飼育下個体群を創設している。本研究では,遺伝的多様性を保持するために必要な収容能力と今後導入すべきファウンダー数を予測する目的から,国内飼育下個体群の人口学的パラメーターを推測した。その結果,著しい個体群成長が認められた一方,世代時間および有効集団サイズには低い値が認められた。したがって,これらのパラメーターの上昇を含めた遺伝的多様性の増加と維持のための努力の必要性が示唆された。また,既存の 5羽のファウンダーが非近交個体で相互間に血縁関係がないと仮定し,収容能力を 200羽とした場合には,今後一切中国から個体を導入しない条件下では遺伝子多様性が 100年後に 60%程度にまで低下すると予測された。より信頼性の高いパラメーター値を得るために人口学的分析の継続が必要であるが,本研究の結果から判断する限り,新たなファウンダーの継続的な導入が必須であると考えられた。