著者
泉 千尋 藤森 一真 金森 貴洋 桑原 洋平 西谷 彰紘 鈴木 学 菅原 誠一 太田 真之 佐藤 宏行 林 健太郎
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.173-182, 2021-12-23 (Released:2021-12-24)
参考文献数
11

心房性頻脈性不整脈(AT/AF)のburdenを減少させる機能として,第2世代心房抗頻拍ペーシング(A-ATP)の有用性が報告されているが,導入後に治療が有効となる症例の特徴は明らかでない.そこでわれわれは,A-ATP(Reactive ATP, メドトロニック社製)作動症例22名の患者背景,心内心電図,12誘導心電図,エコー所見,BNPから治療が有効となる因子を検討した.AT/AF burdenの50%以上減少をA-ATP有効と定義し, AT/AF burden<5%の症例とAT/AFのエピソードが1件のみの症例は治療有効性の判断が困難なため,10名を除外した.有効群(5名)は無効群(7名)と比較して,心内AT/AF average tachycardia cycle length(AvCL)>300ms(28.6% vs 5.2%,p<0.05)および規則的なAT/AF(71.9% vs 48.5%,p<0.05)が多く,AT/AFに対するカテーテルアブレーション(CA)またはMaze手術既往が多かった(80% vs 14%,p<0.02).また,12誘導心電図において有効群はf波のCLが無効群より延長していた(220.5ms vs 141.4ms,p<0.05).A-ATPは延長したAT/AF AvCL,または規則的なAT/AF症例で有効であり,CAやMaze手術の既往,12誘導心電図のf波CL延長が植込み前に観察可能な有効性の予測因子として有用な可能性がある.
著者
味澤 香苗 鈴木 学 林 由依 甲斐 絢子 小林 篤史 小原 道子 生木 庸寛 國府田 真綾 金地 夏実 林 秀樹 棚瀬 友啓 土屋 照雄 杉山 正
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.12, pp.599-606, 2018-12-10 (Released:2019-12-10)
参考文献数
8
被引用文献数
6

Focusing on the Pharmaceutical Intervention Records (PIR) project conducted in collaboration with the Gifu Pharmaceutical Association and Gifu Pharmaceutical University, this study analyzed characteristics and economic effects of the audit of dispensing fees for the prevention of duplications or interactions of prescription drugs by pharmacists. The pharmacists registered audit data of 1,105 prescriptions into the PIR database in 2017. For the analysis, we divided 1,105 prescriptions into those that incurred dispensing fees for the prevention of duplications or interactions of prescription drugs (the subject group) and a control group comprising other prescriptions. The reduction in drug cost per prescription was 1,689 yen in the subject group, which was significantly higher than the reduction of 563 yen in the control group. In the subject group, pharmacists tend to use a medicine notebook for identifying duplicate administrations or drug interactions. There is a high ratio of cancellation of drugs as a result of such inquiries. This is considered a factor in the reduction of the cost of drugs. The reduction per prescription in the subject group is higher than the medical fees for the prevention of duplications or interactions of prescription drugs, and it can be evaluated that activities related to preventing duplications and interactions of prescription drugs contribute to medical economy.
著者
田中 彩子 川合 里奈 林 涼子 鈴木 学
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2014, 2015

【はじめに,目的】意欲とは物事を積極的に対処しようとする思考や行動であり,リハビリの遂行に重要で,ADLの自立度に影響するといわれている。意欲を向上させるには,楽しみや交流,目標設定が関係しているといわれている。趣味活動も例外ではなく,実際に導入している施設も多々存在している。先行研究で趣味活動の実施が廃用予防に効果的であったという報告はあるが,趣味活動が意欲向上に効果的であるという報告は極めて少ない。【方法】群馬県内の介護老人保健施設を利用する高齢者41名に,面接形式でアンケートを実施した。趣味に関するアンケートは,趣味の有無,内容,1週間の活動時間とした。そして意欲の程度に関しては「やる気スコア」を使用した。これは,14問の質問項目を3(全くない)~0(大いにある)の4段階判定とし,得点化した。統計処理は,Mann-Whitney検定を用いて,趣味の有無および文化的趣味と運動的趣味による「やる気スコア」得点の差異を検討した。また,趣味の頻度と「やる気スコア」得点との関係についてSpearmanの順位相関分析を用いて検討した。さらに,説明変数を趣味の頻度,目的変数を「やる気スコア」の得点に設定した単回帰分析を実施した。統計ソフトはSPSS20を使用し,有意水準は5%未満とした。【結果】アンケートに回答したのは41名(男性10名,女性31名)で年齢86.0±7.3歳であった。趣味の有無では,ある26名(63.41%),なし15名(36.58%)であった。趣味の内容に関しては,文化的趣味が20名(76.92%),運動的趣味が6名(23.07%)であった。「やる気スコア」は,趣味あり13.35±5.78点,趣味なし21.22±6.36点で前者が有意に高かった(p<0.01)。しかし,文化的趣味と運動的趣味との比較では有意差はみられなかった。また,1週間の趣味活動の合計時間とやる気スコアとの関係はp=0.481(p<0.05)となり,やや強い有意な相関がみられた。因果関係は回帰分析では,R2値は0.061と,このモデルの予測力は十分ではなかった。調整済みR2値は0.036と大きく低下していた。また,モデルの有意性もF(1.37)=2.422(p>0.05)と確立できなかった。標準回帰係数は0.248で,1週間の趣味活動の程度はやる気スコアに負の影響の傾向はあるものの,有意差はみられなかった。【考察】今回の結果から趣味活動が意欲向上に関与していることが示唆された。しかし,趣味の内容は特に関係はみられなかった。そして趣味の頻度は意欲向上に正の影響がみられることから回数の増加はよい効果をもたらすことが示唆された。しかし明らかな因果関係がみられないことから2つの因果関係は確立できず,他の要因が関係していると考えられた。【理学療法学研究としての意義】本研究では趣味活動の有無や程度と意欲向上との関係について検討し,身体機能が低下した高齢者の今後の理学療法に対する意欲や活動性向上の一助にすることを目的とした。
著者
石川 真暉 新家 隆佑 鈴木 学
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2016, 2017

<p>【はじめに,目的】</p><p></p><p>理学療法士養成校には,教育課程の中に臨床実習(以下実習)が設定されている。これは学生が理学療法士になるためには重要な科目であるが,学生は実習に対して多かれ少なかれ不安を持っていて,それには学生の知識や技術レベル,性格など様々な要因が関係していることが考えられる。実習に対する学生の不安に関する先行研究で,杉戸らは,実習中では,自由な子の方が睡眠時間が長く,ストレスが低い,と報告しているが,個人の性格が実習に対して実習前の不安及び実習中のストレスとの関連しているという報告は極めて少ない。本研究では,個人の性格による実習への不安および実習中のストレスとの関連を明確にし,円滑な臨床実習の一助にすることを目的とした。</p><p></p><p>【方法】対象はA大学の理学療法学科3年の学生69名とした。方法は実習前に性格診断と実習不安に関するアンケート,実習後に実習中のストレス検査を実施した。性格診断の調査は淡路・岡部式向性検査表を用いて,50項目の二者択一で性格を外向性,内向性に分類した。また実習への不安調査は,21項目からなる5段階評価(1=不安~5=安心)で,ストレス検査は,SRS-18(Stress Response Scale=心理的ストレス反応尺度)を用いた。これは18項目の質問からなり,実習中の心理状態を想起し,4段階評価(0=全く違う~3=その通りだ)とし,3タイプのストレス(抑うつ・不安,不機嫌・怒り,無気力)を算出し合計得点を総合的ストレス得点とした。統計処理は性格による不安およびストレスとの差異をマンホイットニーのU検定で検討した。また性格毎に不安とストレスとの関係をスピアマンの順位相関分析にて検討した。統計ソフトはSPSSstatistics23を使用し,有意確率は5%未満とした。</p><p></p><p>【結果】</p><p></p><p>アンケート回答者は69名(男性37名,女性32名)であった。内向性と外向性による不安に関しては,有意差はないが,ストレスでは外向性の方が有意に高かった(p<0.05)。外向性の性格では不安はストレスとの間には「総合的ストレス」(ρ=0.995)であった。内向性の性格でも不安とストレスとの間には「総合的ストレス」(ρ=0.979)であった。不安は3タイプのストレス反応および総合的ストレスとの間には有意な強い正の相関が見られた。</p><p></p><p>【結論】</p><p></p><p>性格による不安の程度に差はないが,ストレスは外向性の性格の方が高かった。不安とストレスの関連では,不安の程度とストレスの程度は反比例することが示唆された。不安が強いことで,実習に対する学習意識が強くなり,実習中のストレスが低くなると考える。また,不安が低いことで実習に対する準備不足になる可能性があり,実習の遂行に支障をきたしストレスの増強に繋がると考えられる。今後不安が少ない学生に対しても,適度な緊張感を与えることが必要であると考える。</p>
著者
鈴木 学 加藤 仁志 仲保 徹 木村 朗
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.485-489, 2014 (Released:2014-09-25)
参考文献数
9
被引用文献数
1

〔目的〕学生の性格とPBLテュートリアルに対する取り組み状況との関係について検討した.〔対象〕A大学理学療法学科の3年生55名とした.〔方法〕PBL実施後,KT性格検査による学生の性格判定およびPBLの取り組み状況に関するアンケートを実施した.〔結果〕5つの性格の程度は7.85~11.71であった.主たる性格によるPBLの取り組み状況には差異はなかった.各タイプの傾向とPBLの取り組み状況との関係は,臨床思考は「信念確信型」との間で有意な正の相関,「繊細型」との間で負の相関,協調性は「自己開放型」との間で有意な正の相関がみられた.〔結語〕取り組み状況の要因の1つとして各性格の程度が関係していることが示唆された.
著者
浜 克己 中村 尚彦 鈴木 学
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.58-65, 2021 (Released:2021-01-21)
参考文献数
18

In Japan, the number of elderly households facing difficulties in snow removal work is increasing due to the rapid aging and depopulation. Moreover, because of the declining birthrate, human resources needed for the work are insufficient. Therefore the elderly are forced to do the snow removal work on their own, and as a consequence serious accidents may occur during the work. Currently, as a means for solving this problem, there are snow removal substitution services and construction of electric road heating. However, they are not definitive solutions since they are very expensive. The purpose of this study is to develop an autonomous robot system which can perform snow removing with low cost and simple construction. Through the experiments using the prototype, and the cost estimate that assumed practical use, the effectiveness of this system was confirmed.
著者
鈴木 学 大和 康博 渡辺 忠雄
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.160-167, 1973-04-05 (Released:2010-03-01)
参考文献数
27
被引用文献数
1 1

土壌に残留する農薬の野菜への移行を検討しつぎのような結果を得た.1) 土壌中に残留する各BHC異性体は, ニンジン, カブ葉, ダイコン葉, ホウレンソウなどに多く移行し, トマト, キャベツなどへの移行は少なかった. 現在の土壌残留量から考えるとニンジン, カブ葉などで残留許容基準をこえる可能性がある.2) アルドリンとディルドリンのキュウリ, ニンジン, ホウレンソウへの移行率は, それぞれ16.6%, 9.6%, 4.4%であった. アルドリンは野菜中でディルドリンの型で検出された. 移行率はキュウリについて文献値にほぼ一致したが, ダイコン, ニンジンについてはかなり低い値を示した.3) エンドリンのキュウリ, キャベツ, ダイコンへの移行率は, それぞれ21.8%, 14.5%, 9.1%であった. エンドリン, アルドリン, ディルドリンの野菜への移行率と土壌残留量から考えると, 日本の残留許容基準をこえる可能性が多い.4) DDTは土壌中にかなりの濃度で残留していたが, 野菜への移行は極めて少量であった.
著者
鈴木 学 放生 雅章 小林 信之 篠原 有香 高崎 仁 吉澤 篤人 杉山 温人 工藤 宏一郎 豊田 恵美子
出版者
一般社団法人 日本結核病学会
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.83, no.10, pp.661-666, 2008-10-15
参考文献数
14
被引用文献数
2

〔背景〕わが国の結核罹患率は近年減少傾向にあるが,外国人結核は増加傾向(2000年5.1%から2003年6%)を示している。在日外国人登録数も年々増加しており,今後も外国人入国が増加することが予想される。〔目的〕当センターにて入院加療を行った外国人結核症を対象に,臨床的特徴について検討し,過去の報告と比較することにより,現在の外国人結核対策の問題点を明らかにし,今後とるべき対策についても提言を行う。〔対象〕当センターで2004年1月から2007年4月の間に結核症の診断にて入院加療を行った52症例を対象とした。〔結果〕男性29人,女性23人,年齢は31.8±8.8歳。出身国は中国,韓国が多く,有空洞症例は54%で,薬剤耐性は8.2%に認められた。治療完遂率は92%であった。〔考察〕以前の報告に比べて,耐性率は減少し治療完遂率は増加していた。治療完遂率の向上は日本版DOTSの推進,医療費の公費負担や言語の問題への対応など,社会全体的な体制の整備が大きく寄与したと考えられる。今後も結核蔓延国からの入国が増えることが予想されるため,新たな対策により,新規結核症を早期発見,早期治療することに加えて入国後の健康増進支援に努めることで罹患率の低下,治療完遂率の上昇を図るべきであると考える。
著者
鈴木 学 鈴木 将 邵 繁 黒田 理人 徳岡 信行 川口 泰範 冨永 秀樹 須川 成利
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 40.12 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
pp.25-28, 2016-03-04 (Released:2017-09-22)

光感度の向上と低消費電力化を達成した,画素領域周辺部にオンチップ記憶メモリを有する高速度CMOSイメージセンサとそれを搭載した最高撮影速度1000万コマ/秒の高速度ビデオカメラについて報告する.また,それを用いた高速現象の撮影について述べ,撮影例を報告する.
著者
細木 一成 丸山 仁司 福山 勝彦 鈴木 学 脇 雅子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.AbPI2012, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】体幹筋の筋緊張軽減や、リラクゼーション効果を得る手段として乗馬療法やフィットネス機器のジョーバなどの先行研究が発表されている。第45回日本理学療法学術大会において立位、座位バランス能力が低下した方にロッキングチェアの自動振幅運動で同様の効果が得られるのではと考え、体幹後面筋の筋緊張が有意に低下することを発表した。今回、体能力低下や、認知症などによりロッキングチェアによる自動的振幅運動の遂行が困難な方を対象に他動的に振幅運動を行ない、自動振幅運動と同様に効果の有無を検討した。効果判定の手段として、他動的振幅運動前後のFFD(finger-floor distance)の変化を測定し、若干の知見を得たので報告する。【方法】被験者は都内理学療法士養成校に在学する腰部に整形外科的既往疾患のない成人男女10名(男性4名、女性6名、平均年齢21.2±0.8歳)とした。5分間の安静座位を取らせた後、床上を-とし0.5cm刻みでFFDの測定を行なった。次に被験者をロッキングチェア(風間家具のヨーロッパタイプ)上に安楽と思われる姿勢で着座させた。下肢を脱力し床に足底を接地した状態で、人為的に3分間前後に揺らすことを指示した。振幅させる周期は各被験者がロッキングチェアに着座した状態で起こる固有の振動数と同期させた。振幅の大きさは後方には足底を設置した状態が保て、前方にはバランスを崩し体幹後面筋に筋収縮が起こる防御姿勢を取らない範囲とし、3分間被検者が安楽に感じるように配慮した。ロッキングチェアでの運動後、施行前の方法でFFDの測定を行なった。運動前後のFFDおよび前方移動能力の値についてウィルコクソンの符号順位和検定を用いて比較検討した。有意水準は5%未満とした。なお統計処理には統計解析ソフトエクセル統計2008 for Windowsを使用した。【説明と同意】被験者に対し目的・方法を十分説明し理解、同意を得られた者のみ実施した。実施中に体調不良となった場合は速やかに中止すること、途中で被験者自身が撤回、中断する権利があり、その後になんら不利益を生じず、また個人情報は厳重に管理することを事前に伝えた。【結果】FFDは振幅運動前で平均-8.5cm±11.1cm、振幅運動後で平均-1.6cm±8.7cmと振幅運動後に有意に増加した(p<0.01)。【考察】FFDが有意に増加したのは、ロッキングチェアによる他動的振幅運動で、体幹後面筋に対する筋緊張の変化が得られたと考えられる。佐々木らによれば体幹の筋緊張、体幹回旋筋力といった体幹部分の機能異常や能力低下が、片麻痺患者の寝返り、起き上がりなどの動作を困難にすると述べ、柏木らによればFFDの増加を伴う体幹の柔軟性の改善は、高齢慢性有疾患者の活動性向上や、意欲向上が認められると述べている。これらより高齢慢性有疾患者の寝返り、起き上がりなどの基本動作能力、意欲の向上を考えると理学療法士が個別に行なう理学療法以外に、高齢慢性有疾患者自身もしくは家族が自主的に行なう運動が必要となってくる。このような運動は継続することが重要で、簡便さが必要になり負担が大きければ継続が困難となる。これらのことを考慮し簡便で安価に導入できるロッキングチェアの他動的振幅運動は、体幹筋の機能異常が原因で、寝返り、起き上がりなどの基本動作能力、意欲の低下している高齢慢性有疾患者に対して有効で、好影響を及ぼすものと推測する。【理学療法学研究としての意義】ロッキングチェアを使用した他動的振幅運動はFFDの増加を伴う後部体幹筋の柔軟性の改善に効果があり、高齢慢性有疾患者が自主的に行なう運動に対し有効であると考える。
著者
國府田 真綾 鈴木 学 金地 夏実 福本 実咲 桑原 千明 林 秀樹 亀山 千里 生木 庸寛 小原 道子 棚瀬 友啓 杉山 正
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.8, pp.395-402, 2018-08-10 (Released:2019-08-14)
参考文献数
8
被引用文献数
3

Gifu Pharmaceutical Association conducted a survey on the actual situation of family pharmacists in collaboration with Gifu Pharmaceutical University in 2016. Data of 3,340 people were obtained from 342 pharmacies. A total of 2,666 patients received prescriptions in May 2017 and family pharmacists were assigned to 221 patients (8.3%). The patients group who selected family pharmacists had a greater tendency to bring all the prescriptions to the same pharmacy, to bring the medicine notebook with the prescriptions, and to buy over the counter drugs (OTC) from the family pharmacy than the group not covered by the family pharmacists. The patients ask family pharmacists for reliability, health consultation, and advice in selecting OTC. They are satisfied with family pharmacists on consultations being responded to at any time and feeling that they could ask questions that they could not ask the doctor.
著者
古川 敬之 圓尾 拓也 杉浦 久裕 信田 卓男 塚田 祐介 鈴木 学 穴澤 哲也 吉原 啓太 前田 菜穂子 林 計道 福田 真平 細川 昭雄
出版者
動物臨床医学会
雑誌
動物臨床医学 (ISSN:13446991)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.121-125, 2012

グレート・ピレニーズ,去勢雄,6歳齢が左側鼻腔内からの出血を主訴に来院した。頭部単純X線検査にて左側鼻腔内の不透過性亢進を認めたことから,第1病日に頭部CT 検査および生検を行った。病理組織学的検査結果は骨肉腫であった。 進行度はWHO のTNM分類に基づき,T1N0M0と診断した。第24 病日に鼻腔内骨肉腫の減量手術を行った後,第29病日より高エネルギー放射線治療装置による放射線療法を36Gy/6 回/3週にて行った。第416病日,腐骨となった鼻骨片除去を行い,同時に鼻腔内粘膜の生検を行ったところ,骨肉腫の再発が認められた。第969病日,肺腫瘤および脾臓腫瘤を認め,第1012病日自宅にて死亡した。鼻腔内骨肉腫の犬に対して,減量手術および術後小分割放射線療法を行い,死亡までの2年9カ月良好な経過を得ることができた。
著者
細木 一成 福山 勝彦 鈴木 学 丸山 仁司
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.37 Suppl. No.2 (第45回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A4P2076, 2010 (Released:2010-05-25)

【目的】国立社会保障・人口問題研究所が発表した西暦2050年の日本人の平均寿命は、男性80.9歳、女性89.2歳と予測している。このように平均寿命は伸び今後、高齢者の数がますます増加してくるのは明白である。時間的に制約のある病院、介護老人施設、訪問リハビリテーションで理学療法士が行う個別の理学療法は限界があり、病院や施設内、在宅で後部体幹筋などのリラクゼーション効果を得ることは不十分で、理学療法を有効に活用できないと考える。体幹筋の筋緊張の軽減や、リラクゼーション効果を得る手段として、乗馬療法やフィットネス機器のジョーバなどが多く研究され紹介されている。その中でもジョーバは簡便に行えるが、立位、座位バランス能力が低下した高齢者においては、使用することが困難であろうと予測する。これに対する一つ手段として、座位にて振幅運動を利用したロッキングチェアによる運動により同様の効果が得られないかと考えた。ロッキングチェアよるリラクゼーション効果判定の手段として、施行前後のFFD(finger-floor distance)および重心の前方移動距離の変化を測定し、若干の知見を得たので報告する。【方法】被験者は理学療法士養成校に在学する腰痛等に既往のない成人男女10名(男性5名、女性5名、平均年齢24.1±6.2歳)とした。5分間の安静座位を取らせた後FFDおよび重心の前方移動能力の測定を行なった。方移動能力の測定は福山らの方法に順次、アニマ社製グラビコーダGS-10を使用した。被検者を床反力計上に5cm開脚位、2m前方の目の高さにある目標点を注視して起立させた。まず10秒間の安静時重心動揺を測定した。次に体幹を屈曲させたり踵を浮かせたりすることなく身体を前方に最大移動した状態で保持させ、10秒間の重心動揺を測定した。前方移動時のMY(MEAN OF Y:動揺平均中心偏位)値から安静時のMY値を減じ、さらに足長(踵の後面から第1趾先端までの距離)で除し前方移動能力とした。次に被験者をロッキングチェア(風間家具のヨーロッパタイプ)上に安楽と思われる姿勢で座らせた。床に足底を接地した状態で、下肢の筋力を使わず体幹筋の運動により10分間、前後に揺らすことを指示した。振幅させる周期は被験者の任意とし10分間安楽に行なえるように配慮した。ロッキングチェアでの10分間の運動後、運動前と同様の方法でFFDと前方移動能力の測定を行なった。運動前後のFFDおよび前方移動能力の値についてウィルコクソンの符号順位和検定を用いて比較検討した。有意水準は5%未満とした。なお統計処理には統計解析ソフトSPSS 11.5J for Windowsを使用した。【説明と同意】被験者に対し目的・方法を十分説明し理解、同意を得られた方のみ実施した。実施中に体調不良となった場合は速やかに中止すること、途中で被験者自身が撤回、中断する権利があり、その後になんら不利益を生じず、また個人情報は厳重に管理することを伝えた。【結果】FFDは運動前で平均2.1cm±10.9cm、運動後で平均5.2cm±11.4cmと運動後に有意に増加した(p<0.05)。前方移動能力は平均27.4%±8.2%、運動後で平均31.7%±4.8%と運動後に有意に増加した(p<0.05)。【考察】今回のロッキングチェアでの運動によりFFD、前方移動能力が増大したことについては、後部体幹筋、下腿後面筋に対するリラクゼーション効果により体幹、下肢の柔軟性が増大したものと推察する。佐々木らによれば体幹の筋緊張、体幹回旋筋力といった体幹部分の機能異常や能力低下が、寝返り、起き上がりなどの動作を困難にしていると述べている。高齢者の寝返り、起き上がりなどの基本動作能力の維持・向上を考えると個別に行なう理学療法以外に、高齢者自身が行う自主的な運動が必要となってくる。このような運動は継続することが重要で、簡便さが必要になり複雑な運動や、負荷が強ければ継続が困難となる。簡便で安価に導入できるロッキングチェアの持続運動は、体幹筋の過緊張が原因で寝返り、起き上がりが困難となっている高齢者に対して、有効で動作の遂行に好影響を及ぼすものと推測する。【理学療法研究としての意義】ロッキングチェアを使用した持続運動は後部体幹筋、下腿後面筋に対するリラクゼーションに効果があり、高齢者自身が行う運動に対し有効であると考える。

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著者
鈴木 学
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.202-202, 2018-04-01 (Released:2018-04-01)