著者
小林 雄一郎 天笠 美咲 鈴木 崇史
雑誌
じんもんこん2015論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp.23-30, 2015-12-12

本研究の目的は,計量文体論の技法を用いて,日本の流行歌の時系列変化を明らかにすることであ る。具体的には,1977 年から 2012 年までに発表された 773 曲の歌詞における 26 種類の語彙指標(品 詞,語種,文字種,語彙レベル)を比較した。その結果,1990 年頃を境に,語種と文字種の頻度が大 きく変化していることが分かった。特に,外来語とカタカナの頻度が著しく減少し,漢語と漢字の頻 度が増加した。本研究は,計量文献学に新たな知見をもたらし,日本の現代文化を対象とする社会学 研究に客観的な資料を与えるものである。
著者
鈴木 崇文 岩見 真吾 竹内 康博
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:09172246)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.473-486, 2008
参考文献数
18

2005年9月中国で実施された家禽の鳥インフルエンザウイルスに対するワクチン接種政策を例に数理モデルを考える.解析の結果,大変興味深いことに,家禽へのワクチン接種率を上げることが,総感染個体数を増加させうることを発見した.つまり,感染個体数を減少させるための家禽に対するワクチン政策が,感染個体数の増加を引き起こしている.本論文では,こういった「ワクチン政策のパラドックス」について詳しく報告する.
著者
鈴木 崇文 岩見 真吾 竹内 康博
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
日本応用数理学会論文誌 (ISSN:24240982)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.473-486, 2008-09-25 (Released:2017-04-08)
参考文献数
18

2005年9月中国で実施された家禽の鳥インフルエンザウイルスに対するワクチン接種政策を例に数理モデルを考える.解析の結果,大変興味深いことに,家禽へのワクチン接種率を上げることが,総感染個体数を増加させうることを発見した.つまり,感染個体数を減少させるための家禽に対するワクチン政策が,感染個体数の増加を引き起こしている.本論文では,こういった「ワクチン政策のパラドックス」について詳しく報告する.
著者
鈴木 崇伸
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.18, no.4, pp.4_25-4_37, 2018 (Released:2018-08-31)
参考文献数
11

本文は地震時に水道管内の水圧が異常に低下する現象を解析的に分析した結果を報告している.東北地方太平洋沖地震時に川越市内で起きた水圧低下に関し,貯水槽のスロッシングによる水圧変化と管路内の水の振動外力による運動に分けて応答計算を行った.水圧低下量を説明できるのは水の圧縮性を考えた管路内の水の解析結果であり,外乱によって蓄えられたエネルギーが消散していく過程で水圧低下が起きることを説明している.
著者
鈴木 崇
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.102, no.2, pp.98-108, 2007-02-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
1

醸造用水は酵母やもろみ中の酵素作用, 緩衝作用及び酵母の生育と醗酵, 最終的には製成酒の色沢, 風味に多大なる影響を及ぼすことは古くから周知されていることであるが, 今回あらためて酒質に影響を与える成分や, 近年の経済発展にともない, 有害化学物質の水への汚染が懸念されていることから, それらの汚染物質の安全な水質基準についてもあわせて解説していただいた。
著者
金坂 伊須萌 金山 明子 中西 康大 鈴木 崇嗣 金子 明寛 小林 寅喆
出版者
日本歯科薬物療法学会
雑誌
歯科薬物療法 (ISSN:02881012)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.100-105, 2015 (Released:2015-12-25)
参考文献数
18

We conducted a study about the antimicrobial susceptibility to ceftriaxone(CTRX)and prevalence of the genes cfxA/cfxA2 of clinical isolated Prevotella strains. Furthermore, we performed in vitro study for effects on the antibiotic treatment by mixed culture of β-lactamase producing Prevotella and Streptococcus mitis. All Prevotella isolates resistant to CTRX(MIC ≧32μg/mL)were found possess the cfxA/cfxA2. Prevalence of cfxA/cfxA2 of Prevotella isolates classified as susceptible by CLSI guidelines showing a MIC of ≦0.5μg/mL were less than 25% and a MIC of 1-16μg/mL were more than 73%. Viable cells of S. mitis showed more than 99% decrease in culture broth with CTRX at a concentration of 5μg/mL for up to 8 hours. In mixed culture of ESBL producing Prevotella oralis and S. mitis, viable cells of S. mitis was increased slightly in the presence of CTRX. The decrease of viable counts in S. mitis was not seen in the case of mixed culture of ESBL-producing P. oralis and S. mitis in the presence of CTRX at a concentration of 5μg/mL for up to 8 hours.   In conclusion, the cases of mixed infection with Prevotella and Oral Streptococci, it was suggested that the Prevotella producing ESBL caused an indirect pathogen for odontogenic infection.
著者
河合 将志 日高 薫 鈴木 崇史
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.29-37, 2021 (Released:2021-11-10)
参考文献数
51

US President Donald Trump is known for his unique character. However, does the notion imply that his policy is unique? Existing studies on presidents have assumed that Trump's policy significantly differs from that of former President Barack Obama due to extremely biased policies, especially foreign policy. To test the validity of such a common view, the study conducted a quantitative text analysis of executive orders issued by both presidents. Results show that (1) there are systematic differences between Obama's and Trump's policy; (2) tracklessness, rather than deflectiveness highlights the uniqueness of Trump's policy; and (3) the uniqueness of Trump's policy is pronounced in domestic rather than foreign policy.
著者
脇田 和美 杉野 弘明 鈴木 崇史 森本 昭彦
出版者
日本沿岸域学会
雑誌
沿岸域学会誌 (ISSN:13496123)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.55-67, 2023-03-31 (Released:2023-04-17)
参考文献数
47

2015年、瀬戸内海の目指す姿が「きれいな海」から「豊かな海」へ転換され、各地域が目標を設定して取り組むことが求められている。本研究は、瀬戸内海の将来像を描く上で最も基礎的な情報の一つとして、沿岸住民の持つ瀬戸内海の望ましい姿を明らかにした。兵庫県・香川県住民880名を対象にWEBアンケート調査を行い、自由連想法により得られた回答をテキスト分析し、上位頻出語について年代別・県別にコレスポンデンス分析した。その結果、①瀬戸内海がこのままきれいな海で、住民に海の恵みを与え続け、それを基盤とした地域の発展を望むこと、②20~30代は地域の発展を、50~60代は現状の環境維持を、40代はその中庸を望む傾向があること、③兵庫県回答者は食料供給サービスとしての海産物の豊かな海を、香川県回答者は文化的サービスとしてのゴミのないきれいな海を望む傾向があること、が明らかとなった。「きれい」は主に景色、水質、ゴミのない、の3つを意味すること、「豊か」は主に食料資源としての海産物を意味することも確認された。今後は、幅広い関係者が合意できる目標設定に向け、多様な利害関係者がそれぞれに望む「豊かな海」のさらなる具体化が必要である。
著者
鈴木 崇志
出版者
日本生命倫理学会
雑誌
生命倫理 (ISSN:13434063)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.24-31, 2014-09-26 (Released:2017-04-27)

本論文の目的は、事前指示において表示された意思の撤回が認められる場合と認められない場合を整理することである。この目的を達成するために、本論文は意思の真正さという概念に注目する。このとき真正さは、意思が「自分にとって真であること」と定義されるが、曖昧さを防ぐために、本論文はこの「自分にとって真であること」を「十分な批判的反省を経ていること」と言い換える。この十分な批判的反省は、事前指示の場面では、事前ケアプランにおけるコミュニケーションの中で遂行されるべきものである。すると、事前指示のための意思形成と同程度のコミュニケーションを経て形成されるかぎりにおいて、事前指示の撤回の意思は認められるべきであると考えられる。これに対し、そのようなコミュニケーションを経る時間の余裕がない場合には、事前指示の撤回を認めることには慎重であるべきであると考えられる。
著者
鈴木 崇文
出版者
日本財政学会
雑誌
財政研究 (ISSN:24363421)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.132-155, 2017 (Released:2021-08-28)
参考文献数
23

本稿では,2000年代に行われた三位一体改革が地方自治体の公共サービス歳出にどのような影響を与えたか分析する。まず自治体の歳出意思決定モデルを構築し,消費者需要の推定に広く用いられているAlmost Ideal Demand System(AIDS)を適用して変数の内生性を考慮したうえで行動パラメータの推定を行う。次に推定したパラメータを用いて,三位一体改革が行われなかった場合の歳出水準をシミュレートする。シミュレートした歳出水準と実際の歳出水準を比較することにより,改革が歳出に与えた影響を分析した。目的別歳出の分析からは,改革によって自治体は民生費,教育費およびその他の費目で相対的に大きい歳出の削減を行っていた。民生費は特定補助金の削減と税源移譲およびそれに伴う交付税調整の両者を原因として歳出が減少していた一方で,教育費とその他では前者の影響は小さく,主に後者の影響によって歳出の減少がもたらされたことが明らかになった。また,農林水産費,商工費および土木費では前者と後者の歳出に与える影響は相殺する方向に働いていた。
著者
鈴木 崇久 津谷 康大 南 一仁 宮原 栄治 亀田 彰 野宗 義博
出版者
南江堂
巻号頁・発行日
pp.855-857, 2007-07-01

47歳男。患者は30分間で大粒のイチゴを約50個早食した後、下腹部不快感を覚えて受診となった。ニボーは認められず、腸炎との診断で内服処方されて帰宅した。しかし、その後、悪心をはじめ嘔吐、腹痛の増強を認め、翌日入院となった。CTではMeckel憩室は指摘できなかったが、回腸を先端とする小腸壁の肥厚、拡張を認めた。腸閉塞による膵炎併発を考え、薬剤投与を開始した。イレウス管を挿入したが、ドレナージ不良であった。症状改善の兆候がみられず、手術を施行したところ、回腸末端から100cmの部位にMeckel憩室が確認され、その口側腸管に弾力性のある内容物が多数充満していた。更にMeckel憩室が腸間膜の脂肪織と炎症性に癒着し、回腸が若干屈曲していた。処置としてMeckel憩室の先端を切開開放し、ここから腸管内に充満していた半消化のイチゴを取り出し、憩室はリニアカッターで切除した。術後、経過は良好で、7日目に患者は退院となった。