著者
成田 亮子 加藤 和子 長尾 慶子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.137, 2007

<BR><B>【目的】</B><BR> 3年前に行った女子大生の家庭での餅の摂取状況結果を基に、今回は特に鏡餅について取上げ、正月における家庭でのその現状把握と、"餅"に対する女子大生の意識とイメージ観を知るために詳細なアンケート調査を行った。<BR><B>【方法】</B><BR> 調査対象は、本学家政学部栄養学科並びに同短期大学部栄養科学生200名である。調査期間は、2007年4月から5月とした。<BR><B>【結果】</B><BR> (1)鏡餅について:正月に鏡餅を供える家庭は80%以上と、3年前の調査結果とはあまり差がなかった。「供える場所は何か所か」については、1か所との回答が65%と多く、供える場所はリビングが多かった。「複数ヶ所供える」との回答では、供える場所は、トイレ・神棚・仏壇がみられた。鏡餅の種類としては、真空パックの鏡餅を供えている家庭が約80%と多くみられ、杵と臼・家庭用電気製品で搗くなど、家庭で餅を作ることが少なくなっていた。そのために、「飾り方」は大小の丸い餅を重ね、ダイダイやユズリハ、昆布、裏白の葉などで飾る伝統的な体裁であっても、真空パック鏡餅についている飾りを用いるという回答となっていた。供えない家庭の理由としては、面倒である・餅を食さないからもったいないであり、鏡餅を知らないという回答もわずかながらみられた。<BR>(2)餅に対する嗜好とイメージ:女子大生の餅に対するイメージとして、素朴、煮るよりは焼く、白くてもちもちとした食感、常備食としてよりは行事食が頻出していた。これらのイメージを回答した学生のほとんどが餅を好んでいた。餅を嫌いと回答した学生のイメージとしては、飲みこみにくい、ねちねち、太る、など好ましくない表現がみられた。
著者
河野 由香里 赤石 記子 長尾 慶子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.24, 2012

<b>[目的] </b>ホワイトソルガムはグルテンを含まないために、グルテンフリー食品としての利用が期待される。我々はホワイトソルガムの基礎研究として、糊化特性や調理特性を明らかにしてきたが、今回は得られた知見をもとに実際の調理への応用適性を検討することにし、バッター状食品の応用例としてクレープとフライ衣を、ドウ状食品の応用例として揚げドウを想定し、嗜好性、外観および物性面から小麦粉製品の代替適性を検討した。<br><b>[方法]</b> 揚げドウは、粉、BP、砂糖、水を基本材料とし、予備実験からホワイトソルガム粉ドウの適性加水量を小麦粉の150%と決定し、揚げドウにした場合の吸油率・脱水率を測定比較した。また膨化を改善するためにアルカリ水(pH約9)を使用した揚げドウの比容積、破断強度、色差測定および官能評価を実施した。クレープは粉、砂糖、水を基本材料とし、バッター生地を調製直後2時間以上放置後に焼成した。カツレツ試料の衣に用いるバッターも同様に調製し、製品の官能評価及び破断試験を実施した。<br><b>[結果]</b> ホワイトソルガム粉で調製した揚げドウは、吸油率が約9%(小麦粉約15%)、脱水率が約35%(小麦粉約30%)と軽くてヘルシーな揚げ物が得られた。また、アルカリ水と重曹の使用によりホワイトソルガム粉の膨化の悪さが有意に改善されたが、脆さと色差が増した。薄力粉バッターの粘度が調製30分後まででピークに達するのに対し、ホワイトソルガム粉バッターの粘度は、放置時間とともに上昇する傾向にあったことより、ホワイトソルガム粉でつくる食品は、調整後の放置時間が必要不可欠であることが明らかにされた。ソルガムは淡白な味なので副材料や調味料の工夫で嗜好性の向上が期待できる。
著者
貝沼 やす子 長尾 慶子 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.419-423, 1990
被引用文献数
4

洗米方法の違いにより,米粒あるいは飯粒の性状には多少の差異が生ずることがわかった。すなわち,"研ぐ"と表面が削られるため,洗液中に溶出する固形分量が多くなるとともに,米が砕ける割合も増加した。コシヒカリ,キタヒカリいずれも研いだ後水取り替えを行ったものは白く炊き上がり,官能検査でも有意に白いと評価された。しかし,官能検査における総合的な評価には全く有意差は認められず,本実験で採用した"洗う"または"研ぐ"操作は飯の食味に大きな影響は与えないと結論した。本研究を行うにあたり,走査型電子顕微鏡使用の便宜をはかっていただきました日本食品化工株式会社ならびに撮影を担当して下さいました同研究所曽根博信氏に感謝いたします。
著者
長尾 慶子 十河 桜子 三神 彩子 松田 麗子 喜多 記子 荻野 泰子 萱島 由香 杉山 宜子 加藤 和子 土屋 京子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.189, 2007

<BR><B>【目的】</B><BR> 現在の家庭での日常の食事献立における朝食・昼食・夕食別に上位頻出メニューを取り上げ、それぞれについて、エコロジーを配慮した調理をすることによる、ガス・電気・水・生ゴミ量のCO<SUB>2</SUB>削減効果を検討した。<BR><B>【方法】</B><BR> 測定の対象にした献立は、トースト、ベーコンエッグ、チャーハン、味噌汁、魚のたれ焼き、野菜浸し、和風煮物、カレーライスである。それぞれの献立を通常のレシピにそって調理した時と、エコロジー的配慮で調理した時とで測定した。ガス・電気・水の使用量は調理台横に敷設した各測定器とパソコンを連動させて調理に伴う使用量の経時変化と積算量を記録させ、生ゴミ量はチラシのゴミ入れを使用し終了後に計量した。それらの積算一次エネルギーの換算量とCO<SUB>2</SUB>換算量を算出し、比較検討した。<BR><B>【結果】</B><BR> トースト:トースター(電気)とグリル(ガス)では一次エネルギーに差はみられないが、CO<SUB>2</SUB>排出量はグリル使用が少ない。ベーコンエッグ:鉄よりもテフロン鍋使用がCO<SUB>2</SUB>排出量が少なく、且つ〔油・水なし・蓋使用〕法が特に効果的である。チャーハン:飯と卵の加え方3通り法のうち、飯に生卵を合わせ炒める方法が、飯のべたつきも少なくCO<SUB>2</SUB>排出量が少ない。魚焼き:フライパンよりもグリル使用、且つ魚を1/2に切ると加熱時間の短縮と一次エネルギー削減になる。味噌汁:煮干はあらかじめ粉末にしておくと使用量が1/2で済む。野菜浸し:茹で水量は3倍量で済み、他の茹で物と合わせて使用すると効率的である。煮物:落し蓋、油の使用が効率的。カレーライス:煮込み加減の好みでガス使用量に差が見られた。野菜の切り方や水量を工夫することで生ゴミおよび水使用量の減少効果が大であった。
著者
長尾 慶子 横川 知子 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.25-30, 1994-02-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
8
被引用文献数
4

Crack is often observed during deep-frying at the inside, outside and/or upside of hard doughnuts and sometimes impairs the appearance. Experiments were carried out to know the effect of the proportion of ingredients and the preparation condition on the appearance of the doughnuts.Multiple regression analysis showed that the increasing rate of the weight and volume of fried doughnuts were affected by sugar and butter content. The recipe without butter resulted in the doughnuts without outside crack. The more the sugar content was, the smaller the outside crack was. When the sugar and butter content was high, the upside crack was large. To leave the dough sample at 4°C before frying made the volume and the weight of the doughnut large and the upside crack small.Panel members judged the doughnuts to be most preferable when the small crack at the upside was observed. We divided the sample doughnuts into two groups in terms of the ratings of the overall appearance, namely, preferable group and not preferable group. Then we ran a discriminant analysis. The recipes of the preferable group contained more sugar and egg and less butter than those of the other group.
著者
谷口 明日香 丸山 里菜 京極 奈美 渡辺 裕子 飯村(久松) 裕子 長尾 慶子 小林 理恵
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 69回大会(2017)
巻号頁・発行日
pp.157, 2017 (Released:2017-07-08)

【目的】近年、雑穀粉の健康機能性に注目が集まっているが、これらはグルテンを形成しないため、調理への利用用途は限定的である。しかし、小麦粉のグルテン形成を抑制しながら揚げ加熱する天ぷら衣には利用の可能性が高い。そこで、小麦粉以外に天ぷら衣として利用例がみられる主穀のうるち米粉・もち米粉と共に、雑穀の大麦粉・ソバ粉・ハトムギ粉を用いた天ぷら衣の力学特性並びに外観及び吸油量とから客観的に嗜好性を評価した。【方法】各穀物粉15 gに、小麦粉の粘度と同程度となるよう加水し、バッターを調製した。これを直径30㎜×高さ10㎜のシリコンカップに2.0mLずつ分注し180±5℃に熱したキャノーラ油600 mLにカップごと投入して140秒間揚げ加熱した。各揚げ衣は1分放冷後、重量、表面色(L*, a*, b*値)、破断強度を測定した。また、各揚げ衣5 gに付着した油を石油エーテルで抽出後、40℃で蒸留して吸油量を測定比較した。【結果】揚げ衣の圧縮初期の応力及び微分値を比較すると、その硬さはうるち米粉・ハトムギ粉>大麦粉>ソバ粉となり、うるち米粉、ハトムギ粉、ソバ粉は小麦粉に比べて吸油量が少なかった。雑穀粉の揚げ衣の色は、主穀粉に比べて暗褐色であったが、特にソバ粉では濃い灰褐色を呈していた。天ぷら衣は淡黄色でもろく軽い仕上がりが望ましいことから、雑穀の大麦粉及びハトムギ粉は天ぷらの衣として小麦粉と代替えできる可能性が高い。
著者
長尾 慶子 喜多 記子 天野 里香 森田 真由美 香西 みどり 畑江 敬子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.491-496, 2005-12-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
10

Keiko Nagao Noriko Kita Rika Amano Mayumi Morita Midori Kasai Keiko Hatae“Covered food cooking” is a parcel cooking method in which meat or fish is usually covered with Japanese paper or salt. We evaluated wheat flour dough, pie dough, mashed potato, misogama (miso and flour) and shiogama (salt and egg white) for food parcel wrapping in this study. The thermal diffusivity (α) of each sample was calculated from measurements of the thermal conductivity (λ), heat capacity (c) and density (ρ). The internal temperature along one axis was measured during heating, and the heat retardation time was calculated. The various materials used for covered food cooking were then studied for their properties.Shiogama had the highest thermal conductivity, being followed by mashed potato, wheat flour dough, misogama and pie dough in that order. The retardation time τ(χ), an index of heating rate, tended to follow the order of thermal conductivity for the covering materials. A high correlation was seen between 1/τ(χ) and thermal diffusivity(α).The retardation time in cooling made shiogama easy to heat and easy to cool, so it could not retain the heating effect. Misogama, wheat flour dough and pie dough retained the heating effect much better than shiogama.
著者
長尾 慶子 松本 幸雄
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.54, no.8, pp.623-631, 2003-08-15
被引用文献数
12

食材モデル系,穀物粉ドウおよび高水分量食材(豆腐,こんにゃく)を試料に,揚げ(180℃),茹で(100℃),蒸し(100℃)および天火(170℃)各加熱を行った際,試料の加熱面近傍で誘起される熱伝導性の検出を試みた.試料の温度変化を測定する位置は,試料が熱媒体と接する加熱面から試料内部のx軸方向へ5mm以内の範囲にある.得られた結果は,以下のように要約される:試料内部温度の上昇速度は,加熱温度に無関係に揚げ加熱,茹で加熱,蒸し加熱,天火加熱の順に低下する状況が見られた.試科内部3mm,および5mmにおける温度上昇曲線は,熱移動に遅延現象がともなうとして導出された指数式に適合した.各試料について,上記指数式に現われる時間定数の逆数と熱拡散率とを両対数座標上にプロットすることにより,両者の間にベキ乗式の関係が存在することが見いだされた.この式の熱拡散率のベキ指数値は,試料の種類を問わず,揚げ加熱,茹で加熱,蒸し加熱,天火加熱の順に低下する.天火加熱においては,加熱面での吸熱をともなう水分の気化潜熱が,各試料内部の熱伝導を抑制するようである.
著者
永塚 規衣 木元 幸一 長尾 慶子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 平成16年度日本調理科学会大会
巻号頁・発行日
pp.99, 2004 (Released:2004-09-09)

【目的】昨年の調理科学会大会において、煮こごり調製時、特に煮汁に溶出したコラーゲンの可溶化と調味料との関係に注目し、各種調製条件の違いが煮こごりの物性に及ぼす影響について報告した。今回はコラーゲンの可溶化と加熱時間及び加熱温度との関係に注目し、煮こごりの物性変化を微視的に追跡・検討を行った。【方法】試料の鶏手羽先を約1cm角切りにし、50gに全面が水に浸る水量30gを加え600Wの電熱器で加熱、沸騰後火力を300Wに調節して、10分から120分までの定時間加熱した後、各試料をろ過し、煮汁が30mlとなるように調製した(100℃加熱試料)。同様に加熱温度を90℃に保持しながら加熱した試料を調製した(90℃加熱試料)。各試料ゾルの動的粘弾性、17O-NMRによる緩和時間(T1)、動的光散乱による粒度分布、GPC及び電気泳動による分子量分布を測定した。次いで各試料を内径32mm、高さ15mmのペトリ皿に分注し、冷蔵庫で24時間保存してゲル化させ、破断特性を比較した。【結果】鶏手羽先は加熱を続けるほど動的弾性率が増加し、硬いゲルを形成した。緩和時間も加熱時間の経過と共に短くなる傾向がみられ、水分子の活動が抑制されていることが推測された。また、動的光散乱、電気泳動結果より、加熱時間と共に粒径及び分子量が小さくなる傾向がみられた。肉中のコラーゲンは加熱すると熱変性しゼラチンとなるが、溶出された成分のうち、α成分が特異的にゲル形成能が高い傾向にあると示唆されており、本GPC結果から加熱時間の経過と共にα成分が増加している傾向が認められた。また、100℃加熱ゲルが90℃加熱ゲルよりもゲル強度の高いゲルを形成していた。
著者
長尾 慶子 畑江 敬子 島田 淳子
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.373-377, 1989

衣を厚くしたコロッケの揚げ加熱中の破裂の機構に関して以下の結論を得た.<BR>1) 衣を2, 3, 4mmと厚くすると薄衣の1mm試料の場合にみられた表層部破裂は起こらず, コロッケ全体に縦 (長軸方向) に亀裂が入る全体破裂となった.<BR>2) 外皮の引張強さは, 経時的に増加した.2mm試料のほうが, 3および4mmの試料に比べて短時間で強度が大となった.破裂時の外皮の強度から推定した内部圧は, 2mm試料のほうがより厚い皮の試料に比べて有意に低かった.<BR>3) 厚衣の全体破裂は, コロッケ内容物体積が揚げ加熱中に温度上昇に伴い6.5~6.9%膨張することで, 約2~3N/cm2高まった内部圧を皮が抑えきれずに亀裂が起きて, 破裂するものであることが示唆された.
著者
三神 彩子 喜多 記子 佐藤 久美 長尾 慶子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.98-105, 2010-04-05
被引用文献数
2

本研究では,幅広い料理法に対応できる中華鍋(鉄製)の特性を活用し,省エネルギー効果およびCO_2排出量削減効果をはかることを目的に,「炒める」「焼く」「揚げる」「蒸す」「煮る」の5操作法別に代表的な調理での他の鍋類との比較を行い,調理時のガス・水使用量,試料内部温度,仕上がりまでの加熱時間を測定し,さらにCO_2排出量に換算した。炒める(キャベツ炒め)では,中華鍋は鉄製フライパンと比較し約26%,テフロン加工フライパンとでは約56%,焼く(ハムステーキ)は,中華鍋は鉄製フライパンと比べ約13%,テフロン加工フライパンとでは約47%,揚げる(トンカツ)は,揚げ鍋と比較し約16%,蒸す(蒸しイモ)は,中華鍋で蒸籠を使った場合と西洋蒸し器とで比較すると,約7%のCO_2排出量削減効果が得られた。煮る(煮豚)では,中華鍋によるCO_2排出量削減効果はみられなかった。以上5項目中4項目の加熱操作の中華鍋使用の料理で7〜56%のCO_2排出量削減効果が確認できた。
著者
三神 彩子 長尾 慶子 赤石 記子 久松 裕子 杉浦 淳吉 松葉口 玲子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.102-112, 2015 (Released:2015-03-07)
参考文献数
25

This research focuses on Eco-cooking, an environmentally-friendly way of cooking through shopping, cooking and cleaning. We analyze and quantify people's energy-saving behaviors, evaluate the effect of eco-cooking, and seek to clarify what kinds of energy-saving behaviors have or have not been promoted by energy-saving education. The three-year-research on third-year students in home economics teacher-training program shows reduction in gas, water usage and waste produced during cooking by 40% to 80%. CO2 emission amount also decreased by about 50%. Furthermore, survey shows people who sometimes or always perform energy-saving behaviors account for 75% of the total. In conclusion, Eco-cooking energy-saving education is generally effective in raising people's energy-saving awareness and inducing behavior change. In order to make limited energy-saving educational programs more effective, it is important to ponder upon the content that is suitable for such a program as well as what the program should focus on.
著者
赤石(喜多) 記子 長尾 慶子
出版者
The Japan Society of Cookery Science
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.43, no.6, pp.351-358, 2010

栄養成分が豊富でアレルギーを起こしにくいと言われているスペルト小麦を用いて加熱操作の異なるパンを調製し,外観,物性,機能性面から比較検討した。ベーグルパンは茹で操作中にドウ内部が予備加熱される為,パンの膨化は他の加熱法に比べて最大となった。パンの色調は乾式加熱でメイラード反応によりa*値,b*値の上昇とL*値の低下がみられた。破断試験の結果,パン内層部の破断エネルギーは天火加熱と電子レンジ加熱で高値となり,ベーグル加熱,揚げ加熱,蒸し加熱で低値となった。クラスト及びクラムの水分の存在が力学特性に強く関与していることが推察された。普通小麦パンでは生ドウを加熱することで,抗酸化性が損失するのに対し,スペルト小麦パンでは低下せずに安定性が高いことが認められた。SDS-PAGE結果より,スペルト小麦パンと普通小麦パンでは分子量50 kDa及び37 kDa付近に差異が見られ,10~15 kDa付近のバンドは長時間加熱の天火加熱及び蒸し加熱法で消失することが確認された。
著者
長尾 慶子 久松 裕子 粟津原 理恵 遠藤 伸之 原田 和樹
出版者
The Japan Society of Cookery Science
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.46, no.5, pp.324-334, 2013-10-05
被引用文献数
1

抗酸化能を高めた中国料理献立を立案するために,栄養・嗜好面に配慮した基本献立と食材や調理手法を変えて抗酸化能を高めたモデル献立の抗酸化能を評価した。その結果,大菜の煮込み料理の[紅焼白菜]では食材のカニ,ケール及びエノキタケを選択し,同じく 炒め料理の[木穉肉]では調味料の五分たまり醤油と甜麺醤に薬味のネギ,ショウガを選択した。[湯菜]ではだし素材の干し椎茸と鶏ガラにネギとショウガを加えて加熱した。甜点心の [杏仁豆腐]では,杏仁霜と牛乳で調製した寒天ゲルに,黒糖シロップと果物のブルーベリーを選択し,鹹点心の[餃子]ではキャベツを脱水せずに加え蒸し加熱する方法で,どの料理も抗酸化能を高めることができた。これらを組み合わせたモデル献立にして,数種の測定法で抗酸化を測定したところ,基本献立に比べて抗酸化能の有意に高い中国料理モデル献立として提案できることが示唆された。
著者
粟津原 理恵 樋口 二美子 土田 幸一 長尾 慶子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.319-326, 2008-10-20
参考文献数
18
被引用文献数
2

ソバの機能性成分ルチンの損失を抑え,歯応えの良いソバ切り(麺)の調理条件の解明を目指し,ソバ切り調製時におけるルチンと小麦グルテンの相互作用について追究した。ルチン含量の異なる普通ソバ粉,普通-ダッタン配合ソバ粉,およびダッタンソバ粉を用いてグルテン添加量を変えたモデル麺を調製し,ゆで麺の破断特性測定および走査型電子顕微鏡による構造観察を行った。配合ソバはグルテン添加量の増加により,均一な構造となり,普通ソバに類似した破断特性を示したが,ルチン含量の最も高いダッタンソバはグルテンを添加しても構造が粗く,歯ごたえの弱い脆い麺であった。また,逆相クロマトグラム分析から,ゆで処理による配合ソバおよびダッタンソバからのルチン損失が,グルテン添加により抑制されることが示唆された。以上より,配合ソバ程度までのルチン含量のソバ粉は,10~20wt%のグルテン添加により,歯応えがあり,機能性の高い麺に調製できることが期待できる。
著者
赤石 記子 長尾 慶子 岩田 力
出版者
東京家政大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

加熱条件及び発酵条件の異なる小麦粉製品の抗原量に及ぼす影響について研究を行った。普通小麦粉及びスペルト小麦粉を用いてヨーグルト発酵液及び麹発酵液を添加した各種ソースを作成し、それらの抗原量を、発酵液を添加しない基準ソースの抗原量と比較した結果、いずれのホワイトソースに比べてもブラウンソースの抗原量が少なく、発酵液添加ホワイトソースでは基準ホワイトソースよりも多く低アレルゲン化の可能性が期待された。
著者
水 珠子 長尾 慶子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.227-233, 2008-08-20
被引用文献数
3

一連の食用O/W型エマルションの熱伝導に,その油滴径と油滴径分布が影響することが認められた。実験には,油相体積分率を同じ0.8にして,分散する粒子径を変えた5種類のエマルション試料を調製した。その結果,エマルション試料の加熱中の内部温度の上昇速度は平均分散油滴径が減少するにつれて低下することが示された。それに応じて,熱伝導率や熱拡散率や,加熱時の遅延時間等のような熱的特性は,同じ分散相伴積分率のO/Wエマルションにおいてその分散油滴径と油滴径分布に大きく影響していた。上記に加えて,試料エマルションの流動曲線におけるみかけの粘度やキャッソンの降伏値は分散油滴径が小さくなるにつれて増大した。
著者
長尾 慶子
出版者
東京家政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

これまでに実施してきた種々の保形性食材を加熱した際に見られる食材内部の熱移動に関する実験研究の結果と対比させながら、今回の研究課題においては、各種の食材冷却時における内部熱移動の詳細を観測し、それを現象論的に記述することを試みた。すなわち、食材を一定温度にまで冷却する操作の開始直後に見られる試料温度の急激な低下は、やがて徐々に収束し続けるようになる。かかる状況は、試料の温度が一定になるまで続く。また、この現象は各食材内部における伝導伝熱により常に出現し、食材の種類や食材成分の相転移、あるいは食材中の水分量や冷却温度範囲等には影響されない。故に、食材の冷却現象は食材に内在する熱エネルギーを緩和させる現象として、時間定数である緩和時間を用いて束一的に取り扱うことができる。
著者
三神 彩子 荒木 葉子 笹原 麻希 伊藤 貴英 長尾 慶子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.204-208, 2012-06-05
被引用文献数
1

本研究では,家庭での使用頻度の高い野菜50種を取り上げ,家庭で通常行われている切り方およびエコ・クッキングの切り方での廃棄率を実測し,食材廃棄率の削減効果を明らかとすることを目的とした。野菜50種は旬の時期に栽培された国産のものを試料とした。通常の切り方は,家庭調理を前提とし,大学の調理実習で実施している方法とした。エコ・クッキングでは,可食部分を出来る限り生かし,ヘタや根,種を除き,丸ごと皮ごと使用することとした。これにより,45種の野菜で可食部分が増加し,平均して9.1%の廃棄率削減効果が認められた。中でも,廃棄率の削減効果が高かったものに,カブ(葉つき)33.1%,セロリー32.1%,フキ27.7%,長ネギ26.2%,ブロッコリー23.3%があげられた。ただし,いずれの野菜も料理によっては可食部全てを使うことが望ましいわけではないため,皮や固い部分はみじん切りにしたり,すりおろしたり,もしくは部位ごとに使い分け加熱操作を加える方法などの調理の工夫で上手に活用することが望ましい。