著者
長谷川 敦士
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.59, no.7, pp.441-448, 2016-10-01 (Released:2016-10-01)
参考文献数
5
被引用文献数
3

サービスデザインとは,生活者の価値観の変化に伴って,ビジネスの本質がモノから体験にシフトしたことによって生まれた,新しい事業開発の手法である。従来のモノを主体にした考え方(グッズドミナントロジック)に対して,サービスを中心にした事業の考え方はサービスドミナントロジックと呼ばれている。サービスデザインはユーザー中心,共創,体験の連続性,物的証拠,全体的な視点,といった「サービスデザイン思考」を基に構成される。Airbnbなどの新しい事業体は,事業の企画だけでなく,組織運営にまでサービスデザイン思考を導入している。これからの事業開発において,サービスデザインアプローチは重要性を増していくと考えられる。
著者
古後 晴基 黒澤 和生 長谷川 敦子 有賀 透仁 秋吉 祐一
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.41-44, 2010 (Released:2010-03-26)
参考文献数
13
被引用文献数
8 4

〔目的〕研究1は健常者の筋硬度を定量化し性差を検証することである。研究2は筋硬結を有する筋・筋膜痛症候群(Myofascial Pain Syndrome:以下MPS)において,筋疼痛と筋硬度との関連性を明らかにすることである。〔対象〕研究1では20歳代健常者52名とした。研究2では,病院受診者で画像検査・神経学的検査所見に異常がなく,慢性の腰痛を訴え最長筋に筋硬結を有する者44名とした。〔方法〕研究1では,最長筋,僧帽筋,大菱形筋の筋硬度を筋硬度計にて測定した。筋硬度の性差をt検定にて検証した。研究2では,筋硬度は筋硬度計にて測定し,筋疼痛は数値的評価スケール1)(numerical rating scale:以下NRS)にて測定した。筋疼痛と筋硬度との関連性をPearsonの相関係数にて検証した。〔結果〕研究1では,僧帽筋において,女性は男性と比較して有意に高い値を示したが,最長筋と大菱形筋においては,有意差は見られなかった。研究2では,筋硬結の筋疼痛と筋硬度との相関関係は弱かった。〔結語〕僧帽筋において,女性は男性と比較して筋硬度が高いことが分かった。筋硬結を有するMPSにおいて,筋疼痛の程度は筋硬度の程度に影響されないことが分かった。
著者
長谷川 敦大 門脇 耕三
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.88, no.804, pp.446-456, 2023-02-01 (Released:2023-02-01)
参考文献数
24

The situation related to building production in Japan is becoming increasingly complex from both social and urban perspectives. House-builders are finding it difficult to cope with these circumstances due to the system’s closed nature. Therefore, We made the purpose of this study to identify the problems that building systems deal with irregular customize. As a case study, we focused on a project with irregular customization. We conducted a textual analysis of design meeting transcripts to examine user participation in decision-making during the design process. The results showed the possibility of reconstructing the relationship between decision-making entities in the OPENBUILDIN theory.
著者
長谷川 敦章
出版者
一般社団法人 日本オリエント学会
雑誌
オリエント (ISSN:00305219)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.1-27, 2007 (Released:2010-03-12)
参考文献数
70

This paper studies a tomb found at Minet el-Beida in 1997. Fortunately, it seems that the tomb was not looted, and many grave goods were intact. These were the first materials recovered from Minet el-Beida since Schaeffer stopped the excavations in 1932, six decades before and have significant value for the archaeological study of the Late Bronze Age in the East Mediterranean world. This study aims to consider how long the tomb was in use by studying the structure of the tomb and the finds in it such as Mycenaean and Cypriote pottery.The tomb was built entirely of ashlars. It has one chamber of rectangular shape and is equipped with ashlar steps and a dromos, a short passage connecting the chamber to the outside. This type of tomb is commonly seen at Ras shamra, Minet el-Beida and Ras ibn Hani, and seems to date from the Late Bronze Age II, that is the 14th to 13th centuries B. C.Twenty-eight pieces of Mycenaean pottery and twenty-nine pieces of Cypriote pottery were recovered from the tomb. The Mycenaean pottery includes stirrup jars, alabastra and piriform jars. The chronological analysis in this paper suggests that most of the Mycenaean pottery dates back to the Late Helladic IIIB, several to the Late Helladic IIIA2, and one to the Late Helladic IIIB to IIIC1. The Cypriote pottery consists of white shaved ware and white slip II ware, which are also called milk bowls. The former are dated to the Late Cypriote IB to IIB and the latter to the Late Cypriote IIC1.In conclusion, it seems that the tomb started being used in the Late Helladic IIIA2 and was abandoned in the Late Helladic IIIB, that is, that it was used for about 165 years, between 1350 B. C. and 1185 B. C.
著者
長谷川 敦士 植田 一博
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.8, no.4, pp.417-430, 2001-12-01 (Released:2008-10-03)
参考文献数
16

In this paper we addressed the problem how social interactions, especially P2P (Peer to Peer) communication, set trends. We made a multiagent-based model to investigate the issue. The agents are computer programs that act autonomously and behave individually. In this artificial society, the agents demand goods that they want to consume as well as they can produce and consume goods. They try to barter their goods with one of the other agents that is selected randomly. They make their own evaluation of each good based not on global information in the market but on local information shared with their trading partners: They assume the goods, which their trading partners demand, to be popular. They can also demand the goods that they think very popular by themselves and exchange their evaluation of the popularity when they trade with other agents. We pointed out that, in this situation, agents' evaluation of the popularity can be concentrated on some good one after another, which can explain a mechanism of the concentration of popularity.
著者
大野 賢二 関矢 信康 長谷川 敦 角野 めぐみ 平崎 能郎 久永 明人 地野 充時 笠原 裕司 並木 隆雄 寺澤 捷年
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.60, no.6, pp.595-605, 2009 (Released:2010-03-03)
参考文献数
13
被引用文献数
1 1

【目的】漢方薬,特に煎じ薬の調剤や服薬指導の現状および問題点を明らかにするためにアンケート調査を実施した。【対象】千葉大学医学部附属病院・和漢診療科の院外処方箋を応需している保険調剤薬局全15店舗を対象とした。【結果】12店舗の薬局が現行(一律190点)の煎じ薬の調剤料が低いと回答した。生薬専用の分包機を導入していない薬局の調剤時間は,導入している薬局と比較して2倍であった。薬局からの要望では,処方日数や生薬薬味数に準じた調剤料および生薬薬価の見直しが多く挙げられた。また,調剤や服薬指導に従事する薬剤師の約半数が漢方薬に関する知識不足を認識していた。【総括】今後,煎じ薬を調剤できる薬局を確保するためには,煎じ薬の調剤を取り巻く経済的な問題の改善が必要と考えられた。また,漢方薬に精通した薬剤師の育成のため,大学における卒前・卒後教育体制の整備も併せて必要と考えられた。
著者
山本 薫 長谷川 敦士
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第67回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.78, 2020 (Released:2020-08-27)

VUCAと呼ばれる現代社会では、正解や成功パターンを見つけるのは困難なため、個人が仕事・やりたいことを、自らの内発的動機に基づいて見つけていく必要がある。しかし現状、教育の場において、この内発的動機を引き出すメソッドやツールは、まだ確立されていない。教育分野におけるこうした課題解決に活用できるのが、アート思考であると考える。アート思考の本質は、個人が心の中に持っている興味・関心、すなわち内発的な動機だからである。本論ではアート思考を教育的な視点で捉え、アート思考の根底にある内発的動機を身につけるための、具体的メソッドについて論じる。
著者
上堀 美知子 石井 善昭 長谷川 敦子 吉田 寧子 鈴木 茂 今村 清
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.211-219, 2005 (Released:2005-05-27)
参考文献数
7
被引用文献数
3 1

液体クロマトグラフィー(LC/MS)を用いて化学物質を検索する際に必要なデータベースに取り込むべき基本的な情報として各物質のマススペクトル,保持時間及び分配係数(オクタノール/水)情報について検討した.化学物質管理促進法(PRTR)に指定された物質等から選択した153物質について,4社のLC/MS装置を用い,エレクトロスプレーイオン化(ESI)及び大気圧化学イオン化(APCI)法の2つのイオン化法,また正イオン(positive)及び負イオン(negative)モードの4つのモードで測定したマススペクトル情報を基にマススペクトルデータベースを構築した.マススペクトル情報はESI及びAPCIで得られるマススペクトルの擬分子イオン及びフラグメントイオンに差はほとんど見られないので,両者の区別はしないでpositive及びnegativeモードで構成することとした.保持時間情報については相対保持時間を測定するための標準的な測定方法を定め,o -クロロアニリンを指標物質とした相対保持時間を検索キーの1つとして収録することにした.また,オクタノール/水分配係数を検索キーの1つとして収録することにした.
著者
濵田 邦夫 長谷川 敦 大沼 法友 鈴木 隆三
出版者
市立千歳市民病院
雑誌
市立千歳市民病院医誌 = The Journal of Chitose City Hospital
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.15-18, 2010-06-01

2008年から2009年にかけて経験した高齢者(70歳以上)リウマチ因子陰性対称性関節炎の3症例を報告する。症例1(80歳男性)と症例2(89歳女性)は両側対称性の大関節炎を呈し、両側下腿・足の浮腫が著明であり、remittingseronegative symmetrical synovitis with pitting edema:RS3PEと診断された。症例3(74歳女性)ではpitting edemaが明瞭ではなかったが、両側対称性の大関節炎を呈しており、RS3PEと類似した病態と考えられた。3症
著者
山田 貴之 寺田 光宏 長谷川 敦司 稲田 結美 小林 辰至
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.219-229, 2014-07-08 (Released:2014-08-22)
参考文献数
18
被引用文献数
2

本研究の目的は, 児童自らに変数の同定と仮説設定を行わせる指導が, 燃焼の仕組みに関する科学的知識の理解と, 燃焼現象を科学的に説明する能力の育成に与える効果について明らかにすることである。この目的を達成するために, 第6学年「ものの燃え方と空気」において, “The Four Question Strategy”に基づく「仮説設定シート」(4QS)を用いた実験群37人と, 用いなかった統制群37人を対象とした授業実践及び学習前後の質問紙調査の分析を行った。その結果, 実験群の方が, 燃焼の仕組みに関する科学的知識を高い水準で理解し維持できることが明らかとなった。また, 燃焼現象を科学的に説明する能力の育成にも有効であることが示唆された。
著者
飯田 弘之 中川 武夫 長谷川 敦史 岡根谷 敏久 Muangkasem Apimuk 曾根 彰吾 石飛 太一
出版者
芸術科学会
雑誌
芸術科学会論文誌 (ISSN:13472267)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.132-142, 2013-09-30

本論文において,新たな情報力学モデルを提案し,その応用について探求する.最初のモデルはゲーム結果の確かさに関連し,二番目のモデルはゲーム結果の不確かさに関連する.これらのモデルを将棋とサッカーに適用する.そして,エンタテイメント性の質,ゲーム進行パターン,アドバンテージの依存性,勝率といったゲーム情報の時間推移を可視化するために有効であることを確認する.提案モデルの応用例として取り上げたサッカーの情報力学モデルから,FIFA女子世界サッカー選手権決勝の試合は典型的な均衡がとれたゲームであることがわかる.また,この試合で日本チームはアメリカチームに勝利したが,日本チームが最後まであきらめなかったことが示唆される. : This paper is concerned with novel information dynamic models and their application. The first model is relating to certainty of game outcome, and the second one is to the uncertainty. They have been applied to Shogi and Soccer. It is found that these models are useful for visualizing the detail processes in the game, such as the quality of entertainment, game pattern, together with time dependency of the advantage and winning rate. It is suggested that FIFA Women's World Cup Germany 2011Final is a typical balanced game in which Japan got the win against USA, but fighting spirit of Japanese players was slightly stronger than that of American players.
著者
長谷川 敦士
出版者
東京大学
巻号頁・発行日
2002

博士論文