著者
安田 浩一 古澤 清文 奥田 大造 堀口 文嗣 長谷川 貴史 山岡 稔
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.546-548, 1995-06-20 (Released:2011-07-25)
参考文献数
9

Two cases of gas gangrene in the maxillofacial region and neck that developed after odontogenic infection are reported. Case 1, a 35-year-old man, developed gas gangrene after removal of the mandibular right third molar. In case 2, a 61-year-old man, gas gangrene occurred after apical periodontitis of the mandibular right second premolar. Both cases were treated by digitally opening the site where computed tomography (CT) revealed extension of gas bubbles early after the onset of symptoms and surgical debridement with antibiotics. CT was useful in monitoring the location of gas bubbles to permit opening of the progressive large focus in multiple spaces of maxillofacial region and neck. Digital preparation of the fascia was useful for opening the focus in the early stage of the disease.
著者
長谷川 浩一 林 真人 川口 健司 田代 晴彦 森川 篤憲 岡野 宏 川上 恵基 村田 哲也
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会学術総会抄録集 第56回日本農村医学会学術総会 (ISSN:18801749)
巻号頁・発行日
pp.29, 2007 (Released:2007-12-01)

(症例)患者はインドネシア国籍の29歳男性で、平成19年1月17日に頭痛を主訴に当院外来を受診。頭部単純CTで左側頭葉に低吸収域を呈する脳病変を認めた。しかしながら不法滞在者であると判明し、それ以上の精査治療は母国で行うべきと初診医が判断し、即時の帰国を勧めた。しかしながら、症状は徐々に悪化し発熱と意識障害をきたしたため、1月21日に当院救急外来を受診し内科入院となった。入院時、口腔内カンジダ症を認め、抗HIV抗体が陽性であった。髄液検査では異常を認めなかったが、AIDSによる脳トキソプラズマ症が最も疑われ、ST合剤とクリンダマイシンの投与を開始した。治療により解熱しCRPも9.0から0.5に低下したが、意識状態の改善はあまり認められず、到底旅客機で帰国できる状態ではなかった。2月1日に局所麻酔下で定位的に病変部位の生検術を施行し、病理組織にて脳トキソプラズマ症の確定診断が得られたため、2月8日に三重大学附属病院血液内科に転院した。その後、ピリメサミンを用いた積極的な治療により旅客機で帰国できる状態にまで回復した。 (当院での対応)不法滞在のため保険には未加入で、治療費は自費のため金銭的な援助をインドネシア大使館にも相談したが、予算がないため金銭的な援助は不可能との返事であった。また、当院はAIDS拠点病院に指定されていないため、県内のAIDS拠点2病院への転院も考慮したが困難であった。三重大学附属病院のみHIV感染により何らかの合併症を発症している事が確認されていれば、何とか受け入れ可能であるが、少なくとも脳の生検でAIDS以外の脳病変を否定する事が前提条件であった。HIVに対する手術器具の消毒法もHCV等と同じであるが、HIV感染患者の手術は当院では初めてであり手術室等からの反対もあったが、転院のためには他に手段はなく、当院でやむなく生検術を施行した。 (考察)不法滞在患者でなく金銭的に問題なければ、大学病院以外のAIDS拠点病院への転院も可能であったと思われるが、研究機関でもある大学病院しか受け入れは許可してもらえなかった。鈴鹿市は外国人の割合が高いので、不法滞在の外国人も多いと予想されるが、これは全国的な問題と考えられる。不法滞在者であるからといって人道的に治療を拒否する事はできず、行わなければならない。その様な場合、どこからか金銭的な援助を得て、なんとか治療を行える方法はないのであろうか。また、外来受診の翌日に名古屋の入国管理局から連絡があり、すぐに帰国させる様に伝えたが、手続き上少なくとも1週間以上かかり、結局その間に症状が悪化し帰国できなくなってしまった。不法滞在ではあるが、この様な緊急事態の場合、入国管理局はもっと早く帰国の手続きをとる事はできないのであろうか。この患者は治療により帰国できる状態にまで回復したが、回復しなかった場合は二度と自国の土を踏む事はできなかったと考えられた。
著者
吉村 綾華 平井 祥之 長谷川 優 武田 昌一
出版者
Japan Society of Kansei Engineering
雑誌
日本感性工学会論文誌 (ISSN:18845258)
巻号頁・発行日
vol.13, no.5, pp.571-578, 2014 (Released:2014-12-26)
参考文献数
15

This study is designed to obtain primary knowledge relevant to impressions on figures, and clarify the effects of color, shape, and location on the impressions on figures by psychology experimentation. A measurement is conducted using the combinations of 3 types of shape, 4 types of color, and 5 types of location. The experimental results show that the most dominant factor that affects the visual impression is the location of a figure, and suggest that the central location is considered well-balanced and favorable. Then, the color is the second most influential factor in the visual impression, and “yellow” yields impressions of gaiety and cuteness, however, “blue” to the contrary yields impressions of gloom and no cuteness. Additionally, the results suggest that the shape is the least influential factor in the visual impression and almost neither types of shape used in this experiment are nice-looking nor cute and have any specific features.
著者
村田 晶子 池田 幸弘 長谷川 由香
出版者
法政大学
雑誌
多文化社会と言語教育 (ISSN:24362239)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-13, 2021 (Released:2021-05-10)

日本語を学ぶ人々のライフストーリーの調査をすることは、彼らの生き方、日本語を学ぶ動機、そして、日本語を用いてどのように社会と関わっているのかを理解する上で役立つ。本稿では母国で社会経験を積んでから来日し、日本語を学んだ人々にライフストーリーインタビューを行い、日本留学が彼らの人生にとってどのような意味があったのかを明らかにした。分析では、Knowles の成人学習像、Mezirow の変容的学習論を援用し、社会経験のある人々が職業経験を踏まえた自律的な学習の方向付けを行っていく過程を明らかにするとともに、留学における葛藤や悩み、留学を通じた変容を明らかにし、それぞれが相互作用していることを分析した。加えて、本稿の最後にインタビュー協力者のライフストーリーに対する感想、そして、調査者らによるライフストーリーインタビューの実施及びライフストーリー作成に対する省察を示し、ライフストーリーが教員とプログラム修了者の双方にとって継続的な対話の機会になり、教育の改善につながりうるものであることを示した。
著者
宇根 寛 青山 雅史 小山 拓志 長谷川 智則
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.124, no.2, pp.287-296, 2015-04-25 (Released:2015-05-14)
参考文献数
20
被引用文献数
5 6

The 2011 off the Pacific coast of Tohoku Earthquake brought severe damage caused by wide-ranging soil liquefaction across the Tohoku and Kanto districts. In Abiko City, Chiba Prefecture, heavy liquefaction damage occurred in a small area, which was not accurately predicted by the existing liquefaction hazard map. The authors consider the reason to be land history, such as landform development and artificial landfill, which was not taken into account in the assessment of liquefaction risk. Accordingly, Abiko City has revised the hazard map to take account of micro-landform classifications using land condition maps, old edition maps, and aerial photographs with the assistance of the Geospatial Information Authority's support team.
著者
長谷川 由香 村田 晶子 池田 幸弘 竹山 直子
出版者
法政大学
雑誌
多文化社会と言語教育 (ISSN:24362239)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.46-58, 2021 (Released:2021-05-10)

高等教育のグローバル化が進み、留学の形も多様化する中で、近年注目されているのが、1か月未満の短期留学プログラムである。短期の留学プログラムは経済的、時間的な負担が少ないために参加しやすく、その重要性は増している。短期プログラムは、学生の休みの期間に実施されることが多く、教室での勉強だけでなく、体験学習を組み込んだプログラムが実施されており、これまでプログラムレベルでの実践報告を通じて、具体的な実施例、効果や課題が明らかにされているが、その一方で文化体験の「テキスト」の開発に焦点を当てた報告は非常に少ない。そこで本稿では、こうした文化体験プログラムのテキスト開発について分析し、大学の短期プログラムを想定したテキスト開発がどのように変容していったのかを検討し、今後に向けたオンラインでの文化体験のアレンジ例の提案も行った。
著者
長谷川 直哉 今泉 貴史
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:21888787)
巻号頁・発行日
vol.2021-IOT-53, no.7, pp.1-7, 2021-05-06

Web アプリケーションの脆弱性の 1 つに SQL インジェクションがある.本研究では SQL インジェクションの対策手法として DPS(Dual Proxy to prevent SQL Injection Attack)を提案し実装した.DPS は HTTP プロキシとデータベースプロキシを組み合わせたアーキテクチャであり Web サーバを挟む構成になっている.DPS では,ユーザインプット(ユーザからの入力値)と Web アプリケーションから送られるクエリを基に SQL インジェクションを検知する.DPS が実際に SQL インジェクションを防止できるかどうかを確かめるための実験を行い,DPS が SQL インジェクションを防げることを確認した.
著者
倉爪 亮 米田 完 田中 俊太郎 玉木 達也 太田 祐介 長谷川 勉
出版者
The Robotics Society of Japan
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.21, no.7, pp.811-818, 2003-10-15
参考文献数
26
被引用文献数
4 1

From 1970's, legged robots have attracted much attention of many researchers. In spite of this, it has been regarded that dynamically stable walking is very difficult to be tackled for any types of legged robots. For a trot gait for quadruped walking robots, we have proposed "the sway compensation trajectory". This method utilizes a lateral, longitudinal, and vertical motion of a robot body to keep a zero moment point (ZMP) on a diagonal line between support legs. In this paper, we develop the sway compensation trajectory for a biped robot, and show that dynamically stable walking is realized. This method makes it quite easy to design stable ZMP and COG (center of gravity) trajectories, which have been regarded as a very complicated and delicate problem. The effectiveness of the proposed method is verified through computer simulations and walking experiments by a humanoid robot HOAP-1, and YANBO-3.
著者
長谷川 博史
出版者
島根大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究は、中世の山陰地域の流通構造について、西日本海水運との連関性を追究することによって、明らかにした。たとえば、富田城下町は、戦国大名尼子氏の拡大によって、16世紀前半に急速に発展し、鉄の加工を通して内陸部と海を結びつけた。また、杵築門前町は、16世紀後半に、石見銀山の開発の影響を受けて急速に発展し、鉄の積み出し港としても重要な役割を果たしたので、内陸部と海を一層強く結びつけた。
著者
長谷川 みゆき
出版者
千葉大学大学院人文社会科学研究科
雑誌
千葉大学人文社会科学研究 (ISSN:18834744)
巻号頁・発行日
no.19, pp.158-170, 2009-09

ここ10 年ほどアメリカ社会で行われているShame punishments について紹介する。Shame punishments の是非について論ずるものではなく、shame punishment とはどのような実践であるのかを紹介することが目的である。
著者
長谷川 秀樹
出版者
日本島嶼学会
雑誌
島嶼研究 (ISSN:18847013)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.15, pp.27-47, 2014-04-30 (Released:2020-09-16)
参考文献数
22

Corsica, French island in the Mediterranean Sea, was a transhumance based pastoral society of sheep and goat, however swine also was an important animal as a key of understanding traditional Corsican mountainous villages and their people called paese and paisani. Traditionally Corsican swine were divided into two types. Mannarinu was that which was fed in each household in paese. And Porcu di furestu or Porcu di banda was that which was raised collectively by the people called purcaghju, swine shepherd. Purcaghju has also a role of swine breeder, sells new born piglets to paisani and takes charge of feeding mannarini from sheep and goat shepherd or paisani. Tumbera, killing the swine is a symbolic and ritual activity of paese just before Christmas. However, Corsicans did not eat pork meat in their daily life traditionally. The pork gained by tumbera was almost transformed into preserved products for example ham and sausage. In the latter of the 20th century, two mainstreams about pork culinary and swine raising appeared in the island. The one is disappearance of a tradition caused by urbanization of eating life and decrease of purcaghji. And the other is several movements for official recognitions of “Porcu Nustrale”, Corsican original swine race and “AOC”, controlled designation of origin of several pork preserved products, coppa, lonzu and prisuttu.
著者
折田 三弥彦 長谷川 純一 鳥脇 純一郎 金崎 守男 高藤 政雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.105-113, 1988-02-15
被引用文献数
2

処理手法に関する知識だけを用いて手順を推論する画像処理手順のプロタ"クションシステムを提案する.すなわち 画像の特徴を大局的データベース 処理手法に関する知識をプロタゥクションルールとして各々対応付けるものであるまた 手順推論の高速化および柔軟性の向上を目的として 問い合せによる会話型評価と特徴例示による自動評価とを融合させる方式を採用した.実例を引用して本方法を考察したところ 知識ベースの簡単化 あるいは推論の柔軟化が図れるものと期待できる.さらに本方法に基づき 部分的ではあるがモデルシステムを試作 評価したところ 画像処理エキスパートをより実用レベルに近づけられることが確認できた.
著者
長谷川 利拡 高野 順也 崎原 健 三橋 民和 大嶋 和則 片野 学 仲里 長浩
出版者
日本作物学会九州支部
雑誌
日本作物学会九州支部会報
巻号頁・発行日
no.60, pp.9-12, 1994

九州の主要良食味品種のミネアサヒ,ヒノヒカリ,ユメヒカリおよび沖縄の主要品種のチヨニシキの出芽期~二次枝便分化期までの発育特性を,堀江・中川の発育動態モデルを用いて解析した。データベースは,阿蘇と西表における作期移動試験である(n=13)。本モデルは,37~114日にわたる発育日数の変動を3,7~5,2日の精度で推定した。ミネアサヒとヒノヒカリの発育速度は気温に対してほぼ直線的な増加を示し,日長の影響は14時間以上においてのみ認められた。一方,チヨニシキおよびユメヒカリの発育速度は,気温に対して23℃あたりから頭打ちを示し,広い範囲の日長に反応することがわかった。
著者
田中 亜美 星 友二 長谷川 隆 坂田 秀勝 古居 保美 後藤 直子 平 力造 松林 圭二 佐竹 正博
出版者
一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会
雑誌
日本輸血細胞治療学会誌 (ISSN:18813011)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.531-537, 2020
被引用文献数
5

<p>E型肝炎ウイルス(HEV)の輸血感染対策を検討するため,輸血後E型肝炎感染患者として,既報(Transfusion 2017)の19例も含め,2018年までに判明した34症例について解析した.</p><p>原因献血者は全国に分布し,関東甲信越での献血者が半数以上を占めた.原因血液の88.2%(30例)がHEV RNA陽性かつHEV抗体陰性で,多くはHEV感染初期と考えられた.分子系統解析の結果,原因HEV株の遺伝子型は3型が29例(90.6%),4型が3例(9.4%)で,それぞれ異なるクラスターに存在し,多様性に富むことが示された.</p><p>一方,輸血後感染34症例中少なくとも16例(47.1%)は免疫抑制状態にあった.多くは一過性急性肝炎であったが,確認できた半数(8例)でウイルス血症が6カ月以上持続した.臨床経過中の最大ALT値の中央値は631IU/<i>l</i>で,輸血による最少感染成立HEV RNA量は2.51log IUと推定された.輸血されたウイルス量や遺伝子型と,最大ALT値に相関は認められなかった.</p><p>HEV RNAスクリーニングの全国導入はHEV輸血感染対策として有効と考えられる.</p>