著者
長谷川 真由美 林 一也 津久井 亜紀夫
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.300-304, 2010-03-30 (Released:2010-04-30)
参考文献数
13

Mulberries were obtained from five cultivars, i. e., three cultivars for fruit (Ficus, Kataneo, Raraberi) and two cultivars for sericulture (Ichinose, Tagowase).   The anthocyanins, protein, liquid, sugar and minerals in these mulberries were then analyzed.   In addition, mulberries of the five cultivars were processed into jam to determine and compare the residual quantities of the total anthocyanins and the main anthocyanins. 1) The moisture content of the five mulberry cultivars did not significantly differ. However, the carbohydrate contents of the mulberries cultivars for sericulture were higher than those of the cultivars fruit. 2) The main anthocyanins were determined to be cyanidin 3-glucoside and cyanidin 3-rutinoside in all from five cultivars. The cyanidin 3-rutinoside content ranged from 68-78%. 3) The fruit and jam of the three cultivars for fruit contained larger quantities of the total anthocyanins than those of the cultivars for sericulture. 4) The mulberry jam made from the cultivars for fruit retained higher ratios of the total anthocyanins and the main anthocyanins than the mulberry jam made from the cultivars for sericulture. The anthocyanins in the jam made from the cultivars for fruit were more stable than those in the jam made from the cultivars for sericulture.
著者
関 なおみ 貞升 健志 甲斐 明美 中島 由紀子 渡瀬 博俊 上田 隆 前田 秀雄 小林 一司 石崎 泰江 広松 恭子 岩下 裕子 本 涼子 神谷 信行 栗田 雅行 田原 なるみ 長谷川 道弥 新開 敬行 林 志直
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.238-250, 2015

<b>目的</b> 2014年 8 月,代々木公園が感染地と推定されるデング熱が発生した。これに対し,東京都の各担当部署が関係自治体と協力して対策を講じた。本経験は公衆衛生活動として他自治体や関係機関に共有すべき貴重な事例であると考え,報告する。<br/><b>方法</b> 8 月26日~11月 5 日に東京都が国内感染のデング熱流行に対して実施した対策について,1)リスクコミュニケーション・情報共有,2)患者への対応,3)蚊への対策,4)検査対応,の 4 分野について経過をまとめ,得られた結果について分析を行った。患者の疫学情報については2014年第 1~44週保健所受理分を対象とした。デング熱の国内感染が疑われる患者の血清および蚊検体の検査は東京都健康安全研究センターで実施した。<br/><b>結果</b> 都庁内に設置されたデング熱専用相談電話窓口に寄せられた相談件数は3,005件であった。東京都が実施した報道発表回数は,患者届出受理数および専用相談電話実績について39回,蚊の対策について 9 回であった。<br/> 東京都における国内感染症例は108件(男性62.7%,年齢中央値31.1(3~77)歳)で,2014年 第35~44週に報告されており,第36週がピーク(35件)となっていた。推定発症日の分布は 8 月 9 日~10月 7 日,推定感染日の分布は 8 月 3 日~10月 3 日であった。このことから,7 月下旬には代々木公園内にデング熱ウイルスに感染した蚊が複数生息していた可能性が示唆された。<br/> 代々木公園で週 1 回実施された蚊の調査(全11回のべ200トラップ)で捕集された蚊の総数は1,152頭で,種の同定においてヤブカ属が73.7%(856頭)であった。ヤブカ属を対象としたデングウイルス検査では,9 月 2 日,9 月 9 日,9 月16日分について陽性となった。<br/> デング熱の国内感染が疑われる患者の血清241件について確定検査を実施し,うち78件が陽性(国内感染症例73件,輸入症例 5 件)となった。ウイルスが検出された国内感染症例の血清および蚊検体の遺伝子解析では,すべて血清型 1 型 遺伝子型I型であり,全株の相同性が埼玉県在住の初発患者から分離されたウイルスの遺伝子配列と99%以上一致し,都内で感染したデング熱患者の原因ウイルスは単一のデングウイルスであった可能性が高いと考えられた。<br/><b>結論</b> 2020年のオリンピック,パラリンピック開催を予定している東京都としては,デング熱をはじめとした蚊の媒介する輸入感染症の国内発生について対策の強化が必要と考えられた。
著者
長谷川 嘉哉 久保田 進子 稲垣 俊明 品川 長夫
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.201-204, 2001-03-25 (Released:2009-11-24)
参考文献数
10
被引用文献数
4 8

音楽療法は, 老年医学を含めた様々な領域で研究使用されている. しかし音楽療法の科学的メカニズムは, あまり検討されておらず, より客観的な指標が必要とされている. そこで, 音楽療法前後のNK細胞の活性および量, T細胞およびB細胞量, 内分泌学的検討を行った. これらは音楽療法前後1時間で検討した. 対象は特別養護老人ホームの入所者19名 (男性6名, 女性13名, 平均年齢78.6歳) とした. 対象者の基礎疾患は, アルツハイマー型老年痴呆9名, 脳血管障害後遺症7名, パーキンソン病3名であった.NK細胞活性は音楽療法の1時間後で統計学的に有意な上昇を認めた. 音楽療法1時間前後で総リンパ球数に有意な変化は認めなかったが, リンパ球のサブセットのNK細胞比率は, 統計学的に有意な上昇を認めた. T細胞およびB細胞量の比率に変化は認めなかった. 内分泌検査では音楽療法前後のアドレナリンの変化は統計学的に有意な上昇を示した. ノルアドレナリン, コルチゾール, ACTHは有意な変化を示さなかった.肉体的侵襲の低い音楽療法で, 運動と同様にNK細胞の活性および量のいずれも上昇したことは極めて有益なことであると考えられた. これらの変化が臨床的にいかなる影響があるか明らかではないが, 音楽療法のさらなる可能性を示唆するものであった.
著者
新井 高 鈴木 賢 旗生 隆 横田 誠 長谷川 紘司 木下 四郎
出版者
特定非営利活動法人 日本歯周病学会
雑誌
日本歯周病学会会誌 (ISSN:03850110)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.170-176, 1977-06-28 (Released:2010-07-16)
参考文献数
17
被引用文献数
3 2

Purpose of this study was to know the effect of natural and synthetic bristle toothbrushes on plaque removal.Two kinds of natural toothbrushes (animal bristle and pig bristle) and two kinds of synthetic toothbrushes (nylon bristle and rubber) were evaluated using Scrub brushing method. Twelve adults, 6 patients and 6 dentists, 6 males and 6 females, aged 19 to 42, volunteered for this study.Plaque score was calculated with the modified Volpe's method which Suzuki et al. reported before. Facial and lingual tooth surfaces of the six representative teeth (6/41|14/6) were scored, after disclosing the plaque with a 0.5% basic fuchsin.The average percentage of plaque removal on facial and lingual tooth surfaces were as follows.(1) 59.6±16.1% (nylon bristle) (2) 42.3±13.2% (pig bristle)(3) 39.8±14.7% (rubber) (4) 39.5±13.3% (animal bristle)There was a statistically significance at the 5 percent level of confidence between nylon bristle brush and the other three brushes.A similar trend was recognized on labial, lingual, medial and papillary tooth surfaces independently.The scores after brushing were evaluated, also.(The materials of animal bristles are of horse and badger hair.)
著者
須磨 直樹 長谷川 博
出版者
日経BP
雑誌
日経ニューメディア = Nikkei new media (ISSN:02885026)
巻号頁・発行日
no.1697, pp.3-4, 2020-03-16

BS放送チャンネル「BS12 トゥエルビ」を運営するワールド・ハイビジョン・チャンネルは、2020年1月に須磨直樹氏が代表取締役社長を務める新体制に移行した。「BS12 トゥエルビ」についてどのような将来像を描いているのか。新社長の須磨氏に現状認識と今後の戦…
著者
長谷川 篤司 木下 潤一朗
出版者
昭和大学・昭和歯学会
雑誌
Dental Medicine Research (ISSN:18820719)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.169-175, 2009-07-31 (Released:2013-08-07)
参考文献数
25
被引用文献数
1 2

良好な根管治療予後のためは, 治療過程のすべてのステップで根管内無菌化のための努力がもとめられている. これらのステップのうち, 根管壁の化学的清掃, すなわち根管洗浄には, 従来から次亜塩素酸ナトリウムと過酸化水素水による交互洗浄が用いられてきた. また, 近年ではEDTAの使用や, 超音波発生装置の併用などが取り上げられている. では従来からの根管洗浄法の問題点は何か. 新たな薬剤や器材によって何がどう改善され, どのような効果が見られるのか. これらを導入する際には, 臨床上どのようなことに配慮すべきか. 現状でどの程度の臨床現場で使用されているのかなどを簡単に解説した.
著者
島谷 康司 島 圭介 菴原 亮太 長谷川 正哉 金井 秀作 田中 聡 小野 武也 沖 貞明 大塚 彰 Psiche Giannoni Pietoro Morasso Paolo Moretti
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.1228, 2014 (Released:2014-05-09)

【はじめに,目的】我々は,初期歩行直後の乳幼児にヘリウムガス入り風船(浮力:約2g)の紐を把持させると歩行時の身体動揺が減少し,そのために歩行距離が延長することを報告した。この現象は,Jekaらが報告した「指尖でカーテンに軽く触れることによって姿勢制御に有効に働くこと(Light Touch Contact)」に類似していると考えた。本研究では,初期歩行期の乳幼児に対してヘリウムガス入り風船の紐を把持(以下,風船把持)させることにより姿勢制御を最適化する支援方法を提案するために,まず風船把持の静止立位姿勢制御について検証することを目的とした。【方法】対象は,健常成人60名(男性:30名 女性:30名)であった。重心動揺計測には,アニマ社製重心動揺計(GP-6000)を使用した。また,全対象者のうち無作為に抽出した30名に対して頭部,風船を把持した右手部,仮想身体重心を想定した腹部の位置関係を検証するために,KINECT for Windowsを用いて3次元画像解析を行った。計測条件は,何も把持しない条件(以下,把持なし条件),風船を右手で把持する条件(以下,風船条件)の2条件を設定し,被験者ごとにランダム化して60秒間の計測を行い,データを比較した。計測肢位は閉眼タンデム立位とし,把持なし条件の右上肢はあたかも風船を把持しているかのような肢位とした。計測は被験者が十分に安定したと感じた際に「はい」と合図をさせて開始した。統計処理には,総軌跡長,実効値面積(以下,RMS),外周面積,左右軌跡長,前後軌跡長について,把持なし条件と風船条件の2群間で対応のあるt検定を行った。また,頭部・右手部・腹部の3次元座標から変動係数を算出し,2群間比較には対応のあるt検定を,群内比較にはKruskal Wallis検定および多重比較にはSteel-Dwass検定を行った。なお,有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮,説明と同意】ヘルシンキ宣言に則り,対象者には本研究の趣旨を十分に説明し,書面にて同意を得た後に実験を行った。【結果】重心動揺については,把持なし条件と比較して風船条件は,総軌跡長(p<0.01),左右軌跡長(p<0.01),前後軌跡長(p<0.01),RMS(p<0.05)で有意に低値を示した。外周面積に有意差は見られなかった。各身体部位の変動のばらつきについては,把持なし条件・風船条件ともに頭部と右手部は腹部よりも有意にばらつきが大きく,頭部と右手部に有意差は見られなかった。また,把持なし条件と風船条件の群間比較をした結果,すべての身体部位間に有意差は見られなかった。【考察】本研究の結果,風船把持によって前後・左右の重心動揺速度が減少し,動揺のばらつきを抑えて身体重心を一定範囲内に収めていることが示唆された。しかし,風船の有無によって身体部位の位置関係に有意差が見られなかったことから,風船把持による静止立位姿勢制御の機序までは明らかにすることができなかった。しかし,山本らは,ヒトは各身体部位を前後・左右に微妙に動かしながら立位姿勢を制御すると述べており,本研究では風船把持によってフィードバック制御を賦活し,各身体部位を微動させることによって,より重心動揺を減少させる立位姿勢制御が行われているものと推察した。風船把持の立位姿勢制御が固定点に指尖で軽く触れるLight Touch Contactとは異なるため,今後は風船特有の揺らぎが静止立位姿勢制御に与える影響について詳しく解析し,初期歩行期の乳幼児に対する歩行支援の可能性について検証していく必要がある。【理学療法学研究としての意義】現在,初期歩行発達遅延の乳幼児に対する確立した歩行支援方法はない。風船は口頭指示が難しい乳幼児にとって歩行練習を行う動機づけに有用な歩行支援用具となりうる可能性があり,健常成人においては,風船把持による静止立位姿勢制御が重心動揺を減少させることが示唆された。
著者
植田 真司 長谷川 英尚 久松 俊一
出版者
日本陸水学会
雑誌
陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.75-85, 2016
被引用文献数
4

<p> 青森県六ヶ所村に点在する淡水湖の田面木沼および市柳沼,汽水湖の鷹架沼および尾駮沼における水質の現状と変遷を明らかにすることを目的に,2004年4月~2015年3月の期間,月一回の水質調査を行った。田面木沼,市柳沼および鷹架沼において全窒素(TN),全リン(TP)および化学的酸素要求量(COD)濃度は高く,富栄養化レベルであった。田面木沼および市柳沼においては,毎年8~10月の期間,アオコの発生が観察され,水質汚濁が顕在化していた。しかしながら,11年間を通してみると汚濁の進行は止まっており,ほぼ横ばいに推移していた。また,鷹架沼は,湖盆の真中を縦断する防潮堤を挟んで水質が異なり,防潮堤の西(奥)側の水質が,東(海)側よりも富栄養化が進んでいた。一方,尾駮沼は年間を通してTN,TPおよびCOD濃度は低く,水質は良好であり,中栄養化レベルであった。尾駮沼が水質を良好に保っている要因は海水交換が大きいことが考えられる。いずれの湖沼の水質も長期間の観測を通してほぼ横ばいに推移していたが,40年前の水質と比較して概ね改善方向にあることが認められた。</p>
著者
森 沙耶香 長谷川 寛雄
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.614-615, 2020-06-01

Q CMLではNAPスコアーが低値になる機序,急性転化時には上昇する機序について教えてください. A 慢性骨髄性白血病(chronic myeloid leukemia:CML)患者の成熟好中球においてアルカリフォスファターゼ(alkaline phosphatase:ALP)活性が低下していることが発見され,細胞化学的ALP活性測定法である好中球アルカリフォスファターゼ(neutrophil alkaline phosphatase:NAP)染色法が確立し,白血球数が著増していない早期でもCMLの診断が可能になりました.しかしその後長らく,CMLにおけるNAP活性低下の原因は実はよくわかっていませんでした.近年,さまざまなサイトカインの研究が進むにつれて,その機序が解明されてきました.本稿では,CMLにおいてNAPスコアーが低値になる機序について解説しますが,急性転化時におけるNAPスコアーの上昇については原因が解明されていません.機序に関して諸説あるのですが,私見を交え説明したいと思います.
著者
清水 暢子 松永 昌宏 長谷川 昇 梅村 朋弘 山田 恭子 望月 美也子 加藤 真弓
出版者
石川県立看護大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

医学的管理が充実している日本の高齢者であっても、認知症予備群から認知症へ移行する数は増加の一途である。一方、チェンマイ県での認知症罹患率は、日本の6分の1程度に留まっている。そこで本研究の目的は、タイ北部農村部とタイの都市部の高齢者、日本の北陸地方の農村部と都市部の高齢者の、認知機能面、身体機能面、社会生活面、栄養摂取面、精神心理面、保健行動面を評価し、その影響要因について、また、継続して3年間の認知機能経年変化値や脳血流量変化量を従属変数に、生活習慣や環境、社会背景を説明変数として何が認知機能の経年変化に影響を与えているかを比較検討することであった。日本側の農村部および都市部在住の高齢者の調査から、ミニメンタルステートテスト(MMSE)の値と言語流暢性課題と運動課題を同時に行う二重課題実施中の前頭前野の脳血流との間に有意な関連がみられ、近赤外分光法(NIRS)を使用した前頭前野血流変化量は認知機能低下の予測因子として重要な指標となり得ることが示唆された。また高齢者の宗教観および社会的孤立が認知機能に及ぼす影響についての調査結果から日本の都市部と農村部ではMMSEとMOCAの認知機能検査結果に違いはなかったが、農村部では信仰有りが有意に高く、「信仰の有無」、「高齢者のうつ」、「社会的孤立状態」は認知機能の経年変化の予測因子になり得ることが示唆された。一方、タイ,チェンマイ市内都市部と農村部の3か所の高齢者サロンに通所する高齢者へ、半構成的インタビューを中心に行った結果からは、「老いることの意味」について全員が「老い」をポジティブに受け止めていた。タイ高齢者の宗教心が老いへ向かう態度や日々の生活への態度にポジティブに関連している可能性があった。宗教的背景が他者とかかわる機会を持たせ、「人の役に立つ」ことを満たすために、高齢であっても孤立しない環境である可能性があった。
著者
長谷川 武光 鳥居 達生
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.985-993, 1985-11-15
被引用文献数
1

緩減少かつ定符号の関数にf(x)に対する無限援動積分J(a ∞)=∫^^∞__af(x) cosωx dx (∫^^∞__af(x) sinωx dx)に対する自動積分法を示す.この積分は符号が交代する無限級数の形で表されるが その収束が非常に遅いので困難な問題とされている.収束を速めるため Sidiの一般化リチャードソン補外法を加速法として適用する.カロ速の入力数列は関数f(x)のチェビシェフ展開を利用して不定積分J(a x)を求めておくことにより能率的に計算されるこのとき3項漸化式の最小解を安定に求める算法が効果的に利用される.数値例によって本自動積分法が能率の高い方法であることが示される.
著者
長谷川 倫子 金 仁培
出版者
東京経済大学
雑誌
コミュニケーション科学 (ISSN:1340587X)
巻号頁・発行日
no.26, pp.3-24, 2007-03-21

The purpose of this study is to focus on the foreign correspondent in Tokyo who works for a major South Korean TV network. At a semi-structured interview, the correspondent was asked about his daily activities as a broadcaster with respect to the international flow of information from Japan. It was found that the correspondent tended to choose topics on politics and economics in response to requests from superiors at the news desk of the network. As the middle person in this routinized process, the correspondent acted as a gatekeeper, selecting and relaying topics from Japan to the South Korean audience. How those media outlets choose and report topics is a reflection of the lasting effects to mutual national images of the colonization of the Korean peninsula by Japan until the end of World War II. For the South Korean news media, monitoring and repor ting on the actions and comments by Japanese statesmen concerning worshipping at Yasukuni Shrine, revisionism in schoool textbooks, or territorial issues seem to be a high priority in selecting news reports about Japan for a Korean audience. In the daily foreign reports of Korean news programs, this kind of close observation and reporting about Japan is second only to reporting on matters related to the United States.
著者
長谷川 悠乃 松嵜 くみ子
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学文学部臨床心理学科紀要 (ISSN:21877343)
巻号頁・発行日
no.1, pp.85-105, 2013-03

本研究では,社会変動性のない,主観的な自分の認識する性別が他者の認識する社会的な自分の性別と一致するという感覚をジェンダー・アイデンティティとして捉えるジェンダー・アイデンティティ尺度(以後,GIS ; 佐々木,2007)を用い,性別の3要素(心の性別・社会的な性別・身体の性別)という観点から,ジェンダー・アイデンティティと自己肯定意識の状態との関連を検討した。ジェンダー・アイデンティティは自己概念の1つと考えられる。自己概念の形成には,他者からの評価や承認による気づきが影響要因と示唆される。多くの人は生まれたときに割り当てられた性別を疑いなく自分の性別と認識するが,生まれたときに割り当てられた性別に疑問を抱く人もいる。彼らはトランスジェンダーと呼ばれ,本研究で取り上げる性別の3要素は一致していないと考えられる。マイノリティの自尊心は,低い場合と高い場合が考えられるため,トランスジェンダーの自己肯定意識の状態を検討した。 性別の3要素が一致していると考えられる大学生(一般群:168名)と一致していないと考えられるトランスジェンダー(TG群:10名)を対象に質問紙調査を行い,比較検討した。使用尺度は,GIS,自己肯定意識尺度(平石,1990)である。 ジェンダー・アイデンティティの感覚は,総合的に一般群のほうがトランスジェンダー群(TG群)より高いことが示された。しかし,自己肯定意識は(特に,自己を肯定的に捉えることについて),TG群が有意に高い得点を示した部分が明らかになった。 総合的な心の性別の状態が影響を及ぼしているのではなく,(過去の心の性別の状態は関係なく)現在の心の性別の状態が安定していることが影響していることが推察された。
著者
長谷川 啓三
出版者
金剛出版
雑誌
臨床心理学 (ISSN:13459171)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.122-124, 2003-01
著者
髙橋 忠志 尾身 諭 泉 圭之介 菊池 謙一 遠藤 聡 尾花 正義 太田 岳洋 長谷川 士朗 柚木 泰広 北澤 浩美 方波見 裕子 八木 真由美 長井 ノブ子
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.271-274, 2019-03-10

はじめに 荏原病院(以下,当院)は東京都の区南部医療圏における中核病院の1つである.リハビリテーション科においては,中枢神経疾患や運動器疾患,廃用症候群,呼吸器疾患などを中心に,急性期から早期リハビリテーション介入を行っている.がん患者に対するリハビリテーションは2015年に所定のがんのリハビリテーション研修を修了し,がん患者リハビリテーション料が算定可能となった. がんのリハビリテーションガイドラインでは,周術期がん患者に対するリハビリテーションは呼吸器合併症の減少・入院期間の短縮のため勧められるとされている1).しかし,当院ではがん患者リハビリテーション料算定可能となった後も,がん患者のリハビリテーション科依頼は少なく,周術期がん患者に対して十分なリハビリテーション介入を行えていなかった. さらに,周術期の呼吸器合併症の予防で有効な手段として口腔機能管理が挙げられる.周術期の口腔機能管理は,口腔ケアによる口腔細菌数の減少,口腔感染源の除去,挿管・抜管時の歯牙保護が主な目的であり,周術期口腔機能管理料を算定できる.2016年度の診療報酬改定において,医科歯科連携の推進として,周術期口腔機能管理後手術加算の引き上げ,栄養サポートチームに歯科医師が参加した場合の歯科医師連携加算が新設され,現在,医科歯科連携がいっそう求められている. 当院では2016年度に外科,歯科口腔外科(以下,歯科),看護部,リハビリテーション科が協働して,がん患者の周術期サポートチームを立ち上げた.このチームをSupport Team of Rehabilitation,Oral care and Nursing care Group for perioperative patientsの頭文字を取り“STRONG”とした. これまで,医科歯科連携として,手術を行う主科と歯科の連携の報告は散見するが,歯科とリハビリテーション科が連携して呼吸器合併症を予防する取り組みは報告が少ない. 今回,当院の外来におけるがん患者周術期サポートチーム“STRONG”の取り組みを紹介する.