著者
BACATIO C. D. KUBOTERA H. NANZYO M. YAMADA I.
出版者
東北大学
雑誌
Journal of integrated field science
巻号頁・発行日
vol.2, pp.19-27, 2005-03

Intavas Techno Demo Farm is situated in high elevation of 1, 220 meters above sea level, with cool temperature and without pronounced dry season. The soil has low pH (5.24, average) and medium total carbon (4.3%) in the surface. Phosphorus retention is relatively high (77.5%, ave.), low cation exchange capacity (12 cmol(+) kg^<-1> ave.) and low base saturation (13%, ave.). Clay content is 45% (ave.) and bulk density of 1.1 Mg m^<-3> in average. Micrograph of the thin section of Bw_1 horizon reveals that void content is very small (6%). Voids are vughy and are not interconnected. In crossed nicol there were no clay illuviation seen. Total element analysis revealed that Intavas soils have about 60% Al_2O_3 but very low in SiO_2, 16.05% only. This indicates an advanced weathering that Si has been leached out and Al precipitated. As to the primary minerals, opaque minerals predominate with the presence of hornblende in heavy minerals. For light minerals, weathered particles predominate with the presence of mica, quartz and volcanic glass. Selective dissolution analysis reveals that Al_o is relatively high as compared to Fe_o and Si_o. However, these elements have the same pattern that irregularly decrease with depth and increase in the buried A horizon. Fe_p is relatively high followed by Al_p that significantly decreases with depth. The data show that amorphous materials are higher in surface and buried A horizons. Electron micrograph of BA shows no defined form that can be considered as amorphous materials. Bw_2 shows angular shapes that correspond to gibbsites and halloysite as indicated by spheroid configurations. X-ray diffraction pattern exhibits small and weak peak at 7 A in BA horizon. This peak corresponds to the presence of halloysite. The sharp and strong peaks at 4.8 A and 4.3 A in BA and Bw_2 horizons correspond to gibbsite. According to the selective dissolution analysis, electron microscopy and X-ray diffraction analysis, the dominant clay mineral in BA horizon is gibbsite and followed by amorphous material and small amount of halloysite. On the other hand, gibbsite dominate Bw_2 horizon followed by halloysite. Based on the physical, chemical, mineralogical and thin section analyses, the TDF soil can be classified as fine clayey, acid, isothermic, gibbsittic, Oxic Dystrudepts. It can be considered as soil with partial rejuvenation by volcanic ash material. As compared with soils without rejuvenation, this soil has higher total carbon, phosphorus retention, lower bulk density relatively, high amorphous materials in the surface and halloysite in the subsoils.Philippine soilsOxic Dystrudeptstephravolcanic glasshalloysitegibbsitedark and high humus surface
著者
Gurgel Ricardo Q. Cuevas Luis E. Vieira Sarah C.F. Barros Vanessa C.F. Fontes Paula B. Salustino Eduardo F. Nakagomi Osamu Nakagomi Toyoko Dove Winifred Cunliffe Nigel Hart Charles A.
出版者
Centers for Disease Control and Prevention (CDC)
雑誌
Emerging Infectious Diseases (ISSN:10806040)
巻号頁・発行日
vol.13, no.10, pp.1571-1573, 2007-10
被引用文献数
3

We identified 21 rotaviruses in 129 patients with diarrhea in a Brazilian city with high rotavirus vaccine coverage. All rotaviruses were genotype P[4]G2 with 1 mixed infection with P[NT]G9. Although virus predominance could have occurred randomly, the vaccine may be less protective against P[4]G2. Prospective surveillance is urgently needed.
著者
甲元 啓介 伊藤 靖夫 秋光 和也 柘植 尚志 児玉 基一朗 尾谷 浩 DUNKLE L.D. GILCHRIST D. SIEDOW J.N. WOLPERT T.J. JOHAL G. TURGEON B.G. MACKO V. 田平 弘基 YODER O.C. BRIGGS S.P. WALTON J.D. 宮川 恒 朴 杓允 荒瀬 栄 BRONSON C.R. 小林 裕和 中島 広光
出版者
鳥取大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1996

1) リンゴ斑点落葉病菌の宿主特異的AM毒素の生合成に関与する遺伝子: 環状ペプチド合成酵素(CPS)遺伝子のユニバーサルPCRプライマーを利用して得たPCR産物は他のCPS遺伝子と相同性が認められ、サザン解析の結果、AM毒素生産菌に特異的に存在する配列であることが判明した。本遺伝子断片を用いた相同的組込みによる遺伝子破壊により、毒素非生産形質転換体が得られ、さらに野生株ゲノムライブラリーをスクリーニングして、完全長のAM毒素生合成遺伝子(AMT)のクローニングに成功した。AMTは13KbのORFをもち、イントロンはなく、毒素構成アミノ酸に対応するアミノ酸活性化ドメインが認められた。2) ナシ黒斑病菌のAK毒素生合成遺伝子: REMIによる遺伝子タギング法を用いて毒素生産菌に特異的に存在する染色体断片から、AKT1(脂肪酸合成)、AKT2,AKT3(脂肪酸改変),AKTR(発現調節因子)、AKTS1(AK毒素生合成特異的)の5つの遺伝子を単離した。また、AK毒素と類似の化学構造を有するAF及びACT毒素の生産菌も、本遺伝子ホモログを保有することが明らかとなった。3) トウモロコシ北方斑点病菌の環状ペプチドHC毒素の生合成遺伝子TOX2の解析が進み、特異的CPS遺伝子HTS1のほかに、TOXA(毒素排出ポンプ)、TOXC(脂肪酸合成酵素b*)、TOXE(発現調節因子)、TOXF(分枝アミノ酸アミノ基転移酵素)、TOXG(アラニンラセミ化酵素)などが明らかとなった。4) トウモロコシごま葉枯病菌のポリケチドT毒素の生合成遺伝子TOX1は、伝統的遺伝学手法では単一のローカスと考えられていたが、今回の分子分析でTOX1AとTOX1Bの2つのローカスからなり、それぞれ異なった染色体上に存在することが明確となった。5) ACR毒素に対する特異的感受性因子を支配している遺伝子(ACRS)を、ラフレモンmtDNAからクローニングした。この遺伝子は大腸菌で発現した。6) リンゴ斑点落葉病感受性(AM毒素のレセプター)遺伝子を求めて、プロテオーム解析によりAM毒素感受性リンゴに特異的に発現しているタンパク質(SA60)を検出した。7) 宿主特異的毒素の生合成遺伝子は水平移動で特定の菌糸に導入されたと推論できた。
著者
JAEGER J. C.
雑誌
Geol.Mag.
巻号頁・発行日
vol.97, no.1, pp.65-72, 1960
被引用文献数
2
著者
CHAO E. C. T.
雑誌
Science
巻号頁・発行日
vol.132, pp.220-222, 1960
被引用文献数
3 214
著者
レヴィ アルヴァレスC 町田 宗鳳 中坂 恵美子 材木 和雄
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

ヨーロッパの統合が進行するにつれて、各国において移民若しくはマイノリティに対して「差別」と「排他」のメカニズムが徐々に弱まっていると言える一方、各国の固有の事情によって、そうした流れに対する抵抗も多く存続している。こうした状況をマクロとミクロの両面から分析した結果は、本年度書籍として出版される予定だが、今後の日本における移民政策にも大いに役立つと期待できるであろう。
著者
Goetzel C.G. Rittenhouse J.B.
出版者
Japan Society of Powder and Powder Metallurgy
雑誌
粉体および粉末冶金 (ISSN:05328799)
巻号頁・発行日
vol.14, no.5, pp.195-202, 1967

粉末冶金の製品は,一般の航空方面への応用とともに,宇宙衛星の部品として利用されるようになった.宇宙衛星の関係部品は,高度に特殊化された目的を満足させるたあに,広範な発展計画を必要とするものである.この報告では,宇宙衛星に対するいくつかの粉末冶金の応用の紹介と,実際に軌道にのった宇宙衛星に使用された粉末冶金部品および材料の二,三の例について論ずる,粉末冶金製品の例として,93日間の飛行に成功したExplorer皿、のテープレコーダー中の焼結ブAンズベアリングがあり,また航空用衛星(その中には7カ月も活動したものもある)内の,自転抑制装置に用いられた焼結マグネットなどがある.化学的浸食熱応九融点近くの表面温度などに対する抵抗が要求されるようないわゆる高温熱流に対しては,Agを溶浸させたWが用いられる.これは粉末冶金法によってのみ作られるものである.この物質を十分に管理された製造工程のもとで製作するために,複合材料に最適の実用性質を発揮させるような広範な計画が開始された.粉末冶金法で製造されたBeの利点については,特に目下計画中,あるいは設計中の人間宇宙ステーションの表面材料として,および流星群の遮蔽防御などへの応用に対して検討されている.
著者
Keisuke Suzuki Katherine A Simpson James S Minnion Joyceline C Shillito Stephen R Bloom
出版者
The Japan Endocrine Society
雑誌
Endocrine Journal (ISSN:09188959)
巻号頁・発行日
pp.1003230405, (Released:2010-04-14)
被引用文献数
137 210

The World Health Organisation has estimated that by 2015 approximately 2.3 billion adults will be overweight and more than 700 million obese. Obesity is associated with an increased risk of diabetes, cardiovascular events, stroke and cancer. The hypothalamus is a crucial region for integrating signals from central and peripheral pathways and plays a major role in appetite regulation. In addition, there are reciprocal connections with the brainstem and higher cortical centres. In the arcuate nucleus of the hypothalamus, there are two major neuronal populations which stimulate or inhibit food intake and influence energy homeostasis. Within the brainstem, the dorsal vagal complex plays a role in the interpretation and relaying of peripheral signals. Gut hormones act peripherally to modulate digestion and absorption of nutrients. However, they also act as neurotransmitters within the central nervous system to control food intake. Peptide YY, pancreatic polypeptide, glucagon-like peptide-1 and oxyntomodulin suppress appetite, whilst ghrelin increases appetite through afferent vagal fibres to the caudal brainstem or directly to the hypothalamus. A better understanding of the role of these gut hormones may offer the opportunity to develop successful treatments for obesity. Here we review the current understanding of the role of gut hormones and the hypothalamus on food intake and body weight control.
著者
HENMI C.
雑誌
Mineral. Mag.
巻号頁・発行日
vol.59, pp.549-552, 1995
被引用文献数
7
著者
久保田 尚之 LU Mong-ming CHAN Johnny C. L. 片岡 久美 WANG Bin ZHAO Bingke
出版者
独立行政法人海洋研究開発機構
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2009

20世紀前半の西部北太平洋域で発生した台風の位置情報について、これまで利用されていなかった紙媒体の気象資料を、アジア各国の気象局や図書館から収集、電子化し、データセットを作成した。この結果、20世紀を通した西部北太平洋域の台風数の変動を調べ、全体では長期トレンドは見られなかったものの、地域的には、赤道に近い台風はより北に発生する傾向が、フィリピン、台湾、沖縄周辺の台風数が減少する台風経路の変化傾向が明らかとなった。
著者
山内 昌之 ERGENC Ozer KHALIKOV A.K GRAHAM Willi ERCAN Yavuz DUMONT Paul QUELQUEJAY C ALTSTADT Aud PAKSOY Hasan 福田 安志 内藤 正典 新井 政美 小松 久男 栗生沢 猛夫 坂本 勉 WILLIAM Grah PAUL Dumont CHANTAL Quel AUDREY Altst HASAN Paksoy
出版者
東京大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1989

この共同研究が目指したものは、中東とソ連における都市とエスニシティの在り方を比較検討しながら、近現代の急速な都市化にともなう環境、人間と社会との関係、個人と集団の社会意識の変容を総合的、多角的に解明しようとするところにあった。当該地域におけるエスニシティの多様性と連続性を考慮するとき、これは、集団間の反目、矛盾が先鋭で具体的な形をとって現われてくる都市という生活の場においてエスニシティの問題を検討することであり、またエスニシティ、民族、宗教問題を媒介変数としてトランスナショナルな視角から都市の在り方と変容を検討することでもあった。本共同研究の参加者は以上の問題意識を踏まえ、まず第1に、タシケント、モスクワ等のソ連の都市と、イスタンブ-ル、テヘラン、カイロ、エルサレム等の中東の都市において現地調査を行なった。これらの諸都市での調査においては現地人研究者の協力を得た上で、都市問題の現状とエスニシティを異にする住民相互間の衝突、反目の具体的事例をつぶさに観察した。また現地調査と平行して、現地人研究者との間で意見の交換を行ない、当該地域での研究状況の把握、現地人研究者との交流に努め、さらに必要な資料の収集にも当たった。第2に、ソ連、中東世界での都市化にともなうエスニシティ、民族、宗教問題を分析した。モスクワ国家による都市カザンへの支配の実態を検証し、また経済開発によるソ連中央アジアでの居住条件の変化と、エスニシティ・グル-プの変容についての相関関係を検討した。さらにイスラエルにおいては、ソ連からのユダヤ人移民にともなうユダヤ都市の拡大・拡散による、アラブ人とユダヤ人の文化接触の問題を取り上げた。次いで都市を基盤とした民族主義イデオロギ-の形成・展開の側面についても検討を加えた。トルコにおけるトルコ民族主義の展開過程とその周辺トルコ系地域への影響を、歴史的事実を踏まえつつ分析した。同時にソ連中央アジアにおける非ロシア系民族の間での民族意識の形成過程を検証し、イスラ-ムや、アルメニア正教、ギリシャ正教の復興が民族的アイデンティティに及ぼす影響を検討した。またアゼルバイジャンでの文学活動が民族意識の形成に与えた影響を分析した。これらの事例研究によって、中東とソ連における都市問題とエスニシティをめぐる問題の相関関係を明らかにし、また都市化にともなう社会意識の変容を解明することに努めた。第3に、経済と都市間ネットワ-クの側面から都市のエスニシティの問題を検討した。アレッポの都市経済におけるアルメニア人、クルド人の役割を検討した。またドイツへのトルコ人労働移民の問題を取り上げ、出稼ぎ者、帰還者双方が引き起こす都市問題が、二地域の関係の中で明らかにされた。さらにイラン諸都市とイスタンブ-ルの間の絨毯交易に従事していたアゼルバイジャン人に注目しながら、当該地域におけるエスニシティと都市経済、都市間の関係を把握した。アラビア半島諸都市における通商活動も取り上げ、アラブ世界の都市間通商ネットワ-クにおけるインド人、ペルシャ人の役割を分析した。次いでイランや中央アジアからのメッカ巡礼を分析することを通し、宗教的側面からも都市間ネットワ-クの検討を行なった。これらの研究により、当該地域における経済と宗教を軸とする都市間ネットワ-クとエスニシティの連続性を明らかにすることに努めた。第4に、総合的、多角的研究の必要性から都市とエスニシティ問題の持つ普遍的な性格に着目し、研究交流の空間的幅を広げ、中東、ソ連の現地研究者はもちろんのこと欧米諸国の研究者との間でも共同研究や比較研究を行なった。さらにストラスブ-ルにおいて日本とフランスの研究者を中心に、ソ連と中東の民族問題に関する国際シンポジウムを開催するなど、これまでの研究成果に基づいた研究者相互間の交流を推進した。この共同研究は、湾岸危機やソ連邦の解体など当該地域をめるぐる急激な変動の渦中に実施されたにもかかわらず、比較の手法を用い都市という場におけるエスニシティの問題を解明し、都市の在り方と変容を明らかにする上で大きな成果をあげることができたと確信している。
著者
菊池 勝弘 早坂 忠裕 梶川 正弘 桜井 兼市 遊馬 芳雄 上田 博 バジルド C.E. ベロツェルコフスキイ A スチュアート R.E. ムーア G.W.K. 佐藤 昇 バジルド C.
出版者
北海道大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1995

北極圏の水循環・エアロゾル等の物質循環,低温下での雪結晶の形成メカニズムの解明のために,スカンジナビア北極圏のスウェーデン・キルナのスウェーデン国立宇宙物理学研究所において,Xバンド鉛直ドップラーレーダー,レーザー・シ-ロメーター,マイクロ波放射計,全天日射・長波放射計,メソネット気象観測,エアロゾルサンプリング,それに,雪結晶の地上観測を1997年12月14日から1998年1月20日まで行った.観測期間を通して暖冬であったが,さまざまなタイプの降水現象を観測することができた.12月中は快晴時が多く,あまり降雪現象は観測されなかったが,1月に入ると休むことなく降雪が続き,強度は弱いが10分程度の強弱を持っ山岳性の降雪現象や,ノルウェー海を進行する低気圧に伴う背の高い降水エコーを持つ降雪現象を観測することができ,観測時間は600時間を超えた.これらのデータは現在解析中である.一方,マイクロ波放射計による水蒸気量および雲水量の観測から,以下のことが明らかになった.1)水蒸気量の鉛直積分値は,快晴時の0.4cmから降雪時の0.7cm,濃密雲粒付雪結晶や霰の降る時には,1.0cmに達し,幅広い変動を示した.2)雲水量(鉛直積分値)は,雲粒付雪結晶の時は0.01cm以上となり,霰の時には0.04cm程度まで増加した.また,降雪をもたらす擾乱のタイプにより大きく変動することが分かった.雪結晶の観測では偏光顕微鏡により35m/mフィルム95本,レプリカは500枚作成することができた.各種の低温型雪結晶の他,針状結晶から霰まで,ほとんどの結晶形を記録することができた.
著者
清水 祥一 木方 洋二 塚越 規弘 杉山 達夫 横山 昭 赤沢 堯 S.C Huber 片岡 順 西村 正暘
出版者
名古屋大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1987

別紙(様式5)に記している様に、3年間にわたる共同研究実施期間中、名古屋大学農学部(NU)からはノースカロライナ州立大学(NCSU)に計11名の研究者がおもいた。一方NCSUからNUに12名が来訪した。これらはいづれも比較的短期間の滞在による研究交流ではあったが、主題にかかげたバイオテクノロジー領域における両大学研究者間の科学的知見の交換に益すること大きく、将来にわたる共同研究実施計画に関して有用かつ重要な成果をもたらした。就中NCSUの研究者、Drs.Parks,Thompson,Huber,Petters,Theilの来学の意義は大きい。これがもとになって、NUの若手研究者、及び大学院学生が渡米することとなった。また、NCSUの関連研究者訪問の道も開かれた。たとえば、NUからは三木清史(大学院学生)がDr.Petters研究室に赴いて6ケ月研究した。近く木全洋子(大学院学生)はTheil教授のもとでPh.Dを取得するため渡米する計画である。また、佐々木卓治はNCSUの招へいプログラムによって10ケ月間Food Technology学科においてSwaisgood教授と共同研究を行った。Biochemistry学科のHead,Dr.Paul AgrisがNUにおいて行ったDNA,RNAの生物物理学に関するセミナーもはなはだ高度のものであった。これ等すべてが両大学の研究者に益するところはまことに大きいものであった。直接本研究計画に名を連ねたものに加えてNCSUのJapan Center長、Mr.John Sylvesterは第2年次NUの非常勤講師として来学し、大学院学生に対して特別講義を行った。それは日米の学術交流プログラム、特にNCSU-NUの学術提携の現状並びに将来を展望するものであり示唆に富むものであった。本共同研究が実施される契機になったのは、NCSUのS.Huber教授が外国人客員教授としてNUに6ケ月滞在し、赤沢、杉山等とともに行った共同研究と、また大学院学生に対する指導である。それ等の具体的成果として、別紙に示す様な論文が発表されている。
著者
田中 広樹 太田 岳史 檜山 哲哉 Maximov Trofim C.
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.259-267, 2000-08-16
被引用文献数
1

北方落葉樹林における光合成・蒸散特性を明らかにするために, シベリアタイガのカラマツ林樹冠上でのCO_2・H_2Oフラックス観測を行った。開葉前にはフラックスは検出されず, 夏期には正午または正午直前にピークを持つ日周変化が見られた。高温乾燥による光合成抑制は見られたが, 蒸散抑制は明らかではなかった。また, 光合成・蒸散活動は開葉の時期に急激に活性化し, 夏期の終りに向かって緩やかに減衰した。更に, 観測されたフラックスから気象環境の季節変化の効果を取り除き, その時点での光合成・蒸散特性を評価するために, 樹冠単層モデルを用いて光合成・蒸散特性を表現する最小群落抵抗, クロロフィル密度, 光量子捕捉率などのパラメータを抽出した。パラメータの変化から, 開葉期の特性の変化が明瞭に表現された。蒸散活性と光合成活性には開葉後も2週間程度の成熟期があることが示唆され, クロロフィル密度のような量的特性は比較的早く定常に達することが示唆された。
著者
田島 裕 フェンティマン R.G. ミラー C.J. ダイヤモンド A.L. ライダー B.A.K. バークス ペータ 長谷部 由起子 長谷部 恭男 平出 慶道 FENTIMAN R.G MILLER C.J DIAMOND A.L RIDER B.A.K BIRKS Peter ミラー J.C. アダムソン ハーミッシュ デンティス T.C. ゴフ ロード スクリブナ アンソニー
出版者
筑波大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1994

平成6年4月から3年間にわたる日英間の共同比較法研究の全体を総括し、今後の継続的な研究協力の在り方を検討した。研究者ネットワーク作りに重点を置いて研究活動を行ったが、その目的のために、本年度も田島(研究代表者)がバ-ミンガム大学で研究会(24回)を開催した。バ-ミンガム大学では、英国大学における日本法研究の在り方を問題とし、憲法、民商法、企業法、独占禁止法、訴訟手続法、刑法など12の主要テーマについて、具体的な検討をした。これは昨年度に続く二度目の経験であり、非常に大きな反響を呼んだ。研究会の基礎となるプレゼンテーションをレクチャー.レジュメの形でまとめ、最終報告書に添付した。この研究成果は、田島(研究代表者)の責任で、Western and Asian Legal Traditionsと題する著書(添付書類参照)として近く公刊される。予定どおり平成8年9月にケンブリッジ大学において学会を開催し、本格的な比較法研究を行った。その結果は、Anglo-Japanese Journal of Comparative Lawと題する著書として近く刊行されることになっている。また、予定どおり、平成8年4月に、高等法院裁判官フィリップス卿およびウッド教授(ロンドン大学)を招聘し、企業法学シンポジウム(法的紛争の処理)を開催した。約200名の法律家(学者、裁判官、実務家)が参加し、とくに国際企業取引をめぐる法的紛争の処理に当たりイギリス法を準拠法とすることの問題点を論じた。フィリップス裁判官は、筑波大学などでも陪審制と黙秘権の問題について特別講義を行った。また、マスティル卿(貴族院裁判官)も予定どおり8月に来日され、安田記念講義およびブリティッシュ・カウンシル特別講義を開いた。民事司法改革をテーマとしたが、この講義には約300名の法律家が参加した。平成8年8月に公表されたばかりのウルフ報告書に基づくもので、別途開いた専門家セミナー(国際商事仲裁協会)において、三ケ月章東京大学名誉教授を中心として日本の民事訴訟改正とパラレルに検討する機会をもった。この講義は安田火災記念財団から単行本『英国における紛争処理の動向』(平成8年8月)として既に公刊された。平成8年11月、長谷部(東京大学)、長谷部(成蹊大学)はロンドン大学およびバ-ミンガム大学を訪問し、憲法および訴訟法の領域における共同研究を行った。そして、9月のケンブリッジ大学の学会には、平出(中央大学)と田島(筑波大学)が出席した。その学会で特に焦点を当てたのは会社法および金融法・銀行法の領域である。正式の学会とは別に、この共同研究が今後も継続されるようにするため、研究参加者の間で具体的な検討を数日に渡って熱心に行った。その結果、平成9年10月に東京で学会を開催し、その折りに新たな共同研究の基礎づくりをすることになった。その主要研究テーマは、会社法と金融法・銀行法の他、司法制度と国際法・国内法の融合の問題とする。来日が既に確定しているのは、ライダー教授(ケンブリッジ大学)、ア-デン裁判官(高等法院;現在は、法律委員会の委員長と兼任)夫妻、およびヘイトン教授(ロンドン大学)である。なお、オックスフォード大学のバ-クス教授(オールソールズ・カレッジ)は、まだ来日していないが、平成10年に来日を約束している。その機会に日英学会の創設を本格的に検討することになると思われる。なお、研究協力者以外にも数多くの学者、実務家の協力を得たことも付記しておきたい。上記の三ケ月教授のセミナーはその一例である。平成9年4月にはジョン・ボールドウイン教授(バ-ミンガム大学)が来日されるが、これもわれわれの研究活動につながるものである。3年に渡る共同研究を通じて、日本法に関心のある非常に若いイギリス人研究者を数多く(約100名)育てることができたことも協調しておきたい。現在、そのうち2人のイギリス人大学生が日本を訪問し、研究を続けている。最後に、当該研究は、将来も継続されるべきものであり、今回の3年の研究を通じて問題を別に添付した『研究報告書』の中で説明した。それも読んでいただきたい。