1 0 0 0 OA 正誤表

出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.8, 1966 (Released:2013-02-19)

Vol. 13 No. 1 p. 15修正箇所:本文 右側修正内容:(誤) 43.3(正) 54.4

1 0 0 0 OA ABSTRACTS

出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.60-60, 1966-03-31 (Released:2013-02-19)

1 0 0 0 OA 正誤表

出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.44, 1966 (Released:2013-02-19)

Vol. 13 No. 4 p. 194-254修正箇所:その他
著者
安田 朝子 佐藤 徳
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.203-214, 2000-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
35
被引用文献数
3 1

Taylor (1989) は, 自己報酬的なバイアスは精神的健康や適応と結びついていると主張している。しかし, それは本当だろうか。自己報告式の尺度のみによって健常者を抽出すると, 「抑圧型」のような過度に肯定的なバイアスを示す群がそこに混入するため, 結果が大きく歪む危険性がある。しかし, 「抑圧型」は身体疾患の罹病率が高く, 必ずしも健康であるとは言い難い。「抑圧型」は, 特性不安尺度の低得点者かつMarlowe-Crowne社会的望ましさ尺度の高得点者と操作的に定義される。他方,「真の低不安群」は両尺度の低得点者である。研究1では, 過度に肯定的な自己評価傾向および非現実的な楽観傾向は「抑圧型」において顕著であり,「真の低不安群」はそれほど楽観的ではないことが示された。また,「抑圧型」では, 当人にとって重要なゴールと現状との不一致が小さく, それゆえ陰性情動の自己報告が低いことが示唆された。研究2の結果から,「抑圧型」において観察された非現実的な楽観傾向は, 実際にゴールと現状との不一致がないことによるのではなく, 現状に関するフィードバック情報が無視されているためであることが示唆された。すなわち,「抑圧型」では, 定期試験前になされた成績予測得点は最も高く, 実際の成績は最も悪かった。また, 予測に比して成績が悪かった場合, 他群では結果のフィードバックを受けて予測が下方修正されたのに対し,「抑圧型」では予測が変わらないか上方修正される場合さえあった。本研究では,「抑圧型」ではそもそも負の結果のフィードバックが適切に評価されないためにこうした楽観傾向が維持されており, それゆえ状況に応じた対処方略の選択と修正が妨げられていることが示唆された。こうした結果から,「真の適応」とは, 状況に応じた適切な対応をなし得る認知構造の柔軟性にあるのではないかと考えられる。
著者
橋本 憲尚 加藤 義信
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.358-368, 1988-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
51

It is well-known that younger children up to the age of about 6 yr. have much difficulty in discrimination between oblique lines in contrast with relative ease in that between horizontal and vertical. This phenomenon is called oblique effect and a large amount of studies were conducted over the past twenty years for determining the causes of such effect. This paper reviewed these experimental studies in terms of the development of the children's strategies in encoding and storing information of oblique orientation in memory. Some recent infant studies revealed that even a baby might have his/her categorical ability of orientation, so, during early childhood, the orientational categories should be much elaborated, and several encoding strategies for non-specific orientation such as oblique should be developed in an appropriate way to each stimulus context. This course of the development seemed to be confirmed on the whole from the present overview of the studies concerned. This confirmation afforded a basis for further discussions on a developmental hierarchy in orientational categories.
著者
葉山 大地 櫻井 茂男
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.523-533, 2008-12

本研究は,冗談に対して親和的意図を知覚せずに,聞き手に怒りを感じさせる冗談を過激な冗談として取り上げ,こうした過激な冗談の話し手が,親和的意図が聞き手に伝わるという期待を形成する過程を関係スキーマの観点から検討した。大学生159名を対象とした予備調査から,過激な冗談として,"倫理的・性的タブーに関する冗談","聞き手の悩みに関する冗談","聞き手の外見や行動に関する冗談","聞き手の好きな人や物に関する冗談"が同定された。次に大学生 251名を対象とした本調査を行い,これらの過激な冗談の親和的な意図が聞き手に伝わるという期待は,冗談関係の認知("冗談に対する肯定的反応に基づく他者理解感"と"冗談に対する被受容感")に基づいていることが明らかとなった。特に,"冗談に対する被受容感"は全ての冗談において親和的意図が伝わるという期待に正のパスが見られた。"冗談に対する肯定的反応に基づく他者理解感"は性的タブーに関する冗談と聞き手の友人や恋人に関する冗談にのみ正のパスが見られた。また,本研究から,冗談関係の認知は,冗談行動に相手が笑った頻度を背景として形成されることが示唆された。The purpose of the present study was to examine the process that speakers follow when forming expectations of communicating to listeners that an extreme joke has benign intentions. "Extreme jokes" are defined as jokes that make a listener angry. A pilot study with university students (87 men, 72 women) indicated that extreme jokes could be classified into 4 categories: jokes about ethical or sexual taboos, jokes about the listener's distress, jokes about the listener's appearance or behavior, and jokes about people or objects that the listener likes. University students (106 men, 145 women) were asked to imagine an actual friend when completing a questionnaire about that friend. In relation to the formation process of the speaker's expectations, structural equation modeling (SEM) revealed that the "sense of being accepted by one's friend about the joke" positively influenced the speaker's expectations of communicating the benign intentions of all extreme jokes. The "sense of understanding one's friend's preference for jokes based on positive reactions" only influenced "jokes about sexual taboos" and "jokes about one's friend's friends or lover." Structural equation modeling also indicated that the cognitions of joking relationships were formed through experience with the listener's laughter following joking behavior.
著者
榊 美知子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.184-196, 2007-06-30

本研究では,手がかりイベント法(event-cueing technique)を利用し,(1)自伝的記憶がどのように構造化されているのか,(2)自伝的記憶の感情情報がどのように保持されているかに関して検討を行った。46名の大学生に手がかり語を8語呈示し,関連する自伝的記憶を1つずつ想起させた後(cueing events;手がかりイベント),各手がかりイベントに関連する自伝的記憶(cued events;想起イベント)を2つずつ想起するよう求めた。その結果,(1)想起イベントと手がかりイベントは高い時間的近接性を持っていること,(2)想起イベントを思い出す際に,手がかりイベントと同じテーマに関する記憶が想起されやすいことが示され,自伝的記憶がテーマごとに領域に分かれた構造を持つことが明らかになった。更に,自伝的記憶の領域と感情の関連について階層線形モデルによる分析を行ったところ,領域ごとに異なる感情状態と関連していることが明らかになった。このことから,自伝的記憶と感情の関連や,自伝的記憶による感情制御を検討する際に,自伝的記憶の領域構造を考慮する必要があることが示唆された。
著者
榊 美知子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.184-196, 2007-06-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
34

本研究では, 手がかりイベント法 (event-cueing technique) を利用し,(1) 自伝的記憶がどのように構造化されているのか,(2) 自伝的記憶の感情情報がどのように保持されているかに関して検討を行った。46名の大学生に手がかり語を8語呈示し, 関連する自伝的記憶を1つずつ想起させた後 (cueing events; 手がかりイベント), 各手がかりイベントに関連する自伝的記憶 (cued events; 想起イベント) を2つずつ想起するよう求めた。その結果,(1) 想起イベントと手がかりイベントは高い時間的近接性を持っていること,(2) 想起イベントを思い出す際に, 手がかりイベントと同じテーマに関する記憶が想起されやすいことが示され, 自伝的記憶がテーマごとに領域に分かれた構造を持つことが明らかになった。更に, 自伝的記憶の領域と感情の関連について階層線形モデルによる分析を行ったところ, 領域ごとに異なる感情状態と関連していることが明らかになった。このことから, 自伝的記憶と感情の関連や, 自伝的記憶による感情制御を検討する際に, 自伝的記憶の領域構造を考慮する必要があることが示唆された。
著者
加藤 弘通 大久保 智生
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.466-477, 2009-12-30

本研究の目的は,学校の荒れが収束する過程で指導および生徒の意識にどのような変化が生じているのかを明らかにすることにある。そこで本研究では,調査期間中に荒れが問題化し収束に向かったB中学校の生徒(のべ1,055名)に対して,学校生活への感情,教師との関係,不良少年へのイメージおよび不公平な指導などをたずねる質問紙調査を3年間行い,その結果を荒れが問題化していない中学校7校の生徒(計738名)と比較した。またB中学校の管理職の教師に対し面接を行い,荒れの収束過程で指導にどのような変化があったのかを探った。その結果,生徒の意識に関しては荒れの収束に伴い不公平な指導の頻度が下がり,学校生活への感情や不良少年へのイメージ,教師との関係が改善していることが明らかになった。また生徒指導に関してはその指導が当該生徒に対してもつ意味だけでなく,他の生徒や保護者に対してもつ意味が考慮された間接的な関わりが多用されるようになっていた。以上のことをふまえ,実践的には指導を教師-当該生徒との関係の中だけで考えるのではなく,それを見ている第三者まで含めた三者関係の中で考える必要性があることを示唆した。
著者
吉村 匠平
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.85-93, 2000-03-30
被引用文献数
1

本研究は, 「かくこと」が, 文脈抜きでは捉えられない外部との相互交渉活動であり, 従来の文章産出研究のような「考えていることを言葉に置き換える作業(堀田, 1993)」としては捉えられない活動であることを, 幾何の問題解決場面を取り上げながら検討した。実際Iでは, 24人の大学生が幾何の問題を解く様子を録画した。その結果「かくこと」が, (1)解法を模索して行われる探索的な図へのかきこみと答案の作成, (2)身体運動的側面の活性化と所産の活用の2つの次元から構成される活動であることが示された。実験IIでは, 図へのかき込みと答案の作成に3通りの制限(身体運動を制限, 痕跡の利用を制限, 両方とも制限)を加え, それによって問題解決過程にどのような変化が見られるかを検討した。その結果, (1)答案の作成への制限は問題の解決には影響しない。(2)探索的な図へのかき込みへの制限では, 身体運動と痕跡の利用の両方を同時制限された条件でのみ問題解決の進展が停滞する。(3)身体運動, 痕跡の利用のいづれか一方を制限された条件では, 問題解決の過程を変化させることで問題を解くことが示された。さらに, 問題解決の過程の変容を分析し, 「かくこと」が対話の相手を擬似的に現前させつつ, 対話を展開し, それによって外部との相互交渉を展開していく活動であることが示された。
著者
前田 健一
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.156-166, 1995-06-30
被引用文献数
1

The purpose of this study was to examine whether peer status groups and subgroups differed in terms of loneliness, peer perceptions and self-perceptions of their aggression, withdrawal, and social competence. Five status groups of children (popular, rejected, average, neglected, and controversial) were identified on the basis of positive and negative sociometric nominations for 459 children in Grades 3 through 6. Of these groups, 200 children were selected on the basis of peer perceptions of aggression, withdrawal, and social competence to represent the following 8 subgroups:high-competent popular (HCP), low-competent popular (LCP), aggressive rejected (AR), withdrawn rejected (WR), aggressive-withdrawn rejected (AWR), high-withdrawn neglected (HWN), low-withdrawn neglected (LWN), and typical average (TA). Consistent with previous findings, the rejected children were viewed by peers as significantly more aggressive, withdrawn, and socially incompetent with higher levels of loneliness than average and popular children. Children in the AWR, WR, and HWN subgroups were found to be significantly more lonely and exhibited more inaccurate self-evaluations in aggression or withdrawal than typical average children.
著者
野崎 優樹
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.362-373, 2013 (Released:2014-05-21)
参考文献数
25
被引用文献数
7 2

日常生活で自己や他者がストレスを経験した際にネガティブな情動を調整する経験は, 情動を上手く扱うトレーニングのように働き, 情動知能の高さにつながる可能性がある。本研究では, ストレス経験として定期試験を取り上げ, 自他の情動調整行動が情動知能の変化と正に関連する可能性を検討した。さらに, この可能性を検討するために, 情動調整の多次元性を考慮に入れて自他の情動調整行動を測定する尺度を作成した。大学生101名(男性61名, 女性40名)が試験前と試験後の2時点で調査票に回答した。分析の結果, 定期試験期間中の, 肯定的再解釈, 気晴らし, 肯定的再解釈のサポート, 情動の表出のサポートが, 情動知能自己領域と情動知能他者領域の変化と正に関連することが示された。さらに, 気晴らしのサポートが, 情動知能他者領域の変化と正に関連することが示された。また, 状況的および特性的な情動調整行動と試験ストレスの影響を比較した結果, 特性的な情動調整行動や定期試験に対するストレス度よりも, 対試験ストレスの情動調整行動が情動知能の変化と正に関連していた。以上より, 定期試験期間の自他の情動調整行動が情動知能の変化と正に関連することが明らかにされた。
著者
藤江 康彦
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.21-31, 2000-03-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

教室談話には, 課題解決においてフォーマルともインフォーマルともとれる, 「両義的」なタイプの発話をみいだすことができるだろう。本研究は, 一斉授業の話し合い場面において, 子どもの両義的な発話が, 教師にどのように対応され, 授業の展開にどのような意味をもつのかを明らかにした。小学5年の1学級 (24名) で行われた社会科単元「日本の水産業」の発話記録に対し, カテゴリーの数量的分析と発話事例の解釈的分析を行った。カテゴリーの数量的分析では, 教師は子どもの両義的な発話に選択的に対応しており, つぶやきやいいよどみであっても積極的に受容していることが明らかになった。発話事例の解釈的分析では, 次の点が明らかになった。1つには, 課題解決の活動において, 子どもの両義的な発話生成と教師のねらいとの間に論理展開上のズレが生じると, 教師は追究を行い, 教師のねらいに課題解決を方向づけていた。2つには, 教師の授業進行への戸惑いとして子どもの両義的な発話が生成されると, 教師は一度同調し, 話題を先取りすることで授業進行の主導権を維持していた。3つには, 抽象度が高い内容を扱ったため授業進行が停滞すると, 教師は自ら両義的な発話を導入することで, 子どもの両義的な発話を誘発し, 授業進行を活性化させていた。以上より, 子どもの両義的な発話は教師から対応されることで, 課題解決の促進や授業進行の円滑化に貢献することになるといえる。
著者
柴橋 祐子
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.12-23, 2004-03-31
被引用文献数
1

本研究では中学,高校生の友人関係における「自己表明」および「他者の表明を望む気持ち」の2側面に関わる心理的要因を発達的な観点から検討した。中学,高校生721名を対象に質問紙調査を実施し,因子分析により,2側面に関わる心理的要因として「安心感」「配慮・熟慮」「率直さへの価値感」「スキル不安」「支配欲求」の5つが抽出された。これらの心理的要因が「自己表明」および「他者の表明を望む気持ち」に及ぼす影響を分析した結果,(1)中学,高校生の男女共にほぼすべての「自己表明」および「他者の表明を望む気持ち」に「率直さへの価値感」が深く関わる。(2)全体を通して「意見の表明」および「不満・要求の表明」の低さの背景に「スキル不安」がある。(3)高校生では,ほぼすべての「自己表明」に「安心感」の影響があり,高校生の女子では「他者の表明を望む気持ち」にも関連している。(4)「不満・要求の表明」の背景に女子では「配慮・熟慮」,男子では「支配欲求」があることが示された。これらの結果から,自己肯定感,自己信頼感が2側面を共に支える重要な要因であること,2側面のあり方を支える心理面の発達的な違いが明らかになった。
著者
足立 明久 桐田 襄一
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.295-303, 1992-09-30

The purpose of this study was to develop a new method of team teaching for training student teachers and to investigate the effectiveness of the method. The originality of this method is as follows : (1) Two student teachers shared the two roles of the instructor based on two main functions, i.e., Performance and Maintenance of the PM leadership theory, and they interacted between the two roles ; (2) Four situations of teaching were designed with reference to the basic cognitive processes of learners. The teaching plan was made to define the teamwork of the two student teachers in each of the four situations. This study also prepared two types of teaching as controls : One was instructed by a student teacher as in the usual case, and the other by a professional teacher. Results indicated that in pupils' reaction, this method was relatively similar to the method used by a professional teacher and that it was proved more effective than the method by one student teacher, both in the training effectiveness of the student teachers' leadership and in the learning effectiveness of pupils.
著者
豊田 弘司
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.35, no.4, pp.p300-308, 1987-12

Two experiments were carried out to investigate the effects of image-arousal and semantic congruity on free and cued recall. The experiments in volved orienting task in incidental memory paradigms. Fifty subjects were asked to rate the degree of semantic congruity between a sentence frame and is target in Experiment I. In Experiment II, 40 subjects were asked to rate the vividness of image aroused by the sentence frame and its target. Experiment I and II results showed that congruity effects were lacking when the sentence frame and its target aroused vivid image, but congruity provided for higher free and cued recall when the sentence frame and its target aroused dull image. The above inconsistent effects of congruity were discussed in terms of bizarreness of mental image and distinctiveness in retrieval.
著者
田中 佑子 中澤 潤 中澤 小百合
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.156-165, 1996-06-30

This study examined the influence of husbands' absence on wives' psychological stress. Women whose husbands transferred with(N=180) or without(N=229) being accompanied by their families, completed questionnaires about stress reaction, child-care anxiety, children's problem behaviors, parent-child communication and fathers' cooperation with child-care. ANOVA analysis revealed that women who did not accompany their husbands(tanshin-funin) reported more stress reactions such as, "feeling lonely", "anxiety" and "poor physical condition" than did women who accompanied their husbands(taido-funin). Results of path analysis indicated that (1) tanshin-funin wives' child-care anxiety accounted for twice as much variance in their stress reaction, compared with taido-funin wives', and (2) tanshin-funin children's early delinquent behaviors influenced their mothers' child-care anxiety and stress. In addition, tanshin-funin wives recognized that their spouses' father/husband role performance affected children's problem behavior and women's stress. These data suggest that physical husband/father absence does not have so much of a direct negative effect on their families' well-being, but physical absence plus functional absence lead to more child's problem behavior, and wives' child-care anxiety or negative stress.
著者
竹村 明子 小林 稔
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.426-437, 2010-12-30
被引用文献数
1

本研究の主な目的は,親の家庭での関わりを規定する要因を明らかにすることであった。そのために,小学1・3・5年生の保護者525名を対象に,規定要因として親の動機づけ要因(効力感)および子育てに関して親が認知する家庭状況(時間や気力の心理的余裕,知識や技術の所有感,経済的余裕)を取り上げ,家庭での関わりの4側面(文化活動,勉強,しつけ,生活習慣)との関係について調べた。その結果,子と関わる時間や気力に心理的余裕がある,および子育ての知識や技術を持つと親が認知することが,親の家庭での関わりを説明することが明らかとなり,親が認知する家庭状況が親の関わりを規定する重要な要因であることがわかった。さらに,親として子に関わる効力感が高くても,時間や気力の心理的余裕または知識や技術の所有感が低いと親が認知する状況では,親の関わりが低下することが示唆された。また,子の放課後時に毎日不在と答える親は時間や気力の心理的余裕が低く,母子家庭の親は子育てに関する経済的余裕が低いことが明らかとなり,このような親の状況が間接的に親の家庭での関わりに影響していることが示唆された。
著者
上村 恵津子 石隈 利紀
出版者
日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.560-572, 2007-12-30

本研究では,保護者面談において教師が保護者との連携を構築するプロセス,およびその特徴を明らかにすることを目的とした。グラウンデッド・セオリー・アプローチにより教師の発話を分析した結果,9個のカテゴリーが抽出され,これらは2つのプロセス,「援助具体化」と「保護者との関係構築」にまとめられた。教師は,保護者面談において傾聴的発言や自己開示的発言,保護者からの情報収集等により保護者との関係を構築しつつ,面談目的確認,現状の情報提供,状況の分析,振り返り,対応策の検討,さらに随所で行われる保護者からの情報収集により援助を具体化するとの仮説が生成された。この仮説を既存のコンサルテーションモデルと比較すると,面談で取り上げる問題状況と深く関わりを持つ教師が行う保護者面談は,教師が自分自身の対応を振り返り,対応策について積極的に提案する特徴がある反面,問題や目標設定が曖昧になる特徴があると考えられる。保護者面談で教師と保護者が共通理解を図るプロセスは,保護者の理解や方針を取り入れながら教師が自分自身の理解や方針を修正するプロセスであり,保護者との連携構築にはこのような教師の変容が鍵になると考えられた。