著者
山本 強 土居 意弘 西村 浩二 相原 玲二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IA, インターネットアーキテクチャ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.440, pp.139-145, 2001-11-14

JGNが提供する超高速ネットワーク環境は配信されるコンテンツの高品質化、大容量化だけでなく、これまで実現できなかった新しいサービスを可能にすることができる。本報告では新映像フォーマットとしてネットワーク上でリアルタイム中継可能な映像フォーマットを紹介する。従来から全周映像は特殊な光学系を用いて実現されていたが、収録系が大型になること、前処理が必要な場合が多いことなどから蓄積コンテンツを対象として開発されていた。本研究ではネットワーク上でのリアルタイム中継を目的として収録系からシステムを検討し、小型かつ実時間中継可能な方式が実現できたので報告する。
著者
濱田 美奈子 玉田 春昭 中道 上 武村 泰宏 大平 雅雄 バーカー マイケル
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.298, pp.29-34, 2005-09-10

プログラミング実習において, 教授者は限られた実習期間内で教育効果を上げるために学習者の自発性を高める必要がある.そのため, 教授者は学習者の自発性の高さを実習期間中に把握し, その後の実習に効果的に反映させることが求められる.著者らは自発性の一因として感情に着目し, 実習時に学習者が抱く感情の強さから自発性を測定することができるか調査した.その結果, 4つの感情の強さを測定することで, 学習者の自発性の有無の可能性を示すことができた.
著者
田辺 茂輝 杉浦 彰彦 池辺 将之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MoMuC, モバイルマルチメディア通信 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.681, pp.219-224, 2005-02-23

近年, ブロードバンドの普及や家電機器のワイヤレス化にともない, 無線通信の高速化が要求されている.そこで, 高速無線データ通信を可能にする技術として期待されているのがUltra Wideband(UWB)である.UWBは, 標準化の際に複数の変調方式が提案され, 現時点でも検討が行われている.また, UWBの応用例として人工視覚が挙げられる.現在, 開発されている人工視覚は有線型のものであるが, 最近では高性能化と利便性から無線型についても検討され始めている.そこで, 本研究ではMATLAB/Simulinkを用いて, UWBによる高速画像伝送の変調方式として, どの方式が適しているかを明らかにする.また, UWBによる無線伝送型人工視覚の適用性を示すことを目的とする.
著者
玉田 春昭 神崎 雄一郎 中村 匡秀 門田 暁人 松本 健一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.195, pp.127-133, 2003-07-10
被引用文献数
2

本論文では盗用の疑いのあるJavaプログラムの発見を容易にすることを目的として,Javaクラスファイルからプログラム指紋を抽出する方法を提案する.提案方法はプログラム中の特徴的な箇所である初期値代入部分,メソッド呼び出し部分などを抽出し,指紋として用いる.このプログラム指紋を用いることにより,Javaクラスファイルを互いに区別することが可能となる.検証実験において,J2SDK SE 1.4.1_02のクラスライブラリに適用した結果,提案手法により99.94%のクラスを互いに区別できることを確認した.
著者
倉橋 和子 森井 藤樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.470, pp.67-71, 2007-01-12

本論文では、信頼性の高いデータ分類を行うために、分割・併合機能を有するK-Meansアルゴリズムによるクラスタリング手法を新たに提案する。K-Meansアルゴリズムによる従来のクラスタリングを行った後、それぞれの決定領域をさらに分割すべきか否かを判断する基準を導入する。各決定領域を再びK-Meansアルゴリズムを用いて部分領域に分割し、1つの部分領域を除いたその他の部分領域を、隣接する適切な決定領域に併合する。この手法の有効性を分類実験により示す。
著者
石川 健 小嶋 良朗 阿部 喜 宮武 秀樹 小栗 宏次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.406, pp.1-4, 2006-11-28
被引用文献数
4

ITS (Intelligent Transport System:高度道路交通システム)の研究分野の1つに,事故を未然に防ぐことを目的としたドライバの行動予測がある.従来この研究では,速度・ペダル踏み量といった車両データ等を基にモデリング・解析が行われていた.しかし,人の行動は心理状態に大きく影響を受けることが知られており,運転時にもその影響が出ることが考えられる.そこで,本研究ではドライバの生体信号より「急ぎ」と「通常」の2状態の推定を行い,状態ごとに適用する運転行動モデルを切り替える手法を提案した.モデリングはDynamic Bayesian Networkを基に行い,ドライバの停止行動の予測を試みた.ドライビングシミュレータを用いた実験では,運転中のドライバの心電図解析から急ぎ心理状態と通常心理状態を推定した.その後各々の状態に合わせた運転行動モデルを適用して予測を行った.その結果,状態を考慮しない場合と比較して,早期に停止時刻を予測できることを示した。
著者
渡邊 貴之 久保田 英正 荒木 健次 浅井 秀樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.648, pp.51-55, 2004-01-30
被引用文献数
1

本報告では,PWB(printed wiring board : プリント配線板)設計への応用を目的とした,フルウェーブEMI (electromagnetic interference : 電磁妨害)シミュレータBLESS(Board Layout Evaluation and Su eeestion System )について述べる.本シミュレータは並列分散型FDTD(Finite-Difference Time-Domain)法に基づき,PCクラスタ上で動作する.本稿では,まず, BLESSによる解析の妥当性をSパラメータの実測値との比較によって示す.そして,本シミュレータを用いた,市販デジタルスチルカメラ内の多層PWBの解析例を示す.what-if解析と組み合わせることにより,PWB設計の検証を行い,少ない試作回数での最適化を実現する.
著者
渡邊 貴之 久保田 英正 荒木 健次 浅井 秀樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CPM, 電子部品・材料 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.646, pp.51-55, 2004-01-30

本報告では,PWB(printed wiring board : プリント配線板)設計への応用を目的とした,フルウェーブEMI (electromagnetic interference : 電磁妨害)シミュレータBLESS(Board Layout Evaluation and Su eeestion System )について述べる.本シミュレータは並列分散型FDTD(Finite-Difference Time-Domain)法に基づき,PCクラスタ上で動作する.本稿では,まず, BLESSによる解析の妥当性をSパラメータの実測値との比較によって示す.そして,本シミュレータを用いた,市販デジタルスチルカメラ内の多層PWBの解析例を示す.what-if解析と組み合わせることにより,PWB設計の検証を行い,少ない試作回数での最適化を実現する.
著者
田川 哲也 花土 弘 岡本 謙一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.100, pp.23-28, 2003-05-23

TRMM衛星[1]を継承するGPM(全球降水観測)衛星計画が地球全体の降水を観測するために計画されている[2]。衛星搭載レーダによる降雨観測における問題の一つは、レーダが地球表面にふりそそぐ降雨を観測する為、地球表面からの強いエコーと雨からの弱いエコーを同時に受信してしまう事である。本研究では、35.5GHz帯能動型フェーズドアレイ降雨レーダによる降雨観測に及ぼす地表面クラッタの影響を評価する。まず、35.5GHz帯導波管スロットアレーアンテナの放射パターンを励磁電流に含まれるランダムな誤差を考慮して計算する。次に、降雨エコーに対する地表面からの受信電力の比(S/C比)を海面の散乱係数を用いて計算する。最後にアンテナビームの走査面をその走査面に直角な面内で傾ける事により、サイドローブクラッタの低減効果が得られる事を説明する。
著者
伊藤 文啓 林 貴宏 尾内 理紀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.540, pp.5-10, 2007-02-15

本研究ではアダルト画像検出法を提案する。本手法では、対象とするアダルト画像に肌領域が多く含まれ、これら肌領域は色の均質性・集塊性を持つことを前提とする。まず、GMM(Gaussian Mixture Model)を用いて肌尤度画像を作成する。次に、肌尤度画像中で、色の均質性を有する領域のみを検出する。検出された領域ごとに閥値を動的に生成し、その閥値を用いて色の均質性・集塊性を考慮した肌領域の拡張処理を行い、最終的な肌領域とする。そして、求められた肌領域の肌尤度画像をリサイズして得られた値に主成分分析、独立成分分析を適用し、SVMで学習・分類を行い、アダルト画像を検出する。
著者
箭内 浩典 中里 秀則 富永 英義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.355, pp.19-24, 2006-11-09

分散型サービス拒否(DDoS)攻撃対策のひとつとして,IPトレースバックがある.現在多くのトレースバック手法が提案されているが,実用化には不十分で次のような欠点がある.確率的パケットマーキング方式は,パケットがルータを通過する際に部分的な経路情報をマークする手法であるが,攻撃被害者が攻撃経路を再現するためには非常に多くの計算時間がかかり,大規模な攻撃に対応できない.ICMP方式は,低い確率でルータを通過するパケットをサンプリングし,その中身とリンク情報をICMPトレースバックメッセージとして送信する手法であるが,ひとつの攻撃経路あたり数万パケットほどの多量のパケットを再現に要する.そこで,本稿ではICMP方式とマーキング方式を併用する複合型IPトレースバック手法を提案する.2つの情報を活用することで,マーキング手法の欠点である攻撃元までの経路構築・攻撃元探査に要する時間を減らす手法について示す.
著者
小林 正好 村瀬 勉 定村 正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SSE, 交換システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.617, pp.37-42, 1998-03-19

本稿では, 数百万パケット/秒の処理能力をもつマルチレイヤスイッチの機能をIチップLSIで実現するためのアーキテクチャについて述べる.プロトコル処理の面では, レイヤ2とレイヤ3の冗長処理を省略するとともにフォワーディングテーブル検索処理を統合し, フォワーディングテーブル検索回数を減少させることで高速化を図った.また, ハードウェア面では高速なフォワーディングテーブル検索を実行できる専用アドレスサーチチップを開発し, パイプライン処理によってスループット向上を図った.パイプライン処理ではシーケンサを用い, 複雑な専用処理を行う論理回路マクロとともに, 汎用的な処理の論理回路マクロを組み込むことで処理の高速性と柔軟性を両立させた.
著者
箭内 浩典 中里 秀則 富永 英義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. TM, テレコミュニケーションマネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.357, pp.19-24, 2006-11-09

分散型サービス拒否(DDoS)攻撃対策のひとつとして, IPトレースバックがある.現在多くのトレースバック手法が提案されているが,実用化には不十分で次のような欠点がある.確率的パケットマーキング方式は,パケットがルータを通過する際に部分的な経路情報をマークする手法であるが,攻撃被害者が攻撃経路を再現するためには非常に多くの計算時間がかかり,大規模な攻撃に対応できない.ICMP方式は,低い確率でルータを通過するパケットをサンプリングし,その中身とリンク情報をICMPトレースバックメッセージとして送信する手法であるが,ひとつの攻撃経路あたり数万パケットほどの多量のパケットを再現に要する.そこで,本稿ではICMP方式とマーキング方式を併用する複合型IPトレースバック手法を提案する.2つの情報を活用することで,マーキング手法の欠点である攻撃元までの経路構築・攻撃元探査に要する時間を減らす手法について示す.
著者
箭内 浩典 中里 秀則 富永 英義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.356, pp.49-54, 2006-11-09
被引用文献数
1

分散型サービス拒否(DDoS)攻撃対策のひとつとして,IPトレースバックがある.現在多くのトレースバック手法が提案されているが,実用化には不十分で次のような欠点がある.確率的パケットマーキング方式は,パケットがルータを通過する際に部分的な経路情報をマークする手法であるが,攻撃被害者が攻撃経路を再現するためには非常に多くの計算時間がかかり,大規模な攻撃に対応できない.ICMP方式は,低い確率でルータを通過するパケットをサンプリングし,その中身とリンク情報をICMPトレースバックメッセージとして送信する手法であるが,ひとつの攻撃経路あたり数万パケットほどの多量のパケットを再現に要する.そこで,本稿ではICMP方式とマーキング方式を併用する複合型IPトレースバック手法を提案する.2つの情報を活用することで,マーキング手法の欠点である攻撃元までの経路構築・攻撃元探査に要する時間を減らす手法について示す.
著者
齊藤 進 神田 晋太郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.296, pp.79-84, 2003-09-02
被引用文献数
2

FIRディジタルフィルターとニューラルネットワークを用いて、短時間の変動を無視することなく経済時系列データを予測することを試みた。日経平均株価を101段FIRバンドパスフィルタで5つの周波数帯に分解した。それぞれのデータはニューラルネットワークで学習、予測した。その際、過去20日のデータを入力し、10日先のデータを予測する。それらの予測値を合成し最終的な予測値を得る。最終的に予測されたものは比較的よい結果を示した。
著者
難波 英嗣 国政 美伸 福島 志穂 相沢 輝昭 奥村 学
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.203, pp.67-74, 2005-07-15

「日経平均株価」や「内閣支持率」のように数値が時間とともに常に変動するような情報のことを動向情報と呼ぶ.本稿では, 動向情報の抽出を一種の複数文書要約であると考え, 複数文書要約技術を用いて, あるトピックに関する複数の文書から動向情報を自動的に抽出し, グラフ化する手法について述べる.複数文書からの要約の作成は, 様々な要素技術を組み合わせることで実現できる.こうした技術のひとつとして, 我々は文書横断文間関係理論(CST)に着目する.CSTとは, Radevらが提唱している理論で, 文書中の各文の機能を特定し, 文間の依存関係を特定する修辞構造理論(RST)を, 文書間関係に拡張したものである.本研究では, CSTの一部を計算機上で実現し, それを用いてグラフ化に必要な数値情報と時間情報の抽出を行う.
著者
趙 青 浅野 正一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.627, pp.109-112, 2006-02-23
被引用文献数
2

近年,ネットワークの信頼性への要求が高まるにつれて,リンクの二重障害への対策が指摘されている.今後,オンデマンドオプティカルVPNが実現されれば,エンドエンド間でコネクションを一度確立すると,数日間または数ヶ月間それを張り続けることが予想される.このため,コネクションを二重リンク障害から守る手法が必要である.本稿では,逐次的二重リンク障害の発生を想定し,一次リンク障害で予備パスをなくしたコネクション(unprotectedコネクション)を,二次リンク障害から守るために,通常の予備パスだけでなく,トラヒックを100%救済できる保証のない不完全な予備パスもunprotectedコネクションに提供することにより,コネクションの信頼性を高める手法を提案し,その効果を確認している.
著者
養畑 裕紀 大塚 隆史 葛 崎偉 中田 充 斗納 宏敏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CST, コンカレント工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.502, pp.7-12, 2007-01-19
被引用文献数
3

本論文は,実行時間が任意でデッドラインを持たないタスクグラフDAG (Directed Acyclic Graph)を対象とし,タスクの実行が中断できないことを前提とした,マルチプロセッサスケジューリング手法を提案する.提案する手法では,基本的にCP(クリティカルパス)法を用いるが,実行可能なタスク数が少なくなった場合は,実行可能なタスクを増やすことを基準に実行タスクを選択する.その際,実行が完了していないタスクに対応する部分グラフの予想実行完了時間が,そのクリティカルパスの長さより長くなることをチェックする機構を提案する.
著者
金子 峰雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.442, pp.19-24, 2005-11-24

多くの高位合成システムでは, 演算スケジュールの終了後に資源割り当てを行うため, 資源割り当て時に生存期間が全て確定しており, 衝突のない資源共有が容易に行われる.これに対して, 資源割り当てをスケジュールに先行させる, あるいは資源割り当てとスケジュールを同時進行的に最適化する合成手法においては, 資源割り当て時にデータや演算の生存期間が確定しておらず, 不用意な資源共有はスケジュール不能な解を生成してしまう.この論文では, スケジュール解の存在を保証する資源割り当てについて考察を行っている.ここではessential lifetime overlap (ELO)と呼ばれる不可避なlifetime overlapを定義・導入し, それらの極小集合であるMinELOが単一プロセッサスケジュール解から抽出できるとを明らかにした.実際の資源割り当てにあたっては, このMinELOだけに注意して資源共有を行うことで, スケジュール可能性を保証できる.
著者
養畑 裕紀 葛 崎偉 中田 充 斗納 宏敏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CST, コンカレント工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.180, pp.13-18, 2006-07-19
被引用文献数
3

本論文は,実行時間が任意でデッドラインを持たないタスクグラフDAG(Directed Acyclic Graph)を対象とした中断のできないマルチプロセッサスケジューリング手法を提案する.まず,全ての子孫の実行時間を考慮したクリティカルタイムという概念を導入する.次に,クリティカルタイムと直接後続ノードの数を重視した静的優先リストを用いたCT/MISF法を提案する.その後,CT/MISF法を改善するために,クリティカルタイムを修正したCTΔ/MISF法を提案する.さらに,クリティカルパスと修正したクリティカルタイムのそれぞれを重視した二つの静的優先リストを作成し,これらを動的に切り替えるCP/CT-Switching法を提案する.最後に,提案した手法に基づいたシミュレーション実験を行い,これらの手法の性能評価を行う.