著者
草地 良規 鈴木 章 荒川 賢一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.290, pp.137-144, 2004-09-03
被引用文献数
1

アピアランスベースの物体認識においては,対象の隠蔽,照明光の全反射,複雑な背景などによって,観測パターンの特徴が欠損し,かつ雑音が付加され,識別率が低下するという課題がある.本研究では,学習パターンに不定次元を付与することで,特徴欠損/雑音付加の伴う画像を表現し,そのパターン分布を主成分によりモデル化する.そのモデルと人力画像を部分空開法により比較することで識別する.部分空開法における共分散行列は,学習パターンのみを用いて求めることができる.実物体を用いた検証実験を行い,提案手法の妥当性を確認した.
著者
筒井 雄一郎 橋本 正明 廣田 豊彦 片峯 恵一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.502, pp.25-31, 2001-12-06

ソフトウェアの生産性や信頼性の観点から、ドメインの専門家が要求仕様を直接記述できる仕様記述言語の開発と、その仕様記述からプログラムを自動生成することが望まれている。著者らは、ドメインに特化した仕様記述言語の開発を行ってきた。さらに、システム開発を効率化するために、ドメイン特化仕様記述言語からオブジェクト指向プログラムを自動生成するジェネレータの研究と開発を行っている。その一つとして、動的な仕様からオブジェクト指向プログラムを自動生成するため研究を行っており、その中で自動生成における生成パターンを考案した。この生成パターンは、動的な仕様と対応したプログラムを生成するためのテンプレートであり、このテンプレートに基づいたジェネレータの開発を行っている。
著者
川本 良太 宮崎 伸夫 茂呂 一永 岡崎 大和 田中 数彦 原 誠一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.289, pp.43-48, 2008-11-06

近年,ホームネットワーク分野においてコンテンツを共有するための規格であるDLNA対応の製品が普及してきている.また,センサネットワーク分野においては,低消費電力な無線通信規格であるZigBeeが注目されている.そこで我々は,これら2つの規格を連携することによってサービスの幅を拡大させるため,DLNA/UPnP-ZigBeeゲートウェイの研究開発を行っている.ゲートウェイではブロードキャストクエリにより全センサノードのセンサ情報を一斉に収集しているが,ノード数の増加に伴い,衝突の影響で応答のパケット到達率が低下する.本稿では,ゲートウェイを実装し,キャッシュの利用等によってパケットロスへの対策を講じた.また,オフィスビルのフロアを利用したセンサ情報収集実験による性能評価を行った.本実験により,パケット到達率の評価,及びキャッシュ機構の有効性を検証したので報告する.
著者
ザン ドー ヴァン 橿渕 健一 西山 大樹 加藤 寧
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.457, pp.159-164, 2009-02-24

センサノードの電力に限りがあるセンサネットワークにおいては,ネットワークの稼働時間をいかに延長するかが大きな課題である.稼働時間を長くするためには各センサの消費電力を考慮する必要があり,とりわけ通信に伴う電力消費を大きく左右するルーティングアルゴリズムについての検討が大変重要である.これまで,消費電力を考慮した様々なルーティングアルゴリズムが数多く提案されてきたが,いずれにおいてもホットスポット問題が十分に考慮されていない.ホットスポット問題とは,データを集約する役目を負うシンクノードの周辺領域(ホットスポット領域)において,トラフィックの集中に伴う電力消費が激しく,早期に電力が枯渇し,結果としてネットワークが分断されてデータの収集が不可能になる問題である.そこで,本研究ではホットスポット問題を考慮したルーティングアルゴリズムを提案し,これによりネットワーク稼動時間の改善が可能であることを明らかにする.
著者
山本 裕 木下 和彦 戸出 英樹 村上 孝三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.457, pp.327-330, 2009-02-24

近年,ネットワークカメラと無線マルチホップ網を用いた監視システムが注目されている.この監視システムは既存のインフラに依存せず,簡便にシステムを構築することができる一方で,有線網に比べて,通信品質が安定しないという問題がある.そのため,輻輳や電波干渉などの影響による映像品質の低下を考慮しつつ,広範囲に多数配置されたネットワークカメラから効率的に映像を収集することが重要である.そこで,本稿では,映像の優先度と伝送経路の排反性を考慮したカメラ選択スケジューリングを提案し,その性能をシミュレーションによって評価する.
著者
中山 英久 角田 裕 太田 耕平 鈴木 明宏 西山 大樹 永富 良一 橋本 和夫 和泉 勇治 キニ グレン マンスフィールド 根元 義章 加藤 寧
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.4, pp.1-6, 2009-04-09
被引用文献数
3

近年の健康志向の高まりを受け,各種トレーニングの運動効果が多くの人々の関心事となっている.本研究では,フィンランド発祥のエクササイズであるノルディックウォーキングの運動効果の検証を目的とし,ポータブルな屋外無線LANネットワークを用いて運動をリアルタイムにセンシングする,運動計測システムのプロトタイプを構築した.本システムは,無線端末と行動計測デバイスをセットとすることで,設置した無線ネットワーク内をユーザが自由に運動できるため,ネットワーク設備が不十分な屋外における運動でも各人の消費カロリー等を精密に計測できることが特徴である.プロトタイプシステムの有効性をノルディックウォーキングのイベントにおける実証実験を通じて検証し,多くの参加者から同時に運動のセンシングが可能であることを確認した.本稿では,運動計測システムの設計に関する課題を議論すると共に,実証実験の結果を報告する.
著者
角田 忠信 瀬崎 薫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.457, pp.423-428, 2009-02-24

アドホックネットワーク上でLBSを提供するシステムを構築するためには,ネットワーク中に存在する位置依存データを適切に発見・共有する手法を考案する必要がある.データの更新頻度が高い場合は,位置依存データの配信源(移動端末)付近にデータを局所的に配置する手法が有効であると考えられるが,ユーザのクエリをマッチするデータが存在する配信領域まで適切に転送させる必要がある.本稿で提案する手法では,R-Treeの階層構造とデータの構造を利用してルーティングテーブルを作成・配置し,GPSRを利用してテーブルに記述された目的領域までクエリを適切に転送させることにより,ユーザの要求する地点に近いデータを発見することを可能にする.ネットワークシミュレータで評価したところ,既存手法と比較して本手法は,わずかなメモリ消費,トラフィック負荷のオーバーヘッドで効率的にクエリにマッチするデータを発見することが可能になることを確認した.
著者
谷本 慧 石原 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.458, pp.73-78, 2009-02-24
被引用文献数
2

筆者らは,近接する車両に搭載されたNetwork Mobility (NEMO)のMobile Router (MR)間で一時的なネットワーク(Alliance)を構築し,Alliance内の各MRが持つインターネットへのリンクを同時に利用して通信速度および接続の安定性の向上を実現するNEMO SHAKE (SHAring multipath procedure for a cluster networK Environment)を提案している.さらに,筆者らは実環境においてNEMO SHAKEを利用する際に安定したリンクを維持し,高いスループットを実現することを目的とした動的Alliance管理機構を提案している.この機構では,各MRの位置情報,Allianceを構成するMR間の通信状況を考慮して,Allianceの構築,解消を行う.本論文では,NEMO SHAKEの実車両実験による性能評価の結果を示す.2台の車両を走行させた実験により,車間距離の変化に伴い単一経路と複数経路の通信の移行が行われていることを確認した.
著者
寺田 真介 三好 匠 瀬崎 薫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.524, pp.299-302, 2008-02-28

アドホックネットワークにおいて,ノードの位置情報を利用して同報配信を行うジオキャストは,経路制御や情報配信時のトラヒック削減に有効である.従来のジオキャストルーチングプロトコルの多くは,単一のジオキャストエリアを宛先として情報配信を行っている.そのため,複数のジオキャストエリアに情報配信を行う場合,効率的な伝送経路を構築することができない.本稿では,複数のジオキャストエリアに対して共有フォワーディングゾーンを用いることで,ネットワークトラヒックを抑制するとともに効率的に情報を配信するための手法を提案する.
著者
林 卓磨 妙中 雄三 樫原 茂 奥田 剛 山口 英
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.457, pp.45-50, 2009-02-24

小型無線デバイスが互いに無線接続したモバイルメッシュネットワークの構築が望まれている.しかし,モバイルメッシュネットワークは端末が移動するため確実にデータ配送を行うことが課題である.これまで,無線メッシュネットワークにおいてデータの配送効率を向上させる手段として,Opportunistic Routingとネットワークコーディングを組み合わせたMOREが提案されている.しかし,MOREは固定の無線メッシュネットワークを対象としており,端末の移動は考慮していない.本論文では,モバイルメッシュネットワークにおいて,移動端末に対して確実かつ効率的にデータ配送を行うための通信方式の提案を行う.また,本提案方式の有効性を示すために,提案方式とMOREをシミュレータ上に実装し評価する.
著者
佐藤 正春 中原 謙太郎 入山 次郎 岩佐 繁之 森岡 由紀子 須黒 雅博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.168, pp.13-18, 2003-06-27

安定ラジカルの酸化還元反応を動作原理とする有機ラジカル電池は充放電反応の速度が大きく、高効率で、可逆性も良好であるという特徴を有している。このため、有機ラジカル電池は短時間で充電でき、高出力で、充放電サイクル寿命も長いという、二次電池としては理想的なものとなりうる可能性を有している。ここでは有機ラジカル電池の特徴を活かした用途として、サーバーやルーターなどの情報関連機器に内蔵可能な小型で高出力の電池への応用を検討した。その結果、安定ラジカル化合物、ポリテトラメチルピペリジノキシメタクリレートを正極活物質として、電極面積50×72mm、厚さ5.7mmで容量130mAh、限界出力13.3Wという高出力電池の試作に成功した。一般的なリチウムイオン電池と比べると、試作した有機ラジカル電池の容量密度は1/10以下であるが、限界出力密度は639W/Lと、約2倍に達した。この電池(4個直列)は小容量ではあるがデスクトップパソコンを短時間動作することが可能であり、電源非常時におけるデータ退避用補助電源として利用できることが明らかとなった。
著者
石原 進
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.399, pp.59-62, 2009-01-15

ネットワークシミュレータに期待される処理内容は複雑さを増す一方であり,パラメータ空間も大きくなっている.こうしたシミュレーションを効率よく実行し,データ解析を行うためには,シミュレーションエンジンの高速化に加え,開発,シミュレーションのバッチ実行,データ解析に関する支援環境の整備が重要である.筆者は主に無線アドホックネットワークに関する研究のために,1998年頃よりns2,GloMoSim,Qualnet,OPNET,JiST/SWANSという複数のネットワークシミュレータを利用してきた.本稿では,大学研究室での学生とのネットワークシミュレータ利用の経験をもとに,ユーザの視点からシミュレータへの期待について述べる.
著者
浅野 裕紀 渡辺 貴文 上杉 繁 三輪 敬之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.60, pp.163-168, 2007-05-17

The goal of this research is to enhance a sense of existence of remote people and objects represented in a face-to-face display connection remote tabletop to local tabletop consistently with each other, which authors have proposed yet. Therefore, authors focus attention on effect of shadow which is non-separable from its entity, and devised a display system that local objects cast shadows on a local tabletop into a remote tabletop represented in the screen and remote objects cast shadows onto a local tabletop at the same moment as if people were around a common table. Consequently, the display system can express virtual shadows in two ways that a light source is installed at only one site and at both sites.
著者
相沢 友勝 岡川 啓悟 カシャニ メハダッド
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.457, pp.13-16, 2008-01-18
被引用文献数
2

板厚0.2〜0.3mmの金属薄板を穴あき絶縁シートを挟んで重ね,これを平板状ワンターンコイルの上または間に固定し,コンデンサ電源からコイルにインパルス大電流を急激に流す.金属薄板には,磁束が交差し,渦電流が流れ,磁気圧力が働く.この圧力と渦電流加熱により,重ねた金属薄板は穴のあいた部分で圧接される.板厚0.05mmの銅箔も加圧用金属薄板を用いて同様に圧接される.このような電磁圧接により絶縁導体間を穴を介して接続する各種方法および実験結果を述べる.
著者
Uranishi Yuuki Sakata Muneyuki Arai Ismail MANABE Yoshitsugu SUNAHARA Hideki CHIHARA Kunihiro
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.411, pp.405-410, 2008-01-07

This paper proposes a system for managing users and books in a room using various sensors. The proposed system consists of an RFID (Radio Frequency Identification) sensor, a non-contact IC card sensor and camera sensors. When a user enters a room, he/she is identified using IC card, and a tracking process by camera sensors starts at the same time of the identification. Users in the room are tracked by multiple camera sensors. Each book has an RFID tag, and an RFID sensor is attached to a bookshelf. An existence of the books is observed by the RFID sensor. In addition, a user who takes out or returns the book can be recognized by the camera sensors. A prototype was implemented, and the system has demonstrated that the users and books were observed without cumbersome procedures.
著者
河東 晴子 寺島 美昭
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.76, pp.1-6, 2008-05-23
被引用文献数
1

リモートセンシングのための高効率高安全な通信方式として、ネットワークコーディング通信方式を提案する。ネットワークコーディングでは、各ノードにおいて、データのルーチングだけでなく、入力情報に演算(符号化)を施して出力情報を作成する処理を行うことにより、伝送効率および秘匿性向上を実現できることが特徴である。本稿では、ネットワークコーディングにおける情報の秘匿性に関する尺度、および秘匿性を増すための新規アルゴリズムを提案する。
著者
松野 陽一郎 山崎 達也 松田 潤 石井 信
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.688, pp.91-98, 2001-03-16

本研究では, マルチエージェント競合系の例としてカードゲームであるハーツを取り上げ, Actor-Cmicアルゴリズムと先読みを用いた強化学習法を提案する. この系では, 部分観測マルコフ決定過程における強化学習を取り扱わねばならない. 提案手法では, ゲームを序盤, 中盤, 終盤の3つの局面に分割し, それぞれの局面でActorを切り換えて行動制御と学習を行う. 中盤においては, 期待TD誤差に基づく先読みを用いた行動選択を行う. この際, Criticによって近似された状態評価関数と相手戦略から推定した状態遷移確率を用いて期待TD誤差を計算することで部分観測性に対処する. 本手法の有効性を計算機シミュレーション実験により確認した.