著者
鈴木 佑 大竹 孝平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.363, pp.7-12, 2004-10-14
被引用文献数
1

従来のくし形フィルタなどフィルタ形のピッチ検出法では、検出する音階の基本周波数および倍音周波数で零出力とする遮断形のくし形フィルタを用いているため、音階検出手順が煩雑で、検出精度や処理量の点で問題があると考えられる。本論文では、各音階の基本周波数および倍音周波数でシャープなバンドパス特性を持つ通過形のくし形フィルタである音階分離フィルタバンクを用いたピッチ検出法を提案している。音階分離フィルタバンクと音階検出特性を向上させる音階レベル検出器の構成法を明らかにし、また、計算機シミュレーションにより音階検出特性を示している。
著者
半田 大幸 細野 洋平 津田 祐樹 MEZIANI Yahya Moubarak 末光 哲也 尾辻 泰一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ED, 電子デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.355, pp.45-50, 2007-11-20

2重回折格子ゲートを有する高電子移動度トランジスタ構造からなる2次元プラズモン共鳴型テラヘルツ電磁波放射デバイスを試作し,そのテラヘルツ帯電磁波放射特性を評価した.本素子は,2次元電子走行層内に凝集した電子集団のプラズマ振動量子(プラズモン)を電気的,光学的にコヒーレントに励起し,そのプラズマ振動を種として,2重回折格子型ゲートのアンテナ機構を介して空間放射可能なテラヘルツ電磁波を生成する.プラズモンの励起方法としては,直流バイアスもしくは直流光電流注入によるによる電気的不安定性励起,フォトミキシング励起,フェムト秒レーザ励起などの手法がある.本稿では,直流バイアスおよび直流光電流注入による自励発振モードでのテラヘルツ電磁波放射特性をフーリエ変換赤外分光計で計測した結果を中心に述べる.
著者
長谷部 悟史 太刀川 信一 浜村 昌則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIP, 信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.174, pp.35-40, 2005-07-07

本稿では, DS/SS方式における他局間干渉を抑圧する一方式として, 定振幅となる合成系列による符号ダイバーシチ通信方式を提案する.従来の符号ダイバーシチ方式では, いくつかの符号系列和を拡散系列に用いるため, 送信出力が多値レベルとなる.それに対して, 本方式では, 定振幅となる合成系列を拡散系列に用いることにより, DS/SSMAと等価な送信出力を実現する.また, 受信機では, 他局間干渉によって生ずる相互相関を打ち消すように, 定振幅となる合成系列をうまく分解し, ダイバーシチブランチに割り当てることで特性の改善を図ることが出来る.本稿では, 本方式と従来の符号ダイバーシチ方式との遠近問題下におけるBER特性の比較を行い, さらにダイバーシチ受信する際にブランチで扱う逆拡散系列の構成方法の検討を行った.また, 両方式の送信出力の違いに着目し, リミッタを適用した際の検討も行った.その結果, 本方式が従来の符号ダイバーシチ方式とほぼ同等の特性を有すること, ブランチの構成方法によってはさらに特性の改善が可能であることを明らかにした.そして, リミッタの適用による本方式の利点を明らかにした.
著者
齋藤 雅裕 萩原 将文
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.480, pp.1-6, 2009-03-04
被引用文献数
1

本論文では,自然言語の文書から知識を学習し,それに基づき類推を行うニューラルネットワークを提案する.ニューラルネットワークは生理学的な知見を活かした処理が可能であり,優れた学習能力が注目されている.また,類推は人間の知能において重要な役割を果たすと言われている.そこで提案ネットワークでは,学習能力を持ち,類推を行うことのできるニューラルネットワークを提案する.ネットワークに入力される文書はまず,構文解析器による前処理が行われる.これに基づき,提案ネットワークの結合の学習が行われる.また,従来のニューラルネットワークでは学習に用いた情報しか活用することができなく,知識獲得に問題があった.提案ネットワークでは,大規模な辞書であるNグラム辞書を用いることで,この点の解決を図っている.類推では,ニューロンの発火パターンが記憶部に記憶される.そして,類似する発火パターンが出現した際に記憶部が検索される.過去の発火パターンから推論が行われることで,類推が可能となった.実験では,goo辞書やWikipediaから知識を学習し,類推を検証した.実験により提案ネットワークが類推を行えることを確認した.
著者
ゲイツ ジョン 長谷山 美紀 北島 秀夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.610, pp.49-54, 2000-02-03

この論文は高精度に実時間で円を抽出するアルゴリズムを示す。このアルゴリズムは複雑な入力画像から完全な円と円形の円弧を抽出することできる。アルゴリズムが450MHzのペンティアムIIプロセッサでたくさんの256×256の8ビット画像を実験した。その実験の平均のフレームレートは一秒で69フレーム以上である。このアルゴリズムの高精度を証明するために実験の結果を示す。
著者
白 光一 二上 武生 宮本 義昭 野川 載藏 田辺 南香 山口 幸子 林 直樹 向井 博 飛田 將宏 安納 武史 山内 智晶 管 祥紅 胡 進 曾 紀才
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.31, pp.65-71, 2000-05-02

本稿ではデータベースシステムに基づいて開発した自動車売買のための情報提供誌「カーセンサー」の制作システム「CSRシステム」について述べる。カーセンサー誌は大容量なマルチメディア情報から構成された複雑な媒体となる。それの制作は多数の制作者により多数の端末での共同・協調作業であり、長い複合トランザクションである。本稿では、カーセンサー誌を考察し、その媒体のデータモデル及びそれの制作モデルを提案する。「CSRシステム」はこのモデルに基づいてリレーションナルデータベースサーバとWindows DTP端末で構築した。当システムを導入することにより、カーセンサー誌の制作効率は従来より倍以上向上し、制作コストも大幅に削減することができた。
著者
小池 隆司 佐藤 直
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.44, pp.85-92, 2007-05-11
被引用文献数
1

本稿では,ユーザとプロバイダが協力してスパムメールをフィルタリングする方法を検討している.具体的には,従来利用されているグレイリスティングとベイジアンフィルタリングを組み合わせた手法を提案した.提案手法によれば,グレイリスティングにより,スパムメールによるネットワーク輻輳を回避でき,また,受信者コストを低減できる.また,ユーザがメール内容をチェックし、スパム/非スパムを判定し,その結果をグレイリスティングにフィードバックするため,秘密の保護という電気通信事業法の規定に適合しつつ,スパムメールフィルタリングが実施できる,という特徴を有する.提案方法を実現するためのシステム構成を検討するとともに,実環境での実験例により,スパムメール低減効果を確認した.
著者
吉田 誠 大池 太郎 照沼 幸一 飯島 淳 佐々木 芳高
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MR, 磁気記録 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.189, pp.17-24, 1999-07-16
被引用文献数
2

10Gbpsi以上の記録密度の磁気ディスクドライブを達成するには、ライトヘッドに対しては、サブミクロンのトラック幅で高周波域での書き込み能力に優れたヘッド特性が要求されます。インダクティブ/スピンバルブ磁気ヘッドにとっても以前のヘッドと比べると大きな挑戦領域になって来ているのが現実です。そこで、本報告では、高周波域で優れたライト特性をもつ新しい構造のStitched poleヘッドのライト特性をConventionalヘッドと比較して述べます。
著者
尾形 利文 牧野 秀夫 石井 郁夫 中静 真
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.95, no.375, pp.57-62, 1995-11-18
被引用文献数
1

屋内を単独で移動する視覚障害者に対し、屋内位置案内装置の開発を目的とした位置情報取得方法の検討と案内装置の開発を行った。具体的には、位置情報検出・提供システムとして非可視型バーコード、CCDカメラ、パーソナルコンピュータ及び音声合成装置を用いた。工学部建物内で行った動作実験では、形状を工夫した横型バーコードを使用することにより、移動速度800mm/sにおいてバーコード長240mm以上であれば位置情報を正確に取得することが可能であることが確認された。
著者
佐藤 亮 小野 晋太郎 永塚 遼 川崎 洋 池内 克史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.88, pp.1-6, 2009-06-11
被引用文献数
1

実写画像ベースのImage-Based Rendering(IBR)を用いて,広域な都市空間を再現するシステムについて提案する.これを実現するために,入力として大量の全方位画像データを固有空間法を用いて効率よく圧縮する手法と,より良いレンダリング結果を得るための障害物除去手法を併せて提案する.障害物の除去は,圧縮の際に障害物のあった箇所をサンプリングに含めないことにより圧縮率の向上にも寄与する.また,GPUを用いた実時間での自由視点レンダリング手法を実装し,その効果を描画時間の評価により確認した.さらに,これらの手法をドライビングシミュレータシステム上に実装した.
著者
鎌田 圭 朝川 智 峯松 信明 牧野 武彦 広瀬 啓吉
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.165, pp.73-78, 2007-07-19
被引用文献数
1

音声コミュニケーションは,音声の生成,収録,伝送,再生,聴取の何れの過程においても非言語的特徴が不可避的に混入するが,これを表現する次元をおよそ保有しない音響的普遍構造が提案されている.この構造的表象を用いて,発音矯正の必要度を学習者別に推定可能であることが実験的に示されている.本稿では,この推定方法が教育的に妥当であるかを,英語音声学を専門とする音声学者による学習者発音の母音図表記を通して検討する.また,この推定方法について,改善可能な点を示し,より妥当な推定方法を検討する.
著者
中田 大輔 アブドゥール ラーマン シャハリン ファズリ 白鳥 悠太 葛西 誠也
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.438, pp.63-68, 2009-02-19

ナノワイヤ3分岐接合デバイスは,低温から室温までの広い温度領域において特異な非線形特性を示し,論理回路や高周波回路への応用が期待されている.回路応用においては,メカニズムの理解と目的に応じた特性制御が必要である.本稿ではショットキーラップゲートを備えたGaAsナノワイヤ3分岐接合のデバイスの試作とその詳細評価を行い,ショットキーラップゲートやナノワイヤ長が非線形特性および動作速度に与える効果を調べ,非線形特性メカニズムや特性制御について検討を行った.
著者
藤山 直之 幡野 喜子 杉山 和宏
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.314, pp.33-36, 2005-09-28
被引用文献数
1

デジタルカメラの普及に伴い, 撮像画像の手ぶれ補正処理の必要性が高まっている.本稿では, 静止画手ぶれ補正に対して画像修復アルゴリズムの適用を検討した.画像修復アルゴリズムは, 劣化画像の修復問題であることから, CCD平面における像の振れを, インパルス応答関数として捉えることで, 手振れ補正処理を行うことができる.しかし, 有限領域の離散データに対してアルゴリズムを適用するだけでは, 所望の解を導くことはできない.そこで, 定義された劣化画像の領域よりも外側に, 数学的画像モデルに適合するようなデータを埋め込むことで, 所望の解が導けることを数値実験により示した.
著者
冨岡 亮太 鈴木 大慈 杉山 将
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. PRMU, パターン認識・メディア理解 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.182, pp.43-48, 2009-08-24
被引用文献数
2

スパース正則化は凸最適化を通して変数選択や多様な情報源の統合を実現するための系統的な枠組みとして近年注目されている。多くのスパース正則化法は滑らかでない最適化問題として定式化されるため、このような問題を効率的に解く方法が求められている。本論文では、一般の凸な損失関数と広いクラスの正則化関数に対する最適化手法をproximal minimizationの枠組みから導出し、理論的な性質を議論し、既存の手法との関係を解説する。講演では実際のパターン認識やCVの問題を題材として、非常に多くの素性やカーネルが与えられたもとでいかに効率よくこれらを選択し学習することができるかデモンストレーションを行う。
著者
浜口 斉周 道家 守 金子 浩之 井上 誠喜
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.217, pp.95-98, 2008-09-18

TVML (TV program Making Language)とTVML Playerのインタラクティブ再生機能を用いて,キーボードでCG(コンピュータグラフィックス)キャラクタをリアルタイム動作させる"アドリブシステム"を開発した.アドリブシステムはリアルタイムで制御されるため,番組出演者と臨機応変に掛け合いをさせることができる.また,スクリプトベースなので制作現場で直接動作・演出を編集・加工することができる.さらに,声優の声を入力としてリアルタイムにCGキャラクタのリップシンクが可能である.ノートパソコン1台で動作するためコンパクトで,番組制作現場で使いやすいシステムとなっている.
著者
瓜生 大輔 生井 みづき 徳久 悟 柏樹 良 稲見 昌彦 稲蔭 正彦 奥出 直人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.281, pp.47-52, 2009-11-05

本論文では慶應義塾大学「ユビキタス・コンテンツ製作支援システムの研究」チームが開発した統合開発環境xtelとデザイン思考を応用した「Smart Kitchen Utensil」の開発手法を提案する。Smart Kitchen Utensilとはセンサー・アクチュエータ等が内蔵された調理器具で、実際に材料を入れ、火にかけるなどの調理を行うことが可能である。今回、この調理器具の一例として私たちが開発した「panavi」システムを挙げる。panaviはセンサー・アクチュエータおよび無線通信機能を内蔵したフライパンを中心とする調理スキル向上を支援するシステムである。このシステムの開発では実際に開発の初期段階からxtelプラットフォームを用いプロトタイプを製作し、9月に行われた「ユビキタスコンテンツショーケース2009」というイベントで展示を行った。本論文では、この期間の開発過程をケーススタディとして紹介する。
著者
木下 修平 並木 滋 清水 尚彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RECONF, リコンフィギャラブルシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.247, pp.49-54, 2006-09-08

本稿では1チップのFPGA上で実現したIBMPC互換システムの開発について述べる。本開発はコンピュータシステム開発の実践教育の一環として行い、2006年がIBM PCの25周年にあたるため、IBM PC互換システムを教育の題材とした。開発は高位のHDL(Hardware Discription Language)であるSFL(Structured Function description Language)を用いてすべてのハードウェアの論理設計を行った。実装ボードはALTERA社のCyclone FPGAを搭載するUP3ボードである。必要なサブシステムをFPGAにすべて実装したため、外部バスは存在しない。周辺回路を全て含んだロジックセルは9894であった。また論理合成結果より、CPUは49.09MHz、SDRAMは128.78MHzで動作可能であり、それぞれ48MHz、100MHzで動作させた。OSはFreeDOSを用いており、IBM PC互換のBIOSは我々が開発した。
著者
沼尾 啓 田中 尚貴 岡崎 哲夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.138, pp.27-32, 2008-07-10

介護者の負担を軽減することを狙いとした携帯電話を用いた介護支援システムについて報告する。本システムは、携帯電話で寝たきりの被介護者の状態を遠隔で確認するとともに、遠隔で電動ベッドを制御して被介護者の姿勢を変える、室温、照明、カーテンの開閉などの制御を実現する。遠隔操作の動作確認を行うために模型の電動ベッドを作成するとともに、これを用いて映像に関する基礎的評価実験を行った。その結果、現状の携帯電話の通信速度・品質でも被介護者の状態を映像で確認することが可能であること、寝起きと寝返りの動作を遠隔から確認・制御するには異なる2つのカメラアングルが必要であることを明らかにした。
著者
湯元 美樹 田村 隆弘 佐藤 威友 長谷川 英機
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.631, pp.15-19, 2004-01-23

ヘキサゴナル二分決定グラフ(BDD)論理アーキテクチャの大規模集積回路への応用を考え、分子線エピタキシー(MBE)法により形成された選択成長(SG)埋め込み量子細線(QWR)を用いて量子BDD節点デバイスを実現する手法を提案し、デバイスの試作・評価を行った。MBE選択成長により形成したGaAs系量子細線デバイスにプロセスを施すことにより、ショットキーラップゲート(WPG)で細線内のポテンシャル制御を行うSG QWR枝スイッチの作製に成功した。SG QWR枝スイッチのゲート制御特性をシュブニコフ・ド・ハース(SdH)振動測定を用いて評価し、その動作がエッチング細線型QWR枝スイッチと類似することを明らかにした。作製したSG QWR枝スイッチは、低温において明瞭な量子化コンダクタンスを実現し、コンダクタンスステップ傾きの温度依存性を調べた。2個のSG QWR枝スイッチを有するY字型のBDD節点デバイスを試作し、明確なパススイッチング動作を実現した。
著者
福原 忠行 山口 明 樫木 勘四郎 鈴木 利則 竹内 和則
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.155, pp.151-158, 2009-07-22
被引用文献数
5

本稿では無線LANを対象として、無線の混雑度を測定する手法を提案する。まず、無線の混雑度を示す指標として、無線が使用された時間率である無線占有率を定義する。この占有率では、無線LANのCSMA/CAが動作する上で必要不可欠となる待ち時間も考慮している。パケットロスが存在する場合でも、信頼性の高い無線占有率の測定が可能であることを示す。さらに、提案手法を実装したプロトタイプシステムを開発した。本システムでは1秒毎に無線占有率を計算し、送信レートの変化に対して遅滞なく機能することを確認した。