著者
梶谷 洋司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.548, pp.61-66, 2007-03-01
被引用文献数
8

平面配線領域を信号ピンを点とするグラフでシミュレートし、点に仮想ポテンシャルを与えて電界を生成し、付随する等ポテンシャル線をポテンシャル勾配を表す枝で制御して配線経路として使う新しい配線パラダイムを提供する。本文の前半では、このモデルをグラフ理論的に解明する。後半ではこのグラフが配線を一意に決める枠組みを提案する。等ポテンシャル線は「存在する、切れない、交わらない」ので配線は等ポテンシャル線の選択作業である。また配線の切断や制限が考察の対象である奇体な配線アルゴリズムである。無限の配線多様性を備えたField-Unprogrammable-Pin-Array(FUPA)と呼べるアーキテクチャーである。また配線の本質的困難と考えられている配線順序依存性から脱却している。
著者
高木 孝幸 早稲田 篤志 双紙 正和 宮地 充子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.597, pp.185-190, 2007-03-09

量子秘密分散法とは量子暗号技術を用いて秘密情報を複数の意味のない分散情報に分割して管理する方式である. Feng-Li YanとTing Gaoは2005年にエンタングルメント状態を用いずに共通の古典情報を2つのグループのそれぞれが秘密分散(満場一致法)の状態で共有できる量子秘密分散プロトコルを提案した.量子暗号の実現に向けての問題のひとつとして,量子状態の保存が困難であるというものがある.量子状態の保存が可能な量子メモリの存在を仮定するとYanらの提案したプロトコルは最大の効率を発揮できるのだが,量子メモリを仮定しないときにはプロトコルの効率が落ちてしまう.本論文では,この点を改善した量子秘密分散プロトコルを提案する.また,提案した方式に対するいくつかの攻撃に対しての安全性の評価を行う.
著者
江村 恒一 安木 慎 宮崎 誠也 久保山 哲二 青木 輝勝 安田 浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.473, pp.61-66, 2007-01-16
被引用文献数
3

Weblogなどの新たなコミュニケーションツールの普及により,個人が容易に情報発信する消費者発信型メディア(CGM: Consumer Generated Media)が急激に増加しており,既存のマスメディアからのパラダイムシフトを引き起こしている.さらに,携帯端末から投稿するMobile Weblog(モブログ)の登場により,時間と場所に制約されない情報発信が可能となっている.しかしながら,大量な情報を受発信できるようになったことで,必要な情報を取り出したり,相手に本当に伝えたい気持ちを表現することが困難となっている.このため,電子メールやWeblogなどの日常的に用いるテキストを対象に書き手の感情を抽出する研究が行われているが,感情を表現した語に基づいて抽出するため,感情語を含ないテキストから感情を抽出するために適した特徴量を扱えないなどの課題がある.本稿では,文末に付与する絵文字が感情を表すという仮定に基づき,SVMを用いて学習,感情モデルを構築し,書き手の感情を抽出する方式を提案する.
著者
大岸 智彦 阿野 茂浩 長谷川 亨 加藤 聰彦
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CQ, コミュニケーションクオリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.134, pp.1-6, 2007-07-05

顧客にインターネット接続を提供するプロバイダは,自身のネットワークの安定運用を図るだけでなく,顧客から現在・過去の接続障害の原因を問われた場合に,適切な回答を行うことが求められる.しかしながら,多くの障害申告に対し,ネットワーク状態の調査結果を適切に準備することは,運用者にとって多大な業務となる.これは外部プロバイダから得られるネットワーク状態に関する情報が,公開されたBGPデータ等に限られていることに起因する.本稿では,データベースの利用により,ネットワーク状態の迅速な検索を行う経路検索システムについて提案する.本稿では,システムの設計,実装および性能評価結果について述べる.
著者
上山 真生 水頭 一壽 山崎 信行
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DC, ディペンダブルコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.559, pp.203-208, 2008-03-20

本論文では,ロボット制御に必要なリアルタイム性をOSが保証するための時間管理機構を提案する.まず,周期タスクのデッドラインがデッドラインをミスしないことを保証するために,周期タスク生成時にアドミッションコントロールを行う.従来のリアルタイムOSでは,実行タイミングの予測性が高い静的優先度アルゴリズムが採用されてきたが,理論的に任意のタスクセットについてデッドラインを保証可能な資源利用率が低く,アドミッションコントロールとは相性が悪かった.しかしながら,本リアルタイムOSでは,モータ制御のように実行タイミングジッタを許容しないタスクの実行を,タイマ割込みサービスルーチンに任せる.ジッタを許容しないタスクを周期タスクのスケジューリングから分離したことにより,周期タスクのスケジューリングの際にジッタを考慮しなくてすむため,実行タイミングの予測性は低いが,理論的に保証可能な資源利用率の高い動的優先度アルゴリズムを採用することが可能となる.この時間管理機構により,リアルタイム性を保証しつつ,計算資源を有効に使うことが可能となる.
著者
成尾 太希 Sertthin Chinnapat 春山 真一郎 中川 正雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. USN, ユビキタス・センサネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.131, pp.157-162, 2009-07-09
被引用文献数
1

高齢化社会に向けて,自律支援用ロボットや自動走行する屋内用小型車が発達し,その適切な行動のために屋内における位置測定システムが必要とされている.従来の屋内測位システムとして,慣性センサを用いてGPSを補完する慣性航法や,無線LAN,RFIDを利用したローカル測位等があるが,精度,応答速度,設置性等の問題がある.そこで,従来の測位システムの代替技術として可視光通信による屋内測位システムが検討されている.可視光通信を用いた測位システムは,地下街やビルの中,地下鉄のホームなどのGPSの電波が届かない場所,更には人体や精密機器に影響を及ぼす可能性があるとして無線技術の使用を禁じられている病院などの区域でも利用できる等の利点がある.よって,本論文では、可視光通信を用いて、複数のLED光源の光電力差を加速度センサ等の慣性センサを加えず,受信機単体で位置を測定するシステムとアウテージ確率を低くするUniform Resizing方式について提案し,計算機シミュレーションによりその特性評価と有効性を示す.
著者
金盛 友孝 松居 辰則 岡本 敏雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.340, pp.25-32, 1997-10-24
被引用文献数
1 2

学校では毎年、教師の数や教室の数を考慮しながら、カリキュラムで定められた各教科を1週間で行なうための時間割を作成している。時間割には様々な制約があるため、これらを満たしながら時間割を作成することは、教師に負荷を課すことになる。本研究では、制約条件が多くなると一般解が求まらないという問題点に対して、遺伝的アルゴリズムのコード化を工夫することにより理論的に制約を満足させ、ある程度解が収束した際にユーザとの対話を行なうことで、満足度の高い解を生成する手法を提案する。
著者
柴口 拓 池田 弥央 東 清一郎 宮崎 誠一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.713, pp.63-66, 2005-03-04

光照射下及び暗時においてSi量子ドットフローティングゲートMOSキャパシタの容量-電圧(C-V)特性及び過渡I-V特性を調べた。p及びn型Si(100)基板上に作製したAlゲートMOSキャパシタのC-V特性は、Siドットへの電荷注入・放出により、基板のフェルミ準位を反映した対称的なヒステリシスを示すことから、ヒステリシス特性に対する特定のエネルギーを持ったトラップからの影響を無視できる。また、光照射することでMOSFETsの動作状態である反転領域においてSiドットへの電子注入による容量ピークを観測した。このことは、光照射下におけるMOSキャパシタの特性からSi量子ドットフローティングゲートMOSFETsにおける最適な動作バイアス条件が評価可能であることを示す。
著者
池田 明 海尻 賢二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.224, pp.13-18, 2004-07-19

システムの大型化及びソフトウエア化は、開発リスクの増加を招き、開発者の経営リスクを増大する傾向にある.特に非競争の契約において、価格の契約は一般に出来高払いと定額払いの二方式が知られている.わが国では、開発・生産費用の高騰を抑制するため、定額払い契約が主流である.事前に仕様書の精度及び開発・生産リスクを予測することは難しい.本稿では金融工学におけるオプション料を拡張して、リスク料を価格に組み入れる方法を提案する.リスクをガウス分布で表現したとき、リスクと利益率等経営指標の関係を理論解析する.
著者
井関 健太 矢口 勇一 岡 隆一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.328, pp.101-108, 2008-11-20

本報告は,任意の対画像のピクセル最適対応を与える2次元連続DPを用い,少ない枚数の画像で精度のよい3次元形状が復元できることを示す.従来法が対象物体から連続的に観測した面像列における特徴点の対応系列を利用するのに対して,提案手法は画像集合の1枚の画像と任意の他の画像とのすべてのピクセル対応を利用する.ピクセル対応点が稠密に利用できるため,因子分解法によって3次元形状を復元する際,少数枚の画像から精密な形状復元ができる.ピクセル対応関係からメッシュ構造が得られる事を利用し,ドロネー三角網を定義する事なく密なテクスチャマッピングを施すことができる.これらのことを実験で示すとともに,従来法の典型であるKLT,SIFT+因子分解法を同一画像集合に適用し,比較実験も行った.これらの実験で提案手法が従来法より精密な3次元形状復元を行うことが分かった.
著者
大籔 貴志 浅野 晃
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.203, pp.29-33, 2009-09-17
被引用文献数
1

道端で草花を見つけた時,その草花が何であるかを調べる場合には,専門家に聞く,もしくは植物図鑑で調べる等といった方法しか存在しない.また,Web上の画像検索システムにより,花の名前から画像を見つけ出すことは可能であるが,画像からその花の名前を特定することは不可能である.本研究は,この機能を類似画像検索によって提供し,画像をキーとする植物図鑑システムを構築することを目的としている.画像処理によって画像から得られる様々な特徴量の中でも,特に花の形状は,撮影条件で大きく変わるので一定の特徴量を抽出することは難しく,既存の研究においては花弁に対して真正面から撮ることを原則とするなどの制限が必要であった.そこで,本研究では様々な撮影条件に対して適応可能なシステムを作ることを目指し,形状の情報を用いず,花画像の類似度を,花弁部の抽出と色空間の変換,花弁の色相分布の相関演算によって求めることとする.基礎実験では,行ったすべての検索のうち,キーとした花が検索結果に入る割合を求め,それを検索適合率とした.データベースに登録している花画像は,ディジタルカメラによって撮影されたものであり,キーとして入力したのは,登録されている花と同種の花を携帯電話で撮影したものである.実験を行った結果,検索適合率は72%となり,本手法による画像検索の有効性を示すことができた.
著者
平野 勝義 稲垣 直樹 藤井 勝之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.183, pp.115-120, 2009-08-27
被引用文献数
1

近年,携帯情報端末機器を持ち運び,いつでもどこでも情報のやりとりが行われるユビキタス社会が進捗している.将来電子機器は小型化,軽量化されていき,小型のコンピュータを身につけられると予想される.その一例として,On-body channel伝送があり,電極のついたウェアラブルデバイスの研究が盛んに行われている.しかし,人体通信の伝送メカニズムにはまだ不明な点が多く,人体の電気的特性を考慮した最適なデバイス設計はされていない.本稿では,On-Body Channel伝送に特化したデバイス設計の指針を示す.電極の入力インピーダンスは人体を抵抗体とみなした時の電極接地抵抗により説明できることがわかった.
著者
島崎 仁司 秋山 正博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MW, マイクロ波 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.210, pp.37-42, 2009-09-18

金属を含む糸を使って織られた導電性織物のマイクロ波帯域における表面抵抗を測定し,織り方などの抵抗値への影響について考察している.導電糸は金属の細線あるいは金属コーティングした糸を用いたものではなく,装飾用に伝統的な製法に従って作られたもので,服として身体装着することのできる電子機器の材質として使用することが期待てきる.測定にはマイクロストリップ線路共振器を用い,銅箔ストリップと織物ストリップのQ値を比較して,織物を導電性シートと考えた場合の表面抵抗を算出している.金属種として銅/アルミ,織り方として綾織/平織,さらに織る際の糸の束ね方および密度を変えていくつかのサンプルを用意し,それらの測定値を比較・検討している.
著者
颯々野 学 塚本 浩司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NLC, 言語理解とコミュニケーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.227, pp.1-8, 1999-07-22

本論文では、Eric Brillが提案した変換に基づく誤り駆動型学習を日本語の固有表現抽出に適用する方法について述べる。形態素解析と学習で獲得した有限状態変換器(FST)を遣って固有表現の抽出を行うシステムを作成し、IREX (Information Retrieval and Extraction Exercise)の named entity task のformal run (総合ドメイン)に対して実験を行った。約10,000文のCRL固有表現データから1428個のFSTを学習し、F-measure 71.28を得た。人手作成のFSTの性能には及ばないものの、IREX NEに参加するシステムの半数よりもいい結果である。また、過学習が起きないことも確認した。
著者
馬場 雪乃 石川 冬樹 本位田 真一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. AI, 人工知能と知識処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.119, pp.51-56, 2008-06-23

Folksonomyおけるタグは,コンテンツに関連したキーワードを入力するだけで良いという付与の容易さが利点ではあるが,どのコンテンツにどのタグが付与されているのかといった情報しか持たず,非構造的である.タグを構造的に扱うことでタグの有用性を向上させたいが,そのためには,タグが示す概念を知る必要がある.本論文では,タグが付与されているコンテンツの特徴から,タグの概念を抽出する手法を提案する.特に,「時間」「場所」を表すタグについて,そのタグと関連の強い「時間」「場所」の範囲を,Web上のコンテンツに付与されたタグとそのコンテンツに付与された時間・場所の情報から抽出する手法を示す.
著者
高橋 克巳 Pramudiono Iko 喜連川 優
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DE, データ工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.176, pp.7-12, 2004-07-06

Webのサービスへのアクセス記録を解析するWebログマイニングにおいて、ログデータを地理的な位置にもとづいて解析する方法に関して述べる。Webで利用者の現在位置や利用者の望む位置に関する情報の提供サービスがさかんになってきており、効果的な解析方法と、有効な利用方法の考察が必要である。本稿では、インターネットでの位置に関する情報提供サービスの大規模ログデータを解析した作業の報告を行う。解析から、住所ワードの推薦には、commodityである情報対象に対する近隣地域の提示、およびspecialtyに対する中心地域の推薦が可能であること、およびそれぞれのルールを選ぶ際には相関ルールの支持度だけでなく、単語間の相互情報量が有効であることについてのべる。最後に本解析結果を使った単語を推薦して検索の補助を行うシステムについて説明する。
著者
柴田 一帆 林 貴宏 尾内 理紀夫 竹中 孝真 森 正弥
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.242, pp.109-114, 2007-09-27
被引用文献数
1

これまで,動画中の物体追跡研究は追跡精度の向上を目的としていた.しかし,追跡ミスを完全に無くすことは難しく,追跡ミスが発生した場合に物体領域の再指定などユーザによる修正作業が必要になると考えられる.本論文では,追跡ミスが発生することを前提として,ユーザによる修正作業の容易な物体追跡手法を提案する.提案手法では,グラフカットに基づく物体領域抽出手法を動画中の物体追跡へと応用する.グラフカットに基づく物体領域抽出は,物体領域内と背景領域内にユーザが描いた2種類の線から物体領域を抽出するという特徴を持つ.提案する物体追跡手法では,まずこの特徴を利用し,動画中の最初のフレーム画像においてユーザが描いた2種類の線から物体領域を抽出する.そして2番目以降の各フレーム画像では,ユーザが与えた線を追跡することで,物体領域を自動抽出する.線の追跡に基づく物体追跡を行うため,追跡ミスが発生した場合でも,新たな線の追加や既存の線の削除を行うだけで,容易に追跡ミスが修正可能となる.実験により提案手法と従来の物体追跡法との追跡性能を比較し,提案手法の有効性を議論した.
著者
石原 和幸 上田 真由美 平野 靖 梶田 将司 間瀬 健二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MVE, マルチメディア・仮想環境基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.454, pp.51-56, 2008-01-17
被引用文献数
4

献立を考えることは,料理をする人の約半数が面倒だと感じている.料理レシピを提供するWebサイトなどが多数存在するが,その多くでは利用者個人の嗜好を反映した献立決定の支援は行われていない.そこで,TF-IDF(Term Frequency-Inverted Document Frequency)における単語の特徴を尺度化する考えを食材の特徴の尺度化に用い,食材利用頻度と食材の特異度から各個人における食材の特徴を尺度化するFF-IRF(Foodstuff Frequency-Inverted Recipe Frequency)を提案する.これにより,食材に対する個人の嗜好を反映することを可能にする.提案手法の有効性を検証するため,評価実験用システムを実装し,個人の調理履歴と料理レシピ提供サイトのクックパッドのデータを用い評価実験を行った.実験結果より本手法の有効性について述べる.
著者
中塚 正之 岩谷 周 甲藤 二郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.457, pp.171-176, 2009-02-24

近年様々な場所において、自動監視システムや各種ユーザアプリケーションを目的として、環境中における人間の数を求めることが重要なトピックとなっている。既存手法としてはカメラベースの手法が多数あり、歩行者にRFIDを付与した人数カウントシステムも考えられる。しかし、これらの方式では設置の制約や展開コスト、プライバシーが問題になるため、本稿においては、既存の無線通信インフラを用いたPassiveな混雑推定システムについて検討を行う。具体的には無線通信時のRSSI(Received Signal Strength Indicator)やLQI(Link Quality Indicator)の平均値・分散値を利用して混雑度を推定する。そのために回折などの人間による電波への影響に関して調査も行った。
著者
土井 将登 阿多 信吾 岡 育生
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICM, 情報通信マネジメント (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.481, pp.59-64, 2009-03-05

P2Pファイル共有システムでは,負荷分散や検索効率の向上を目的としたコンテンツのキャッシュ(複製)が行われている.ピアのキャッシュ容量は有限であるため,時刻やアクセス頻度によってキャッシュ内容の更新が行われている.しかし,コンテンツへの要求の時間的傾向(トレンド)を考慮したキャッシュ内容の更新は行われていない.そのため、有効に活用されることのないキャッシュが残存するという問題が起こることとなる.そこで、トレンドパターンを考慮した,効率的な新しいキャッシュ置き換えアルゴリズムを考案する必要がある.本稿では,トレンドパターンを考慮した新しいキャッシュ置き換えアルゴリズムを提案するために必要となる,P2Pファイル共有システムにおけるトレンド分析を行う.そのためにまず,P2Pファイル共有システムをクロールし,P2Pファイル共有システム上を流れる検索クエリの計測を行う.さらに,計測した個々のクエリの時系列推移データに対して離散フーリエ変換(DFT)を適用することにより,個々のクエリの時系列推移パターン間の非類似度を導出し,階層的クラスタリングによりトレンドパターンの分類を行った.その結果,P2Pファイル共有システムにおけるトレンドパターンは大きく4種類に分類できることが分かった.