著者
江 本硯 藤川 昌樹
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.77, no.5, pp.393-398, 2014 (Released:2015-05-22)
参考文献数
52
被引用文献数
1 1

This paper aims to analyze how Japanese Black Pine and Cherry Blossom were imported and planted in Qingdao. It turns out that they were firstly imported to Qingdao by the German governors from Japan, and planted on the hills, along the coasts and in the parks. As Qingdao was occupied by Japan in 1914, the Black Pine and Cherry Blossom were planted more widely on the hills, parks and even courtyards. What should be emphasized is that they were not merely planted as ornamental trees, but also used to symbolize Japanese culture. The Cherry Blossoms planted along the entrance path of the Qingdao Shrine and the monument built for the dead soldiers were considered as the reproduction of Japan’s traditional landscape in Qingdao. That is why when Japan was beaten in the Second World War, the Cherry Blossoms planted in Qingdao were widely cut down and replaced by Cedar. While compared to Cherry Blossom, most Black Pines were free of cut down disaster and is widely used in Qingdao nowadays.
著者
江 本硯 藤川 昌樹
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.421-426, 2013 (Released:2014-05-08)
参考文献数
44
被引用文献数
1 1

This paper aims to analyze how the Zhushuishan Park was formed and transitioned and how the mixed culture of three countries was shown in this park. And what should be emphasized is that it is not only the facilities built on the hill that symbolized the colonial culture, but also the space composition and flora landscape. Generally speaking, the Zhushuishan Park was maintained to be the urban green space through the whole modern period. It was firstly developed as the suburban forest in the German period. A large area of Locust from Berlin and Japanese Black Pine were planted on the hill. However, after that, the Qingdao Shrine was constructed here as the national symbol as soon as Qingdao was occupied by Japan. The Cherry Blossom planted inside the shrine strengthened the Japanese culture. The shrine was preserved by the Japanese government until the year 1945. Therefore, the Qingdao Shrine shaped the characteristic of the hill and left a great effect on its space composition. When the Chinese government received the sovereign of Qingdao and carried out the urban planning, the Hill Zhushuishan was kept to be the urban forest and placed into the urban park system. However, in order to emphasize Chinese culture the Cherry Blossom was replaced by Cedar.
著者
平松 玲治 堀江 典子 大浦 康史
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.473-476, 2010 (Released:2011-07-22)
参考文献数
13
被引用文献数
1

In National Government Parks, a large number of exhibition facilities have been constructed and are managed and operated for purposes such as introduction of projects related to parks and open green space, popularization and education activities related to the nature and culture of the region, etc. Issues for these exhibition facilities include renewal of exhibits, specialization of content, and the like. Study of efficient/effective management and operation techniques referring to case studies of museums, which are similar facilities, is considered effective in responding to these issues. In this research, the date of establishment, area, items displayed, condition of installation of fixtures and furniture of the exhibition facilities, and the purpose, period, location, content, and management and operation of the operation system, etc. of permanent exhibits and thematic exhibits were arranged, and the features and effects of exhibits in National Government Parks were analyzed and considered from the viewpoint of museum-like functions.
著者
早瀬 真弓 今西 純一 中村 彰宏
出版者
日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.812-816, 2010-03

名勝清風荘庭園は明治44年頃から数年かけて七代目小川治兵衛(植治)によって作られた庭園であり、昭和26年に文化財保護法の規定により名勝指定されている。本庭園は京都市左京区田中関田町に位置し、植治による庭園の特徴のひとつである京都東山の借景、すなわち五山の送り火で有名な大文字山やその周辺の山並みを庭園の風景に取り込む工夫のなされた名庭である。しかし、近年成長しすぎた樹木によって大文字山が見えない状態となるなど維持管理は十分と言えず、作庭当初の風趣が失われつつある。現在は所有者である京都大学を中心に庭園の修復整備事業が進められているが、成長しすぎた樹木を切り下げる際には、作庭当初は存在しなかった近隣の高い建築物への視線を遮蔽しつつ借景の復元をする必要がある。本件のような場合、事前に様々な視点や角度からの景観に配慮した植栽管理を検討するために景観シミュレーションを行うことが有用であると考えられる。本研究では地上型レーザースキャナを用いて、清風荘庭園における借景復元に関する景観シミュレーションを行い、その実用性について考察することを目的とした。さらに、地上型レーザースキャナによって得られたデータを用いて、庭園周辺に現在の京都市の都市計画で許容されている高さの建築物が建てられた場合、庭園からの眺望景観にどのような影響があるかを検討した。
著者
大坪 紘子 堀 繁 竹形 顕 宮澤 泰子
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.655-658, 2003 (Released:2003-09-24)
参考文献数
10
被引用文献数
1 1

This study manifested the characteristics of mountain trails and effect to the natural experience, taking Mt. Inari in Kyoto, in which Japanese traditional belief to the nature still exists, as a case study. Analysis was practiced in terms of locations of trails and of objects for interest on trails. As a result, the former was exemplified to bring realization of rich topography with introduction of diverse terrains, or to emphasize the action of “climbing”, applying particularity of mountain peak. On the other hand, the latter was exemplified to enrich natural experience with adopted nature as interest, or to enrich trailing experience with successive appearance of interest. Those findings were summarized as hints for design of mountain trails.
著者
片山 めぐみ
出版者
日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.771-777, 2010-03

2005年に北海道の知床半島が世界自然遺産に設録された。今回の登録は、登録地が住民の生活域を含む点においても注目されており、隣接する斜里町(人口約13,000人)と羅臼町(約6,500人)では、自宅の裏庭が自然遺産という状況も珍しくない。なかには個人や町の所有地も含まれる。登録に際しては、登録地周辺も含めた地域住民の日常生活に対する配慮が不可欠とされているだけでなく、当該自然環境での生活知識をもつ住民が自らの生活を通じて自然保護などの啓蒙普及の役割を担うこと、さらにはエコツーリズム等に必要なガイドの育成が推奨されている。登録に際し、住民の意識調査が実施され、観光に対する期待や観光客増加による環境・生活への影響についてアンケート結果が報告されているが、自然とかかわる日常的な活動や場所には注目しておらず、住民の自然に関する知識や経験、大切にしている場所の理解を通してそれらを活かす方法を検討する必要がある。図-1に見るように、斜里町と羅臼町は、東西わずか30km弱の距離にあるが、半島を南北に走る知床連山に隔てられ、知床横断道路が開通する近年まで互いに往来が少なく、世界自然遺産登録に際しての住民の反応や観光地化に対する意識が異なるという声がよく聞かれる。最近では、両地域とも登録域における漁業をはじめ、山歩きや山菜取りなどの自然と関わる生活行動が制限されるのではないかといった懸念の声が共通している。本研究は、世界自然遺産・知床の登録地内およびその周辺地域における、住民の自然とのかかわり方、および居住地に対する誇りの意識を明らかにし、地域資源の再発見という視点から今後の観光のあり方について考察することを目的とする。
著者
向口 武志
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.377-382, 2012 (Released:2013-08-09)
参考文献数
51

This paper discusses to examine the construction process of Shiga Park completed in 1931 in Nagoya, and to define its historical urban planning implications before World War II. Shiga Park, based on the "Master Plan of Park in Nagoya" in 1926, was the earliest project of the development through the private land readjustment in Japan at that time. KANO Tsutomu, who was the planner of the “Master Plan of Park in Nagoya”, designed Shiga Park as a natural combined with modern park facilities and deciduous forests. Although Shiga Park was opened as part of park planning areas, integrated garden paths constructed on both the parkland and the remaining land of park planning areas that provided for development of park in the future. As work progress, the land readjustment union deepened their understanding of the significance of a modern park, decided to make two small parks voluntarily. Both the economic success of Shiga Park and Park promotion measures from 1932 amended the civil recognition of a modern park in Nagoya before World War II, and this trend prompted the donation of land by beneficiaries in cases such as Higashiyama Park completed in 1937.
著者
村上 暁信 アルマンド・M パリホン
出版者
日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.693-696, 2009
被引用文献数
1 1

アジア大都市の多くは、住環境の劣悪化、大気汚染、洪水被害の増大など様々な環境上の問題を引き起こしつつ、拡大を続けている。このような状況に対して、環境調整機能を有する都市緑地を計画的に整備していく必要があるとの指摘がなされている。しかし、緑地計画を立案するためには、まず都市化の過程で緑地がどのように変化するかについて検討をする必要があるが、アジア地域の都市においてはこの点が十分には明らかにされていない。特に、緑の環境調整機能を活用するためには、農地や森林といった土地利用タイプの一つである緑地の変容だけでなく、土地被覆の変容、すなわち緑被の変容について知見を積み重ねていく必要がある。しかし、都市化と緑被の変容については研究例が少ない。そこで本研究では、人口増加の激しい巨大都市のひとつであるフィリピン・メトロマニラ近郊に位置するパテロス(町)を対象として、地域の緑地や緑被が都市化のプロセスの中でどのように変化しているかについて考察することを目的とした。
著者
澤田 みつ子 小幡 和男 上条 隆志
出版者
日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.73, no.5, pp.834-838, 2010-03
被引用文献数
1

タチスミレはスミレ科スミレ属の多回繁殖型多年生草本種である。現在、本種は関東の利根川水系(菅生沼・小貝川・渡良瀬遊水地)と九州(宮崎県・大分県・鹿児島県)の限られた地域において、主にオギやヨシの優先する低湿地の草原内に生育し、絶滅危惧II類(VU)に指定されている。本種の生育環境であるいわゆるオギ原やヨシ原は資源採集の場として人の営みの場に維持され農業生態系の中に残されてきたが、明治期以降の水田等への土地利用転換によって自然の湿地は大規模に喪失した。そして今日では湿地に依存する生物の多くで減少や絶滅の危機の高まりが見られている。環境庁レッドデータブックによると、本種の生育地メッシュ数は11メッシュ(うち絶滅2メッシュ、現状不明2メッシュ)と少なく、減少の要因として植生の自然遷移、河川開発、管理放棄があげられている。そのため本種は残存する数少ない生育地をどのように保全・維持していくかが課題といえる。本研究の調査対象地である茨城県菅生沼の自生地では、管理放棄されていた生育地において、冬期に火入れを行うことによって、個体密度が増加したことが報告されている。菅生沼のオギ二次草原を含めて、日本のヨシ、オギなどの湿地草原へ継続的に実施されている火入れのうちいくつかでは、毎年1回冬期から初春において行われているが、特定の絶滅危惧種の保全を目的とした場合に、火入れの有無と対象種の応答について把握する必要があると思われる。本研究では、火入れ管理が毎年継続して行われているタチスミレ自生地において、2年間にわたり火入れの中断実験を行うことで、タチスミレの個体数とサイズ構成に変化が生じるのかを明らかにすることを目的とした。
著者
飛田 範夫
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.61, no.5, pp.385-388, 1997-03-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
17

平安時代前期に前庭に畝をつくり, キクを植えている例が見られるが, 土を盛って壇を築いて排水をよくして植物を育成させようとしたことが, 花壇を生みだしたように思われる。庭園施設として花壇を観賞に耐えるものにすることは, 二義的に重要なことであった。花壇という言葉は10世紀中頃の中国の詩にあり, 日本では『看聞御記』の応永25年 (1418) 2月28日の条に「東庭築花壇栽草花」とあるのが初見である。最も古い花壇遺構は, 朝倉館跡で室町時代のものが検出されている。江戸時代の花壇としては, 流行の植物専用, 回遊式庭園では重要な施設, 植木屋ではキクの栽培場所民家では草花を植える所, 寺院では草花・樹木の苗畑としての事例がみられる。
著者
曽和 治好
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.661-664, 1998-05-25 (Released:2011-07-19)
参考文献数
9

對龍山荘庭園を事例とし, 庭園の環境音, 特に水音に着目し, 騒音レベル計測と環境音聴取をとおして概況を調査・記録した。調査結果を騒音レベル等値線図に視覚化するなどの方法論により, 空間と音の関係を考察した。その結果,(1) 本庭園は交通音や外部の侵入音の影響を受けにくく, 音を聞き分けやすい静かな音環境の中にある。(2) 滝や水落の音が本庭園の内部音環境を特徴付けている。(3) 本庭園の音空間が3つのエリアに類別でき, そのエリアやエリア中の音空間が庭園の意味的空間構成と重なった。(4) 北池の滝音が平面距離によらず, 視点場の意味に沿うような聞こえ方をしている。このように従来認識が難しかった庭園音環境の空間的読みとりが出来た。
著者
古山 道太 服部 勉 進士 五十八
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.377-380, 2005 (Released:2006-05-08)
参考文献数
15
被引用文献数
1

Shiki-an Garden (Negishi, Taito Ward in Tokyo) is a garden inside the residence where Shiki MASAOKA (a superior haiku poet in the Meiji era) had lived for about 9 years from 1894 (the year 27 in the Meiji era) before he passed away by the vertebra caries of disease in 1902 (the year 35 in the Meiji era). In this research, it emerged the garden's sort, form, position and terms of plants and facilities in the garden, from some analyses about 398 articles of Shiki's essays, poems (haiku, tanka, and new-style poetry), pictures, letters, reminiscence notes of his pupils, old garden photos and pictures. In addition, I made 9 ground plans year by year which are re-creating garden scenes in his life. As a result, this garden was classified into three kinds of era, and had each of different garden scenes. It also could be inferred that a progress of garden scenes considerably concerns with a growth of his disease and a change in his view.
著者
平野 裕二郎 浦出 俊和 上甫木 昭春
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.609-614, 2012 (Released:2013-08-09)
参考文献数
9
被引用文献数
1

In this study, we grasped the status changes of the rural stage of shrines in Kobe by literature survey and on-site survey, and investigated hearing survey about transition and usage to the five shrines where restoration of the rural stage usage was checked. As a result, five shrines can be divided into three groups; "Shimotanigami shrine, Kamitanigami shrine" which receives the designation of cultural properties and the preservation society exists; nevertheless they are managed by governing body, "Aina shrine, Ougo shrine" which council and rural council operates with the support of external organizations and government, and "Kizu shrine" which council and rural council mainly operates with their own. It is considered that good operation and maintenance of rural stage, relation of an external organization with an acceptance of local organization, and government support are important factors for restoration of the rural stage usage.
著者
篠塚 香里 横張 真 栗田 英治 渡辺 貴史
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.66, no.5, pp.825-828, 2003 (Released:2003-09-24)
参考文献数
9
被引用文献数
4 10

Pot plants are a feature of densely built-up residential areas. Interest in pot plants has recently grown. As well as fulfilling the practical role of citizens’ leisure pursuit, they blur the boundary between private and public space and reflect residents’ cultures and identity. Pot plants have a useful function, but in reality are difficult to plan for without knowing whether their placement and variety is affected by urban physical characteristics. The aim of this study is to characterize the location, placement and species of pot plants in a densely built-up residential area. Three sets of data were collected, 1) the percentage of green areas formed by the pot plants’ in a street view, 2) the physical characteristics of the spaces in which the pot plants were present, 3) the species of pot plants used. It was found that, 1) on average pot plants occupy more than 50% of the green area in a street view, 2) the favored position of pot plants is on the entry step to houses, 3) the study identified that the plants that are preferred, share the characteristic of being easy to grow, good to eat, pretty to look at but that also carry a deeper cultural significance.
著者
宮久保 知和子 上野 達也 倉本 宣
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.65, no.5, pp.553-556, 2001-03-30 (Released:2011-07-19)
参考文献数
31

絶滅が懸念されているカンエンガヤツリには, 突如大きな個体群を形成する現象が見られる。その現象を本種の種子発芽特性の点から解明するため, 実験室内において10の温度条件と4つの光条件を組み合わせ, 計40の条件区を設定して発芽実験を行った。その結果, 発芽には変温効果が認められ, 発芽に最適な温度条件下においては緑陰感受性は確認されなかった。本種に見られる現象は, 埋土種子集団の形成ののちの撹乱という環境の変化と, 変温効果による種子の裸地検出機構によるものであった。そのため, 本種の保全には埋土種子集団を含む浚渫土等が有効な材料となると考えられる。
著者
五十嵐 且治 木下 剛 田代 順孝
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.763-768, 2005 (Released:2006-05-08)
参考文献数
14
被引用文献数
1 1

There have been many residents who want to live in super-high rise buildings from where wonderful birds eye vies could be enjoyed. They may intend to have quite new landscape experiences from their rooms, and this would initiate the demand of constructing more high rise buildings for residential use.This study reffere to the tendency of residents' preference of green spaces through analysis of landscape attitude of residents through evaluation of landscape values of green space seen from their own rooms in the said building. Research was conducted in the site of new development project of JHDC in Minatoku, Tokyo. The results may indicate that the values of green spaces should be evaluated by the degree of landscape preference in relation to the expectation of green spaces as sources of new urban landscapes and object of bird eye view experiences from inside the rooms. The height of rooms would be thought as key factors of sense of satisfaction to the landscape and green spaces to bee seen from the high rise rooms.When residents live in the room from where valuable parks and green spaces, they may satisfy the quality of green space and that would attract them to go to the green space and enjoy the environment there. The degree of looking down angle, 10 may degree in this case was considered as critical.
著者
平松 玲治 堀江 典子
出版者
日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.585-590, 2009
被引用文献数
4

インタープリテーションは米国の国立公園で発達し、わが国では自然公園の分野で導入された。特に1990年代から「解説」や「自然解説」等の訳語ではなく、「インタープリテーション」(以下「Ip」と表記する)としてカタカナ表記で紹介されてから、環境教育や都市公園をはじめとする多くの分野で使用し広まった。本研究がとりあげる国営公園は、1974年に三箇所の公園が開園し、1976年の法制化によりはじまった大規模都市公園である。特に自然資源を活用した利用サービスについては、自然公園・観光・環境教育・博物館等で導入されている手法や取り組みの影響を受けた展示・案内解説・プログラム提供がなされてきているが、Ipの概念や展開手法が分野によって必ずしも一様ではないことを考えれば、各分野に共通する概念や相違点を把握した上で、国営公園の目的に合致したIpを導入する必要があろう。そこで、国営公園の役割を踏まえたIpの導入と展開手法を構築するため、関連分野におけるIpの比較分析を踏まえてIpの概念と構成について現状を整理し、国営公園におけるIpの展開の方向性と課題について考察する。
著者
夏原 由博 村上 真樹 青木 大輔 中山 祐一郎 前中 久行
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.565-568, 2008-03-31 (Released:2009-05-08)
参考文献数
31

Identifying conservation units in a species and prioritizing their conservation were attempted in order to efficient conservation practice. We defined a conservation unit as a distinct populations between which individuals cannot be exchanged because of unique genetic and ecological characteristics. Conservation priority was given to conservation units that were restricted in distribution or those where habitats were not protected, because habitat loss is one of the most important factors leading to species extinction. We identified a gap between species distribution and conservation status using the land use master plan. We considered nature conservation areas, natural park areas, and protected forest areas as protected land, urbanization promotion areas as not protected, and agricultural promotion areas and private forest areas as at intermediate risk. The Japanese clouded salamander Hynobius nebulosus was used as a model species. An assessment was carried out after defining the conservation units of this species based on reported geographic variation in allozyme, mt-DNA, or morphology. The presence/absence of the species and land use regulation were recorded on a 1-km grid. The greatest numbers of records of species occurrence were in agriculture promotion areas (17.4%) and private forest areas (39.5%) with 791 records. Of the ten conservation units, the Tottori population was given at highest priority for conservation.
著者
根本 哲夫 宮城 俊作 篠沢 健太 岩本 芙美代
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.72, no.5, pp.809-814, 2009 (Released:2010-06-24)
参考文献数
21
被引用文献数
5 7

Primary purpose of this paper is to show how the regional structure of natural environment was integrated into planning and design of open spaces through the process of land development for collective housing in hilly areas of suburban districts. A case study was made in Tsurumai district of Nara City that was developed in mid 1960s. Extensive research in land formation process and its results based on the information generated by overlaying grading plans upon the original topography indicates the following points. (1) land formation in the housing site followed basic structure of the original micro topography and generated variety of land form which was identified as a fractal elements found in the regional structures of natural environment. (2) The variety of land forms provided spaces for parks, pedestrian spaces, parking lots and other public facilities, and altogether they support the entire system of spatial organization in the housing site. Also, by a comparative study of existing vegetation and those of the original planting plan, it was indicated that environmental stock represented by existing vegetation was developed mostly in the spaces generated by the land formation process in the site.
著者
水島 環 加我 宏之 下村 泰彦 増田 昇
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.71, no.5, pp.705-708, 2008-03-31 (Released:2009-05-08)
参考文献数
11
被引用文献数
5 7

The purpose of this study is to clear current status of approach for CSR (Corporate Social Responsibility) and disposition in future and current status of approach of community conservation of natural environmental activity as parts of CSR, and to grope for causes for inducement of corporate participating. The study was pursued plans that opinionaire survey of enterprises has place of business in Osaka prefecture and that anecdotal survey of Mt. Kohno divisional Kishiwada city Osaka prefecture. The research showed the following things. Though a lot of CSR activities that connected business activity are practiced at present, there are inclinations of participation to improve and increase awareness of employee of a company about contributions to society not related business activity in future. There are practiced that reconstruction of forest or satoyama management on some level. It is important that public administration prepare for institutions of participation of corporation to induce corporate to participate community conservation of natural environment activity beforehand or bring out their full potential of reconciliatory role and to prepare for conferences and other things as bases. There is availableness to work out triangular coordination that to build up definitude visions and to share aims, to build equality coalitions each others.