著者
川崎 雅史 飯田 克弘 佐佐木 綱
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.464, pp.119-127, 1993
被引用文献数
1 2

街並みの景観を構成する変動要素の一つである商業サインは, 商業情報を記号として伝えるだけでなく, 特化した形態や色彩の意匠が, 街のイメージ形成に大きく影響を及ぼすことがある. 本研究は, 先斗町, 北山通りなど京都の新旧を代表する商業ストリートの中で, とくにその道らしさを表現する商業サインを抽出し, その意匠を評価した. そして, 各通りに共通するデザインの基調を考察し, サインが形成するメディアイメージを推察した.
著者
野田 茂 星谷 勝
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.633, pp.41-59, 1999-10-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
27

複数地点で観測値が与えられた条件付対数正規確率場において, 不偏推定・最小誤差共分散規範に基づく Kriging 法と条件付確率密度関数法には固有な差があるのであろうか. この疑問に答えるため, 前者から導いた最適推定値, 推定誤差共分散, 後者からの条件付平均値, 条件付共分散の検討結果ならびに数値分析の結果, 1) 最適推定値と条件付平均値は完全に一致すること, 2) 推定誤差共分散は条件付共分散と異なること, 3) 推定誤差共分散は観測位置のみに依存し, 観測値に無関係であるが, 条件付共分散は観測値に依存すること, 4) 推定誤差共分散は条件付シミュレーションに関与しないことが見出された. 2つの方法は正規確率場において完全に等価であるが, ここで指摘した知見は条件付正規確率場とは異なる性質である.
著者
森本 浩行 西形 達明 西田 一彦 玉野 富雄
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.806, pp.806_45-806_54, 2005 (Released:2006-05-19)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

城郭石垣は, 個々の石垣石の大きさや加工の状態, 基本勾配や反りの量などの違いによって様々な断面形状を形成しており, 同じ形状のものは存在しない. これら石垣形状に影響を与える各種要因を考慮した石垣構築の技術的な変遷について解明を進めた結果, 基本勾配や反りの量は石垣石の加工状況に大きく影響されていることが明らかとなった.
著者
秋元 惠一 金澤 寛 辻 安治 平山 義夫 今井 泰男 稲田 雅裕
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集
巻号頁・発行日
vol.1997, no.560, pp.43-55, 1997

昭和59年度より運輸省第二港湾建設局が実施している「東京国際空港沖合展開事業」の中核プロジェクトの一つである「新C滑走路」は, 計画どおり平成9年3月に供用を開始する予定である.<br>新C滑走路は, 東京湾内の浚渫工事から発生したヘドロや東京都内から発生した建設残土が捨て込まれて形成された人工の超軟弱地盤上に建設されている. 当該地区は埋立地盤の透水性の低さに起因して地下水位が高く, さらに残留沈下量も供用開始後50年で最大1.5m程度が予想される劣悪な環境下に置かれている. このため, 設計段階から, 特に高地下水位対策および残留沈下を見込んだ検討を行ってきたものであり, 本論文はこれら検討の概要と, 設計, 施工の成果について報告するものである.
著者
寒川 典昭 荒木 正夫 渡辺 輝彦
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.375, pp.133-141, 1986-11-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
12

This paper discusses the uncertainty of the estimated population parameters in the hydrologic frequency analysis. Firstly, the changes of the distribution shape and the probable variate of a fixed recurrence interval are investigated using the observed hydrologic data. Next, when the population parameters of the normal distribution are regarded as the random variables, the method of estimation of the decrease degree of the uncertainty, which is measured by the entropy of the distribution in unknown expectation-known variance and unknown expectation-unknown variance, is developed in some detail. Besides, applying this method of estimation to the observed hydrologic data, the validity of this method is investigated. Finally, the possibility of the application of this method to the non-normal population is suggested briefly.
著者
水野 修 大原 健史 野池 達也
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.573, pp.111-117, 1997-08-22 (Released:2010-08-24)
参考文献数
24
被引用文献数
1 10

豆腐製造工程で排出される残渣「おから」を基質とし, 嫌気性細菌によるおからの分解に伴う水素生成を, 35℃における回分実験により研究した. 固形物濃度を2.3-9.2%の範囲で変化させて, 累積水素生成量および水素生成活性に及ぼす固形物濃度の影響およびおからの分解特性を検討した.最大累積水素生成量は0.020m3・kg VS-1 (固形物濃度6.4%), 累積生成ガスの54-78%は水素であり, 累積水素生成量は固形物濃度による大きな影響を受けなかった. 水素生成は, おからより溶出した溶解性糖濃度の低下に伴って起こり, 主な代謝産物は酢酸, プロピオン酸, n-酪酸およびエタノールであった.
著者
横田 公忠 矢田部 龍一 八木 則男
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.529, pp.155-163, 1995-12-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
14
被引用文献数
2

日本各地の蛇紋岩の風化した粘性土の強度特性ならびに含有鉱物を調べた. その結果, 強度特性に関しては,φ′が30°前後と大きく, φrへの低下が殆どないものと,φ′が30°を下回り,φrへの低下も大きいものの2つに大別できた. この強度特性の違いは含有鉱物の違いにあることを鉱物分析により示した. 即ち, 前者はアンティゴライトやクリソタイルを含み, 後者は, モンモリロナイトやクロライトを含んでおり, それがせん断抵抗角に大きく影響していることを示した.
著者
米田 昌弘 檜尾 洋希
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.752, pp.89-104, 2004-01-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
12
被引用文献数
1

旧タコマナローズ橋が落橋して60年以上が経過した現時点においても, 旧タコマナローズ橋のねじれフラッター特性に関しては完全に解明されていない幾つかの疑問点が残されている. そこで, 本研究では, 出来る限り正確な旧タコマナローズ橋の構造諸元を算出するとともに, 固有振動解析とねじれフラッター解析を実施して, 旧タコマナローズ橋のねじれフラッター特性について考察を加えた. その結果, 旧タコマナローズ橋では, ねじれフラッターの発現時にはセンタースティが有効に機能していなかったこと, もしセンタースティが有効に機能していた場合には, 対称1次のねじれフラッターが発現したとの知見を解析的に提示した.
著者
山崎 文雄 副島 紀代 目黒 公郎 片山 恒雄
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.507, pp.265-277, 1995-01-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
23
被引用文献数
1 5

釧路沖地震後の釧路市1,000世帯に対し, 日頃の地震対策, 釧路沖地震による家庭での被害やライフラインの停止状況などを尋ねるアンケート調査を実施した. その結果を見ると, 家屋の構造被害が約半数にも上り, 家具の転倒や照明機器の落下・破損が20%を越えるなど, 被害の大きさが明らかになった. また被害発生の比率は傾斜地, 台地, 平坦地の順に大きく, この地震による揺れと地形が関係深いことが示された. ライフラインの停止は, 停電が約半数, 断水が約1/3, ガスの停止が2割強の家庭で発生し, 電話は輻輳状態となった. しかし住民の困惑度は, 停止の有無より継続時間により影響されることが示された. ライフライン停止の許容時間は半日以内という回答が多く, 許容時間は電力, 電話, 水道, ガスの順に短かった.
著者
纐纈 一起
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.437, pp.1-18, 1991-10-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
134
被引用文献数
2 2
著者
秋田 宏 藤原 忠司 尾坂 芳夫
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.420, pp.61-69, 1990-08-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
25
被引用文献数
5 14 28

The distributions of water content within mortar specimens were observed when water moved in one direction under three environmental conditions, namely drying, moisture absorption and water absorption. Numerical results were compared with the experimental data in order to examine whether the diffusion theory with non-linear equation is adequate for description of the behavior of the water movement. From the comparison, it is concluded that the diffusion theory is applicable to the above three conditions when diffusion coefficients and boundary conditions are suitably chosen. The mechanism of water movement within mortar is also discussed.
著者
竹林 幹雄 黒田 勝彦 鈴木 秀彦 宮内 敏昌
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.674, pp.35-48, 2001-04-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
28
被引用文献数
1 3

本論文では, 自由化が進展した国際航空旅客輸送市場の構造分析を行うことを目的とする. まず, 市場をエアラインと旅客から構成される完全競争市場であると仮定し, モデル化を行った. さらに, 旅客需要はネットワークのサービスレベルに応じて弾力的に変化する需要変動型とした. 次に2010年におけるアジア~太平洋~欧州路線にモデルを適用し, 需要予測を行うと同時に, 成田, 関西両空港における空港容量拡張の影響を検討した. その結果, 空港容量の拡張により, ハブ機能を強化することが可能であることを示した.
著者
片田 敏孝 廣畠 康裕 青島 縮次郎
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.419, pp.105-114, 1990-07-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
22
被引用文献数
3

Rural depopulation problems in Japan are caused by excess of out-migration from rural areas. The out/in-migration of a person from a rural area is based on the evaluation of his/her life environment. Its process is dynamic and different from each other according to his/her life cycle stage and individual attributes. The effects of countermeasures for rural depopulation problems should be estimated by amount of out/in-migration through such decision making process. Standing on these viewpoints, we have developed a Dynamic Out/In Migration Model by using Dimension-Nested and Time-Nested Logit Model.
著者
大友 章司 広瀬 幸雄 大沼 進 杉浦 淳吉 依藤 佳世 加藤 博和
出版者
土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.772, pp.203-213, 2004-11

本研究の目的は, パーク・アンド・ライド(P&amp;R)を普及させるため, 公共交通選択行動の心理的規定因を調べることである. 本研究の仮説は, 広瀬(1995)の環境配慮行動の2段階モデルを基に作られた. 仮説の検証のため, P&amp;Rの社会実験が行われた地域の住民に対して社会調査を行い, 893人の回答を得た(回収率61%). その結果, a)公共交通選択行動の規定因として, 実行可能性評価, コスト評価, 公共交通利用意図が示された. また, b)態度と主観的規範は, 利用意図を媒介して, 公共交通選択行動を間接的に促進する要因であった. したがって, P&amp;Rの普及のためには, 環境配慮意識にはたらきかけるだけでは不十分であり, 実行可能性評価やコスト評価といった阻害要因を低減させる心理的方略が重要であることが示唆された.
著者
小野 一良
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:00471798)
巻号頁・発行日
vol.1958, no.55, pp.20-28, 1958-05-10 (Released:2010-08-24)
参考文献数
3
被引用文献数
1

大都市付近の国鉄電車運転区間に発生した波状磨耗レールについて, その形状ならびに走行車両によつて軌道に生ずる衝撃および振動を測定した。これより波状磨耗の形状と車両のばね下重量の振動との関連を求め, かつ車両の型式ならびに列車速度が振動振幅ならびに衝撃の大きさに及ぼす影響を調査した。
著者
杉本 博之 首藤 諭 後藤 晃 渡辺 忠朋 田村 亨
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.682, pp.347-357, 2001-07-21 (Released:2010-08-24)
参考文献数
16
被引用文献数
4 11

北海道の橋梁のユーザーコストを数値化することにより, ライフサイクルコストにおけるユーザーコストの影響について調べるものである. ライフサイクルコスト低減の考え方は, 効率的な維待管理システムを作るために, 橋梁維持管理システム (BMS) に取り入れられて来るであろう. しかし, ライフサイクルコストを考える上でのユーザーコストは, 項目としてのみ挙げられ, 実際にどの程度の影響があるかについての研究は少ない. ユーザーコストはライフサイクルコストの大きな割合を占めると予測される. また, ユーザーコストは, 対象橋梁周辺の迂回路ネットワークの評価を示す一つの指標であると考えられる. ユーザーコストの定量化を試み, それを取り入れたBMS戦略の一例, および中規模のRC橋梁の耐震設計に関わるライフサイクルコストの計算例によりユーザーコストの影響の程度を検討した.