著者
上田 泰之 田中 洋 亀田 淳 立花 孝 乾 浩明 信原 克哉
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.101-108, 2017 (Released:2017-04-20)
参考文献数
28

【目的】投球動作中の肩関節離開力,前後および上下方向の力学的ストレスに影響を与える因子を明らかにすること。【方法】対象は野球選手81 名。肩関節最大離開力・前方・上方関節間力を従属変数とし,肩関節,体幹,骨盤に関する因子27 個を独立変数とした重回帰分析を行った。【結果】肩関節離開力を従属変数とした場合,ボール・リリースでの肩関節水平内転角度,体幹回旋角度など6 個の因子が選択された。肩関節前方関節間力を従属変数とした場合,非投球側足部接地での肩関節水平外転角度と肩関節水平外転トルクの因子が選ばれた。肩関節上方関節間力を従属変数とした場合,肩関節最大外旋位での肩関節外旋トルク,ボール・リリースでの肩関節外転トルクなど7 個の因子が選択された。【結論】肩関節離開力に影響する因子は報告されていたが,本研究では肩関節前方・上方関節間力についても検討した。その結果各々の力学的ストレスに対し影響する因子は異なることが示された。
著者
武田 広道 高取 克彦
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.379-386, 2021 (Released:2021-08-20)
参考文献数
35

【目的】要支援・要介護高齢者の身体活動量とアパシーの関連を明らかにすること。【方法】要支援・要介護高齢者65 名に対して,Physical activity scale for the elderly(以下,PASE),アパシー,Health locus of control(以下,HLC),主観的健康感,Short physical performance battery(以下,SPPB)の評価を行った。統計解析ではPASE を三分位し低・中等度・高身体活動群として,各変数の3 群間比較を行った。またPASE と各評価項目の関連について重回帰分析を行った。【結果】高身体活動群と比較し,低身体活動群でアパシースコア,HLC 尺度,SPPB の4 m 歩行時間実測値で有意に悪い値となっていた。また,重回帰分析では,アパシースコアと4 m 歩行時間が抽出された。【結論】要支援・要介護高齢者の身体活動量には,アパシーと歩行速度で関連が認められた。
著者
辻 一郎
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.31, no.8, pp.464-467, 2004-12-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
14

筆者は,医学部卒業とともにリハビリテーション医療の道を選び,東北大学鳴子分院で中村隆一先生のご指導のもと,5年間研修を受けた。その後,公衆衛生学という予防を主とする研究分野に移ったが,そのモチーフとするところはリハビリテーションにおける「障害」の概念と,公衆衛生における「予防」そして「健康」の概念と,両者のクロスオーバーを行うということに尽きるものであった。保健医療の中の新しい健康観を探るということが,半田学会長から筆者に与えられた課題である。しかし,もとより筆者にはそれに応えるほどの学識も経験も不足している。本稿では,これまで筆者が実施してきた疫学研究-健康寿命そして高齢者に対する介護予防の取組み-を振り返りながら,筆者なりの健康観らしきものを述べさせていただきたいと思う。
著者
内田 智也 大久保 吏司 古川 裕之 松本 晋太朗 小松 稔 野田 優希 石田 美弥 佃 美智留 土定 寛幸 藤田 健司
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.75-81, 2018 (Released:2018-04-20)
参考文献数
22
被引用文献数
2

【目的】投球中の肩関節ストレスの軽減には,良好な下肢関節動作が重要となる。そこで,本研究はFoot Contact(以下,FC)以降のステップ脚膝・股関節の力学的仕事量と肩関節トルクの関係について検討した。【方法】中学生の投手31 名の投球動作解析で求められた肩関節内旋トルクについて,その平均から1/2SD を超えて低い群(以下,LG)10 名と1/2 を超えて高い群(HG)10 名の2 群に分け,ステップ脚膝・股関節の力学的仕事量(正・負仕事)を群間比較した。【結果】FC から肩関節最大外旋位(MER)におけるLG の膝関節屈曲-伸展の負仕事量が有意に低値を示した。【結論】ステップ脚膝関節伸展筋力は良好な投球動作獲得に寄与し,FC 以降の膝関節の固定および下肢関節からの力学的エネルギーを向上させることは肩関節ストレスを軽減させると考えられた。
著者
青木 詩子 山崎 裕司 青木 治人
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.77-81, 1998-03-31 (Released:2018-09-25)
参考文献数
1
被引用文献数
1

階段を前向きに降りること(前方アプローチ)が困難な片麻痺患者に対し,後ろ向きに降りる方法(後方アプローチ)を試み,その有用性について検討した。対象は片麻痺患者13例(年齢58.8 ± 15.8歳)で,前方アプローチによる階段の降りは,13例中5例が不可能であった。これらの症例に対し,前方アプローチと後方アプローチを施行し,それぞれの可否,不安感,所要時間,動作パターンを調査した。後方アプローチは全例が階段の降りが可能となり,階段の降りにおける不安感の比較でも,前方アプローチに比べ後方アプローチにおいて有意に不安感は小さかった。階段降りの所要時間は,後方アプローチと前方アプローチの間に有意な差を認めなかった。以上のことから,階段の降りが困難な片麻痺患者に対しては,後方アプローチを指導することが有効と考えられた。
著者
前田 慶明 加藤 順一 東 祐二 糸谷 圭介 村上 雅仁 嶋田 智明
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.160-166, 2010
参考文献数
31

【目的】本研究の目的は,脳血管障害患者(CVA者)を対象に,非転倒者と転倒者の患者基本情報や入院時の下肢Br.stage,入院時FIM,Berg Balance Scale(BBS),Mini-Mental State Examination(MMSE)を用いて,転倒予測を判断するための判断基準について検討し,臨床現場に則した実践的な指標を確立することである。【対象】対象はCVA者53例(男性30例,女性23例,平均年齢67.0 ± 11.1歳)とした。【方法】入院時記録から,入院中の転倒有無,年齢,性別,病型,発症から入院までの期間,入院期間,麻痺側,入院時の下肢Br.stage,入院時FIM,MMSEを抽出し,また入院時にBBSを測定し,これらの患者特性と転倒との関連性を検討した。【結果】少なくとも1回転倒を経験したCVA者は19例,転倒者率は36%であった。非転倒群と転倒群の比較において年齢,入院期間,入院時FIM,入院時Br.stage,入院時BBS,MMSEに有意差を認めた。ロジスティック回帰分析の結果では,入院時BBSのオッズ比のみが有意であった。ROC曲線において有効なcut-off値は31点であると判断した。【結論】入院時のバランス能力がCVA者の転倒リスクと密接に関係しており,転倒予測を数値化することが可能となり,転倒予測する上でBBSが有用な指標である可能性が示唆された。
著者
武田 広道 高取 克彦
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.12052, (Released:2021-06-09)
参考文献数
35

【目的】要支援・要介護高齢者の身体活動量とアパシーの関連を明らかにすること。【方法】要支援・要介護高齢者65 名に対して,Physical activity scale for the elderly(以下,PASE),アパシー,Health locus of control(以下,HLC),主観的健康感,Short physical performance battery(以下,SPPB)の評価を行った。統計解析ではPASE を三分位し低・中等度・高身体活動群として,各変数の3 群間比較を行った。またPASE と各評価項目の関連について重回帰分析を行った。【結果】高身体活動群と比較し,低身体活動群でアパシースコア,HLC 尺度,SPPB の4 m 歩行時間実測値で有意に悪い値となっていた。また,重回帰分析では,アパシースコアと4 m 歩行時間が抽出された。【結論】要支援・要介護高齢者の身体活動量には,アパシーと歩行速度で関連が認められた。
著者
大村 和也 高石 恵美子 川村 真
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.121-127, 2018 (Released:2018-04-20)
参考文献数
16

【緒言】体外式膜型人工肺(以下,ECMO)中のリハビリテーションは確固たるエビデンスはなく,当施設では症例ごとに模索しながら行っている。重症呼吸不全に対してECMO 導入後早期から積極的に理学療法を開始し,良好な転帰に寄与したと考えられた2 症例を報告する。【症例1】76 歳男性,心不全と肺炎の診断でVV-ECMO 導入となった。31 日間のECMO 管理中,四肢体幹の筋力トレーニングを集中的に行った結果,身体機能を落とさずECMO 離脱翌日には端座位が可能となった。【症例2】73 歳男性,肺炎の診断でVV-ECMO 導入となった。10 日間のECMO 管理中,筋力トレーニングに加え,端座位まで行った。離脱翌日には,立位・歩行が可能となった。【結論】ECMO 管理下であっても早期から理学療法を行うことで,身体機能の維持につながったと考える。ECMO 下理学療法は安全に行える可能性はあるが,適応や方法などさらなる検討が必要である。
著者
内田 茂博 玉利 光太郎 横山 茂樹 川上 照彦 加藤 浩 山田 英司 有馬 信男 山本 哲司
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.38, no.6, pp.442-448, 2011-10-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
26
被引用文献数
2

【目的】本研究では,術前の身体・精神的機能が人工膝関節置換術後2週の運動機能にどう影響しているかを明らかにすることを目的として縦断的に調査を行った。【方法】変形性膝関節症と診断され人工膝関節置換術が施行された38名(平均年齢75.0 ± 6.1歳)を対象とし,術前の身体・精神的機能および術後2週のTimed Up and Go test(TUG)を計測した。交絡因子の影響を取り除くため,得られたデータは重回帰モデルを用いて分析した。【結果】術後2週の運動機能であるTUGを予測する因子として,術前の安静時痛,自己効力感,交絡因子である非術側膝伸展可動域が抽出された。【結論】術前の自己効力感,安静時痛および非術側膝伸展可動域は,術後早期の運動機能指標であるTUGの予測因子であることが示唆された。

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著者
山内 正雄
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.299-301, 2011-06-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
4
著者
櫻井 瑞紀 新田 收 松田 雅弘 妹尾 淳史
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11312, (Released:2018-04-18)
参考文献数
32
被引用文献数
1

【目的】非特異的腰痛(以下,NLBP)では深部筋機能不全やサイドブリッジ持久力テスト(以下,SBET)保持時間低下が報告されているが,その際の深部筋疲労についての報告はない。本研究の目的は,NLBP 者におけるSBET 実施時の体幹深部筋疲労を,T2 値を指標として明らかにすることである。【方法】対象は腰痛のない対照群とNLBP 群の2 群とした。測定項目はSBET 保持時間と,SBET 前後の深部筋T2 値とした。統計解析はSBET 前後と腰痛の有無を独立変数,深部筋T2 値を従属変数とした2 元配置分散分析および単純主効果の検定を実施した。【結果】SBET 保持時間はNLBP 群が有意に低値を示した。深部筋T2 値においてSBET 前後・腰痛経験の主効果および交互作用が示された。単純主効果の検定ではNLBP 群のPost でT2 値は有意に高値を示した。【結論】NLBP 者では体幹筋等尺性持久力低下とSBET における体幹深部筋易疲労性を認めた。
著者
田中 惣治 本島 直之 山本 澄子
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11359, (Released:2018-06-07)
参考文献数
23

【目的】片麻痺者の麻痺側膝関節の動きによる歩行パターン分類を基に,歩行パターン別に歩行各相の割合が短縮,もしくは延長するかを調べ,その運動学・運動力学的要因を分析した。【方法】回復期片麻痺者121 名を対象とし,三次元動作分析装置と床反力計を用いて歩行を計測した。【結果】歩行パターンにより違いがみられた時間因子は単脚支持期と前遊脚期時間であった。前遊脚期時間はこの時期に膝関節が十分屈曲するかが重要となり,足底屈モーメントによるPush off の減少が膝屈曲角度の低下に影響している。特に荷重応答期に膝関節が過伸展する歩行パターンは,前遊脚期で膝屈曲モーメントが大きく膝関節が屈曲しにくくなり,前遊脚期時間が延長するのが特徴である。【結論】片麻痺者の歩行パターンにより前遊脚期時間に差がみられ,その運動学・運動力学的要因は歩行パターンで異なることが明らかになった。
著者
田邊 芳恵 安田 和則
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.347-353, 1988-07-10

自家腱を用いた膝前十字靭帯再建術後における早期筋力訓練プログラムを独自の基礎的研究をもとに作製した。大腿四頭筋に対しては70゜以上屈曲位での最大等尺性収縮訓練を, ハムストリングスに対しては任意の膝角度における収縮訓練を行った。また, 膝伸展位近くでは大腿四頭筋とハムストリングスの同時最大等尺性収縮訓練を指導した。新しい筋力訓練で治療した男11, 女8, 合計19人の術後1年時における大腿四頭筋トルクの対健側比は男性83%, 女性67%, ハムストリングストルクの対健側比は男性89%, 女性67%であった。新しい積極的な筋力訓練方法は, 従来の消極的な筋力訓練方法に比べて有意に優れた効果を認めた。