著者
中山 誠
出版者
関西国際大学
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
no.14, pp.185-197, 2013-03

本研究では,内田クレペリン検査によって誘発されたストレスと音楽のもたらす情動効果を検討した。46人の実験参加者は3群(覚醒もしくは鎮静音楽群,あるいは音楽なし群)に割り当てられ,心拍率と皮膚電導度水準が測定された。その結果,音楽が呈示されない群に比べての音楽群では心拍の減速が有意に促進された。音楽群ではポジティブな感情が増加したが,音楽の種類の効果は確認できなかった。以上の結果から,覚醒および鎮静音楽によって引き出される情動には精神的ストレスを低減する効果があることが示唆された。This study examined the effect of music which brings emotional stress and induced by Uchida Kraepelin test. Forty-six volunteers were assigned to three groups, namely: without music group, with music arousal group and sedation group, and the heart rate (HR) and skin conductance levels were measured. As a result, HR in music group was significantly enhanced compared with the group without music. Higher positive affect scores were elicited during the presentation of music; however, the effect of arousal or sedative music groups were not confirmed. These results suggest that emotion caused by music can reduce stress.
著者
稲田奈緒美
出版者
昭和音楽大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:09138390)
巻号頁・発行日
no.32, pp.73-85, 2013-03-15
著者
人見 諭典
出版者
つくば国際大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13412078)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.145-160, 2006-03-25
被引用文献数
1

The purpose of this paper is to examine how small-scale production met demands of the time, the pursuit of quality and quantity, with reference to Saint-Etienne ribbon industry during the inter-war period. In those days feminine dress was unfashionable, and demands for ribbon decreased increasingly. As compensation for the shortage, Saint-Etienne ribbon industry began to produce new merchandises suitable for mass production. But the organization of production was never changed. Saint-Etienne ribbon industry produced news merchandises with traditional organization called chef-d'atelier. Because it was important for Saint-Etienne to supply to the upper class traditional high-grade ribbons which only chef-d'atelier could produce. In other word Saint-Etienne actively wanted to participate in the creation of Paris fashion. In fact it was to pursuit of quality that was the essential subject for Saint-Etienne ribbon industry. This choice had steered Saint-Etienne ribbon industry to turn down finally. But it is undeniable that Paris fashion was sustained by many kinds of high-grade ribbons made in Saint-Etienne.
著者
渡邉 喜久
出版者
東海学園大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13421514)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.57-80, 2000-03-31

This paper is the invetigation on Transition in the Bicycle Industry Technique. It was in the beginning of the eighteenth century that the concept of the bicycle first emerged. The research is mainly on the genius of each leader and the character which he stamped on each bicycle though his innovative concepts and technology.
著者
宮入 恭平
出版者
国立音楽大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02885492)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.159-169, 2014

〈右傾化〉が囁かれる日本社会において、J-POPはどのような立ち位置をとっているのだろうか。表面的には政治と乖離しているはずのポピュラー音楽が、政治と近接しながら〈右傾化〉する社会でのプロパガンダとして利用される可能性がある。ここで重要になるのは、音楽に政治的な意味が含まれるかどうかではなく、政治性の希薄な音楽が無自覚的に政治利用されてしまうことへの懸念だ。もちろん、ポピュラー音楽は商品として消費されるものだが、その一方で、人びとの意識を変革させるだけの影響力をも持ち得ている。したがって、たとえ音楽そのものに政治的な意図が含まれていなかったとしても、音楽家(作詞家、作曲家や歌手)、および楽曲そのものの意志とは無関係に、音楽が政治的に利用されてしまうこともあり得るのだ。
著者
野崎 哲 T. Nozaki
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.11, pp.11-23, 1974-03-31
著者
金沢 治子 岩崎 礼子
出版者
横浜女子短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:0389830X)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.37-61, 1989-09-30

女子大生600名を対象に健康と食生活との関連性について,アンケート調査を行った。1)本対象の体格は身長・体重の平均値は157.6cm,51.1Kgであった。体格に対する自己評価については「太っている」と思っている者が64%と高率を示し過大に認識している者が多く細身志向といえる。2)健康観については,95%の者が「丈夫乃至普通」と回答しながらも冷え症や貧血の傾向にある。また健康の保持増進に対しては健康増進策をとっている者は48.5%であった。その手段としては眠を十分にとる58.4%,スポーツをする26.1%,食事に注意する24.4%を挙げている。3)不定愁訴で発症率の高い項目の順位は(1)体全体がだるく,つかれやすい(2)めまい,立ちくらみがよく起こる(3)便秘しやすい(4)すぐ汗をかきやすい(5)朝,気分よく起きれない(6)仕事をする気力がないであり,いずれも50%を越えている。不定愁訴皆無の者は600名中9名(1.5%)であり1人当り不定愁訴最多保有数は12種で2名(0.3%)であった。98%の者は不定愁訴保有者であり1人当り平均不定愁訴保有数は6種であった。4)本対象の食品類の摂取の仕方は「よく食べる」者では卵類,肉類が約半数(52%,49%)を占め,大豆製品,魚類は,20%,16%である。野菜類では,生野菜が65%と半数を上廻り,果物は50%であった。「よく食べない又はあまり食べない」者では,大豆製品,魚類,肉類及び卵類(22%,16%,7%,6%)の順位となっており,又果物9%,緑黄色野菜5%,生野菜3%であった。不定愁訴数と食品の摂取の関係は,肉類を「よく食べる」者は不定愁訴数の多い者の順に(A,B,C)増加したが,大豆を「よく食べる」者は,逆にA,B,C順に減少した。又魚類,卵類,緑黄色野菜,生野菜,果物,及びつけものは「食べない,又はあまり食べない」者が,A,B,C順に次第に増加した。不定愁訴数の少ない者は,多い者に比べ肉類の摂取が少なく,他の食品類は多く摂取していた。不定愁訴数の多い者ほど,食事内容が肉類にかたよる傾向にあった。食品の組合せは,「よく食べる」食品では肉類,魚類,卵類,及び豆類のうち1種類のみが約30%を占め,2種,3種の組合せは次第に減少し,4種類組合せる者は5%であった。又「食べない,又はあまり食べない」では,1種類だけが20%,2種,3種と次第に減少し,4種は1%であった。野菜類,果物類の組合せは,1種類だけは20%,2種,3種の組合せは30%をこえており,野菜類,果物類の摂取が多くなっていた。不定愁訴数と食品の組合せの関連では,不定愁訴数の少ない者と多い者と比べると,少ない者の方が多くの食品を組合せてBlanceよく食品類を摂取していた。5)牛乳の摂取の仕方は「毎日飲む」者は32%おり,「飲まない」者は29%であった。牛乳の摂取と不定愁訴数の間では,特に頻度差はみられなかった。6)食事の量を主食,副食共に「人並だと思う」者は,72%,68%と約2/3を占め,「人より多いと思う」者は主食で18%,副食では26%,「人より少ないと思う」者は11%,6%であった。食事の量と不定愁訴数の関係は,主食,副食共に「多いと思う」者の比率が,不定愁訴数の多い者ほど高い値となっていた。「少ないと思う」者では,副食については特別な関係はみられなかった。7)欠食率は朝食12%,昼食1%,夕食2%であり,61年度の国民栄養調査値より,3食共に低くなっていた。不定愁訴数の多い者ほど欠食率が高く,朝食では27%であった。この値は同年代の調査値の2倍となっていた。欠食の理由では38%の者が「時間がない」と回答をしていた。5%の者は「太りすぎを防ぐ」であった。8)外食率は,朝食2%,昼食15%,夕食11%であり,同年代の調査値よりすべてにおいて下廻っていた。特に昼食では約1/3低い値となっていた。不定愁訴数との関係は,3食共に不定愁訴数の多いものほど高い値となっており,特に多いCグループでは昼食を除き,同年代の値の2倍近い値となっており,不定愁訴数の少ない者は3食共に1/3の値であった。又食事にかける時間については,不定愁訴数の多い者ほど食事時間が早くなっていた。9)「夜食をする」者は過半数(59%)を占めていた。「夜食をしない」者に不定愁訴数の少ない者が多くみられた。夜の9時〜翌朝5時までの時間帯の喫食率は,PH9時代,AM0時代,2時代において,不定愁訴数の多い者ほど高い値であった。10)ファーストフーズの使用頻度は「毎日使用する」が約1%,「週又は月数回」が83%であったのに対し,同年代の調査結果では「毎日する」が15%,「使用しない」は皆無であり,本対象の方が低い値となっていた。又,不定愁訴数の多い者ほどファーストフーズ使用頻度が高く(A34%,B40%,C53%)「あまり使用しない」者は,同じ順に低く(A25%,B13%,C9%)なっていた。11)食品の組合せに対する食意識は「考える」者は10%,「意識しない」者は44%であった。不定愁訴数の少ない者ほど食品の組合せを考えており,多い者ほど意識する率が低くなっていた。
著者
加地 雄一 関谷 大輝 鎌田 弥生
出版者
東京成徳大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13403702)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.55-63, 2014

Sandplay is a psychotherapeutic technique in which clients freely arrange a number of small figures (or toys)in a sand box to realize their internal worlds. In this study we applied the Landscape Montage Technique(LMT) to Sandplay. In LMT, clients are requested to draw ten items (river, mountain, rice field, etc.) followinginstructions. The purpose of this study was to determine the possible effects of structuring procedures ofSandplay in accordance with LMT's instructions (we called this condition "structured Sandplay"). In order todo so, we compared normal and structured Sandplay. The results of a subjective self-rating scale of participants'emotion (PANAS) (n = 13) and the variability of heart rate (n = 6) indicated that participants were more relaxedand less afraid in structured Sandplay than in normal Sandplay. These results suggest that structured Sandplayhas clinical efficacy in the clinical setting where application of normal Sandplay is difficult.
著者
阿部 真由美
出版者
お茶の水女子大学附属高等学校
雑誌
研究紀要 (ISSN:13405934)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.181-183, 2005

平面に描かれた絵を、ある規則に従って対称移動させたり、縦や横や斜めに拡大させたりして、その仕組みについて考えた。2×2行列を用いた一次変換である。参加者全員中学1年生だったので、「行列」、「一次変換」云々の難しい言葉は抜きにして、単純な計算をする中で、行列の4つの数の値、また、配置によって、どのような図形に変化するかを、実際に手を動かしながら考えてもらった。中学1年生の段階ではまだ、x軸・y軸・座標などの直交座標平面の概念、比例・反比例などの関数の特別な場合を習った程度であり、今回の内容をどこまで分かってくれたのか定かではない。計算は好きらしく、熱心に計算してくれて、できあがった絵(図?)も喜んでくれた。コンピュータにさせてしまえばすぐに結果を出してくれる性質のものを、今どき、全部手計算というのは時代遅れのような気もするが、自分で計算するからこそ、途中経過もわかり、しくみを理解できるという良さもある。敢えて参加者には、面倒な計算につきあってもらった。
著者
中西一彦
出版者
関西国際大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13455311)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.161-173, 2012-03-31

新学習指導要領には「新聞」という言葉が多く盛り込まれている。新聞活用には「新聞に親しむ」「新聞を読む」「新聞で考える」という三段階がある。新しく教科書教材として取り上げられた新聞活用のための教材に照らし合わせて,この三段階の整合性を考える。今回は1社の4年生,5年生,6年生の教科書新聞教材を対象に,実践をより効果的に行うための必要事項を挙げることとした。事前の準備を周到に行っておくこと,特に子どもたちの実態,現状をしっかり把握し用意することをもとに考察を行った。
著者
村田 康常
出版者
名古屋柳城短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13427997)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.79-94, 2011-12-20

In several writings including The Aims of Education, Alfred North Whitehead develops his original philosophy of education, which we can call "a theory of the rhythm of education." This paper tries to show an important influence of Bergson's idea of "élan vital" on Whitehead's theory of the rhythm. According to Whitehead, the essence of the life consists in the creative impulse to realize a definite shape of novel value in the world. The realization of some actual value is a creation of a new harmony, and the process of the creation has its own rhythm. Whitehead gives a philosophical explanation to the rhythm of the life by referring to ideas borrowed from Bergson, "élan vital" and "its relapse to the matter." The process of education should be coincident with the rhythm of the life, which swings from the romance of "élan vital" to the generalized "wisdom" through the precision of knowledge and information. His theory of the rhythm, appearing as a rhythmic theory of the life in his early works of scientific philosophy, develops toward the ideas of the becoming process of organisms and of the creative advance of the world into novelty in his later works of "philosophy of organism." His theory of the rhythm of education takes a significant position in the developing process of his philosophy from its earlier scientific philosophy to its later metaphysical cosmology. It is the reason why his philosophy of education shows a widespread vision of the life, nature and human being.
著者
堀尾 強
出版者
関西国際大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13455311)
巻号頁・発行日
no.15, pp.95-101, 2014-03

大学生122名を対象に,やみつきになった食品の有無と,その具体的食品およびやみつきになった理由について調べた。その結果,やみつきになった食品があると答えた人は58%,男女間で差はなかった。やみつきとなった具体的な食品については,「チョコレート」や「マヨネーズ」「わさび」の回答数が多かった。食品群別に分類すると,「菓子類」や「調味料および香辛料」が多かった。やみつきになった理由については,「味」という回答が半数を占め,甘味や塩味,辛味があり,油脂やにおいに特徴のあるようなものがやみつきになりやすいことが示唆された。This research examined the addictive food and the reason which became addictive for 122 university students using a questionnaire. As a result, the ratio of persons who answered that there was food which became addictive was 58%. There was no difference between men and women. About the addictive food, there are many replies of "chocolate", "mayonnaise" and "Japanese horseradish". Classified the food according to the food group, most food was "confectionery" and "a seasoning and spices". Regarding the reason which became addictive, a half of the reply was "taste"; sweet, salty, pungent taste, fat and characteristic smell. These results suggest that those characteristic food become addictive.