著者
渡邉 敬浩 笠間 菊子 和久井 千世子 渋谷 雅明 松木 容彦 穐山 浩 米谷 民雄
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 = Journal of the Food Hygienics Society of Japan (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.281-288, 2003-12-25
被引用文献数
10 12

遺伝子組換え(GM)食品定性検査方法を用いて得られる測定結果の信頼性確保には,精度管理が不可欠である.そこで当該検査方法を対象とした外部精度管理方法を検討することを目的とし試験を実施した.共通未知試料を同一時期に分析するよう14検査機関に依頼し,回収した報告を基に詳細な解析を行った.その結果,検査環境の保全が不十分であることが原因と考えられる擬陽性判定が認められた.また,NewLeaf PlusおよびNewLeaf Yを対象とした検査方法においては,増幅効率の差異や検出にかかわる諸条件が要因となり,擬陰性判定が下される可能性があることが示唆された.全体としてはおおむね解析結果が予想された結果に一致したこと,また対象検査法において結果に影響を与える要因について示唆することができたことから,本研究で用いられた試験方法が外部精度管理方法として適当であると考えられた.
著者
小川 幸男 関田 清司 梅村 隆志 斎藤 実 小野 敦 川崎 靖 内田 雄幸 松島 裕子 井上 達 菅野 純
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 = Journal of the Food Hygienics Society of Japan (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.8-18, 2004-02-25
被引用文献数
11

雌雄のWistarラットに,0.00, 0.01, 0.10および1.00%の割合でギムネマ・シルベスタ葉の抽出粉末(GS)を基礎飼料に添加した餌を52週間与えた.試験期間中,GS投与に関連する動物の死亡はなく,体重,摂餌量,血液学,血液生化学および病理組織学的検査における変化は認められなかった.52週間のGS 1.00% 添加飼料(一日平均摂取量,雄504 mg/kg/day, 雌563 mg/kg/day)の摂取量は,ラットにおいて毒性変化の認められない用量(NOAEL)であると推論した.
著者
小林 麻紀 大塚 健治 田村 康宏 富澤 早苗 酒井 奈穂子 上條 恭子 影山 百合子 高野 伊知郎 永山 敏廣
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.261-269, 2009
被引用文献数
2

1994年4月から2006年3月にかけて東京都内で市販されていた輸入果実加工品600検体について農薬の残留調査を行った.その結果,75検体から30種類の有機リン系農薬,有機塩素系農薬,ピレスロイド系農薬およびカルバメート系農薬,有機窒素系農薬およびその他の農薬が痕跡値(0.01 ppm未満)~0.37 ppmの範囲で検出された.農薬が検出された果実加工品は,果実を乾燥した乾燥果実や搾汁したジュース,また,農薬の検出頻度の高い果皮や全果を原材料に使用しているものであった.農薬を検出した果実加工品について,食品群別平均摂取量から算出したそれら農薬の推定摂取量をおのおののADIと比較したところ,各ADI値の0.1未満~3.9% であった.このことから通常の喫食状況で特に問題はないと考えられた.
著者
坂本 美穂 竹葉 和江 笹本 剛生 草野 友子 林 洋 金井 節子 神田 真軌 永山 敏廣
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.51-58, 2011
被引用文献数
13

LC-MS/MSを用いて,鮭および蜂蜜中のジメトリダゾール,メトロニダゾールおよびロニダゾールの分析法を検討した.各薬剤を酢酸エチルで抽出した後,シリカゲルカートリッジカラムを用いて精製を行った.測定は各薬剤の安定同位体標識標準品を用いて,SRMモードで行った.鮭および蜂蜜に0.4~2 μg/kgとなるように各薬剤を添加して,添加回収試験を実施したところ, 回収率91.2~107.0%,併行精度1.7~17.1%,室内精度20% 未満であった.鮭および蜂蜜中の各薬剤の検出限界は0.05~0.2 μg/kgであった.本法を鮭3試料,蜂蜜20試料に適用したところ,食品衛生法上,違反になる検体は認められなかった.
著者
豊田 正武 堤 智明 柳 俊彦 河野 洋一 内部 博泰 堀 就英 飯田 隆雄
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.316-320, 2000-10-25

野菜試料における, アセトン・ヘキサン振とう抽出法とトルエン還流抽出法のダイオキシン類抽出効率の比較を行った. 抽出試験を3回行った結果, ほうれん草では, 振とう抽出でPCDDs, PCDFs及びCo-PCBsが平均0.48, 0.80及び7.7pg/g検出され, 還流抽出では同様の順に0.43, 0.72及び7.3pg/g検出された. また, ちんげん菜では, 振とう抽出でPCDDs, PCDFs及びCo-PCBsが平均0.67, 0.50及び2.6pg/g検出され, 還流抽出では同様の順に0.81, 0.64及び2.6pg/g検出された. 両抽出法の間で, 抽出量には有意な差はなく, 両者の野菜中ダイオキシン類の抽出効率は同様であることが判明した.
著者
谷山 茂人 諫見 悠太 松本 拓也 長島 裕二 高谷 智裕 荒川 修
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.22-28, 2009
被引用文献数
1 23

2007年9月~2008年1月に長崎県橘湾で採集した小型巻貝7種計66個体につき,マウス試験で毒性を調べたところ,キンシバイは供試した22個体すべてが有毒であった.毒力は極めて強く,特に2007年9月に採集したものでは,10個体中8個体の筋肉または内臓が1,000 MU/gを上回った.興味深いことに,22個体中13個体で筋肉の総毒力(725~9,860 MU/個体)が内臓よりも5.9~110倍高い値を示した.LC/MS分析により,毒の主成分は tetrodotoxin (TTX) であることが明らかとなり,加えて11-oxoTTXを含むことが示唆された.一方,同時期同海域で採取したその他の巻貝については,毒性は全く認められなかった(5 MU/g未満).
著者
平田 恵子 島村 保洋 鈴木 敬子 貞升 友紀 伊藤 弘一
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.263-269, 2005-12-25
参考文献数
9
被引用文献数
3

食品添加物酵素処理ステビアの成分分析法を開発した.分析条件を設定するため,まずグルコアミラーゼを用いて付加糖の加水分解条件を検討したところ,反応温度および時間は55℃,3時間,グルコアミラーゼ量は反応溶液10mL中250 Uが適切な条件であった.C18カートリッジカラムによる固相抽出法で試料から多糖類などの除去を行い,さらに加水分解して得られた配糖体および遊離糖をC18カートリッジカラムで分離し,それぞれの含有量をHPLCにより測定した.本法により,3試料を分析したところ付加糖としてグルコースが検出され,その含有量は25~42% であり,未反応配糖体含有量を除いた配糖体総含有量は35.7~52.5% であった.両含有量を合計した酵素処理ステビア成分含量は77.5~80.4% で,回収率(C18カートリッジカラム処理後の試料量を100としたとき)はすべて85% 以上であった.また,糖量に係数(×0.9)を乗じさらに乾燥物換算して得られた成分含量値は,すべての試料で80.0% 以上であり,日本食品添加物協会の規格値を満たした.
著者
武田 和夫 石黒 寛 田中 里恵 丸山 純一 笠松 隆志 大川 真 堀 伸二郎
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.280-288, 2002-10-25
参考文献数
7
被引用文献数
2 11

残留農薬の一斉分析に,GC/MS/MSを使用したときの感度及び精度を明らかにし,その有用性を検証することを目的として検討を行った.4種の農産物(ほうれんそう,にんじん,たまねぎ及び玄米)をそれぞれアセトン抽出し,GPCカラム及びグラファイトカーボンカートリッジで精製したものをマトリックス試料とし,35種類の農薬を添加して分析精度の検討を行った.その結果,検出限界はGC/MS (SIM)と比較してほぼ同等であった.各種マトリックスを添加した農薬標準溶液の測定再現性は,0.1 μg/mL及び0.05 μg/mLの濃度においてそれぞれ良好であったが,0.02 μg/mLでは35農薬中20農薬において変動係数が 10% 以上となった.SIM測定では避けられないマトリックス成分による妨害ピークも,GC/MS/MSを使用することによって影響を排除できる例が複数確認された.
著者
氏家 愛子 長谷部 洋 千葉 美子 柳田 則明
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.163-169, 2007
被引用文献数
11

食品中のサッカリン(SA),ソルビン酸(SOA),安息香酸(BA),パラオキシ安息香酸エチル(PHBA-Et),同イソプロピル(PHBA-isoPr),同プロピル(PHBA-Pr),同イソブチル(PHBA-isoBu)および同ブチル(PHBA-Bu)について,超音波および振とう抽出を前処理に用いたHPLC-PDAによる一斉分析法を検討した.抽出溶媒に,アセトニトリル-水(1 : 1)を使用した添加回収率は 78∼120% であり,従前の方法で回収率の低い傾向が見られた魚介類乾製品のSAは96%,高タンパク質食品のPHBA-Esは86∼89%,高油脂含有食品のPHBA-Esは 80∼92% と大幅に改善できた.本法の定量下限値は10 μg/gであった.また,これらの同定法として,LC/ESI-MS/MS-MRM分析について検討を行い,ネガティブモードでのプリカーサーイオン>プロダクトイオンを用いて同定できた.HPLC分析での保持時間が近接する異性体のPHBA-isoPrとPHBA-Pr, PHBA-isoBuとPHBA-Buも分別して同定可能であった.
著者
北川 陽子 起橋 雅浩 高取 聡 岡本 葉 福井 直樹 村田 弘 住本 建夫 尾花 裕孝
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.243-252, 2009
被引用文献数
1 9

GC/MS/MSを用いた加工食品中の残留農薬一斉分析法の検討を行った.試料に添加した農薬を酢酸エチルで抽出し,アセトニトリル/ヘキサン分配により脱脂を行った.さらにグラファイトカーボンブラック/PSA積層カラムにて精製を行い,GC/MS/MSにより測定を行った.258農薬について,5種類の加工食品(餃子,レトルトカレー,フライドポテト,鶏唐揚げ,白身魚フライ)を対象に添加回収試験(添加濃度0.02および0.1 μg/g)を行った.2濃度の添加回収試験において,両濃度で良好な結果(平均回収率70~120%,相対標準偏差 20% 以下)を示した農薬数は258農薬中184農薬であった.GC/MS/MSにおいては,試料由来の妨害成分の影響を受けにくく,低濃度においても精度の高い定量が可能であった.以上のことから,本分析方法は加工食品中の残留農薬を分析するうえで有用な方法であると考えられた.
著者
武田 信幸 西海 弘城
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.364-367, 2000-12-25
被引用文献数
3

畜水産食品中のオキシテトラサイクリン (OTC) をHPLCで分析するために, 0.25%メタリン酸-メタノール-アセトニトリル (6 : 2 : 2) を抽出溶媒とし, 銅イオン負荷金属キレート樹脂を利用した迅速で簡便な前処理法と, 移動相からMg<sup>2+</sup>を除去してOTCピークの消失を視認できる簡易なオンライン確認法を確立した. 食肉類及び水産食品など9種類の試料を用いた添加回収実験 (0.1及び1μg/g) での平均回収率は80%以上, 定量下限は0.02μg/gであった. 市販畜水産食品40試料を分析し, うなぎ浦焼 (0.04μg/g) とえび (0.39μg/g) からOTCを検出した. 陽性試料は開発したオンライン確認法で確認を行った.
著者
松岡 猛 栗原 秀夫 穐山 浩 三浦 裕仁 合田 幸広 日下部 裕子 一色 賢司 豊田 正武 日野 明寛
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.24-32, 2001-02-25
被引用文献数
18 86

我が国で食品, 飼料用として輸入可能な組換えトウモロコシ7系統のうち, 5系統からの組換え遺伝子の検知を, 既報のMultiplex PCR法に改良を加えて行った. ゲノムDNAの抽出は実験時間が短縮でき, 研究室・環境への安全性で優れているスピンカラムを用いる方法で行った. 組換えトウモロコシに導入されているDNA塩基配列を解析し, 各組換え系統とトウモロコシに内在的にある<i>zein</i>遺伝子を1回のPCRで特異的かつ確実に特定でき, トウモロコシ, ダイズ, コメ, コムギ, オオムギに対してfalse positiveなバンドが見られないプライマーの設計を行った. 非組換え体に組換え体5系統を混合しMultiplex PCRを行うと, 各組換え系統に特異的な長さのバンドが観察できた. 本法による検知感度を非組換え体粉砕物に5系統の組換え体粉砕物を混合して調べたところ, 0.5%程度であった.
著者
斎藤 勲 上野 英二 大島 晴美 松本 浩 佐々木 久美子 米谷 民雄
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 = Journal of the Food Hygienics Society of Japan (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.173-177, 2006-08-25
被引用文献数
2

GC-FIDを用いるメトプレン試験法を見直すための検討を行った.試料からアセトニトリル抽出し,塩析により水層分離後,アセトニトリル層を少量のヘキサンで洗浄,次いでフロリジルカラムで精製してHPLC-UVで測定した.小麦など7種類の試料からの平均回収率は 74.6~82.8% と良好であった.さらに本法を6機関で評価したところ,5種類の試料からの平均回収率は79.4~84.6%,併行再現性および室間再現性の相対標準偏差はそれぞれ 2.3~8.8%,8.8~23.6% であった.1機関でらっかせいからの回収率が高かったために室間再現性が高くなったのを除いて良好な結果が得られた.検出限界は0.001~0.02 μg/gであった.
著者
石井 里枝 高橋 邦彦 堀江 正一
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.201-212, 2006
被引用文献数
2 9

高速液体クロマトグラフィー—エレクトロスプレーイオン化/質量分析計(LC-ESI-MS/MS)を用いた農作物中の残留農薬一斉分析法を検討した.LC/MS/MS条件はポジティブモード,MRMで,LC条件はカラムにAtlantis dC18を,移動相に酢酸-酢酸アンモニウム-アセトニトリル系を用いて分析した.前処理法はアセトン抽出した後,飽和食塩水とヘキサンの液-液分配,さらにENVI-Carbカートリッジカラムで精製した.本法による各農薬の定量下限値は5 ng/g以下であった.また,50 ng/g濃度での添加回収試験で60~130%の回収率が得られたのは80成分でRSD (%)も15%未満であった.本法を適用して50農作物について実態調査を行ったところ,9作物から7農薬が検出された.