著者
井出 留美
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.25, 2014

世界の生産量の3分の1にあたる13億トンの食料が毎年廃棄されている。世界には、一日1.25米ドル未満で生活する食料に困窮する人が12億人以上いる。この食品ロスと食料困窮という不均衡を緩和し、エネルギー消費を抑制する方策の一つが、余剰食料を困窮者へ繋げるフードバンク活動である。1967年米国で始まったフードバンクは、日本はじめ世界36カ国以上に拡がっている。食べられるにも関わらず廃棄される食品の、生産量に対する割合は農産物が最も高く、世界のどの地域でも生産量の50%程度を廃棄している。本研究では、国内でのフードバンクの実績が無いフィリピンを対象に、余剰農産物を困窮者に届ける試みをおこない、食品ロスの削減と食料困窮の改善が実現できるか検証した。その結果、フィリピンで廃棄されるはずだった余剰オクラ5.8トンを16の生活困窮者支援施設に44回届け、食品ロスの削減と食料困窮者の貧困緩和を実現できた。
著者
田中 努 西尾 修 川南 吉弘 西田 直史 増井 芽
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.194, 2010

焼成処理は、焼却灰の資源化処理方法として、この5年の間に着実に実績を重ねてきた。しかし、焼成処理は未だ認知度が低く、溶融処理との比較が十分に進んでいない。そこで、焼成処理についての実例を挙げ、溶融処理との比較を行い焼成処理の特徴を検討した。その結果、燃料使用量とCO2排出量は1/4から1/2程度であること、維持管理費を抑制できること、品質維持管理が容易で安定していること、操業上の危険性が低いこと、焼成処理後の焼成砂の販売先が確保されていることなど、溶融処理に対して焼成処理には優れた点が多いことがわかった。
著者
大前 慶和
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.6, 2007

環境教育は,今日的には,持続可能な開発のための教育として展開されることが重要である。本研究では,先ほど開発を終えたダンボールコンポスターを活用した環境教育教材『にじいろタウン』を紹介する。webや印刷媒体を組み合わせた教材になっており,子供達が楽しみながら学習できるように作られたものである。
著者
本間 寛己
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第25回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.311, 2014 (Released:2014-12-16)
被引用文献数
1

木質バイオマス用の小型燃焼炉の一つであるロケットストーブは,製作が容易でありながら燃焼効率がよいため近年注目されている.2011年の東日本大震災では,停電地域における暖房および調理用熱源として多く用いられた.しかし,設計は経験的に最適化された側面が強く,学術的な評価はあまりされていない. 本研究ではコンクリート製U字溝を燃焼室およびヒートライザに用いたロケットストーブにおいて,吸気口の面積による自然吸気量の変化や,燃焼室に簡易型火格子を設置することによる燃焼状態への影響を実験的に検討した.実験の結果から,ヒートライザの断面積に対して吸気口の面積を1/4にしても吸気量は十分であり,加えて燃焼ガス温度も上昇すること,燃焼室に火格子を設置することで,COの発生量を抑えつつ燃焼ガス温度を高められることが分かった.
著者
Wiranpat Simadhamnand Fumitake Takahashi
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第32回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.439, 2021 (Released:2021-12-27)

Municipal solid waste management is an important issue in Thailand as most of the municipal solid waste (MSW) generated is managed inappropriately. Some are left uncollected in the residential areas, while some end up in open dumps, causing environmental problems. Alongside the problem of overdependence on coal as a fuel in the energy sector in Thailand and its greenhouse gas emission problem from the combustion, converting MSW to coal alternative fuel to be used in existing coal-fired power can improve both the situation of waste management and energy supply. Hydrothermal carbonization (HTC), a pretreatment technology that can converts MSW to a homogenized coal-like fuel with increased heating value, is an attractive technology. The purpose of this research is to estimate the atmospheric pollutant emission from the substitution of coal to MSW-derived fuel from hydrothermal carbonization in a coal-fired power plant in Thailand. The result shows that CO2, SO2, and CH4 emissions decreased with the increase of substitution of lignite with MSW-derived fuel. In the scenario where all collected MSW in the Northern region is used as a substitution for coal, the CO2, SOx, and CH4 emissions were reduced by 5.43%, 18.71%, and 28.52% compared to the baseline scenario respectively.
著者
藤原 健史 シティ ノルバイズラ
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.24, 2013

イスカンダールマレーシア (IM) はマレーシア南部のジョホールバル州に計画された特別な地域であり、2005年から2025年までの20年間に人口が2倍の300万人に急成長することが見込まれた開発地域である。この地域の廃棄物処理は最終処分のみであり、将来予想される大量の廃棄物に対して廃棄物マネジメントは持続発展的とは言えない。この地域を温暖化対策都市へと導くために「2025年のIMにおける低炭素社会」の研究が始まり、12のアクションプランの中の1つが我々の取り組む「持続可能な廃棄物マネジメント」である。低炭素社会の条件を満たしつつ循環型社会の形成に向けた廃棄物マネジメントの導入を検討した。具体的には、将来に最終処分場に搬入するごみの半分を減らし、同時に温室効果ガスの排出量を半分に減らすことを目的とした。サブアクションには、都市ごみ、農業ごみ、産業ごみ、下水処理ごみ、そして建設ごみについて考慮した。計算の結果、2000年に比べて2025年にはそれぞれ 65% (13 tCO2/year), 79%(7 tCO2/year), 81%(4<br>tCO2/year), 10%(2 tCO2/year), 69%(0.1 tCO2/year)の低減となった。2025年の高い参加率と分別効果のもとで達成された。
著者
田中 努 西尾 修 川南 吉弘 西田 直史 増井 芽
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第21回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.194, 2010 (Released:2010-11-07)

焼成処理は、焼却灰の資源化処理方法として、この5年の間に着実に実績を重ねてきた。しかし、焼成処理は未だ認知度が低く、溶融処理との比較が十分に進んでいない。そこで、焼成処理についての実例を挙げ、溶融処理との比較を行い焼成処理の特徴を検討した。その結果、燃料使用量とCO2排出量は1/4から1/2程度であること、維持管理費を抑制できること、品質維持管理が容易で安定していること、操業上の危険性が低いこと、焼成処理後の焼成砂の販売先が確保されていることなど、溶融処理に対して焼成処理には優れた点が多いことがわかった。
著者
古川 清治 内保 顕 内田 敏仁 伊藤 一郎 吉田 恒行 上林 史朗 阿部 清一 古角 雅行
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会論文誌 (ISSN:18831648)
巻号頁・発行日
vol.10, no.5, pp.276-283, 1999-09-30 (Released:2010-05-31)
参考文献数
11
被引用文献数
2 1

ごみ焼却残渣の溶融施設から排出されるばいじん (溶融飛灰) 中の重金属の安定化手法として, リン酸処理方法について検討した。溶融飛灰原灰および, これにリン酸を添加, 混練りしたリン酸処理灰について, 各種溶出試験によりPbなどの重金属の溶出挙動を調べるとともに, 処理灰の化学形態を調べた。各種溶出試験の結果から, pHや液/固比によらず, リン酸処理灰は原灰と比較してPb, Cd, Zn, CuおよびCaの溶出が抑制されることが明らかとなった。また, リン酸処理灰の形態調査の結果から, 処理灰中には, 化学的に安定な鉱物であるPb5 (PO4) 3Cl (クロロピロモルファイト) が検出された。
著者
池内 裕美
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.186-193, 2017

「ホーディング」(hoarding) とは,「他の人にとってほとんど価値がないと思われるモノを大量にため込み,処分できない行為」と定義され,1990年頃から臨床心理学や精神医学の領域において,特に強迫性障害 (OCD) の観点から多くの研究がなされている。しかしその一方で,ホーディング自体は誰にでも,すなわち非臨床的な人にもみられる,極めて日常的な行為であるという主張もある。<br> そこで本論では,より重篤な強迫的ホーディングと非臨床群を対象とした日常的なホーディングの両方に焦点を当て,ホーディングをめぐるさまざまな課題について既存研究を基に概説する。より具体的には,精神疾患や幼少期の家庭環境といったホーディングと関連する諸要因,ため込む人の特性,ため込む理由やその対象,さらにはホーディングのもたらす諸問題等について取りあげる。そして,最後にホーディングに陥らないための予防や対策について考察する。
著者
浅利 美鈴 名倉 良雄 酒井 伸一
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.310-319, 2019

災害廃棄物対策において,発災時の支援を含む地域間連携・協調の取り組みには,進展がみられた。指針等での役割や体制の整理に加えて,複数の災害において,支援実績や教訓が蓄積されつつある。たとえば,初動時のプッシュ型支援が効果的に働いてきたこと,支援の内容はさまざまであり支援マネジメントが重要であることなどがあげられる。さらに,特に 2018 (平成 30 ) 年に相次いだ災害への支援の速報的情報から分析すると,今後検討が必要な視点も多い。たとえば,支援内容のミスマッチを避けるための事前受援計画が効果的であること,国による支援マネジメントにおいては拠点をどこに置くかも重要であることなどがあげられる。また,今後は,大規模災害のみならず,同時多発的・連続的な通常災害時においても,現在の体制では対応が不十分となる可能性があり,平時からの人材育成や地域ブロック内・間の連携体制検討に加え,司令塔機能を補完する仕組みも検討する必要がある。
著者
市川 聡
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.183-190, 2015-05-31 (Released:2021-06-14)
参考文献数
2

屋久島については,世界遺産に登録されてから観光客が押し寄せてごみだらけになったとの報道がしばしばなされてきたが,その実態はむしろ逆で,山のごみはなくなりきれいな状態が保たれている。これは世界遺産登録で住民意識,観光客意識が高まったことに加え,エコツアーガイドが常時山にいることで,日常的に清掃がなされることによる。一方登山者の増加に伴う山小屋のし尿処理については,全額募金で賄おうとしたが,思うように募金が集まらず処理に行き詰っている。このため新たな入山協力金の導入を決めているが,実際には山小屋のトイレを使用しない大部分の登山者に,負担を押し付けるミスマッチが生じるおそれがあり,むしろ広く薄く,屋久島に来るすべての観光客に屋久島の世界遺産保全全般のための協力を求め,そこから山岳部のし尿処理も対応すべきと考える。
著者
小林 聖人 田中 麻奈美 鈴木 義規 斎木 博 下村 美文
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第22回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.123, 2011 (Released:2011-11-07)

林地残材や農作物非食用部などのセルロース系バイオマスと言われる資源は再利用できるにも関わらず、廃棄されている割合が高いのが現状である。その原因はいくつかあり、収集コストが高いこと、水分含有量が高いこと、さらに難分解性有機物質を多く含むことが挙げられる。難分解性有機物質の分解方法には熱処理や化学的処理などがあるが、これらの方法は環境に対して必ずしも良いとは言えない。そこで、本研究では廃棄されるセルロース系バイオマスの有効利用を目的とし、酵母菌によるセルロース系バイオマスの分解・資化実験を行った。 実験は単一炭素源として無機塩液体培地にセルロース系バイオマス(本研究はワラとスギを使用した)を加え、長期培養した。その間、一定期間ごとに生菌数を測定した。また使用する菌は前培養した。 実験の結果、単一炭素源にワラを加えた培地では菌の生育が確認できた。また、粉末加工した方が生育に適していることがわかった。
著者
稲垣 厚之
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.291-297, 2014

本稿では,川崎市が取り組んでいる廃棄物分野の環境教育・環境学習について紹介しています。小学生を対象にした社会科副読本「くらしとごみ」や体感型環境教育・環境学習「出前ごみスクール」における学習効果を高めるためのさまざまな取り組みにより,一般廃棄物処理基本計画の基本理念にかかげる「地球環境にやさしい持続可能な循環型のまち」の実現に近づくことが期待されます。
著者
栗岡 理子
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会論文誌 (ISSN:18835856)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.168-177, 2017

ノバスコシア州は,カナダで唯一埋立ごみ半減に成功した州である。現在も目標を定め,ごみ減量に熱心に取り組んでいる。同州の廃棄物政策の中核には,飲料容器のハーフバック・デポジット制度が据えられている。筆者は,同制度が廃棄物政策に果たしている役割を調査するため,ノバスコシア州を訪れた。その結果,ハーフバック制は環境対策財源機能を有した環境賦課金制度であり,それにより得られた資金は廃棄物政策に役立てられていた。すなわち,ハーフバック制では,リターナブル容器のデポジットは全額返金されるが,ワンウェイ容器は半額しか返金されない。その未返却デポジットは制度運営に使われ,余剰はごみ減量努力に応じて自治体へ分配されるなどしている。<br>また,ハーフバック制を図示し経済学的に考察することにより,ハーフバック制には賦課金的性格があることを確認した。
著者
藤田 綾子
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会誌 (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.10, no.6, pp.386-390, 1999-11-30

本会は, 1990年にごみ問題を地球環境問題と一緒に考えるために, 市民と国会議員が一同に会して取り組む組織として発足した。本報告では, 主としてこれまでの本会の活動内容を年次順に紹介するものである。党派を超えて国会議員がごみ問題で一同に会して, 国会議院の議員会館で市民と議論をするユニークさもあり, 多くの関係者が参加してシンポジウムや勉強会など多彩な活動が展開されてきた。特に最近, 次々に制定される新しいリサイクル法案についての国の考え方に市民・消費者の声を反映させるべき取組みが, 本会の現在の大きな仕事となっている。
著者
古澤 康夫
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.26, 2015

2015年9月に採択が予定されている国連の持続可能な開発目標は、環境面と貧困撲滅などの開発面を統合した国際目標である。本稿では、持続可能性概念の歴史を20世紀初頭のconservation movementにさかのぼり、この概念が当初から社会的側面を有していたことを論じる。併せて、Gattariが提唱した環境、社会、精神の3つのエコロジーに照らして、現代の持続可能性概念の到達点と展望を考察する。
著者
森 朋子 三ヶ尻 智晴 田崎 智宏
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会論文誌 (ISSN:18835856)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.13-24, 2020 (Released:2020-02-29)
参考文献数
31
被引用文献数
1

本研究では,近年,普及が進んでいるインターネットを通じたリユース (以下,ネット型リユースという) に着目し,その利用経験が不用衣服の排出行動に及ぼす影響を分析した。衣服の購入が多い 15 ~ 49 歳の女性を対象にウェブアンケートと統計分析を実施した結果,ネット型リユースの利用を経験すると,リユースショップのような従来型のリユースルートよりもネット型リユースの活用を好むようになることがわかった。また,ネット型リユースを現在利用していなくても,過去に利用した経験があれば,不用衣服をごみとして廃棄する行動は抑制され,リユースショップ等に出す行動が促進されることも明らかとなった。これらの結果より,ネット型リユースの利用経験が,リユースの具体的な方法を学んだり,不用衣服のリユース品としてのポテンシャルを認識したりすることに役立っていることが示唆された。
著者
高橋 徹 富田 恵一 若杉 郷臣 山田 敦 折橋 健 古賀 信也
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集 第19回廃棄物学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.208, 2008 (Released:2008-11-25)
被引用文献数
1

木質系バイオマス燃焼灰の化学組成および有害物質の溶出試験について検討した結果、燃焼灰には肥料主成分が多く含まれており、肥料として十分に利用できることが分かった。また一部の木質バイオマス燃焼灰の溶出液には基準値以上の六価クロム溶出が確認されており、ストーブ材質からの腐食、防腐剤を原料とした燃料からの汚染および木質ペレット燃料中に含有していると推測される。ペレット原料中のクロムは自然由来ではなく,破砕工程,おが粉製造工程およびペレット製造工程で混入したクロムが燃焼し,濃縮・酸化され,六価クロムの溶出が発生したと考えられる。さらに、木質バイオマス燃焼灰を有効利用するために、堆肥と燃焼灰を混合したペレットを製造し、肥料としての安全性を検討した結果、有害成分は基準値以下であり、有害金属溶出試験についても全ての項目で基準値以下であった。混合ペレットは肥料として安全に使用できることが分かった。
著者
一瀬 智樹 滑澤 幸司 馬渡 匡之 星野 正彦
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.28, 2017

近年東南アジアではごみ焼却プラントの需要が増加しており,今後アフターサービスの需要増加も予想される。東南アジアにおいては,経済の成熟度が上がるにつれごみ発熱量も上昇し,プラント竣工後,年が経過するとともに処理量が低下することが考えられる。一方,運営業者はごみ処理費を収入源とする場合が多く,処理量の維持が非常に重要となる。そのため,アフターサービスの一つとして処理量増加の需要が高まることが予測される。当社では上記需要により,竣工後20年以上経過したシンガポールのごみ焼却プラントにて処理量増加工事(燃焼室水冷壁Ni基合金肉盛パネル交換及びエコノマイザチューブ追設)を実施した。<br>工事後,性能を確認した結果,本工事前に比べ10%以上の処理量増大を確認できた。工事で交換した燃焼室水冷壁Ni基合金肉盛パネルは,1年間の連続運転後,目視確認にてチューブに損傷が無いことを確認した。