著者
水原 詞治 前背戸 智晴 倉持 秀敏 大迫 政浩
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.27, 2016

除染廃棄物を処理する仮設焼却炉では、焼却飛灰からの放射性Cs溶出率が低いなど、一般廃棄物焼却炉とは異なる傾向が確認されているが、放射性Csの挙動について知見が十分でないため、本研究では除染廃棄物仮設焼却炉の耐火物における放射性Csの溶出特性、除去特性に焦点をあて、放射性Csの挙動評価を行った。その結果、除染廃棄物仮設焼却炉の耐火物は、難溶性Csが蓄積されやすく、結果として放射性Cs溶出率が低く、加熱による揮発除去が起こりにくい傾向が確認された。
著者
梅田 純子 近藤 勝義 道浦 吉貞
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.18, pp.129, 2007

籾殻に含まれる可溶性シリカ成分を非晶質構造の状態で抽出すべく,無機強酸により籾殻を酸洗浄処理した後,600~1200℃で大気焼成した.その際にX線回折により結晶化温度を把握すると同時に,焼成灰中のシリカ純度およびアルカリ金属不純物量に及ぼす酸処理条件の影響を調査した.その結果,籾殻の約70%を示す炭水化物(セルロースやヘミセルロース)は酸処理過程で加水分解することを熱分解ガスクロマトグラフ質量分析によって明らかにした.例えば,加水分解によってセルロースはレボグルコサンを,ヘミセルロースはフラフルールをそれぞれ生成する.
著者
李 桐 為田 一雄 樋口 壯太郎
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.30, 2019

<p>最近の地球温暖化の影響により世界各地で異常気象が多発し、特に昨今のゲリラ豪雨の多発は、過去に記録しない短時間降水量が出現するようになった。このため、過去に計画設計した最終処分場については、既存の浸出水処理施設規模及び浸出水調整池規模では対応が困難となり浸出水管理に支障を来すケースも現れている。このような背景下、地域別に気象台開設以降の降水量を調査し、長期的年降水量変動、日降水量、時間最大降水量等の変動を調査し、現在の浸出水処理システムに与える影響と対策を考察した。今回の検討について、最大年降水量の変動がない地域と減少した地域では、ゲリラ豪雨の原因で調整池規模を超える浸出水が発生する可能性があることが確認できた。</p>
著者
肴倉 宏史 成岡 朋弘
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.28, 2017

筆者らは、有害金属負荷を低減した焼却主灰の土木資材化について検討を行い、含有量の比較的高い落じん灰やボイラー灰等の主灰との混合回避や、エージングにより溶出抑制を図る等の提言を行ってきた<sup>2)</sup>。さらに本報告では、焼却残渣中の有害金属等の由来を探るため、厨芥類や紙・布類といった各可燃物が焼却残渣中の各元素に占める寄与率の推定を試みた。その結果、可燃物の灰化物の元素組成は調査対象施設で採取した全ての焼却残渣から求めた元素組成と良い相関が得られた。有害金属の由来として、Pbはビニール・樹脂類が68%、Cdは木・竹・わら類とゴム・皮革類がそれぞれ38%、29%を占める等の結果となった。
著者
佐藤 法世 松藤 敏彦
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会研究発表会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.39-39, 2008

都市ごみ処理施策に対する住民の満足度を,アンケート調査によって評価した。調査方法は収集システム,再使用・減量化,情報伝達など,43の質問からなっている。調査は,住民基本台帳にもとづく無作為抽出,インターネットモニターによる調査,および調査の簡便性のため環境関係NPO団体調査の,3種類を実施した。前2者のアンケート回収率は,50%程度と高率であった。調査方法別に比べると,インターネット,市民団体調査は,無作為抽出結果と差があり,やはり対象の偏りが避けられない。しかし調査の容易さが特長であり,場合によって方法を使い分ける必要がある。質問項目は少ないことが望ましいため,クラスター分析,因子分析によって項目を再分類した。両者はほぼ同じグループにまとめられ,その中から代表質問を選ぶことで調査は簡便になる。なお,回答者属性のうち,年齢のみに回答との相関が見られた。
著者
溝入 茂
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会論文誌 (ISSN:18835856)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.125-137, 2012 (Released:2012-06-30)
参考文献数
61
被引用文献数
2 1

関東大震災による東京の人口移動により,東京市 (当時) の周辺町ではごみ・し尿処理が大きな課題になり,各町は競ってごみ処理体制の充実を図った。その中で1925年から26年にかけて起きたのが東京府目黒町と渋谷町の間のごみ戦争である。渋谷町が町のごみ焼却場を隣の目黒町に設置する計画を実行に移したため,目黒町の住民が反発し,遂には警察による逮捕騒ぎまで起きた。最終的には両町の間で妥協が成立し,渋谷町ごみ焼却場は目黒町に設置されたが,操業後もばい煙問題は解決できず,1932年の東京市との合併にあわせ廃止された。この経過を新たに見つかった資料を加えながら論じるとともに,迷惑施設の設置に関して考察した。
著者
川野 豊
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.165-170, 2016-05-31 (Released:2020-07-01)
参考文献数
6

わが国においては,「食品ロス」は 642 万 ton と推計されており,食品関連事業者と家庭からそれぞれ同程度排出されている。 食品ロスの削減に向けた取り組みとして,以下の取り組みがある。・食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律 (以下,食品リサイクル法) に基づく新たな基本方針を策定し,食品廃棄物等の発生抑制を最優先とすることことし,関係者が連携して食品ロスを削減する。・食品リサイクル法に基づき,31 業種について発生抑制の目標値を設定した。・「食品ロス削減のための商慣習検討ワーキングチーム (WT) 」 が設置され,4 年間の討議を通じて,商慣習の見直しについて検討が行われた。・食品ロス削減に関わる省庁が連携して,食品ロス削減国民運動を展開し,関係者の実践を促進した。 大量の食品ロスを排出し続けることは,世界的にも大きな課題である。食品関連事業者,関係府省庁,地方自治体,そして消費者一人ひとりが協力して食品ロス削減に向けて取り組むことが重要である。
著者
村田 徳治
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会誌 (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.6, no.3, pp.242-250, 1995-05-31 (Released:2010-05-31)
参考文献数
19

乾電池は, 環境汚染や資源枯渇が問題視されている重金属やその化合物から構成されており, 持続可能な社会を構築する上でエネルギー効率や資源的な視点から, 乾電池のエネルギー収支を試算した。その結果, マンガン乾電池は, その原料である金属亜鉛・電解二酸化マンガン・鉄を製造するために消費したエネルギーのたった0.3%以下しか利用することができず, 残りの99.7%はエネルギーの無駄使いになっていた。また, 効率が良いとされているアルカリマンガン乾電池ですら, エネルギー効率はわずか0.6%以下であった。製造に関する基礎的なデータはメーカー側に握られており, 試算のための基礎資料の入手は困難であった。産業側が秘匿している基礎データの開示とデータベースの充実により, 科学的なデータに立脚したLCAが実施される必要がある。
著者
小出 秀雄
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.13, 2011

使用済みの財をごみとして排出する際に減量する消費者と、そのごみを引き取って適正処理(あるいは再資源化)する生産者の経済理論モデルの一例を示し、引取料金の符号に関わらず連続する需給曲線を導出する。そして、バッズをグッズ化する方向性の要因を3つ挙げ、それぞれの性質を分析する。
著者
郡嶌 孝
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会誌 (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.6, no.6, pp.457-464, 1995-11-30
被引用文献数
2

経済学のペティ・クラークの法則に示される通り, 先進国では第三次産業の社会, すなわち, サービス化社会が到来しているといえる。ダニエル・ベルはこのような変化を脱工業社会としての社会の進歩として論じ, 一般的には, 経済進歩に伴う産業構造の変化は農集社会から産菜社会, そしてサービス化社会への転換として論じられている。サービス化社会におけるその鍵は産業の「情報革命」と環境問題へ対応した「サスティナビリティ革命」にあるといえる。サービス化社会との関係の中での「サスティナビリティ革命」を取り上げることにより, たとえば, 環境政策において導入され始めた「メーカー責任」や「リテイク」など, 地球環境問題がこれまで大量生産・大量消費・大量廃棄になる経済構造や生活様式の見直しをいいながらも, 諭じてこなかったその方法や見直し後のそれらについて, リサイクル経済に代わり求められるグランド・ビジョンを示すことが必要である。
著者
嘉門 雅史
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会誌 (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.147-155, 1999-03-31
参考文献数
10
被引用文献数
5 1

廃棄物の適正処理・処分の必要性から最終処分場の構造について, 平成9年の廃棄物処理法の改正に伴って, 平成10年6月16日に総理府・厚生省令第2号として「一般廃棄物および産業廃棄物の最終処分場に係わる技術上の基準」の改正案が官報告示された。Fail-safeの設計規範の視点から, わが国の最終処分場の遮水工構造が不十分であることを指摘してきたが, 今回の改正によって, 公式に二重シートが規定されるなど, 一定の前進が見られている。しかしながら, 諸外国の遮水工の規定と比較すると必ずしも万全の構造とはいえないことを地盤工学的立場から明らかにし, 海面埋立地, 内陸埋立地によく見られる処分場断面事例における遮水性能を検討するとともに, より適正な遮水工構造のあり方を探るものである。
著者
川嵜 幹生 鈴木 和将 磯部 友護 渡辺 洋一
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第26回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.27, 2015 (Released:2015-10-19)

不燃ごみとして捨てられる使用済み化粧品や医薬品についての処理処分に関わる課題について、本学会誌及び昨年度の研究発表会にて報告した。その主な要点は、①自治体が示している不燃ごみの出し方は、資源の出し方とは異なり、「中身を出し、軽くすすぐ」といった記述がない②化粧品、医薬品等の出し方に関する説明が少ない③使い切っていない化粧品や医薬品等が不燃ごみに混入しており、そのまま破砕され埋立処分されている④種類によっては、焼却灰より有機汚濁負荷能力が高いものもある等である。しかし、これまでの検討においては、不燃ごみ中に含まれている化粧品、医薬品等の量に関する調査は実施していなかった。そこで、不燃ごみ中に含まれている化粧品、医薬品等のピックアップ調査を行い、混入量に対する知見が得られたため報告する。
著者
松井 康弘 足立 裕紀
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.25, 2014

循環型社会の構築に向け、Recycleに関する法制度・システムの整備が進む中、本来優先すべきReduce/Reuseの2Rの取り組みが立ち遅れているのが現状である。また、先行研究において、20-40代の若年層・学生等の分別参加率が相対的に低いことが明らかとなっており、2R・若年層の普及啓発が課題となっている。本研究では、主に若年層が参加する岡山市の飲み歩きイベント「ハレノミーノnishigawa」、「有機生活マーケットいち」と連携して3R体験イベント「食べきりーの飲みきりーので、はじまるオニ退治」を開催し、参加者に対する3Rの普及啓発を図ることとした。また、参加者に対してアンケート調査を実施し、3Rに対する認知・参加・今後の意向等の実態を調査したので結果を報告する。
著者
髙橋 一彰
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.377-384, 2016
被引用文献数
2

水銀に関する水俣条約について,日本は水銀による環境の汚染の防止に関する法律や大気汚染防止法の一部を改正する法律をはじめとしたさまざまな法令や政策の整備を進め,2016 (平成 28) 年 2 月 2 日に条約を受諾した。水俣条約の実施のための法令により,大気排出の削減や水銀需要の減少が見込まれるところであるが,今後の水銀の需給バランスに影響するとみられる。今後の水銀の適切な管理の推進のため,マテリアルフローの充実を図ることが求められる。<br> また水俣条約は間もなく発効と予想されるところ,地球規模での水銀対策についてさまざまな取り組みが行われることが見込まれる。水俣病を経験した国である日本は,水俣条約の効果的な実施について重要な役割があるといえる。今後,国内制度の着実な運用を図っていくとともに,水俣条約締約国会議等における議論への貢献やさまざまな国との連携を図りつつ,途上国における取り組みの支援等を推進していくことが期待される。
著者
鈴木 航 江草 知通 寺沢 良則 増山 政次 澤本 嘉正
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第31回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.251, 2020 (Released:2020-11-30)

近年,ごみ焼却施設の運営形態を地方自治体によるものから,民間を活用したDBO(Design Build Operate:公設民営)へと移行するケースが増えている。その一方でベテラン運転員の不足が深刻化しており,安定稼働とコスト削減を両立していく上で,これまで以上に遠隔からの運転支援が必要不可欠なものとなりつつある。こうした中,当社では複数の焼却施設の運転状況を一元管理すべく,遠隔監視・運転支援システム 及び AI(Artificial Intelligence) やクラウドを活用した運転支援システムを構築して運転データを集約し,得られたノウハウを水平展開することによって,DBO施設における運営の高度化・効率化を図っている。本報では,当社システムの現状とその高度化に関する取組み状況,そして,それらも活用した横浜市との共同研究の概要について述べる。
著者
山本 勝彦 三沢 真一 肥塚 和彦 三村 良平
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物学会論文誌 (ISSN:18831648)
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.195-203, 2000-07-31
参考文献数
23
被引用文献数
2

本実験は, RDFの利用用途の開発を目的として, 木材や石炭の燃料精製に適用されている炭化工程により, 家庭系可燃ごみから製造されたRDFを炭化物とした。この結果, 炭化物の容積は, ごみ段階から1/10~1/8に減少し, 重量ではごみ段階の1/8~1/6に減少した。また, RDFからは容積, 重量ともに約1/3に低下した。もう1つの炭化処理の効果として, RDFに含まれる塩素が熱分解により塩化水素として分離され, RDFの塩素含有量が61%削減された。炭化物には植物が必要な微量成分が含まれており, 有害物質の含有量も溶出量も少ないことから, 土壌改良材として使用できることが明らかとなった。<BR>炭化物の塩素含有量を削減するため, 粉砕した炭化物を水洗し, 温水 (80℃) と水蒸気 (115℃) で洗浄することにより, RDF中の塩素含有量は最終的に90%以上が除去された。この実験から, 以下の3点がRDFを炭化処理する利点として得られた。第1には, 広域化処理を念頭に置いた場合, 炭化物はごみ輸送あるいはRDF輸送から炭化物輸送に転換することにより輸送効率を改善できることであり, 第2はRDFより塩素含有量の少ない燃料として利用できることさらに, 第3は炭化物は土壌改良材に利用できること, である。
著者
佐藤 順子
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.294-300, 2020

本稿はフードバンクによる食料支援にはどのような意義があるかについて考察することを目的としたものである。フードバンクは生活困窮者支援においてインフォーマル・サービスとして位置づけられている。社会保障制度ではフォーマル・サービスとしての所得保障が重要でありつつも,フードバンクによる食料支援は,生活困窮者支援団体との連携によって,所得保障を補完し,同時に所得保障に橋渡しをする役割を担っている。フードバンクが困窮者支援の役割を果たすためには,国および自治体による恒常的な支援が今後さらに必要となってくると考える。
著者
巽 正志 西田 憲一 岩出 義人 谷口 初美 福田 和正 古市 徹 秋永 克三 吉岡 理 大熊 和行
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.268, 2010

三重県桑名市の不法投棄現場は有機溶剤系の廃棄物が多く投棄されており、それらVOCを含む汚染地下水が周辺に拡散したサイトである。そのサイトでは、2002年度から遮水壁による汚染物質の囲い込みおよび揚水循環浄化法により環境修復事業を実施している。その経過については既に本学会で発表した。今回は、高濃度汚染除去後に微生物分解による減衰を低濃度汚染残留地の浄化に採用するため、三重県では微生物叢によるモニタリング方法、および微生物分解によるVOC汚染浄化の調査研究を行っており、これまで行った試験結果について報告する。 クローンライブラリー法により汚染サイトの土壌等の菌叢調査を実施した。VOC含量の高い土壌中ではAciobacter sp.の存在比が高かった。また、現場地下水にVOCを添加した系でベンゼン、トルエンの微生物分解試験を行った結果、約50時間で分解された。
著者
吉識 宗佳
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会誌 (ISSN:18835864)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.215-222, 2018-05-31 (Released:2019-05-31)
参考文献数
16

リサイクルビジネスでは,人口減少等の社会経済動向を受けて,今後効率化と付加価値創造の両面で生産性向上が必要となる。IoT,ビッグデータ,AI,ロボット等のテクノロジーは,生産性を向上させ成長を実現する有力なツールである。現在,廃棄物処理・リサイクル IoT 導入促進協議会の場等で,産官学連携による IoT 活用の検討が進められている。本稿では,リサイクルビジネス事業者の課題と関連業界での活用の先行事例に基づき,これらテクノロジーの活用分野と普及に向けた課題,IoT 活用研究の可能性について論じた。
著者
中野 裕 川本 直哉 梅本 司 桂木 格
出版者
一般社団法人 廃棄物資源循環学会
雑誌
廃棄物資源循環学会研究発表会講演集 第31回廃棄物資源循環学会研究発表会
巻号頁・発行日
pp.95, 2020 (Released:2020-11-30)

我が国では少子高齢化や生産年齢人口の減少が進展する中、ロボット技術は、製造業の生産現場、医療・介護現場、農業・建設・インフラの作業現場などの幅広い分野で、人手不足の解消、過重な労働からの解放、生産性の向上などの社会課題を解決する可能性を有している。 資源化施設における選別工程では、機械による選別に加えて、精度向上のため、人による手選別が広く採用されている。手選別作業はベルトコンベヤ上で行われることが多く、作業員はベルトコンベヤ上を流れる混合廃棄物の中から対象物または異物を見つけ、選別・除去を行っている。これらは繁忙な作業であることに加えて、選別対象物に重量物が含まれる場合もあり、作業員への負担は小さくない。当社は手選別作業に係る負荷軽減を目的として、人共存型ロボットによる支援システムの開発を行っており、本稿ではその取り組みについて紹介する。