著者
朴美娘 井上 徹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.36, pp.27-33, 2000-05-10
参考文献数
12
被引用文献数
1

インターネット上でECを始め国際間の金融取引等様々なビジネスが盛んに行われつつあることによって,これらのサービスを利用するユーザを守るために法律的に定められた監視システムなどが必要になってきている.本研究では,インターネット上で多地点における多数のユーザにデータ転送サービスを行うグループ暗号通信において,鍵供託サービスを提供可能にする鍵供託スキームについて検討する.特に,大規模のグループ通信において,ネットワークリソースを効率よく利用できるIPマルチキャスト通信フラットフォームを利用した鍵供託システムの構築に関する考察を行う.ここでは,捜査機関が捜査対象のグループ通信メンバの一員になることによってリアルタイムにアクセス可能になり,グループ暗号通信のセッション鍵がダイナミックに更新しても鍵を供託できると共に,裁判所から許可された傍受期間が終わると自動的にグループから削除されることによって,無制限な盗聴を防ぐことができプライバシー保護ができるグループ暗号通信鍵供託モデルを提案する.If the Internet and other public networks, such as mobile telecommunications networks, are to be used for commerce, then in many cases privacy for confidential user information is required. Typically a certain legal agency wishing to intercept the communications of a suspected criminal can do so if granted a warrant from a judicial authority. In this paper, we discuss about a key escrow scheme for a secure commnunication group, which is satisfied with the requirements for legal interception. The idea of such a scheme is that an interception agency becomes an inner member of a suspected group, when an agency is given authorization to intercept a particular group communications. Therefore, interception agency can escrow a session key near-real-time access when a warrant is held.
著者
永井 明人 増塩 智宏 高山 泰博 鈴木 克志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.23, pp.125-130, 2003-03-06
参考文献数
9
被引用文献数
1

インターネットでは一般からの情報発信が盛んになり、企業や製品に関する消費者の生の声(風評)が広く公開されるようになった。そこで、これらの大量の風評からクレームを抽出して、迅速なクレーム対応を実現する要求が企業において急速に高まっている。こうした要求を背景として、Web上に広がる企業や製品のクレーム情報を抽出して監視するインターネット情報監視システムを試作した。特徴は、(1) 文内の単語共起照合に基づく精密なクレーム抽出、(2) 収集したクレーム情報をマクロに時系列分析して、クレームの急増を検知するトレンド分析、(3) Web全文検索エンジンと掲示板クローラを組合わせた、大量・最新文書の収集、である。本稿では、この試作システムの概要を述べる。This paper describes an internet watching system which enables to extract consumer claims automatically from an internet. Reputation of enterprises or products latent so far is coming to appear and spread fast in an internet because everyone can send and read many messages easily in the internet. Then, it is highly required to find claims for the enterprises in order to cope with the claims quickly in terms of risk management. So we have developed and prototyped the system which is characterized by technologies of automatic claim extraction, trend analysis of claims and collection of numerous and latest documents.
著者
木村 洋章 渡辺 俊典 古賀 久志 張諾
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.94, pp.65-70, 2006-09-12
参考文献数
11

著者らは情報の圧縮性に着目した新たなマルチメディアデータ解析手法の研究を進めている.PRDC(Pattern Representation Scheme using Data Compression)[1]と呼ぶこの新概念の中では,二つのデータX,Yの類似度を,それらを圧縮辞書D1,D2,…,Dnで圧縮した時の圧縮率ベクトルの類似度で判断する.本論文ではPRDCを用いた新文書検索システムの可能性を探る.部分的ではあるが,文書分類,公知/特異句抽出,文書要約,など将来の高自立・適応文書検索システムの実現に重要な機能を実現できる可能性を提示する.キーワード 文書解析,情報検索,要約,新句抽出,データ圧縮We have been studying a new multimedia data analysis scheme based on the concept of compressibility. In this new concept of PRDC(Pattern Representation Scheme using Data Compression)[1], we consider two data, let them X and Y, are similar if their compressibility vectors under a set of compression dictionaries D1, D2, ..., Dn are similar. Here we investigate the possibility of new document retrieval system using the PRDC. We prove that PRDC has possibilities to solve several fundamental problems including, document classification, common/distinguished phrase extraction, and summary, that should be realized in the future highly autonomous and adaptive document retrieval systems.Key words Document analysis, Retrieval, Summarization, New phrase detection, Data compression
著者
清水 孝一 山本 潮 小野里 好邦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.56, pp.59-64, 1999-07-15
参考文献数
2
被引用文献数
2

近年のインターネットの普及により,仮想空間をネットワーク上に展開することによって,人々のコミュニケーションの場として様々なサービスに発展してきている.しかし,参加者の増加に伴いサーバに対する負荷が懸念されており,多くのユーザをサポートするための研究が盛んに行なわれている.そこで,多くのユーザを仮想空間内に投影させる方式の一つとして,サーバを複数用意し,一つのサーバが管理する領域を分割し,多くのユーザをサポートすることが可能な方式が考えられ実装されている.しかし,任意の管理領域にクライアントが集中した場合,この空間分割方式では効果をあげることができない.最悪の場合,一つの空間に全てのクライアントが集中してしまう恐れもある.本稿では,この分割管理されているサーバ管理領域を動的に変化させ,サーバの負荷を分散させるための方式を提案する.また,本方式を用いてプロトタイプを作成したので,従来の方式と比較し考察する.Recently, according to increasing Internet users, various services have been developed. One of such services is providing virtual environments where the users communicate with each other. However, by the number of users increases, much reearch effort has been devoted to support large number of users. One of such methods is that a virtual space is devided into some blocks and each block is managed by each server. However, each server manages each fixed virtual space and take care of users in its managing region, and such approach is not effective, in case that many users concentrate in some part of virtual space. In the worst case, all of the users concentrates in one block of virtual space. In this paper, we propose the multi server-managed virtual space model in which the load of managing virtual space is well-balanced to servers by dynamically changing managed regions. We demonstrate a prototype system, as a result of comparing our prototype system with multiple server system without dynamic change of managed system.
著者
野田 五十樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.44, no.9, pp.927-930, 2003-09-15
参考文献数
8
被引用文献数
2
著者
古宮 誠一 今泉 俊幸 橋浦 弘明 松浦 佐江子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.5, pp.1-8, 2014-03-12

プログラミングの初学者にとって,プログラムの記述から,そのプログラムの挙動を思い描くことは難しい。その原因は,初学者がプログラムの実行を制御する構文の記述内容が変わるとプログラムの挙動がどのように変化するかということを理解できていないからだと考えられる。そこで著者らは,制御構文と再帰関数を採り上げ,これらの構文の記述内容によってプログラムの挙動がどのようになるか,プログラムの挙動を可視化するシステム AZUR を開発した。そして,AZUR をプログラミングの演習授業に導入し,学生達が使用した結果を分析することにより,AZUR の可視化機能がプログラミングの学習に有効であることを示している。It is difficult for beginner programmers imagine how a program does behave. It is thought that the cause is because beginners cannot understand it how the behavior of the program changes when control statements (e.g. if-statement, while-statement, switch-statements) are changed. Therefore they focused on control statements and recursive function, and developed system AZUR which visualized the behavior of the program. And they introduce AZUR into a programming class and verified that a visualization function of AZUR is effective for learning of the programming by analyzing the result that students used.
著者
中川 裕太 河野 恭之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.10, pp.1-7, 2015-01-07

本研究は手持ちカメラを撮影者自身に向けて撮影した "自撮り" 動画像から人物領域を推定して抽出する手法を提案する.撮影者自身と背景を写せる自撮りは手軽に自身の体験や状況を他者と共有できる.しかし一般的な自撮りではレンズと撮影者の距離が腕の長さに制限されてしまうため,どれも背景が広く写らない自撮り特有の構図になってしまう.そこで本研究では自撮り動画像から人物領域だけを自動で抽出し,加工や修正,または合成用素材に利用しやすい状態にして編集することで自撮り特有の構図に縛られない自由な自撮り写真の作成に活用するための人物領域抽出手法を提案する.自撮り動画像はカメラを持った腕を前方に伸ばして撮影者自身が写り込むようにし,カメラは撮影者自身に向けたまま身体が中心軸になるように体を回転させて撮影する.撮影者自身はフレームのほぼ中央に写り込み続けてあまり時間軸に対して変動しない人物領域となるが,その周囲の背景領域ではフレーム内に写り込む背景が時間軸に対して大きく変動する.また撮影者の背面に隠れて写り込まなかった背景空間がカメラの回転移動により背景領域に写り込むため,前景である人物領域とその背面に隠れていた背景の差分を検出できる.これら背景領域と人物領域の特徴に着目して各領域を推定し,推定結果を基に GrabCut アルゴリズムを利用して人物領域を抽出する.
著者
中川裕太 河野恭之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.8, pp.1-6, 2013-05-10

通常の自撮り写真ではカメラのレンズと撮影者自身との距離が最長でも腕の長さに制限されるため背景を広く写しこむことが難しい.自撮り写真の背景を広く映し込むことは写真の情報量を多くするだけではなく,1 枚の写真で撮影者自身の様子と周囲の状況を見栄え良く伝えられるため,SNS への投稿など体験の記録や共有に効果的である本研究では自撮り動画像から人物領域を抽出し,背景のみを繋ぎ合わせた背景パノラマ画像と人物のみの画像を生成して重ね合わせることで従来では撮影しづらかった背景が広く写った自撮り写真を生成する手法を提案する.自撮り動画像はカメラを持った腕を前方に伸ばして撮影者が写り込むようにし,カメラは撮影者自身に向けたまま身体が中心軸になるように腰を回転させて撮影するものとする.この撮影方法で得られた動画像中の背景領域は横軸方向へ変動するのに対し人物領域はほぼ変動しない.この変動の差異を動画像中の特徴点移動量と分割ブロックごとの輝度の時間軸変動から検出して人物領域を推定し,残りの背景領域を背景の移動量に合わせて重ね合わせた背景パノラマ画像に貼り合わせることで自撮りパノラマ写真を生成する.
著者
佐川 暢俊 金野千里 梅谷 征雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.36-45, 1989-01-15
被引用文献数
15

スーパコンピュータによる大規模な数値シミュレーションの要求が高まっているが そのソフトウェア環境は必ずしも満足すべきものではない.著者らはプログラム生産性の大幅な向上とスーパコンピュータの有効利用とをねらいとしてDEQSOL(Differential EQuation SOlver Language)の開発を進めている.DEQSOLは 問題仕様書レベルの記述からFORTRANによる数値シミュレーションプログラムの自動生成を行う問題向き高水準言語である.入力となるDEQSOL言語はシミュレーション対象を簡潔に表現するとともに解法アルゴリズムを柔軟に表現できるように設計されている.すなわち 空間メッシュの生成 境界条件の取り込みを自動的に行うのみならず 繰り返し 条件分岐と微分演算子を含む計算式を組み合わせて広範囲の解法スキームを構築することができる.連立偏微分方程式の一括離散化 Body Fit用プリプロせッサの装備などの拡張を加え さらなる適用範囲の拡大を図りつつある.一方生成されるFORTRANコードはスーパコンピュータを意識したものであり ループ長の拡大 コンフリクトの少ないデータ構造の採用などの配慮がなされている.その結果 各種の問題に対して記述効率(記述行数比)でFORTRANの10倍以上 ベクトル化率で90%以上のコードの生成を可能としている.
著者
伊藤 敏彦 大谷耕嗣 肥田野 勝 山本 幹雄 中川 聖一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.109, pp.49-56, 1994-12-15
被引用文献数
5

自然な発話を許す音声対話システムでは、ユーザの発話を表現する文法が書き言葉と比べてかなり緩くなり、しかも間投詞、言い直しなどの現象も多く生じるため、音声認識率はどうしても低くなる。受理可能な文を多くすることと認識率はトレードオフであるためどこかで妥協する必要があり、このため話者の入力文と受理可能な文にはギャップが生じる。また自然な発話を音声認識部だけで対処することは現在のところ無理があり、誤認識された入力文にも対処することが意味理解部に要求される。本報告では以上の問題点に関する検討のための基礎データを集めることを目標に行なった3つの実験について述べる。一つ目は音声対話システムを使用するユーザへの事前の説明を変えることによって対話システムへのユーザの入力がどのように変化するかを調べた。二つ目はユーザの入力文数に対して異なり単語数がどのように変化するかを調べ、あるタスクでどの程度の単語数が必要かを検討した。三つ目の実験は音声認識部によって生じた誤認識を人間はどれくらい原文と意味的に同じ文に訂正できるかである。It is difficult to recognize and understand spontaneous speech, because spontaneous speech has many phenomena of ambiguty such as omissions, inversions, repairs and so on. Since there is a trade-off between the looseness of linguistic constraints and recognition precision, the recognizer cannot perfectly recognize the completely free speech of the user on the current art of speech recognition. Therefore some problems arise. First problem is that there are gaps between sentences a dialog sysytem can accept and sentences the user wants to say. Second problem is that the semantic analyzer has to understand sentences with misrecognition that human never utters. In this paper, we describe three experiments concerning the problems of spontaneous speech dialog systems and their results. First experiment is about effects of a prior explanation of the system's limit on the speaker's utterance. Second experiment is about the relationship between the number of different words and the number of inputs. Third experiment is about recovery strategies of human to understand correct meanings of misrecognized sentences.
著者
小池 真由美 小暮 拓世 藤井 寛 曽根原 登
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.23, pp.61-65, 2005-03-11
参考文献数
6
被引用文献数
1

数あるセキュアコンテンツ伝送方式の中でデジタルシネマコンテンツは固有の課題を抱えている。2K/4Kレベルの2時間動画をファイル化してネットワーク転送する事は、経済性や信頼性の面であまり得策ではなく、ストリーム型やそれに準じた配信方式が当面多用されると思われる。一方、配給会社のセキュリティー政策の違いや上映シアターの端末等の多様性を考慮すれば、端末では、共通プラットホーム的なDRMの相互運用性を確保することが要求されよう。本稿では、デジタルシネマの配信を考慮したセキュアコンテンツ配信についてのDRM標準方式の実装検証とそこから浮上した技術課題について考察する。ISO/IEC, MPEG-2 system standard consist from stream configuration including MPEG-2 IPMP part. MPEG-2 system stream can transfer Digital Cinema Content securely by using MPEG-2 system IPMP function where PSI(Program Specific Information) portion. Originally this PSI can use for broadcast contents carriage however this PSI also can map IPMP standard for secure interoperable compatible DRM system.This paper describe the implementation study of this high level standard actually on the practical terminal and through this feasible study try to find out the necessary middle layer standard interface for practical application. Actual amendment proposal will be necessary for this purpose.
著者
高田 昌忠 長島 勝城 渡辺 尚
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.10, pp.2513-2522, 2005-10-15
被引用文献数
1

無指向性アンテナを前提とした従来の無線アドホックネットワークMACプロトコルの空間利用効率が低い等の問題に対して著者らは,干渉の低減・空間利用効率の向上・通信距離の拡張を提供しうるスマートアンテナを利用したアドホックネットワークMACプロトコルSWAMP(Smart antennasbased Wider-range Access MAC Protocol)を提案している.本論文では計算機シミュレーションによるSWAMPの性能評価を実施し,スループット・遅延・オーバヘッド特性を明らかにする.その結果,IEEE 802.11と比較しSWAMPは約3.5倍のスループットおよび低遅延を実現し,追加したオーバヘッドがあるものの,それを上回る性能向上がなされることを示す.また,ノードの移動速度・ノード密度に対するスループット特性をそれぞれ示す.次に,SWAMPの通信失敗の原因を7つに分類して考察し,低負荷時にはアンテナの指向性制御が不正確になる問題が発生することを示す.さらに,この問題に関連するビーム幅,近隣端末位置情報の有効期間および最大再送回数がSWAMPの性能に与える影響に関してそれぞれ検討を行う.結果,負荷量・ノードの移動速度に応じてビーム幅の適応制御を行うことでさらなるSWAMPの性能向上の可能性があることを示す.To address issues of MAC protocols using omni-directional antennas, such as the low efficiency of spatial reuse, authors have proposed a MAC protocol for ad hoc networks using smart antennas called SWAMP (Smart antennas based Wider-range Access MAC Protocol). Smart antennas may offer some benefits, e.g., interference reduction, spatial reuse enhancement and the transmission range extension. This paper evaluates SWAMP through simulation studies in terms of throughput, End-to-End delay and overhead characteristics. Results show that SWAMP improves throughput and delay performance against IEEE 802.11 though it has more overhead. Also, we evaluate the effects of the mobility of nodes and node density. This paper then investigates different factors which reduce the probability of successful transmissions. SWAMP increases the communication failure due to location information staleness when offered load is low because a gap between the table information and actual location of the neighbor nodes is arisen due to the lapse of time and the mobility of nodes. This paper also examines the effects of the beamwidth and lifetime of the location information associated with location information staleness. The experimental results show that the dynamic adaptation of the beamwidth may mitigate the location information staleness and improve the overall network performance.
著者
境 隆一 光成 滋生 笠原 正雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.75, pp.75-80, 2001-07-25
参考文献数
13

従来,楕円曲線上定義をされたペアリングは楕円暗号の解読に応用されていたが,近年,このようなペアリングが双線形写像であることを利用した暗号方式がいくつか提案されている。本稿では,これらの暗号方式を紹介すると共に,不正利用者の追跡が可能な放送用鍵配送の基本方式を提案する。この方式は,黒澤-Desmetの方式では実現されなかった。利用者の結託攻撃に対する安全性を有していると考えられ,実用上も極めて重要な方式である。また,新たなペアリングを利用した暗号方式についても考察する。Weil pairing and Tate pairing are the bilinear mappings from n torsion points of elliptic curves to a finite field. In this report, we review some cryptographic schemes based on Weil pairing or Tate pairing over elliptic curves. These schemes can be realized by the bilinear mapping of the pairings. We then propose a new key distribution scheme for broadcast encryption which is traceable traitors. The new broadcast key distribution scheme for the traitor tracing whose broadcasting data contain the constant header is firstly realized the security against the collusion attacks.
著者
酒居 敬一 光成 滋生 成田 剛 石田 計 藤井 寛 庄司 信利
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.1028-1038, 2002-04-15
参考文献数
19

近年の汎用パーソナルコンピュータに多く使われているIA-32プロセッサは過去との互換性のために命令体系はCISC的である.しかし内部動作はRISCマイクロ命令への変換,ハイパーパイプライン,アウトオブオーダ,などRISC的アーキテクチャが多数取り入れられている.さらにSIMD的演算命令の搭載によりデータ並列処理を実現している.とはいえその新しい機構に応じたコードを生成するコンパイラはまだまだ少数であり,また対応していたとしてもコンパイラ独自の拡張C言語による記述が必要であることが多い.そのため通常のC言語による記述を主体としたベンチマークではプロセッサの正当な評価を行いにくい.そこで我々は実用的なアプリケーションとしてMP3エンコーダを選択しコード全般にわたってアセンブリ言語による最適化処理を行った.その結果C言語によるコードに対し2倍から3倍の高速化を達成した.The architecture of IA-32 processors, which are recently used in personalcomputers in general, can execute the industry-standard x86 instruction setlike CISC for binary compatibility.But in fact, the processors process simpler RISC micro operations instead ofcomplex x86 instructions, and support hyper pipelined technology and out-of-oder speculative execution.IA-32 processor also has the SIMD instructions.However, there are few compilers which generate the code supporting the newtechnology, or we must use the extended C language, if any.Therefore it is difficult to evaluate the processor exactly by the benchmarkbased on the ordinary C language.Then we chose a MP3 encoder for practical application and rewrote the mainroutines of the encoder by assembly language.As a result, we have achieved about two or three times faster optimization.
著者
川西 直 川原 圭博 坂生 知子 森川 博之 青山 友紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.115, pp.73-78, 2003-11-18
被引用文献数
2

来るべきユビキタスコンピューティング環境では,センサや無線通信技術により実空間と仮想空間とが密に相互接続されることにより、実空間情報を利用したエンターテインメントアプリケーションを提供することが可能になると考えられている.我々は,このようなアプリケーションがユビキタスコンピューティング環境におけるキラーアプリケーションの一つになりうると考え,実空間情報を元に動的に構築される仮想空間上に自律分散的に生息するモンスターを,実空間を移動して収集するゲームとして,実空間指向エンターテインメントアプリケーション「ユビキタスモンスター(Ubiquitous Monster)」を提案し,適応型サービスプラットフォーム「Jack-in-the-Net(Ja-Net)」上への試作を進めている.本稿では,ユビキタスモンスターのモンスターをJa-Netの自律分散コンポーネントであるCyber-Entity(CE)として設計し,実空間情報を元に自律分散動作させる機構について述べる.Ubiquitous computing environment will converge real and virtual worlds and serve as a platform for real-world oriented, entertainment applications that use various sensor data.With this vision, we propose a new monster-collection game called "Ubiquitous Monster" where many autonomous entities called monsters live in networked computer-nodes, autonomously migrate among nodes, and interact with other monsters. Mobile users collect monsters that appear at each environment as they travel among these environments. Different monsters may appear in different environments depending on local sensor data. We have been developing Ubiquitous Monster using an adaptive networking service platform called Ja-Net where monsters are implemented as Ja Net's autonomous service components called "cyber-entities". In this paper, we describe a mechanism to achieve autonomous and distributed behavior control of monsters based on real-world sensor data.
著者
久保田悠斗 下郡啓夫 大場みち子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.1, pp.755-757, 2012-03-06

プログラミングに関して数学が重要であると言われている.しかし,数学学習によるプログラミング能力向上の効果を検証した研究はなく,今だ,曖昧である.本研究では,プログラミング能力と数学の力が関係しているのかを検証する.また,プログラミングと数学との間に何らかの関係が示された時,どのような問題,問題形式がプログラミング能力を伸ばしていくものとしてあり得るかを検討する.さらに,それらの問題の効果的な数学学習方式を提案する.
著者
木村 朝子 柴田 史久 鶴田 剛史 酒井 理生 鬼柳 牧子 田村 秀行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.1327-1339, 2006-04-15
参考文献数
21
被引用文献数
16

近未来社会のヒューマンインタフェースのあるべき姿として,映画『マイノリティ・リポート』に登場する広視野ディスプレイとジェスチャ操作の組合せを考える.本研究ではまず,広視野電子作業空間に適した作業の想定・分類から始め,これを実現する基幹システムと基本ジェスチャコマンドを開発した.そのうえで,このシステムに立体映像表示,実物体の導入,複合現実感へと発展する体系「MRキューブ」を提唱する.その試作実現例として.ビデオ映像編集と医用画像の閲覧・管理を題材としたシステムを開発し,その操作性と有用性について検証した.
著者
山口 浩 大久保 美也子 北沢 敦 辻井 重男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.43, pp.19-24, 2002-05-23
被引用文献数
4

投票者のプライバシを守りつつ不正投票を防止する方式としてこれまでにブラインド署名、ミックスネット匿名チャンネル、準同型暗号系を利用した方式が提案されている。これら方式の特長を研究の流れに沿って列挙、比較検討を行う。また近い将来、これら提案された方式を適用した電子投票システムの実用化が近いことを考慮し、計算機器、通信機器がこれら提案された方式において必要とされる計算量、通信量、信頼性にどの程度対応可能であるかを考察する。併せて運用性の問題も考察する。Many papers have been written on the electronic voting schemes discussing the required properties of elections, among which are privacy, universal verifiability and various forms of robustness, Recent advancements have also been concerned with performance aspect. We will compare different features of three schemes using blind signatures, mix-net anonymous channel, and partially compatible homomorphisms. We also discuss the new properties particularly concerned with the computation and communication capabilities, reliability of computer and communication systems and operationability.
著者
伊藤 昭 矢野 博之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.944-952, 1997-05-15
参考文献数
13
被引用文献数
2

自己の利益をのみ追求するエージェントの社会では, どのようにして協調が発現するのであろうか. 我々は, 過去の対戦履歴が公開されるという条件の下で, エージェントが囚人のジレンマと同型の対戦を, 相手を次々と替えながら行わねばならないとき, どのような対戦戦略を採用すればよいのかを調べてきた. 今回は, どのようにして協調的戦略が社会的に発現 (進化) するのか, またそのための条件は何かなどを, 遺伝的アルゴリズムの手法を用いて調べる. 我々は, まず対戦戦略アルゴリズムを抽象計算器の上で定義する. 次に, エージェントは対戦利益に応じて子を生成できるものとし, また子エージェント生成に際しては, 戦略アルゴリズムに突然変異を導入してその進化を促す. その結果, 最初単純なしっぺ返し戦略TFTから出発して, 系は非協調的戦略を含む様々な戦略を持つエージェントを生成するが, 生存競争の中でより強い協調的な戦略が成長してくることを示す.
著者
谷垣 宏一 徳本 修一 撫中 達司 匂坂 芳典
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 自然言語処理研究会報告
巻号頁・発行日
vol.2015, no.5, pp.1-8, 2015-01-12

語彙を限定しない語義曖昧性解消 (all-words WSD) のための新しい教師なし学習モデルを提案する.all-words WSD は,辞書知識を言語処理に活用する基礎技術として実用化が期待されるが,識別対象である語義は種類が膨大でかつ分布がドメインに強く依存する性質があり,ラベル付きコーパスの構築を前提とする教師あり学習では実用化を見込むことが難しい.提案法は,ラベルなしコーパスの語と膨大な語義の間に自然な対応を推定するため,2 つの制約をモデル化する: 1) 類似した文脈に出現する語群の語義は,互いの語義からの外挿に従う.2) 同じ語の各出現における語義は,単語タイプ毎の事前分布に従う.これらの相補的制約を単一の階層ベイズモデルに統合し,教師なし all-words WSD を実現する.SemEval データセットを用いた実験結果より提案法の有効性を示す.