著者
石榑 彩乃 吉田 裕亮
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告バイオ情報学(BIO) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.135, pp.85-88, 2006-12-22

不完全データの解析手法の代表的なものとしてEMアルゴリズムがある,本研究では,EMアルゴリズムのMステップにおいて,最尤解が陽に求まらない混合分布問題として,混合コーシ分布を考え,分布を特徴づけるパラメータである,中央値と四分位偏差によりMステップを擬似的最尤推定に置きかえた手法を提案する.EMアルゴリズムにおいて,分布数は既知であることが前提となっているため,分布の推定にはよく知られたAICを用いる.また,混合分布数を2とし,KL情報量により,真の分布と推定されたモデルとの距離を測り,2つの分布の分解能に関する数値実験を行った.The EM algorithm is known as one of tools for the data analysis of incomplete data set. In this study we shall give a technical method in the maximization step of the EM algorithm for the problem of mixture Cauchy distributions. It is quite difficult to estimate the parameters for a Cauchy distribution from given sampling data in maximum likelihood (ML), explicitly. Instead of ML estimator, we will use the median and the quartile, and estimate them by using the bootstrap method. We shall also give some numerical experimentation for the mixture of two Cauchy distributions.
著者
吉田 典弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.104, pp.97-103, 2005-10-22

2003 年度平成15 年度より高等学校において、普通教科「情報」が実施されている。これに関し、教科書が作成されている。本稿では、教科「情報」の中でも一番履修が多いとされる教科書「情報A」に関して、その内容を検討する。また、現在までの大学入学センター試験でおこなわれている「情報関係基礎」との関連について考察する。The purposes of this paper are to point of compare for text book of high school all text "Information A" and which is relation an entrance examination of University.
著者
米司 健一 田中 正行 奥富 正敏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.38, pp.47-52, 2005-05-12
被引用文献数
8

画像撮影時の手ぶれや,対象が動くことによって画像にぶれが生じる.このぶれを等速直線運動で近似すると,ぶれを表すPSF(Point Spread Function)は幅と角度の2つのパラメータで表現することができる.劣化画像の振幅スペクトルは,PSFの幅と角度によって決まる方向と周期で0となる性質を持つ.この劣化画像の振幅スペクトルの周期性と方向性を検出することによって,PSFパラメータの幅ellと角度thetaを推定する.本論文では原画像の周波数特性によらず,劣化画像の振幅スペクトルの周期性と方向性をロバストに検出する手法を提案する.また,実画像実験を通して,提案手法の効果を確認した.An image is degraded by hand blurring or moving object. That degradation can be expressed by PSF(Point Spread Function). The PSF has two parameters of width and the angle, approximating the motion is uniform. An amplitude spectrum of blurred image has a feature based on PSF parameters. PSF parameters can estimate from this feature. This paper presents a new method to estimate PSF parameters from the amplitude spectrum of blurred image. The effect of the proposed method is confirmed by experiments.
著者
屋代 智之 松下 温
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.1781-1789, 2001-07-15
被引用文献数
20 8

ITSを実現するためには,移動体である車両が周囲の車両や道路側設備と確実な通信を行うことが必要となる.従来は周囲の車両との通信は車々間通信,路側機器との通信は路車間通信と,それぞれ別個のものとして設計,開発が行われてきたが,車両が安全に走行するためには,両者はともに不可欠な通信手段である.本論文では,CDMAを用いて車々間通信と路車間通信を統合した通信システムを構築するためのプロトコルI--WarpIIを提案する.I--WarpIIでは,車々間通信にDPAと呼ばれる動的に符号系列を割り当てる方式を用い,それを拡張する形で路車間通信も可能とする.路車間,車々間通信が統合されることにより,それぞれの通信システムでの問題点の解決が容易となる.路車間通信では,シャドウイングの解決が最も重要な課題であるが,I--WarpIIでは,これを解決するために代行登録という手法を導入し,加えて車々間通信を活用することでシャドウイングによる通信断絶を最小限に抑えることを可能とする.車々間通信は通信相手がインフラではなく,別の車両であるため,ある程度車載機器が普及するまでは通信機器が意味をなさないという問題点がある.I--WarpIIでは,そのような場合でもインフラが整備されれば路車間通信として利用可能であり,初期の普及が大幅に容易になると思われる.To realize ITS, it is necessary that each vehicle has a function ofreliable communication with surrounding vehicles and roadsideequipments. The traditional ways of design and development ware realizedas a different technique, nevertheless both communications areindispensable to ensure the safety driving.In this paper, we propose a novel protocol I--WarpII to construct thecommunication system which integrates inter-vehicle communication (IVC)and vehicle-to-roadside communication (VRC).With I--WarpII, VRC is realized by extends of IVC method calledDPA (Dynamic PN-code Assignment). A solution of the problem with eachcommunication system becomes easy by integrating. By using I--WarpII,a shadowing problem that causes serious VRC error is solved by the methodnamed registration proxy. In addition, the use of IVC should be madepossible to restrain the effects of communication error of VRC caused bythe shadowing problem. In IVC, there is a problem that communicationequipment doesn't make sense until the equipment comes into wide use becausea partner of communication is not an infrastructure but another vehicles. If an infrastructure is prepared even in such a case,it can be used for VRC, and it considers that early diffusion of IVCequipment becomes drastically easier with I--WarpII.
著者
島田 哲夫 多田 幸生
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.302-310, 1989-03-15
被引用文献数
3 3

三次元グラフィックスシステムを用いた設計やロボット動作のオフライン教示において 操作性の良い入力方式が必要となる.現在 CADやロボットシミュレータを用いて 設計工程や作業工程の自動化が求められているが 対象が自由曲面である場合 コマンドメニュや言語の組合せによって 曲面モデルの形状処理を行うことは非常に困難である.位置情報を入力する装置としてロケータがあり 従来より 三次元座標の入力に三次元ロケータを用いる手法が提案されているが 曲面形状上をなぞるなどの処理自体がむずかしく 操作性に問題があるという指摘がされている.そこで 作業対象である曲面上を確認しながら しかも曲面から離れた任意の場所に基準点の位置指定ができ 操作性の良い三次元の入力が必要となる.本論文では 対象である自由曲面モデルの展開形状を基準平面とし それぞれの点において 法線方向に可変のオフセット成分を付加した三次元領域を定義域にもつ入力システムを提案する.そして 航空機に用いられているハニカムサンドイッチなどの複合材やタクト・鋼管などの金属溶接部分の欠陥を見出すための超音波探傷用ロボットシミュレータを対象とし 本手法を適用した例をあげる.
著者
田中 正行 奥富 正敏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:18827810)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.80-89, 2006-03-15
被引用文献数
4

複数の低解像度画像から,1つの高解像度画像を再構成する方法として超解像処理がある.超解像処理では,高解像度画像の低解像度画像に対する倍率が重要なパラメータとなる.本論文では,倍率の設計を容易にする超解像の条件数定理を示す.条件数定理は,低解像度画像数が無限であると仮定したとき,任意のPSF(Point Spread Function)に関する超解像方程式の条件数の算出方法を導く定理である.条件数定理により算出される条件数を比較することにより,高解像度画像の低解像度画像に対する倍率およびPSFを設計することができる.また,本研究では,ML(Maximum Likelihood)法に関しての勾配制約も示す.勾配制約とは,PSFのパワースペクトルがML法の評価関数の微分を制限するというものである.条件数定理と勾配制限は理論的に導かれる.具体的にBox型PSFとGaussian型PSFの解析を示し,また,合成画像を利用した実験によりその有効性を確認する.This study presents and proves a condition number theorem for super-resolution (SR). The SR condition number theorem provides the condition number for an arbitrary space-invariant point spread function (PSF) when using an infinite number of low resolution images. A gradient restriction is also derived for maximum likelihood (ML) method. The gradient restriction is presented as an inequality which shows that the power spectrum of the PSF suppresses the spatial frequency component of the gradient of ML cost function. A Box PSF and a Gaussian PSF are analyzed with the SR condition number theorem. Effects of the gradient restriction on super-resolution results are shown using synthetic images.
著者
鈴木 卓治 五島敏芳 牟田昌平
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.8, pp.25-26, 2008-01-25

情報処理学会人文科学とコンピュータ研究会において「デジタルアーカイブ」が重要な研究テーマのひとつにとりあげられるようになって久しい.デジタル技術の発達は目覚しく,「ボーンデジタル」な資料(他の媒体上で作られた資料のデジタルコピーでない,最初からデジタルデータとして作られた資料)の急速な台頭や,「Google≒デジタルアーカイブ」という視点の登場など,早くからアーカイブズとデジタル技術の問題に強い関心を寄せていた当研究会としては,この潮流を正確に把握して,デジタルアーカイブ研究をどの方向に発展させていくべきかについて,よく学ぶ必要がある.われわれは,アーカイブズの専門家を招いて,アーカイブズとデジタル技術にまつわる最新の状況と課題について理解を深めることを目的とする「アーカイブズ小特集」を全2回の予定で開催することとした.本稿は,その第1回として,国立公文書館の牟田昌平氏を招いて実施する,公文書のデジタルアーカイビングの現状と未来を探るパネル討論についての予稿である.This is a preliminary report of the 1st panel discussion titled "How will digital archives develop in the future?" Studying the current state and the future of digital archiving of various kinds of materials is very interesting and important task for our SIG. Two panel discussions of this problem are planned. Some archivists will be invited as panelists of the discussion. This panel discussion discusses the problem of digital archiving of the government documents. We will know the latest, correct information about relationship between "true archives" and digital technology by the discussion.
著者
鈴木 卓治 五島敏芳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.73, pp.39-40, 2008-07-18

本稿は,アーカイブズの専門家を招いて,アーカイブズとデジタル技術にまつわる最新の状況と課題について理解を深めることを目的とするアーカイブズ小特集 「アーカイブズとデジタル技術の未来を考える」 (全 2 回)における第 2 回パネル討論 「アーカイブズの概念とデジタルアーカイブ」 についての予稿である.アーカイブズの理論的な存在根拠である 「永久保存」 の概念を正しく理解し,アーカイブズとしてのデジタルアーカイブの確立のための必要要件を知ることが今回の目的である.This is a preliminary report of the 2nd panel discussion titled "How will digital archives develop in the future?" In this discussion, we try to study and understand the concept of permanent (archival) value of data on the archives. It is essential ability for future digital archivists to construct "true" digital archives.
著者
五島敏芳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.73, pp.31-38, 2008-07-18

「デジタルアーカイブ」 が一定ていど普及してきた一方で,本来のアーカイブ(ズ)は,まだひろく理解されたとはいいがたい.本来のアーカイブ(ズ)の中心となる概念は,「永久保存」にある.しかし,デジタルアーカイブを標榜する存在のなかに「永久保存」性は,ほとんど見出すことはできない.小稿では,デジタルアーカイブのなかに永久保存の概念を見出すことは,そもそも可能かどうか,本来のアーカイブ(ズ)のもつ基本事項を検討していくことで,議論を進めていく.それにより,つぎの結論が暫定的に導かれると予想する: 現前するデジタルアーカイブに永久保存を期待することはできないものの,デジタルアーカイブのもととなるアーカイブズの実体の永久保存 (または長期保存) を担保する配慮を組み込むことが,デジタルアーカイブへの永久保存の概念の導入となりえる.In Japan, "Digital Archive" has already spread, but it has been difficult to understand "original" archives universally as yet. The core of the concept of "original" archives lies in "permanent retention" of archival holdings. The elements of "permanent retention" can hardly be found in those "Digital Archive". This paper examines whether or not the concept of "permanent retention" can be found in "Digital Archive" by reviewing basic matters of "original" archives. As a result, it is expected that the following conclusion should be drawn provisionally: "Digital Archive" does not have the concept of "permanent retention", but it is possible to subsume "Digital Archive" under the activities of "original" archives. Thus, "Digital Archive" will be able to implement the concept of "permanent retention".
著者
阿江 忠 酒居 敬一 豊崎 剛
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.91, pp.79-86, 1994-10-27

メモリベース推論はモデル表現が陽でないリアルワールド向きであるが、そのインプリメントに通常の超並列マシンを用いることはコストパフォーマンスの点で問題がある。メモリベース推論はメモリベースアーキテクチャで実現するのが適当であり、ニューラルネットを能動メモリとして採用することができる。一方、メモリベース推論のみでトータルシステムを構築するのは困難であり、通常のAIシステムとの融合も必要となる。新機能マシンNFMは、知識の獲得、表現をメモリベースで行ない、知識の進化を協調動作により実現するシステムであるが、メモリベースのオブジェクトとプログラムベースのオブジェクトの協調動作を利用するのも特徴の一つである。The conventional massively parallel computers are too huge to implement the memory-based reasoning that is appropriate to realize the real world. The memory-based architecture fits the memory-based reasoning, where the neural networks play an role of active memory. The total system, however, requires also the conventional AI tecnique, and therefore, it must be realized to combine the memory-based reasoning with the conventional reasoning. NFM, a new functional machine, is proposed for this pupose and its outline is described.
著者
戸沼 葉弓 赤木 康宏 北嶋 克寛
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.14, pp.115-120, 2008-02-19

近年,自然景観CGは広く普及し,テレビや映画,ゲームなどで利用されている.自然景観を生成する上で基本となるのは地形だが,従来の地形モデリングに関する研究では河川の影響による変形を考慮しているものは少ない.そこで本研究では数値シミュレーションを利用して侵食を考慮することで,自然な河岸断面形状を生成することを目的とする.まず,ユーザーが書き込んだ等高線や川から基本となる地形モデルを生成する.次に,書き込んだ川に数値シミュレーションを適用し,得られた河岸の圧力分布を元に河岸断面形状を変形する.最後に,水深の影響を考慮したアニメーションを生成する.本研究により自然な川のCGアニメーションを任意に生成することができた.Today, natural terrain generation is widely spread - for TV, movies, video games, and so on. But most of studies on terrain generation do not considered of river eroded. Then, our purpose is to generate the shape of a natural river by considering of erosion with numerical simulation. At first, a user draws contour line and river line. Next, our system generates terrain and simulates numerically. After the simulation, river shape is transformed based on the result. At last, river animation considers the influence of depth is generated. Our methods enables to generate a natural river animation arbitrary.
著者
青山 幹雄 西岡 健自 岸 知二 上原 三八 松岡 聡 中所 武司 深澤 良彰
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.84, pp.89-96, 1995-09-08

1995年6月1日(木)?2日(金)に情報処理学会ソフトウェア工学研究会の主催で,慶応義塾大学三田校舎新館でオブジェクト指向'95シンポジウム(O'9)が開催され,326名の参加者があった.「オブジェクト指向によるシステム開発の理論実践」をテーマに,基調講演,チュートリアル,一般講演,パネル討論と内容の充実したシンポジウムであった.本稿では,同シンポジウムのもようを,初日の事例セション、2日目のパネル討論を中心に報告する.なお,本シンポジウムは来年も同時期に開催の予定である.The Object-Oriented '95 Symposium was held on June 1 - 2, 1995 at Mita Campus of Keio University in Tokyo. Under the theme of "Theory and Practice of Object-Oriented Systems Development", opening speeches, tutorials, general sessions and panel session have covered a wide spectrum of development technologies based on object-orientation. This report highlightens the major topics of the symposium as well as two special sessions; one session presented the experience of object-oriented systems development and another was a panel on the theory and practice of object-oriented development technology.
著者
鈴木 郁美 原 一夫 新保 仁 松本 裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.2, pp.65-70, 2009-01-15

コーパスから抽出した文脈情報により作成する専門用語グラフに対し,グラフを辿ることで節点間の類似度を計算する手法を適用し,類義語獲得に応用した.雑誌 「蛋白質・核酸・酵素」 をコーパスとして用いた実験で,コーパスでの出現頻度が少ない専門用語をクエリとして与えた場合,ラプラシアン拡散カーネル行列を用いた手法が比較的高い精度を示した.この結果は,専門性の高いレアな用語を既存のシソーラスに登録する場面において,ラプラシアン行列ベースの手法の有効性を示唆するものである.We apply graph-based methods to problems of biomedical synonym acquisition. Given a graph of biomedical terms constructed from a corpus, the methods calculate term similarities by traversing the graph to capture shared features between nodes. An experimental study shows that, for query terms appearing less than three times in the corpus, the Laplacian diffusion kernel gives better accuracy than the methods based on the adjacency matrix.
著者
杉田 純一 高橋 時市郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.13, pp.91-96, 2007-02-20
被引用文献数
6

点描画は線ではなく、点の集合や非常に短いタッチで表現する絵画技法の1つであり、新印象派の画家達によって確立された。新印象派の点描画の最大の特徴は、鮮やかな色を並置する筆触分割により、網膜上で加法混色を起こす、視覚混合という光学現象を巧みに利用していることにある。さらに、補色を並置させることにより、非常に鮮やかな色彩の効果を生むことができる補色対比も工夫している。本稿では、補色対比を考慮した筆触分割をモデル化し、入力画像から点描画風の画像を生成する手法を提案する。実験の結果、良好な結果を得たので報告する。We have developed an image generation method based on divided brushstrokes taking into account of complementary color contrast. This technique is called "pointillism" , established by neo-impressionism artists. Pointillism expresses an image by huge numbers of colored points instead of line strokes. Each point is painted by pure color or its complementary color of corresponding pixel color of input image. Several experimental results verified the method generated pointillistic images well.
著者
小藤 哲彦 河野 健二 竹内 郁雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.44, no.13, pp.84-99, 2003-10-15
被引用文献数
3

具象構文と抽象構文は対応関係が強く,これらを別々に記述するのは無駄が多い.この無駄を省くために,具象構文と抽象構文を一体として記述する手法がいくつか提案されている.本論文では,具象構文と抽象構文を一体として記述し,抽象構文木を出力するパーザを生成するコンパイラ・コンパイラ?<>< ∪∪(notavaCC )の設計と実装について述べる. ?<>< ∪∪は,継承,ラベル付け,エイリアスの構文記法を用い,オブジェクト指向に基づいた抽象構文を記述することができる. ?<>< ∪∪は,算術式のような従来の研究では表現できない抽象構文を記述することができ,表現力が高い.本論文では?<>< ∪∪が実用的な性能を持っていることも示す.Because of the similarity between abstract syntax and concrete syntax, it is wasteful to write these syntax descriptions individually. The paper describes the design and implementation of a compiler compiler named ¬<>< ∪∪(notavaCC), which has an integrated notation that can represent both of abstract syntax and concrete syntax, and generates a parser that builds an object-oriented abstract syntax tree. Using the notation for inheritance, labeling and aliases, ¬<>< ∪∪enables us to generate an object-oriented syntax tree of an arithmetic expression, which existent compiler compilers cannot generate. The paper also describes the practicability of ¬<>< ∪∪.
著者
門林 理恵子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.59, pp.73-80, 2003-05-30
被引用文献数
2

本稿では,2002年8月28日から9月9日まで,トルコ南西部リキア地方に位置し,サンタの島として知られるゲミレル島の初期ビザンティン時代の聖堂跡を対象として行なった3次元計測について報告する.最終的な目標は,全域に遺跡が点在するゲミレル島の地形および主な建築遺構を詳細に3次元計測して3次元モデルを作成し,写真などのデータとともに多目的利用可能なデジタルアーカイブを作成することである.その第一歩として,第二聖堂,第三聖堂と名付けられたバシリカ様式の聖堂をレーザースキャナで3次元計測するとともに,RTK-GPSを用いて地理座標を取得した.これらのデータをもとに,3次元モデルやオルソ写真などを作成したので報告する.We report our experience on 3D scanning of Byzantine Ruins that remain on Gemiler Island which is located in southwestern Turkey and is known as the "Island of St. Nicholas," the origin of our present-day Santa Claus. We started the Digital Gemiler Island project that was aimed at digitizing the terrain of the whole island and the historical sites scattered widely throughout it in 3D. We measured two churches using a laser scanner and a RTK-GPS system. The major tasks that were carried out at the site and the 3D models created from the laser data are discussed.
著者
上園 一知 大矢 俊夫 片岡 朋子 片岡 裕 小原 啓義
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HI,ヒューマンインタフェース研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.70, pp.55-62, 1997-01-16
被引用文献数
2

コンピュータネットワークは国際的な発展を遂げたにも関わらず、コンピュータで同時に扱える文字種は制限されているのが現状である。真の国際化計算機環境を実現するためには、既存の文字コードを超えて全ての文字・言語を同時に混在使用可能であることが必須条件となる。特に出力に関しては、表示される文字図形と文字・文字コードの写像関係が常に言語に依存すると見なされ、更に横書き・縦書きといった文字列の表記方向が混在するために,全世界の文字・言語を全て網羅することは非常に複雑で、一般に不可能と考えられてきた。しかし、世界中の文字・文字コード・正書法を分析した結果、少数の関数で図形決定が可能であり、更にその配置手法が明らかとなった。この関数をハードコーデッドせずに実装することで、全世界の文字廟言語が混在したテキストを単一システムで表示可能となった。
著者
中西 泰人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告.IM, [情報メディア]
巻号頁・発行日
vol.97, no.62, pp.1-6, 1997-07-11

ICCオープニング企画展「"海市"・もうひとつのユートピア」の一環として、都市活動のシミュレーションを行った。遺伝的プログラミング(Genehc Programming)を用いたマルチエージェントシステムを、Java言語を用いてWWW上のサーバプログラムとして作成し、クライアントとしてJavaアプレットを作成した。淘汰が行われ新しい個体が作成される際の初期化データを、クライアントから送ることが可能であり、展覧会への参加方法を提供した。
著者
杉浦 一成 槇原 靖 八木 康史
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.42, pp.187-194, 2007-05-15
被引用文献数
2

本研究では、全方位カメラから得られる複数方向の歩容画像を用いた個人認証手法を提案する。最初に背景差分により全方位画像列からシルエットを抽出する。それをパノラマ展開し、時空間の歩容シルエットボリューム(GSV)を得る。次に GSV から算出した歩行周期に基づいてフーリエ解析を行い、周波数領域特徴を抽出する。また全方位カメラを用いることによる観測方向の変化を利用して、複数の基準方向を設定し、各基準方向と歩行周期を基に複数方向の特徴を抽出する。認証時には、入力と辞書シーケンスに対する同一方向同士の特徴間距離を算出し、それらを統合して照合を行う。最後に15人の被験者の5方向を含むシーケンスに対して個人認証実験を行い、本手法の有効性を確認した。We propose a method of gait identification based on multi-view gait images using an omnidirectional camera. We first transform omnidirectional silhouette images into panoramic ones and obtain a spatio-temporal gait silhouette volume (GSV). Next, we extract frequency-domain features by Fourier analysis based on gait periods estimated by autocorrelation of the GSVs. Because the omnidirectional camera provides a change of observation views, multi-view features can be extracted from parts of GSV corresponding to basis views. In an identification phase, distance between a probe and a gallery feature of the same view is calculated, and then these for all views are integrated for matching. Experiments of gait identification including 15 subjects from 5 views demonstrate the effectiveness of the proposed method.
著者
谷口 剛 伊藤公人 五十嵐 学 村上 悌治 高田 礼人 原口 誠
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.135, pp.185-192, 2006-12-22

インフルエンザウイルスにおける抗原変異の規則性を発見するために,アミノ酸残基の共変異を解析する共変異とは,タンパク質を構成するアミノ酸残基のうち〆複数の位置のアミノ酸が共に置換する現象である.従来からアミノ酸残基の共変異を解析する手法がいくつか提案されていたが,それらの手法では進化の過程における分岐や時間的関係が考慮されていなかったそこで,これらの問題を解決するために,進化系統解析によって得られる系統樹を利用する手法を提案する.過去40年間のH3N2亜型インフルエンザウイルスのHAタンパク質を対象とし,共変異の検出を行い,その結果を示す,また,共変異は時代と共に変化するため,共変異の変化を検出するための手法を提案する.The influenza viruses undergo antigenic drift to escape from antibody-mediated immune pressure. In order to predict possible structural changes of their molecules in future, it is important to analyze the patterns of amino acid substitutions in the past. In this paper, we present a new method to extract the sets of residue positions which were involved in correlated mutations. We also discuss a method to detect changes of correlation among co-evolving residues.