著者
榊原
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情処研報
巻号頁・発行日
vol.97, pp.13-20, 1997
被引用文献数
1

マルチメディアの社会実験として新世代通信網パイロットモデル事業は平成6年7月8日にスタートした。当時は、日本では電気通信審議会から2010年までに、全家庭に光ファイバーを敷設する計画が答申される(1994年5月)一方、米国のゴア副大統領からはGII(Global Information Infrastructure)及びその実現のための5原則が提唱され、「ブエノスアイレス宣言」が出たり(1994年3月)、またヨーロッパでは、欧州連合バンゲマン委員より、域内の情報通信基盤の整備の指針となる「バンゲマン報告(欧州及び地球規模の情報社会)」が提出され、承認された(1994年6月)。いずれも情報通信は、社会経済の発展には必要不可欠であり、世界的な情報通信基盤の整備は、持続的な経済成長、雇用創出等の世界的な課題の解決策を示している。このパイロットモデル事業も平成5年の第一補正予算で新社会資本の整備の一環として認められた。情報通信は、産業横断的な機能を有し、経済社会の多様なニーズに対応できる。ところで、実験開始してから早や3年近くが経過し、電気通信の環境も大部変化した。インターネットの世界的な普及の中にあり、INDS-64の需要がうなぎ登りで、またカラーTVの売れ行きよりパソコンの方がよく売れ、町にはパソコンの新型が毎週のように発売されている。しかし今のインターネットには接続の問題や、画像伝送の問題がある。これらの解決方法は、光ファイバーを各家庭に敷くしか方法はない。いわゆるFTTH(Fiber To The Home)である。このFTTHの社会実験が新世代通信網パイロットモデル事業である。
著者
和田 桂一 小久保 英一郎 富阪幸治 台坂 博 斎藤 貴之 牧野淳一郎 吉田 直紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.1225-1228, 2004-12-15

大規模理論天文シミュレーションによる「天の川創成プロジェクト」とその背景にある銀河形成の問題について紹介します。プロジェクトでは、詳細な理論モデル、計算手法と高速の専用並列計算機を組み合わせ、宇宙初期から現在まで、銀河の形成・進化過程を高精度でシミュレーションすることにより、(1) 我々の銀河系=天の川の3次元構造とその形成過程、および(2)銀河の形態の起源、を初めて明らかにすることを目指しています。第I 期計画では、次世代専用超並列計算機GRAPE-DRと高速ホスト計算機、高速ネットワークを組み合わせた計算能力1ペタフロップスの「天の川数値解析装置」を国立天文台内に構築し、現状の最大規模のシミュレーションの100倍規模のシミュレーションを行います。 これにより銀河形成問題にブレークスルーをもたらすことができるはずです。
著者
奥平 啓太 平田 圭二 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.84, pp.21-26, 2004-08-02
参考文献数
7
被引用文献数
7

ポップス系音楽においてドラムのグルーブ感(groove)は,その違いにより楽曲全体の印象を変えるような重要な要素の一つであると言える.しかし,これまでグルーブ感と実際のドラムの発音時刻及び音量の関連については調べられてはこなかった.本研究では,プロのドラム奏者による8ビートと16ビートのリズムパターンの異なるグルーブ感を出した演奏から,スネア,ベースドラム,ハイハットの打点時刻と音量を測定し,これらのグルーブ感との関連を調べる.グルーブ感の違いは,実際の発音時刻や音量からも読み取ることが出来た.
著者
奥平 啓太 平田 圭二 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.14, pp.27-32, 2005-02-18
参考文献数
7
被引用文献数
3

ポップス系音楽においてドラムのグルーブ感(groove)は, 楽曲全体の印象を変えるような重要な要素の一つと考えられる.我々はこれまで, 8ビートと16ビートのリズムパターンの異なるグルーブ感を与えた演奏から, スネア, ベースドラム, ハイハットの打点時刻と音量を測定し, これらのグルーブ感との関連を調べてきた.この結果からグルーブ感の違いは, 実際の打点時刻や音量からも読み取ることが出来た.本研究ではさらに, 1) ドラム奏者に複数のリズムパターンを与え, このそれぞれについて異なるグルーブ感を与えた演奏.2) 昨今のポップス系音楽で多く見られるゴーストノートを付加した演奏に対して同様の測定を行う.ドラム演奏にこれらの変化を与えることが, 各打楽器の打点時刻及び音量とグルーブ感との関連にあたえる影響について調べる.
著者
奥平 啓太 平田 圭二 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [音楽情報科学] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.19, pp.53-58, 2006-02-23
参考文献数
7
被引用文献数
4

ポップス系音楽においてドラムのグルーブ感は,楽曲全体の印象を変えるような重要な要素の1つと考えられる.我々はこれまで,タイトとルーズのグルーブ感を与えたドラム演奏から,スネア,ベースドラム,ハイハットの打点時刻と音量を測定し,これらのグルーブ感との関連を調べてきた.この結果からグルーブ感の違いは,実際の打点時刻や音量からも読み取ることが出来た.本研究では,グルーブ感を含んだ様々な演奏意図と打点時刻及び音量との関係を分析した.その分析結果をふまえてドラム演奏生成システムを実装した.そのシステムは連続する打点の相関を考慮すること,ゴーストノート付加できることなどの特徴を持つ.
著者
奥山 倫弘 伊野 文彦 萩原 兼一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 計算機アーキテクチャ研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.19, pp.145-150, 2008-03-05
参考文献数
6

本論文では全点対最短経路(APSP:All-Pairs Shortest Path)問題をGPU(Graphics Processing Unit)を用いて高速化した結果を述べる.提案手法は,GPUで動作するプログラムをGPU向けの開発環境CUDA(Compute Unified Device Architecture)を用いて記述する.アルゴリズムには単一始点最短経路を繰り返し求める手法(SSSP反復法)を用いる.問題全体での逐次処理を減らしてより高い速度向上を得るために,1っのSSSP問題を1つのタスクとし,それらのタスクを並列処理する.さらに,共有メモリを用いてタスク間でデータを共有し,グローバルメモリの参照を削減する.結果,既存手法よりも3.5〜18倍高速であった.また,SSSP反復法の性能がグラフの特性に依存して変動することを示す.
著者
米田 信之 阿部 昭博 狩野 徹 加藤 誠 大信田康統
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.25, pp.75-82, 2007-03-15
参考文献数
12
被引用文献数
2

近年,観光地では高齢者や障害者を含む,様々な人に配慮したユニバーサルデザイン(UD)の考え方が重視されつつある.我々は,2008年世界遺産登録を目指す古都平泉にてUD 観光情報システムの研究開発に取り組んでいる.本研究では,平泉町中尊寺をフィールドに,携帯電話とアクティブRFIDを用いたUD観光情報システムの開発を行った.またシステムの評価として,一般利用者を対象とした社会実験を実施した.その中で得られた知見について報告する.In recently years, in tourist sites, the notion of universal design, which gives special consideration to various types of tourists including elderly, disabled and foreign people, is becoming increasingly important. In Hiraizumi areas that are expected to be registered on the World Heritage List in 2008, we are currently conducting experimental field tests for the universally designed tourist information system. This paper describes some important points through developing a system based on the UD approach for tourism information using active RFID and executing a social experiment in the field of Tyusonji.
著者
浦谷則好
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.30, no.9, pp.1119-1125, 1989-09-15
被引用文献数
1

コンピュータによる文書処理にとって文字列の照合は最も基本的な操作である.文書処理の高速化への寄与が大きいので 効率の良い照合手法が求められている.パターンが1つの場合にはBoyer-Moore法が最も効率の良い手法として知られているが この方法では複数パターンを同時に照合することはできない.複数パターンを同時に照合する方法としてはAho-Corasick法が有名であるが 効率は Boyer-Moore 法より劣る.筆者らは「パターンの後方からの照合」というBoyer-Moore法の基本的なアイデアと 「パターン照合機械による照合」というAho-Corasick法の基本的なアイデアを結合して FAST法(A Flying Algorithm for Searching Terms)を考案した.FAST法では複数のパターンを同時に効率良く照合することができる.この輪文ではFAST法の基本的な発想と具体的なアルゴリズムについて述べる.FAST法の効率についても考察し 実験による結果も示す.文字種が多いときやパターンが長いときには高い照合効率が得られることを確認した.例えば パターン長が2と短くても文字種が94のときには パターン数60以下ではAho-Corasick法より効率がまさっている.また この方法は多大なメモリを必要とする欠点を有しているが この軽減方法についてもふれた.
著者
越智 裕之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.102, pp.97-102, 1997-10-28
参考文献数
9
被引用文献数
2

本稿では、今後ますます進歩する半導体技術にふさわしいFPGAアーキテクチャの将来像として、Field Programmable Accumulator Array (PA)を提案する。これはFPGAの基本セル中のLUTをALUに量き換えたものである。主な応用を固定語長の数値処理に特化することにより、高速化、高集積化、コンパイルや再構成の容易さなどを狙う。現在のテクノロジで実現可能な第1世代のFPAAチップの試作経過や、近い将来に浮動小数点演算対応、DRAM混載の第3世代FPAAによって非ノイマン型の新たなスーパーコンピューティング向きアーキテクチャが誕生する可能性についても言及する。This paper proposes the Field Programmable Accumulator Array (FPAA) as an FPGA architecture in a near future. Each cell in an FPAA has an ALU, while each cell in an FPGA has LUTs. FPAAs are useful especially for numerical processing, and we can expect higher-speed, higher-density, easier compilation, and less time for reconfiguration compared with FPGAs. This paper also reports on the first-generation FPAA chip which the author is currently designing, and discusses the possibility of the third-generation FPAAs which has hundreds of floating-point ALUs and on-chip DRAM to establish a new style of supercomputing.
著者
古田 陽介 三谷 純 福井 幸男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. グラフィクスとCAD研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.76, pp.13-18, 2006-07-11
参考文献数
6

折紙は日本の伝統芸能であるが、折紙の形状を対話的に生成するための研究はまだあまり行われておらず、発展の余地が残された分野である。そこで、折紙を計算機上で折るためのデータ構造、アルゴリズム、およびインターフェース等を考案し、実装を行った。これにより、今まで計算機上で扱うことが難しかった立体的な折紙の形状を容易に扱えるようになった。また、本システムでは特別な三次元入力装置を用いずともマウスのみの操作で直感的に形状の生成を行うことができる。
著者
森 信介 山地 治 長尾 眞
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.120, pp.87-94, 1997-12-11
被引用文献数
8

本論文では、文字 n?gramモデルや形態素 n?gramモデルの予測単位を文字列や形態素列に拡張した連文字 n?gramモデルや連語 n?gramモデルを定義し、予測力という観点でモデルを改善する方法を提案する。モデルの探索における目的関数は、形態素クラスタリングで有効性が示されている平均クロスエントロピーである。これは、削除補間のように、評価用のコーパスとモデルの推定用のコーパスとを別に用意するというアイデアに基づいている。日本語コーパスを用いた実験の結果、クロスエントロピーを計算すると、連文字 n?gramモデルは4.3791であり文字 n?gramモデルの5.4105より低く、連語 n?gramモデルは4.4555であり形態素 n?gramモデルの4.6053より低く、モデルの改善が観測された。In this paper, we define a string-based n-gram model and a phrase-based n-gram mode as expansions of character n-gram model and word-based n-gram model, and we propose a method to improve an n-gram model in terms of prediction. The objective function in model search is the average cross entropy, which is proven to be effective for word clustering. This criterion is, like deleted interpolation, based on the idea of separation of the corpus for evaluation and the corpus for model estimation. As an experimental result on a Japanese corpus, we obtained the entorpeis as follows: the string-based n-gram model had 4.3791, which is less than the character n-gram model's 5.4105, and the phrase-based n-gram mode had 4.4555, which is less than the word-based n-gram model's 4.6053.
著者
船木 麻由 西垣 桂 齊藤 明紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.21, pp.167-172, 2009-02-26
参考文献数
5

PC端末を並べた教室で全端末を常時稼働させると電力を無駄に消費する.逆に原則電源オフで使うときだけ利用者が電源を投入するという方式だとOS起動の待ち時間が生じ,利便性が低下する.そこで,端末室の利用状況に応じて自動的に端末の稼働台数を増減させるシステムを開発した.管理サーバは端末状態を監視し,起動済みの空き端末の台数が指定数を保つように, 余分な空き端末を停止したり,不足分の端末を起動したりする.端末室の講義使用時や昼休みなど利用者が多く来室することがあらかじめ分かっている場合には,その数分前に一時的に指定数を増やすことにより,過渡的な新規来室者増加にも対応できる.In PC classroom, running all PCs for 7x24 means waste of electric powercost. Contrarily, ordinary-off style operation brings low user satisfaction because users must wait for PC boot up for a few minutes. We propose a system that automatically controls number of running PCs along with active user number. The management server watches for PCs to keep number of vacant PC to be same as specified value by shutting down or turning their power on. If we are expecting many users will coming, lecture start time or lunchtime for example, we can handle many incoming user by giving larger number for the server.
著者
岡野真 一 青野 裕司 片寄 晴弘 井口 征士
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.74, pp.67-73, 1998-08-07

本研究では,物理モデルに基づいた雨音の生成を目指している.以前より,一粒の雨滴が落下した際に発する音のサンプルを利用した,雨音全体を生成するためのモデル制作に取り組んできた.今回は,一粒の雨滴の音自身,特に傘の上に落下したときの音を物理モデルによって生成することを試みている.雨滴および傘といった個々の物体のモデルは質点・バネ・ダンパ系で構築している.特に,発音課程で雨滴に見られるような過渡的な崩壊を,バネ・ダンパの切断モデルによって表現することを試みている.雨滴の挙動・振動を特徴づける要素としては,雨滴の大きさ,落下速度,表面張力,空気抵抗があり,また傘は,傘の布地部分を2次元膜モデルとして近似を行っている.最終的な音情報は単一の質点の座標の連続的なシーケンスとして抽出することにより出力している.The aim of this research is the produce of the rain sound using the thechniques of physics based modelling. We have experimentally developed the framework model that prodeces rain sounds, though it uses sampling sounds of water drops. In this paper, we try to produce the sound of single rain drop falling on an umbrella by use of its physical model. A physical object, which is modelling rain drops and an umbrella, is assemblies of masses linked to others by springs and dampers. The modelling techniques we proposed can express transitional disintegration. The disintegration is caused by the breaks of the spring-damper links. Factors that fix the motion and vibration of the rain drops are size, speed, surface tension, and air resistance. The umbrella is an approximation to a membrance model. The sound finally aquired is received as a sequence of sucessives positions of sigle mass.
著者
中沢 正幸 向井 理朗 関 進 綿貫 啓子 三吉 秀夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.15, pp.35-35, 2000-02-04

In this paper we describe a multimodal human interface system MAICO (Multimodal Agent Interface for COmmunication) based on Dynamical Dialogue Model. This system not only integrates information of a speech processing and a gesture processing but also controls the response timing in order to realize a smoothness and a easy interaction between a user and a computer. Our approach consists of human-human dialogue analysis and computational modeling of dialogue.In this paper, we describe a multimodal human interface system, MAICO (Multimodal Agent Interface for COmmunication), based on Dynamical Dialogue Model. This system not only integrates information of a speech processing and a gesture processing, but also controls the response timing in order to realize a smoothness and a easy interaction between a user and a computer. Our approach consists of human-human dialogue analysis, and computational modeling of dialogue.
著者
岩井 輝男 中西 正和
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. 記号処理研究会報告
巻号頁・発行日
vol.93, no.52, pp.9-16, 1993-06-18

Lisp ServerはMach OS 3.0 と似ていて,単純な機能とLispインタプリタを備えたOSである.この基本となる考えはシンプルで,拡張性のあるカーネルの通信を持っている.この目的はすべてのOSの処理がカーネルを通してユーザプログラム(スレッド)間の通信で可能になるまで,OSの機能をカーネルの外に出すことである.極端に言えば,カーネルはユーザプログラム間の通信をサポートするだけとなる.このような思想のもとに設計したLisp ServerはMulti-User Multi-Threadであり,すべてのLispのセルを共有した,環境をユーザに与えるOSである.
著者
滝沢 武信
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.70, pp.1-8, 2006-06-30
参考文献数
12
被引用文献数
6

第16回世界コンピュータ将棋選手権が2006年5月に開かれた。今回は52チームの申し込みがあり、実参加者数は43(招待1を含む)である。コンピュータ将棋の実力も大いに上がってきており、上位入賞ソフトは奨励会(プロ棋士養成機関)1級ないし初段の強さがある。この報告では第16回世界コンピュータ将棋選手権における将棋ソフトウエアの実力について考察する。Computer shogi was first developed by the author and the research group in late 1974. It has been steadily improved by researchers and the commercial programmers using some game-tree making and pruning methods, opening and middle game databases, and feedback from research into tsume-shogi (mating) problems. Now, it has already reached professional one-kyu-one-dan level. In this paper, the authors discusses contemporary computer shogi, especially how the programs behaved at the 16th World Computer Shogi Championship, where 52 teams applied and 43 team entered (including one invided), in May, 2006.
著者
大野 邦夫 デウィヘラワティ 須藤僚
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.114, pp.57-64, 2008-11-20
被引用文献数
1

情報技術の急激な進展を背景として雇用形態が変化しつつある。かつての終身雇用から転職が当たり前の社会になりつつある。そのような状況において職譜詣力を提示するには、履歴書で自己のキャリアを主張する能力を必要とする。ジョブカードはまさにその趣旨に合致する制度と言えるであろう。本報告では先ずジョプカードについて紹介する。次に米国で普及しつつある雇用関連の規定である HR-XML と非公式教育の国際標準として企画されている ISO / 10232 について紹介する。さらに、我々自身の研究として UML によるジョブカードのモデル化、インドネシアからの看護師受入プロセスのモデル化についての検討経過を紹介する。Situation of employment is changing according to the rapid information technology development. Though lifetime employment system was essential for major Japanese companies, job change has become very common recently. Under such a situation, vocational ability means career development ability to write his or her vocational history as resume or CV (Curriculum Vitae). Job Card seems suitable system for those social background. In this paper, Job Card System is explained at first, then HR-XML System which becomes popular in US is introduced, and the work of ISO/TC232 which plans to standardize non-formal education is also introduced. After those, our activity ofmodeling Job Card System based on UML and modeling the process of Indonesian health care worker acceptance is described.
著者
山本 太郎 畑島 隆 谷本 茂明 高橋 克巳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.20, pp.103-108, 2009-02-26
参考文献数
5

ブログは炎上する.ブログなどCGMが隆盛を極める裏側で,記述内容や意見の衝突,果ては他のメディアでの発言などにより炎上やプライバシ暴露などのトラブルが発生し続けている.被害はネット世界だけに留まらず,現実世界にまで及ぶ例も少なくない.我々はそれらトラブルの軽減を目的とし,150件のCGMトラブル事例を予備調査した上で,トラブルの発生から収束または発散に至るシーケンスの仮説の構築と各シーケンスにおける原因や問題種別など要素の整理を行った.本件では,これまでのまとめと今後実施予定の本調査手法について紹介する.There are so many troubles in CGMs such as blog flaming. Troubles break out from contents, clash of opinions, comments on another media and some bring about violations of privacy. To decrease and soften those troubles, we start investigating 150 troubles as preliminary research. We set up a hypothesis of trouble sequences and analyzed collected troubles. We describe our current work and our future investigation method.
著者
金井 遵 須崎有康 八木 豊志樹 並木 美太郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.44, pp.45-52, 2006-05-13
参考文献数
10
被引用文献数
2

従来のHTTP-FUSE-KNOPPIX では、起動のたびにレイテンシの長いインターネット上のサーバからブロックデバイスのデータを取得するため、OS 起動に長い時間を要した。そこで、本研究では、容易に持ち運びができるモバイル環境をルータ化し、データをHTTP プロキシにキャッシュすることでHTTP-FUSE-KNOPPIX を高速化、およびどこでも起動できるようにし、評価を行った。さらに、NFS ベースでは困難だったシンクライアントサーバの拡張もHTTP-FUSE-KNOPPIX ではキャッシュサーバを追加し、動的に分散することで、複数起動にも強い設計とした。評価より、実際に従来のHTTP-FUSE-KNOPPIX や、CD 起動のKNOPPIX、NFS によるネットワークブートよりも高速に起動できることが確認された。Traditional HTTP-FUSE-KNOPPIX loads system files through high latency internet server every time, therefore it takes long time for bootstrapping. In this research, we improved and evaluated performance of HTTP-FUSE-KNOPPIX by caching data on HTTP proxy at a mobile router. Furthermore we designed the router which can boot up KNOPPIX everywhere. Moreover, we implemented plural cache servers and a dynamic cache server balancer to boot up many client machines. From evaluations, the bootstrapping time of HTTP-FUSEKNOPPIX with cache servers becomes faster than that of bootstrapping with a CD, NFS mount and traditional HTTP-FUSE-KNOPPIX.