著者
池田 彩乃 千葉 祐貴 羽田 久一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.16, pp.1-5, 2013-10-29

SNS やメールなど速報性のあるコミュニケーション手段の一般化により、人々はいつもディスプレイから離れることが出来ないでいる.本研究ではディスプレイの見過ぎから生じる問題を解決するために、ディスプレイを見た疲れを癒しつつメールや SNS 上のメッセージの新着の確認や返信などの操作が出来るぬいぐるみ型操作デバイスを提案し実装を行った.本システムではぬいぐるみに特定の動作をさせることでコンピュータにコマンドを送り、音声合成によりメッセージを確認することが出来る.さらにメッセージの返信には音声認識を用いることでぬいぐるみと遊ぶ感覚で画面を利用せずにネットワークコミュニケーションを行うことが可能となる.With the vast spread of rapid communication tools such as SNS and e-mails, many people are more addicted to device displays. The authors have developed and demonstrated a stuffed toy device, which heals people's fatigue from gazing displays, yet at the same time, enables people to receive notifications from SNS. Notifications can be checked by a device user letting the stuffed toy to operate certain movements to send commands to computer. In addition, by using speech recognition when replying to messages, network communication is realized in such a way to play with the toy, not by using displays.
著者
玉利 公一 竹田 正幸 福田 智子 南里 一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.8, pp.81-88, 2000-01-21

本歌取りとは,特定の歌をふまえて新しい歌を作る作歌手法をいう.本歌取りの半自動抽出を行うための有効な方法として,まず,和歌間の類似性指標を定義し,その指標の値の大きい和歌の対を人手により検証する,といった方式が考えられる.このような方式においては,成功の鍵は,いかに類似性指標を定義するかにかかっている.著者らは,以前に最長共通部分列(LCS)の長さを用いた指標を変更することにより,新しい指標を提案し,それが本歌取りの半自動抽出に有効であることを示した.しかし,本歌取りには様々なふまえ方があるため,むしろ,研究者の視点に応じて指標を自由に変更でき,その都度,類似度の値の高い対を確認していく,というシナリオが有効であろう.本稿では,類似性指標を自由に設計するための共通の土俵となる統一的枠組みを提唱する.この枠組みでは,指標を,パターン集合とパターンにスコアを与える関数の対によって表し,二つの文字列間の類似度を,その共通パターンの最大スコアとして定義する.このため,このもとで設計したおのおのの指標は,直感的に把握しやすいという利点がある.本稿では,この枠組みのもとで,いくつかの指標を提示し,本歌取りの半自動抽出の観点から評価する.In this paper we consider a problem of semi-automatically finding instances of poetic allusion in a collection of classical Japanese poems. The key to success is how to define a similarity measure. We give a unifying framework that capture the essence of many existing measures. It makes it easy to design new measures appropriate to the problem. In this paper, we propose new measures and evaluate them.
著者
小杉 尚子 櫻井 保志 山室 雅司 串間 和彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.333-345, 2004-01-15
被引用文献数
6 7

本論文では,我々が研究開発しているハミングを用いた音楽検索システム"SoundCompass"を,カラオケの選曲システムとして実用化するために考案した技術について述べ,それらの有効性を定量的に評価する.このシステムを実用化するにあたって,一般ユーザの使用により,様々なハミングに柔軟に対応することが必要となった.データベース・サイズの増大に対応できるように,蓄積コストや検索速度の改善も必要となった.本論文では様々なハミングに対応するために,これまでの手法では検索できなかったハミングについてその原因を明らかにし,それらを解決するために部分特徴ベクトルの導入,部分ハミング片間OR検索方式の導入,半テンポ曲/倍テンポ曲の重複登録の導入を提案する.一方,検索対象曲数の増加にともなう音楽データベースの大規模化に対して,曲内での繰返しによる特徴ベクトルの冗長性を手がかりにしたデータベース・サイズの縮小を提案する.これらの技術を導入することで,新しいSoundCompassは実用範囲内の検索速度を保ちつつ,20 000曲を超えるデータベースに対して84.2%の検索精度を達成し,従来の我々のシステムと比較して,約20%の向上が可能となった.This paper describes techniques incorporated into SoundCompass, a query-by-humming system, to enable it to be put to practical use as a karaoke song selection system. Quantitative evaluations of the techniques are also provided. Solutions for variations in hummed tunes by general users are required to make the system practical. Moreover, improvements in both the cost of storing a large number of songs in a database and retrieval speed efficiency are also required to deal with database size expansion. In this paper, we analyze hummed tunes which cannot be retrieved by traditional techniques. According to the analysis, a partial feature vector, an OR retrieval among query keys, and double registration of songs whose tempo is doubled/halved are proposed to deal with the diversity among hummed tunes. We also propose a method to reduce database size based on the repetitive structure of songs to solve the problem of increasing database size as the number of songs stored in the database becomes larger. The new SoundCompass system achieves 84.2% retrieval accuracy, which is about 20% more than that of the previous system, for a database that stores over 20,000 songs, while maintaining the applicable retrieval time required for practical use.
著者
鈴木 惠美子 武田 浩一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.30, no.11, pp.1402-1412, 1989-11-15
被引用文献数
17

ワードプロセッサが大量に普及し 日本語文書を電子的に作成 配布 印刷することが日常的になってきた.しかし 計算機上でできあがった文書の校正・推敲を行うといった高度のテキスト処理は 最近になってやっと研究が盛んに行われはじめたところで まだ実用化の段階には至っていない.我々従来より 機械可読な日本語文書を対象として入吾中の誤りや用語の不統一 言い替えた方がよい表現などを検出し 文書の校正支援を行うシステムについて研究してきたが 構造化された文書表現(構造化文書)とその上でのルール形式の校正知識表現を用いることが有効であるという結果を得た.すなわち 1)文書前処理段階でモデル化することにより 日本語文書のための応用プログラフ実行時には字句解析を行うことなく 単語や文節 段落や文書全体といった単位を扱うことができる 2)校正知識は構造化文書上の高レベルの述語として記述できる 3)文書校正知識を複数の段階(入力時と作成時)で利用できるように 対話的文書校正とパッチ的校正が提供できる といった特長を実現できた.本報告では 我々の開発したシステムとその校正知識 ワードプロセッサを使用した実験により得られた誤りの分類およびその検出可能性について述べる.また 構造化文書の応用として重要語を検出する機能についても検討している.
著者
下久保 弘樹 北 栄輔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.11, pp.1-2, 2014-12-02

本研究では Kinect センサーを用いて歩行動作から個人認証を行う方法について述べる.提案手法では,Kinect センサーを用いて人体の身体特徴量,人体歩行時の関節の角度,座標の変位などを取得して特徴量とする.サポートベクタマシンとニューラルネットワークを用いて,これらの特徴量から個人認証するアルゴリズムを定義する.解析例では,被験者 10 人に対して個人認証実験を行った結果,平均適合率はサポートベクタマシンで 99.0%,ニューラルネットワークで 99.8%となった.
著者
高村 誠之 八島 由幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.25, pp.7-12, 2004-03-04

マルチスペクトル画像は従来衛星画像などでは用いられていたが、近年視覚を対象とする装置であるプリンタ、カメラ、ビデオなどでも次第に用いられつつある。多バンド化することでさまざまな機能性が実現される一方、信号の容量はバンド数に比例して増大するため、特に動画像において効率的圧縮が望まれる。本稿では符号化に適したフォーマットを検討し、実際に6バンド映像信号(48 bit/pel)を、JPEG 2000 MPEG-4 Studio Profileおよび近年標準化されたH.264により符号化した。ビットレート3.5 bit/pelを境にそれ以上ではJPEG2000が、それ以下ではH.264が最も高いPSNRを示した。MPEG-4 Studio Profileは常に中間の性能であった。Multispectral imaging, which has been common in satellite image acquisition to a certain extent, is recently being used in visual imaging systems such as printers, digital/analog cameras, still/video cameras, projectors and even displays. The reason is the variety of functionalities it provides. As the amount of image data is proportional to the number of bands, efficient compression of such data sets, particularly for video data, is necessary. This paper provides a basic investigation of multispectral video coding, such as inter-band decorrelation, visible/invisible separation and non-linear signal transform prior to encoding. We use a six-band video sequence (48 bit/pel) as the test data. The video/image codecs of JPEG 2000, MPEG-4 Studio Profile, as well as the newly developed standard H.264, are compared in a coding experiment. The results show that JPEG 2000 yields higher PSNR than the other codecs at bit rates of around 3.5 bit/pel and above. H.264 performs best at lower bit rates. MPEG-4 Studio Profile is always the second best codec.
著者
寺田 努 今井 淳南 村尾 和哉 塚本 昌彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. HCI, ヒューマンコンピュータインタラクション研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.10, pp.1-8, 2015-05-07

本稿は,情報処理学会論文誌ジャーナルに投稿する原稿を執筆する際,および論文採択後に最終原稿を準備する際の注意点等をまとめたものである.大きく分けると,論文投稿の流れと,LATEXと専用のスタイルファイルを用いた場合の論文フォーマットに関する指針,および論文の内容に関してするべきこと,するべきでないことをまとめたべからずチェックリストからなる.本稿自体も LATEX と専用のスタイルファイルを用いて執筆されているため,論文執筆の際に参考になれば幸いである.
著者
追川 修一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.1-11, 2015-03-26

計算機が高性能化し,またクラウドコンピューティングが普及するにともない,オペレーティングシステム(OS)が仮想化環境で使われることが多くなっている.仮想化環境では,仮想マシン(VM)がOSを実行する.VMは仮想化環境が定義するものであるが,実機上で動作するOSをそのまま実行できる実機に相当するVM,そしてOSとVMが連携することで処理を軽量化するVMが,これまで提供されてきた.しかしながら,OSの構造,およびVMがOSに提供するインタフェースは,実機上で動作するOSのものから大きく変更されることはなかった.本論文では,VMが実行するOSの軽量化を目的とし,VMがOSに提供するインタフェースを変更するかたちでのストレージ仮想化手法について述べる.提案手法を,LinuxをホストOSとして用いるKVMに実装した.実験結果から,従来手法と比較して,提案手法はアクセスを高速化できることが分かった.As the performance of computing platforms becomes higher and cloud computing becomes popular, it is common to execute operating systems (OSes) on virtualized environments. Such virtualized environments employ a virtual machine (VM) to execute an OS. While VMs can be defined by virtualized environments, they are defined to be the same as or similar to real hardware; thus, their interface to OSes also remain mostly unchanged. This paper describes a storage virtualization method that changes the VM's storage interface in order to make guest OSes lightweight. We implemented the proposed method in KVM, which utilizes Linux as its host OS. The evaluation results show that the method can improve the data access by comparing with the existing method.
著者
金子 春光 猪狩 知也 井上 寛生 速水 治夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.19, pp.1-6, 2015-03-05

人の眠りには深い眠り,浅い眠りがある.深い眠りの状態にあると,アラームが鳴動していても起きられないことがある.生活のリズムを正し,規則正しい時間に起きることが理想であるが,急な予定や不測の事態があり,いつも同じ時間にというのは難しい.近年では,アプリケーションによる様々な起床方法が存在する.単純な動作,大きな動作でアラームを解除することが多く,ユーザへの負担や,継続率を考えると難しい.そこで本研究では,ユーザを会話させることにより,小さな動作と自然な思考を与え,覚醒状態へと導くアプリケーションを提案する.評価実験の結果,試作アプリケーションを使用することで生活リズムが定まっていないユーザでも目覚めるまでにかかる時間を短縮させることを確認した.The sleep of the person includes a deep sleep and a light sleep. It may not be got up when in the state of the deep sleep even if an alarm sounds. It is ideal to be getting up regularly and that you correct the rhythm of life. But, it is difficult to wake up always the same time because there are sudden appointments and contingencies. Therefore, various wake-up methods and applications are present in recent years. Therefore, various wake-up methods exist in addition to the wake-up application software in recent years. In this study we proposed the application software that lead to wakefulness give a small operation and natural thinking by making conversation the user. Results of evaluation experiments, it was confirmed that to reduce the time it takes wake up in the user life rhythm is not determined by the use Prototype application software.
著者
磯健一 颯々野学
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.4, pp.1-6, 2013-10-18

「音声アシスト」 は音声対話によってモバイル端末から多様な情報へのアクセスを提供するアプリケーションである.ヤフーが提供する各種情報サービス (経路探索,天気情報,ニュース,ウェブ検索,地図,店舗情報,Q&A,知恵袋) を自然な音声対話によって一元的に利用することができるほか,モバイル端末の操作 (アラーム設定,アプリ起動,電話発信,カレンダー・連絡先検索,ウェブ読み上げ) もサポートしている.ユーザの発話は超大語彙の音声認識によってテキストに変換され,意味理解サーバに送られて発話意図や固有名,数値表現などが抽出されて,発話意図に応じて用意した応答テンプレートにもとづいて応答文が作成され,モバイル端末上で音声合成により応答される仕組みである.本稿では 「音声アシスト」 を構成する音声認識プラットフォーム YJVOICE と音声対話を支える自然言語処理技術について紹介する."ONSEI Assist" is a voice dialog application for mobile devices that enables various kinds of information retrieval including train route, weather, news, web, map, shops and Q&A. It also supports mobile device operations such as alarm setting, application launch, dialing, calendar and address book search. The user input utterance is recognized by a very large vocabulary speech recognition system and sent to a server for semantic analysis which extracts the user's intention including named entities and prepares a response sentence. This article describes the speech recognition platform "YJVOICE" and the natural language processing technologies for "ONSEI Assist".
著者
松浦 司 金田 康正
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.53, pp.1-8, 2000-06-01
被引用文献数
9

本稿では、文章中のn-gram分布状況を著者の特徴量として、文章の著者を推定する手法を提案する。文章中におけるn-gram出現確率分布関数間の非類似度に基づいて著者推定を行うが、非類似度は提案関数dissimの他、Tankardの手法、ダイヴァージェンス、およびクロスエントロピーを用いてそれぞれ計算し、4関数の著者判別精度を比較した。1-gramから10-gram分布を特徴量とし、日本近代作家8人の92作品を対象とする著者推定実験結果について報告する。本手法は文章に関する付加的な情報を全く必要とせず形態素解析などを要求しない。また特定の言語および文章の性質を利用しないため、多くの言語・テキストにそのまま適用可能であることが期待できる。We propose a method for authorship detection based comparisons between n-gram distributions in sentences. The authors are detected via dissimilarity between probability distribution functions of n-grams in sentences. We have compared four functions to measure the dissimilarity, i.e. dissim(proposed function), Tankard's method, divergence and cross entropy. We report the experiments where the 92 works in total by 8 Japanese modern authors are analyzed via from 1-gram to 10-gram distribution. Our method requires no additional information on texts, i.e. no preliminary analyses. All the machine-readable texts can be attributed by the same method.
著者
橋本 隆子 白田 由香利 飯沢 篤志 北川 博之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.1-11, 2002-06-15
参考文献数
14
被引用文献数
2

近年,放送のデジタル化により,各種のメタデータが付加されたビデオコンテンツの配信がさかんになっている.このようなデジタル放送環境において,動的なダイジェスト生成は重要なアプリケーションの1 つである.我々はこれまで利用者の嗜好を反映させたパーソナルなダイジェスト生成方式(Personal Digest Making Scheme ,PDMS )の研究を行ってきた.PDMS では,加点事象のような成功プレイの重要度を判定することは可能であったが,もし成功していたら試合の流れを変えたかもしれない惜しかったシュートのような,不成功プレイの重要度を判定することはできなかった.本稿では,ダイジェスト作成のための新しい概念として,「ターニングポイント解析」を提案する.ターニングポイント解析は,スポーツの各種試合における「勝利確率(Winning Probability ,WP )」に基づいている.勝利確率とは,試合の経過時間とその時点における得点差(ホームチームの得点からアウェイチームの得点を引いた値)が与えられたとき,最終的にホームチームがアウェイチームを破って試合に勝利する確率を示すものである.勝利確率を利用することにより,成功プレイのみならず,不成功プレイの重要度を判定することが可能となり,より正確なダイジェスト生成を実現できる.本稿ではターニングポイント解析をサッカーの試合を例にとって説明し,実際のサッカーの試合に適用した評価結果を述べる.Content providers have recently started adding a variety of meta data to various video contents.Digest viewing that uses the meta data is a new application in the digital broadcasting era.o build personal digests,we have developed a digest making method named PDMS (Personal Digest Making Scheme).PDMS extracts signi ficant scenes and constructs digests automatically using the video program meta data.In PDMS,only a successful play event such as a goal that scored was considered signi ficant,and a misplay event,such as a shot that did not score was not taken into account,although such event may affect game progress. This paper introduces a new concept of turning point analysis.The turning point analysis is based on a winning probability for sports programs.Winning probability indicates the probability of a home team beating an away team at the end of the game,given the current score and the time elapsed since the beginning of the game.Using the winning probability, we can more precisely evaluate the signi ficance of each event,not merely a successful play but also a misplay.This paper presents turning point analysis for soccer matches.It also gives evaluation results of this turning point analysis for a recently broadcasted professional soccer matches.
著者
藤重 悟 岩田 覚
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.103, pp.53-60, 2000-11-10

双劣モジュラ関数最小化を行なう最初の組合せ的な多項式時間アルゴリズムを提示する.このアルゴリズムは,劣モジュラ関数最小化に関するIwata-Fleischer-Fujishigeのスケーリング法の拡張に当たる.双劣モジュラ関数はデルタマトロイドの階数関数として現れる.本論文のアルゴリズムは,デルタマトロイド多面体の分離問題に関する最初の組合せ的な多項式時間解法を与える.マトロイド多面体の場合と異なり,デルタマトロイド多面体に関するこの問題に組合せ的な強多項式アルゴリズムを与えることは,依然として未解決である.This paper presents the first combinatorial, polynomial-time algorithm for minimizing bisubmodular functions, extending the scaling algorithm for submodular function minimization due to Iwata, Fleischer, and Fujishige. A bisubmodular function arises as a rank function of a delta-matroid. The scaling algorithm naturally leads to the first combinatorial polynomial-time algorithm for testing membership in delta-matroid polyhedra. Unlike the case of matroid polyhedra, it remains open to develop a combinatorial strongly polynomial algorithm for this problem.
著者
松浦 佐江子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.8, pp.2578-2595, 2007-08-15
参考文献数
16
被引用文献数
13

Java やUML をはじめとするオブジェクト指向によるソフトウェア開発技術は多くのIT 企業から注目され,ソフトウェア開発技術者の育成が大学に求められている.産業界の求めるソフトウェア開発技術者を育成するためには,講義や簡単な演習のみではなく,ソフトウェア工学の知識を活用して様々な場面における問題解決能力を養うための実践的なソフトウェア開発を経験する必要がある.このようなPBL(Project Based Learning)は学生が講義で得た知識を活用しながら主体的に問題解決を行う力を養う効果があることから,近年注目されている.しかし,大学学部教育において実践的なソフトウェア工学教育を行うためには,前提知識となる科目の教育,適切な課題設定,評価方法も含めた学生自身が遂行可能な授業設計とその支援環境の構築といった問題を解決する必要がある.我々は2002 年度より,学部3 年生を対象に後期の授業として,オブジェクト指向開発を用いたグループワークによるソフトウェア開発実習を実施している.本実習は半期をかけてある程度複雑なシステムを8 人から10 人程度のグループで開発するソフトウェア開発の全工程を体験するPBL である.本稿では,我々の実践的なソフトウェア工学教育を行ううえでの問題に対する取り組みを紹介し,5 年間の適用結果に基づいてその有効性について議論する.Software development technology, especially both Java and UML started to attract wide interest of many IT companies. Moreover, it has been widely acknowledged that classes designed by utilizing PBL (Project-Based Learning) are effective in enhancing the problem-solving ability of university students. In PBL-based classes, students try to apply their knowledge to solve the problems by themselves; therefore, such classes are effective in improving problemsolving and communication abilities of students in software development. To conduct practical software engineering experiments, a plan of the experiment needs to be devised on four perspectives (education of prerequisite knowledge, selection of appropriate topics, a class design including assessment methods for grading students and computer supported environments). Since 2002, we have been planning and conducting group-work-based software development experiments as an approach to PBL. The aim of this class is to master software development and project management technologies based on Object Oriented Development. With a group of 8 or 10 students, a moderately complicated software system can be developed over half a semester. This experiment aims at educating undergraduate students to develop the faculty to become able software engineers. This paper describes the design of our practical software engineering education based on the experiment.
著者
岩崎陽一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告人文科学とコンピュータ(CH)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.7, pp.1-6, 2014-05-24

本稿は、ひとつの図書館用音楽コンテンツ配信サービスの事例を取りあげ、デジタル・アーカイブやデジタル・ライブラリーが人文学の研究の発展に寄与するために具えるべき情報検索インターフェイスと、それが依存するメタデータ構造について論じる。音楽コンテンツ配信サービスが学術データベースとして有効に機能するために設計した諸機能について、その設計思想を含めて抽象化して記述するという方法をとる。キーとなる発想は、資料の物理的形態に引きずられた設計を抜け出し、利用者の潜在的要求を満たす方法を考え直すことにある。This is a case study of a digital music distribution service for libraries to investigate into requirements for the information retrieval interface and metadata structure of digital archives and digital libraries to support the researches activities in humanities. The fundamental idea described here is that the interface should not be designed after physical forms of the content items.
著者
吉見 憲二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.8, pp.1-6, 2015-02-21

近年,ソーシャルメディアの活用が企業マーケティングにおいても重要な役割を果たすようになってきている.一方で,ソーシャルメディア上での消費者とのコミュニケーションの失敗がかえって企業価値を損なってしまうような事例も散見される.特に,アルバイト等の従業員による不適切な発言が炎上とも呼ぶべき現象をもたらし,企業が謝罪に追い込まれるような事例については,そのコントロールの難しさが指摘されている.従来より企業の不祥事と株価に代表される企業価値との関係に着目した先行研究は数多く存在しているが,ソーシャルメディアにおける炎上事例が企業価値に与える影響について詳細には検討されていない.そこで本研究では,ソーシャルメディア上での炎上が企業への批判を招いた事例を対象に,イベント・スタディ法を用いた検証を行う.加えて,先行研究で取り上げられている一般的な企業不祥事とソーシャルメディアにおける炎上事例が同一に扱うことができるのかについて検討する.
著者
後藤嵩幸 橋本剛
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.7, pp.1-6, 2014-03-10

コンピュータ将棋は,Bonanza メソッドの考案により非常にレベルが高くなった.現在では,プロ棋士との対局も盛んに行われており,トッププロレベルに迫っている.しかし,中盤以降に比べて序盤が弱いという弱点も抱えている.コンピュータ将棋の性能は評価関数の質に大きく影響される.正確に盤面評価を行うほどコンピュータ将棋は強くなる.評価関数のパラメータは機械学習により自動調整されているが,40 駒からなる将棋の盤面をそのまま評価するためには膨大な評価項目が必要となる.現状では部分局面に分割することにより,近似的に評価を行なっている.しかし,現在の多くのプログラムは駒組み合わせ全てを保持するオール (all) 型の評価関数を用いているため,3 駒程度の少ない駒数にしか分割できない.そのため序盤で特に重要な盤面の細かな違いを認識することが出来ない.高次元組み合わせ評価を行うためには,重要な駒組み合わせのみを評価するフレック (frequency) 型評価関数が必要である.フレック型評価関数実現のためには,重要な評価項目を抽出する必要がある.しかし,現在重要な評価項目を自動抽出するための有効な手法は存在しない.そこで本研究では,乱数を用いた盤上の駒組み合わせのランダムカウントにより,評価項目を自動抽出する手法を提案する.実際に提案手法により抽出した項目を用いてフレック型評価関数を設計し,Bonanza に組み込んだ.そして,オール型評価関数と対局実験を行い,性能向上を確認した.
著者
清 愼一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.8, pp.1-8, 2014-03-10

人工知能の研究の題材としてゲームをプレイするプログラムが用いられる.日本では将棋と囲碁が題材としてよく取り上げられてきた.本論文は,コンピュータ将棋の初期の歴史についての調査結果の報告である.調査の結果,将棋プログラムのはじめては 1967 年の詰将棋プログラムであることがわかった.The game playing program is used as a theme of research of artificial intelligence. In Japan, the shogi and the go have often been taken up as that theme. This paper is the report of the results of an investigation about the early history of computer Shogi. It was found that the first shogi program was the Tsume-shogi program in 1967.
著者
大久保雅且 杉崎 正之 井上 孝史 田中 一男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, pp.2250-2258, 1998-07-15
被引用文献数
25

WWW (World Wide Web)検索サービスで使用された検索語から情報ニーズを抽出できれば,より効果的な情報収集や情報提供が可能になる.しかし,同じ概念を表す情報を求める際でも,それぞれの利用者の持つ固有の視点から様々な検索語が用いられる.このため,使用された検索語を単純に集計するのではなく,その時期に「同義語として用いられた」検索語を判定して集約しなければ,情報ニーズの本当の強さや傾向を求めることはできない.本論文では,使用された検索語の間に関連度を定義し,その値によって関連する検索語をグループ化する手法を提案する.関連度は,(1)検索要求の時間間隔から同一情報への要求かどうかを判定する方法と,(2)各検索語の使用頻度の時系列を求めそれらの間の相関関係を用いる方法,の2つの観点から定義する.また,一定の期間ごとにこれらの関連度を求めることによって,「その期間における同義語」をタイムリーにグループ化する.さらに,本手法を実際のWWW検索サービスのアクセスログに適用し,各情報ニーズの真の強さや傾向を把握できるだけでなく,関連語の提示によって要求解釈の支援が可能となることを示した.This paper proposes a method for detecting the information demands of a large group of people by analyzing the keywords used on a WWW (World Wide Web) search service.In general,a variety of keywords are used to retrieve information on the same topic.These keywords differ according to each user's viewpoint.Therefore,they,that is related words in a sense,must be gathered and summed up to extract information needs accurately.In this paper,relationships between two keywords are measured by time interval between them,and by the correlation coefficient of the number of uses per day.By calculating these relationships once in a certain period of time,for example one week,and by combining them effectively,keywords for the same topic can be grouped together.We applied the proposed method to the access log for an actual WWW search service,and found that it was useful for interpreting each request as well as for understanding the true strength and trends of information demands.