著者
赤池 英夫 角田 博保 角田 博保
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.103, pp.15-22, 2008-10-18
被引用文献数
1

集合教育に用いる e -ラーニングシステム SHoes の開発を行っている.本年度より自宅からの利用が可能になり,復習支援に対するニーズは高まってきた.そこで,今回新たに動画配信機能 自動で採点と弱点判定が行われる練習問題提示機能 勉強会支援機能という 3 つの復習支援機能を追加することにより,総合的に学生の復習をサポートし,学習において重要となる復習への動機づけと 学習効果の向上を目指す.本稿では,システムの各種機能および復習における利用状況について報告する.We developed an e-learning system named "SHoes." It has been used over the past sevaral years and upgraded continuously. This time, in order to promote lesson review, we started to serve connections to the system from outside the campus. Moreover, we added three functions to SHoes for the purpose of helping student's activity: video clip delivery, automatically scoring exercises and study session management. In this paper, experience obtained from past lectures and the reason why we decided to improve SHoes that way are described.
著者
高森 健太郎 岩本 舞 小島 俊輔 中嶋 卓雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.17, pp.1-7, 2014-09-11

近年,JavaScript を用いたマルウェアが増加しており,自動判別の手法が望まれている.我々の研究では,難読化マルウェア JavaScript と一般の JavaScript の文字の出現確率および一次のマルコフ情報源の状態遷移確率に着目した.その結果,統計的に明らかな差異が見られた.そこで,文字の出現確率およびマルコフ情報源の状態遷移確率を確率変数とするマハラノビス距離を使用したマルウェア検知手法を提案する.実験の結果,2 種類の確率変数を使用したマハラノビス距離手法は,確率変数 1 種類の場合に比べ有効であることがわかった.Increasing of JavaScripts of malware requires the automatic detection system for malware in these days. Our research takes note of the occurrence probability both of obfuscated JavaScript malware and other JavaScript and state transition of first order Markov source. As the results of pre-experiments, statistical significance was found. We propose the detection method using Mahalanobis-distance with the probability variables of the rate of the number of upper Nth of appearance probability of characters and the probability variables of state transition of first order Markov source. As the results of experiments, the method of Mahalanobis distance with two probability variables was found the effectiveness method compared to the method using single probability.
著者
神戸 隆行 Lovic Gauthier Victor Goulart Antoine Trouve 平木 哲夫 山﨑陽介 村上 和彰
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.4, pp.97-102, 2007-01-23

Redefis は SoC の計算エンジンとなる動的再構成可能な ASIP(アプリケーション特化命令セット・プロセッサ)を動的再構成可能プロセッサを用いて実現するプラットフォームである。Redefis は Redefis プロセッサとソフトウェア開発ツールである Redefis ツールから成る。Redefis プロセッサは実行時再構成可能な LUT ベースの演算装置を備え、それをカスタム命令を介して利用できる。Redefis ツールは Redefis プロセッサでアプリケーションに特化したカスタム命令を実現するための演算装置の構成情報とそのカスタム命令を用いるオブジェクトコードの両方を汎用の高級言語(ここではC言語)で記述されたアプリケーションのソースコードから生成する。以前開発した試作 Redefis プロセッサ Vulcan とそのた開発ツールとして Redefis ツール・チェインの経験を踏まえて新たな試作プロセッサとして Vulcan2 を開発しつつあり、また、Redefis ツールを C コンパイラの枠組みに統合して新たに ISAcc コンパイラ開発した。Redefis is a design platform for designing dynamically reconfigurable ASIPs (Application Specific Instruction Set Processors), which are going to be used as engines in future SoCs. The platform consists of the Redefis processor and its SW development toolset. The Redefis processor contains a LUT-based reconfigurable module capable to be reconfigured on-the-fly via custom instructions. The Redefis toolset analyzes the target application (written in high level C language) and generates specialized Custom Instructions which are referenced in the final compiled object code of the application. An early prototype of the Redefis processor, called "Vulcan" with its relative tool-chain have been developed. Based on the know-how obtained, a new prototype, "Vulcan2", and a restructured development toolset, called ISAcc, which integrates the previous Redefis design tool-chain into C compiler framework.
著者
石塚 宏紀 上坂 大輔 黒川 茂莉 渡邉 孝文 村松 茂樹 小野 智弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.21, pp.1-6, 2014-05-08

低消費電力で動作する Bluetooth の規格である BLE(Bluetooth Low Energy) の登場により安価でのセンサ環境構築の可能性が広がってきた.また,各種既製スマートフォンにおいて BLE 規格の通信プロトコルが実装されつつあり,電池消費を実用可能な範囲にて既製のスマートフォンと通信可能な点も大いに注目されている.屋内位置測位の分野においても屋内環境に設置された複数 BLE デバイスから発せられるシグナルをスマートフオンが受信することによって屋内における端末の位置を同定可能であることから期待を集めている.しなしながら,BLE デバイスによる測位技術は,実機の登場から間もないこともあり実環境における特性を十分に検証する実験や性能評価に関する情報がなく,人体の電波吸収による減衰,障害物による電波の反射,近接に設置された BLE デバイス同士の電波干渉の影響について未だ未開拓の部分が多々あり,実用化に向けた検証が急がれている.そこで我々は,BLE シグナルによる屋内測位における基礎実験を自社施設内で実施した.さらに OBFT(Open Beacon Field Trial) によって開催された BLE デバイスの実証実験に参加し,展示会場に密に設置された BLE デバイスにおいて約 50 名の被験者に BLE シグナルの受信状況を測定する実験を行った.本稿では,各種実験から明らかとなった BLE シグナルの屋内測位利用における課題について実験結果を踏まえて述べた後に,BLE シグナルによる測位と端末センサを利用した相対位置測位技術である PDR(Pedestrian Dead Reckoning) を組み合わせたのハイブリッド屋内側位手法の基礎検討について述べる.An appearance of BLE (Bluetooth Low Energy) raises expectations of realizing sensor environments with low cost. A release of a few BLE compatible smartphones increases the feasibility. Especially in fields of indoor localization, measuring signals from BLE devices is expected to assist indoor localization. However, characteristics of the signals in real fields have not been evaluated enough. Therefore, we conducted experimental trials in real fields (an in-house trial and Open Beacon Field Trial). We show problems we found in the experiments and discuss a hybrid localization with PDR (Pedestrian Dead Reckoning).
著者
岩田 泰士 鈴木 育男 山本 雅人 古川 正志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:03875806)
巻号頁・発行日
vol.50, no.11, pp.2752-2759, 2009-11-15

ネットワーク可視化技術は,ネットワークを大域的に俯瞰することで,その構造的特徴をとらえ,ノード間のリンク関係だけでは見えにくい新たな情報を見つけ出すうえで有用な技術である.本研究ではネットワークの可視化に対して,自己組織化マップ(SOM)の学習機構を利用した可視化方法を適用する.従来のSOMに基づくグラフレイアウト方法であるISOM(Inverted Self-Organizing Map)は,従来の力学的手法に比べ非常に高速であり,隣接ノードどうしが近い位置に配置されるという利点により,ある程度の意味を持つ結果が出力可能である.しかし,一方で可視化結果が信号領域で歪められる現象が起こる問題点を持つ.本研究ではこの問題点を解決する方法としてDSSOM(Dynamically-Signaling Self-Organizing Map)を提案し,その有用性を検証する.
著者
天笠 俊之 有次 正義 金森 吉成
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 = IPSJ Magazine (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.42, no.10, pp.972-979, 2001-10-15

データベースの応用の1つに,時間的に変化するデータ(時制データ; temporal data)の管理が挙げられる.時制データベースではデータの更新履歴を検索・操作するため,データの更新や削除は仮想的に行われ,データベース内に蓄積されるデータ量は常に増え続けるという特徴がある.このため,時制データを高速に検索するための索引は,この特徴を考慮したものになる.
著者
出口 幸子 白井 克彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.642-649, 2001-03-15
被引用文献数
4 4

筆者らは箏曲の楽譜データベースを実現するために,箏曲の旋律分析を行っており,その基礎として必要な音律と音階を規定することができたので報告する.箏曲の音律と音階を規定する文書は存在しないが,中国雅楽,中国俗楽,日本雅楽を経て箏曲に至っている.本研究では,箏曲譜から作成した楽譜情報ファイルの分析から箏曲の音律と音階を規定できることを示し,かつ中国雅楽の理論を適用できることを示した.本研究の目的は情報処理における対象領域の構造の規定であるので,明確に定義されている中国雅楽の理論を用いて検討した.音律については,楽譜情報から連続する2音の音程を抽出し,半音と全音が出現する音高が限定していることから,半音が生じる2音間の音程を $x$,生じない音程を $y$,および全音の音程を $xy$ として1オクターブ中の各音間の音程を決定した.これより,1オクターブ中の12音の具体的な周波数比を求めた.また,このように規定した音律が,中国雅楽の音律である十二律の理論に適合することを確認した.音階については,中国雅楽の音階である七音音階,および十二律と七音音階を対応付ける均の概念を用いて,箏曲の音階と均を理論的に定義した.一方,楽譜情報ファイルを調弦の変化する点で分割し,各音高の出現頻度より,均の存在を確認して,調弦と均との対応を考察し,また,七音音階であることを確認した.This paper describes a study on the temperament and the scale of koto music,toward a research of melody analysis and score database.The temperament and the scale of koto music are not described on any document,while they are based on Japanese court music,Chinese traditional music and Chinese court music.This paper shows that they can be defined by analyzing score data files to satisfy the theory of Chinese court music.We extract intervals between two notes sequentially from score data files,and show that semitones and whole tones are used limitedly.We define semitone as ``$x$'',define the interval not used for semitone as ``$y$'',and define whole tone as ``$xy$''.Therefore the intervals between twelve tones in one octave are defined.We also calculate the frequency ratios of tones.Next, the temperament of koto music is certified by the theory of Chinese 12-tone temperament.The scale of koto music is defined by the theory of Chinese 7-tone scale,and the dependency of scale on temperament is also determined.We extract notes from score data files, and verify the scale and the dependency of scale on temperament.
著者
岩村 聯
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.12, no.6, pp.353-361, 1971-06-15
著者
藪圭輔 榎堀優 間瀬健二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.23, pp.1-8, 2014-03-07

Wi-Fi 電波強度を用いた位置推定において,電波強度の揺らぎを考慮して,電波強度分布の一致度から位置を推定する場合,少数回の観測では十分な電波強度分布が得られず,推定精度が低下する問題がある.そこで本研究では,電波強度分布に,通信理論において,多重経路で受信機に到達する散乱信号のモデルに使われるレイリー分布を用いることで,少数回の観測でも精度の高い位置推定を実現することを目指す.電波強度分布にレイリー分布を想定した場合とガウス分布を想定した場合とを比較した結果,観測回数 2 回の場合の位置推定精度を表す F 値は,レイリー分布利用で 0.770±0.235,ガウス分布利用で 0.055±0.054,5 回で同じく 0.871±0.174 と 0.647±0.195 となった.従って,レイリー分布を利用することで,少数回の観測でも高い精度で識別できることが確かめられた.また,レイリー分布は 1 サンプルでも分布の推定が可能であり,F 値で 0.522±0.235 の精度を得た.In Wi-Fi based positioning, RSSI distribution matching is required to realize robustness for RSSI noise that is occurred by humidity change, human movement, and so on. However, RSSI distribution matching is not effective in small-sample-size positioning if it use common distribution such as Gaussian. Thus, in this paper, we propose use of Rayleigh distribution in order to solve the issue. The Rayleigh distribution is a model of scattering signals arrival with multiple paths in communication theory, and is able to estimate its distribution with small-size samples. As an evaluation result, in two samples, the F-measure is 0.770±0.235 with our proposed method, and it is 0.055 ± 0.054 with Gaussian; and in five samples, the F-measure is 0.871 ± 0.174 with our proposed method, and it is 0.647 ± 0.195 with Gaussian. In addition, our proposed method is able to estimate position in only one sample with 0.522 ± 0.235 in F-measure.
著者
栗山和子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告情報基礎とアクセス技術(IFAT)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.3, pp.1-8, 2013-09-19

本研究では,国立大学の附属図書館が Twitter をどのように利用しているのか,簡単な実態調査を行い,大学図書館の PR ツールおよびサービスツールとしての Twitter の有効性について考察した.まず,全ての国立大学の附属図書館について,Twitter のアカウントを収集し,ツイートの発言者の属性をプロフィールや図書館の公式サイトを用いて公式アカウントを同定した.次に,TwitterAPI を用いて,各アカウントのユーザ情報およびツイート 100 件を抽出し,その内容をいくつかのカテゴリに分類した.結果として,大学図書館のツイートの内容は,従来の館報や掲示による広報の範囲内に収まっており,双方向的なやりとりやリツイートによる情報拡散などの Twitter の特性を十分活用しているものではなく,主に簡易的な広報ツールとして使用されていること,また,公式アカウントがフレンドとしてフォローしているユーザの 4 割はフォロワと重複しており,必ずしも,Twitter 上での有用な情報源をフレンドとして登録しているわけではないことなど,まだ,大学図書館の Twitter 利用には課題が多いことがわかった.
著者
森岡 澄夫 佐藤 証
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.1321-1328, 2003-05-15
被引用文献数
21 8

次期米国標準の128ビット共通鍵ブロック暗号AESにおいて,論理設計の工夫によって回路の消費電力を減らす方法を検討した.今回筆者らが行った調査では,AESの消費電力の大半をS-Boxと呼ばれる非線形変換を行う組合せ回路が占めており,S-Boxの消費電力は回路中を伝播するダイナミックハザードの量で決まる.本稿では,消費電力の少ないS-Boxの論理回路構成法(multi-stage PPRM)を提案する.その方法では,合成体上で演算を行うことによって回路規模を減らすとともに,二段論理を何ステージか直列につなげることによって,各ゲートへの信号到達時間を揃えハザード発生を減らす.この結果,これまで知られているS-Box回路と比べて半分から3分の1以下の消費電力を達成した.本手法は,S-Boxにガロア体の逆元演算を用いたその他多くの共通鍵暗号回路にも有効である.Reducing the power consumption of AES circuits is a critical problem when the circuits are used in low power embedded systems.We found the S-Boxes consume much of the total AES circuit power and the power for an S-Box is mostly determined by the number of dynamic hazards.In this paper,we propose a low-power S-Box circuit architecture: a multi-stage PPRM architecture.In this S-Box, (i) arithmetic operations are peformed over a composite field in order to reduce the total circuit size,and (ii) each arithmetic operation over sub-fields of the composite field is implemented as PPRM logic (AND-XOR logic) in order to reduce the generation and propagation of dynamic hazards.Low power consumptions of 29uW at 10\,MHz using 0.13um 1.5V CMOS technology were achieved,while the consumptions of the conventional S-Boxes are two or more times larger.The proposed method is effective in the other common-key ciphers whose S-Boxes use Galois field inversion.
著者
真野 芳久 杉藤 芳雄 鳥居 宏次
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.18, no.8, pp.p808-813, 1977-08-15

Fortranに対しては, プログラミング方法論の観点からなされているものも含めて様々な批判がある. しかし, Fortranは現実的な面では多くの長所を備えているたとえば, 言語仕様の面で多少の差異はあるがほとんどの計算機システムにFortranコンパイラが用意されていてかなりの移植性(portability)が保証されていること, プログラムの蓄積が容易なこと, 効率の良いオブジェクト・コードとなること, 等であり, Fortranは最も広く使用されている言語のエつである. 今後この状態が急激に変化するとは考えにくい.
著者
下西 風澄 井庭 崇
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. MPS, 数理モデル化と問題解決研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.235-238, 2007-12-20

本論文の目的は,非線形関数の可視化における新しい表現手法を提案することである.提案手法では,関数の値を角度に変換して描画することで,その軌道を平面的な描画パターンとして視覚的に捉えることができるようになる.本論文で取り上げるロジスティック方程式では,周期領域とカオス領域には明らかな違いが観察され,その中間領域には周期とカオスが入り混じるパターンが観察された.この新たな表現手法は,カオスの複雑な軌道を,より視覚的・感覚的に捉えることができる方法として,可能性を秘めていると思われる.
著者
奥居 哲 柴田 祥一 岡田 稔 川島 信
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.92, pp.67-72, 2003-09-19

本発表は,卒業研究・ゼミナールのための研究室配属を一対多型安定結婚問題と見なし,安定結婚問題の解法アルゴリズムを用いた配属(以下,安定結婚配属)を試みた事例の分析に関する報告である.安定結婚配属を,第1 志望を特別に優先する発見的手法に基づく従来の配属に対して詳細に比較し,志望学生と受入れ先研究室の「満足度」の違いを調べた.「満足度」の評価には,複数の指標を組合せて用いた.その結果,学生,研究室共に,安定結婚配属の方が高い満足度が得られることが確認された.また,安定結婚配属において,定員の変化が配属結果に及ぼす影響についても調べた.その結果,定員の変化は,研究室間の配属数の格差に対して最も顕著な影響を与えることが観察された.We offer a case study of a laboratory assignment for under-graduate students as an instance of the stable marriage problems. Two assignment methods are considered; one adopts a 1-n stable marriage algorithm, while the other is based on heuristics giving absolute priority to the applicants for their most preferable laboratory. Using actual preference data, we compare two methods. Several kind of indices are introduced in order to evaluate satisfaction of students and faculty. Our analysis with respect to those indices indicates that the former method gives a more desirable coupling than the latter for both students and laboratories.
著者
桑原教彰 野間 春生 鉄谷信二 萩田 紀博 小暮 潔 伊関 洋
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.2638-2648, 2003-11-15
被引用文献数
15 17

医療事故に結び付く可能性のある看護業務の作業環境を改善していくことが求められている.医療事故の原因分析には,事故に関係した医療従事者の行動履歴の情報が重要である.本論文は,看護行為を妨げないウエアラブルセンサにより,看護師の1日の行動を自動計測して,看護履歴を作成するために必要なデータを自動的に収集する手法を提案する.まず看護行動の自動計測方法の基本方針を述べる.次にこの方針に基づいて,音声入力,歩数,姿勢の傾斜角,に着目したウエアラブルセンサを試作し,実際の医療現場で本手法の有効性を示す.具体的には,歩数,上半身の傾斜角だけから日常的に頻繁に実施される看護業務がいくつかに大きく分類できることを示し,その結果と音声認識を組み合わせることで,実際の医療現場で収集したサンプルデータに対して,音声認識単独の場合より高い識別率で看護業務を識別できたこと,および,記録されたデータを看護師の実際の看護記録と比較して,この自動計測法では従来の看護記録には記録されない予定外の行動を含む履歴が残されたことを示す.In order to improve the quality of medical service, we propose a method for auto-event-recording of nursing operations with little disturbance of their moves. We've developed the wearable sensors to allow recording the type of job units by recognizing their voices, the number of foot steps and their physical postures. Several experiments are made by using these sensors at a hospital. Experimental results show that we can categorize the nursing jobs most frequently operated by the nurses, by analyzing data of their foot steps and physical postures. Then, by utilizing this result with the speech recognition, the nursing record is reconstructed, better than that by using only the speech recognition. Finally, by comparing the reconstructed nursing records with the actual ones, we show that our sensors can record the nurse's jobs that are missed on the actual nursing records.
著者
野崎 昭弘 杉本 俊彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.164-166, 1980-03-15

「内部ソートのおそらく最も有用な汎用技法」(クヌース)といわれるクイックソートの長所は平均所要時間が短いことであり 短所は最悪の場合の所要時間がひじょうに長い(項目数nに対してΟ(n^2))ことである.本論文ではクイックソートを改良して 最悪の場合の所要時間を項目数nに対してΟ(n log n)におさえ しかも平均所要時間をほとんど損なわないようにできることを示した.
著者
村田 真樹 内山 将夫 井佐原 均
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.11, pp.181-188, 2000-01-27
参考文献数
19
被引用文献数
38

質問応答システムの研究は,TREC8やAAAIにおいても重要な問題として位置づけられている.本研究では,自然言語で書かれた知識データと質問文を,類似度に基づいて照合することにより,全自動で解を取り出すシステムを作成した.このシステムの有効性を確かめるために,TREC8のホームページや英検の問題から取ったサンプルデータで実験したところ,良好な結果を得た.Research on question-answering systems is now considered to be extremely important in TREC8 and AAAI. In this paper, we constructed a question answering system which matches a question with knowledge-based data written in natural language and automatically selects the answer. We tested this system using sample data taken from TREC8's homepages and Eiken textbooks, and obtained good results.
著者
角田 達彦 清水 仁 長尾 眞
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.4, pp.129-136, 1997-01-20
被引用文献数
2

本稿では,六法全書法律文の大局的構造の解析と要件の意味推定を表層的手がかりによって行なう手法を提案する.文の構成要素を主題,要件,効果に分け,それらが対比構造をなしているかを調べ,その結果によって各主題や要件の係り先を特定する.そして各要件の機能表現によって要件のさす内容を特定する.同時に主題の連体修飾部や,効果部に入りこんだ要件の抽出を行なう.その結果,六法全書の条文181文の学習コーパスに対して170文(3%)が,そして275文のテストコーパスに対して224文(1%)が正しく解析できた.また,とりたて助詞「は」と読点の有無が対比構造の生成・認識の鍵となり,それによって係り先が決定されることを明らかにした.We propose a method of automatic detection of global structure and semantical logics in legal sentences. Firstly, the method extracts elements in them and classifies them into three types: subject, condition, and effect. Second, it checks whether they have comparison structures, and, depending on the result, specifies their dependency. Finally, it grasps their contents using surface clues and extracts conditions from the subject and effect parts. Our method achieved 93% correctness for 181 training sentences, and 81% correctness for 275 unseen sentences. We also clarified the importance of particle 'ha' and commas for generating and understanding comparison structure, which decides phrase dependency.
著者
Luiz Sampaio Yoshio Yamada Goshiro Yamamoto Takafumi Taketomi Christian Sandor Hirokazu Kato
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. CVIM, [コンピュータビジョンとイメージメディア] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.64, pp.1-4, 2015-01-15

We present a method for detecting on-screen markers to identify physical displays and to estimate camera poses against these displays. It is difficult for humans to perceive the variation of two alternating colors when these colors switch in a frequency higher than the flicker fusion threshold. On the other hand, the variation is detectable by of-the-shelf rolling shutter cameras which have certain frame rate setting. Leveraging on the difference between the human visual characteristics and the camera characteristics, imperceptible markers can be embedded onto a display screen. In this paper, we introduce our technique in mobile device based user interfaces for manipulating digital content on large distributed displays. Furthermore, we show that our prototype system enables an augmented reality application on a mobile device using the marker embedded displays. Lastly, we discuss potential scenarios and applications.