著者
建部修見 児玉 祐悦 関口 智嗣 山口 喜教
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.2246-2255, 1999-05-15
被引用文献数
5

MPIはpoint-to-point通信における対応する送信と受信のマッチングに関するコストが大きく 通信遅延が大きくなる原因となっている. 本研究では ノンブロッキング受信が先行発行される通信パターンにおいて 送信時に受信側に問い合わせることなくリモートメモリ書き込みにより送信を行う方式を提案し 高並列計算機EM-Xに実装しその評価を行った. その結果 通信遅延15.3μsec スループット31.4MB/sを達成し 他MPPに実装されているMPIに比べ優位な性能を示した. 本手法は 他システムにおいても適応可能であり ハードウェアスペックどおりの低遅延 高スループットを得るためには重要な方式と考えられる.MPI point-to-point communication is a basic operation, however it requires runtime-matching of send and receive that causes to reduce performance. This paper proposes a new approach to send messages by remote memory write without inquiring of the receiver under a communication pattern such that the corresponding nonblocking receive is issued in advance. Basically, this approach makes it possible to gain low latency and high bandwidth as the hardware specification. MPI-EMX, our implementation of the MPI on the EM-X multi-processor, achieves a zero-byte latency of 15.3 μsec and a maximum bandwidth of 31.4 MB/s, which can compete with commercial MPPs. This approach to reduce communication latency is widely applicable to other systems and is quite a promising technique for achieving low latency and high bandwidth.
著者
加納 幹雄 佐々木 哲也 藤田 宏明 星 誠司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.11, pp.9-16, 1994-01-25
被引用文献数
2

ライフゲーム(fe ga)は平面を格子に分割し、この格子のいくつかに石を置き、これを決まった規則で次々に変化させ、その生物の生死を連想させる石の配置の変化を楽しむゲームである。ここ.ではこれを次のように3つの観点から一般化する。.これにより元のライフゲームとはかなり違う動きをする興味深い新しいライフゲームがいくつか見つかった。()平面は合同な3、5、6角形に分割することもできる。これらの分割においても同様なゲームができる。()4角形の格子分割においても、また他の分割においても、各セルにおいてこれに隣接するセルにはいくつか接し方がある。接し方によって異なる影響を与えるとしてセルの受ける影響を評価する。()ある、ないの2状態から、ない、子、親の3状態があるとしてゲームのルールを定める。Life game can be generalized by combining the following three new ways: (i) The plane can be partitioned into not only squares but also triangles, quadrilateral, pentagons and hexagons. We play new life games on these partitions. (ii) Suppose that the plane is partitioned into n-gons. Then we call each n-gon a cell. For every cell C, some cells D touch C in several ways. So we estimated influence upon C from the touching cells under the assumption that the infuence of D depends on how to touch C. These new estimation give us new life games, at any time each cell is child, adult or dead. By combining these three new idea, we can define a lot of new life games, which are called Life games of Ibadai type. We found some interesting life games of Ibadai type.
著者
和気 早苗 加藤 博一 才脇 直樹 井口 征士
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.7, pp.1469-1481, 1994-07-15
被引用文献数
23

人間と機械による合奏において、人間の即興演奏に合わせて出力が適宜変化する、協調型自動演奏システム"JASPER"(Jam Session Partner)について述ぺる。本研究では合奏での人間・機械間のコミュニケーションを実現するために、計算機内に<聴く→感じる・考える→演奏する>という人間の即興演奏過程を模倣した演奏家モデルを構築した。また、テンション・パラメータという感覚量を定義し、それを用いることで、演奏に現れる感性情報を抽出し処理することを試みた。システムヘの入カはMIDI楽器からの即興演奏である。その演奏から人間の演奏者のテンション値を計算する。これは人間の演奏における緊張感を表すものである。演奏者のテンション値を考慮し、システムの持つさまざまなルールによってシステムのテンション値が計算される。出力はドラムとべ一スの演奏であり、システムのテンション値に適合するパターンが複数の侯補より選択される。実際こシステムとの合奏を行った演奏者からは'とても楽しく演奏できる''計算機が自分の演奏に応答することは非常に興昧深い'といった評価が得られた。本研究は演奏に含まれる感性惰報を計算機で扱おうとする試みの一つである。合奏という形でのコミュニケーションを研究しシステムを構築することで、人間・機械間における協調作業、そして感性情報を合むコミュニケーションの可能性を見いだすことができた。
著者
諏佐 達也 村川正宏 高橋 栄一 古谷 立美 樋口 哲也 古市 愼治 上田 佳孝 和田 淳
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.48, no.15, pp.78-87, 2007-10-15
被引用文献数
1

製造ばらつきにより発生するクロック・スキューの問題を解決するための手法として,遺伝的アルゴリズムを用いたディジタル LSI の製造後クロック調整技術が提案されている.しかし,大規模な LSI の調整では,調整箇所が増大するため,調整時間が増加するという問題がある.そこで,本研究では,大規模ディジタル LSI にも適用可能な製造後クロック調整の高速化手法を提案する.提案手法では,LSI 設計時に行う STA(Static Timing Analysis)の結果を用いて調整箇所を限定し,調整時間を短縮する.それに加えて,遺伝的アルゴリズムの初期集団の分布を工夫することで,さらに調整時間を短縮する.さらに,これらの手法による調整効果を LSI の設計時に検証できるようにするための調整シミュレータを開発した.このシミュレータを用いた調整実験の結果,1 031 カ所のフリップフロップが存在する実用的な回路において,数秒という現実的な時間で調整が完了できる見込みを得た.To solve the problem of fluctuations in clock timing with large scale digital LSIs (also known as the "clock skew" problem), the post-fabrication clock-timing adjustment technique using a genetic algorithm (GA) has been proposed. However, the adjustment time increases incurred when more programmable delay circuits are incorporated within large-scale LSIs is a serious issue. For this problem, we propose a post-fabrication clock adjustment method to realize practical applications. This method reduces the adjustment time by reducing adjustment points utilizing results of static timing analysis (STA) and adopting improved distribution for initial population of GA. Moreover, we have developed an adjustment simulator to predict the adjustment results by the proposed method in design stages of LSIs. Adjustment experiments using the developed simulator demonstrate that our method can adjust practical LSIs with 1,031 flip-flops within a few seconds.
著者
佐々木 康仁 伊藤 潔 鈴木 誠道
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.30, no.6, pp.699-708, 1989-06-15
被引用文献数
12 13

三面図が表す三次元物体を求める手段として 単純に各面図の頂点や線分について各面図間で対応をとり 三次元空間上の頂点と稜線から成るウイヤフレームモデルを作成し それらの稜線で囲まれた領域を面として認識したサーフィスモデルを作成する方法が考えられる.この方法をとると 偽の物体要素を含むサーフイスモデルを作成してしまう場合がある.この偽の物体要素を含むサーフィスモデル(真と偽が混在する候補物体要素群)から所望の物体を見出すためのこれまでの多くの方法では 試行錯誤的な探索プロセスのアルゴリズムを提案している.我々は探索アルゴリズムの提案ではなく 連立の非線形の擬似ブール代数等式・不等式を用いた定式化による手法を提案する.そこでは 候補物体要素の真偽を適切に見極めるための真偽決定規則として 物体要素群が多面体を構成するための条件および三面図に合致するための条件を挙げる.それらの条件を非線形項による模似ブール連立式で定式化する.この定式化に基づいて候補物体要素群を連立式として立式する.この連立式の解を基に 多面体を構成し かつ三面図に合致する物体要素群を求める.この手法を確立し 種々の例題に適用し この手法の有効性を明らかにした.我々がすで提案した手法(線形擬似ブール代数による定式化)とは 定式化の際 非線形項を導入したという点で異なり このため擬似プール代数解法の適用範囲が拡張できた.
著者
日野 浩平 宇津呂 武仁 中川 聖一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.73, pp.57-63, 2004-07-15
被引用文献数
1

近年,ウェブ上の日本国内の新聞社などのサイトにおいては,日本語だけでなく英語で書かれた報道記事も掲載しており,これらの英語記事においては,同一時期の日本語記事とほぼ同じ内容の報道が含まれている.本研究では,これらの報道記事のページから,日本語で書かれた文書および英語で書かれた文書を収集し,多種多様な分野について,分野固有の固有名詞(固有表現)や事象・言い回しなどの翻訳知識を自動または半自動で獲得するというアプローチをとる.翻訳知識獲得においては,まず,報道内容がほぼ同一もしくは密接に関連した日本語記事および英語記事を検索する.そして,関連記事組における訳語候補の共起に基づく相関尺度を用いて,二言語間の訳語対応を推定する.本稿では,この尺度を用い,英語タームの出現頻度の分布に応じて,訳語対応推定性能が変化するかどうかを調査し,その相関を評価する.そして,英語タームの頻度が大きいほど,高い訳語対応推定性能が達成できることを示す.This paper focuses on bilingual news articles on WWW news sites as a source for translation knowledge acquisition. We take an approach of acquiring translation knowledge of domain specific named entities, event expressions, and collocational expressions from the collection of bilingual news articles on WWW news sites. In this framework, pairs of Japanese and English news articles which report identical contents or at least closely related contents are retrieved. Then, a statistical measure is employed for the task of estimating bilingual term correspondences based on co-occurrence of Japanese and English terms across relevant Japanese and English news articles. This paper then examines the correlation of term frequencies and correctness of term correspondences estimation. We experimentally show that the more frequent the target English terms be, the more reliably bilingual term correspondences can be estimated.
著者
櫻田 英樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.41, no.9, pp.8-24, 2000-11-15

本研究では,プログラミング言語における文脈と環境の関係を調べる.プログラミング言語において文脈とは,穴を持つプログラムのことである.文脈はプログラミング言語の操作的意味論を定義するときなどに用いられる.橋本,大堀(1996)は文脈をファーストクラスのオブジェクトとして持つ型付き ${エlambda}$ 計算を考えた.ファーストクラスの文脈を用いて,モジュールシステムやモバイルコードを柔軟に扱うことができると期待されている.一方,プログラミング言語において環境とは,変数の名前とその値の組の集合のことである.環境は局所的束縛を扱うためにしばしば用いられる.LISPのletなどは環境を作り,その中でプログラムを評価するものである.環境をファーストクラスのオブジェクトとして持つような ${エlambda}$ 計算はいくつかあり,佐藤,Burstall,桜井(1999)による ${エlambda}{エvarepsilon}$ はその1つである.ファーストクラスの環境を用いてオブジェクト指向プログラミングなどを扱うことができると期待されている.本研究では,橋本,大堀の型付文脈計算を,佐藤,Burstall,桜井の ${エlambda}{エvarepsilon}$ を用いて解釈し,解釈の健全性を証明した.また,これにより型付文脈計算が強正規性を満たすことが分かった.We investigate the relationship between contexts and environments in programming languages. In programming languages, a context is a program with a hole. We often use contexts in defining operational semantics of programming languages. Hashimoto and Ohori (1996) have studied a typed context calculus, a typed ${エlambda}$-calculus with first-class contexts. We expect that we can build flexible module systems using first-class contexts. On the other hand, an environment in programming languages is a set of variable-value tuples. We use environments to express local bindings. For example, ``{エtt let}'' construct in LISP creates an environment and evaluates a program in it. There are several works on ${エlambda}$-calculus with first-class environments. ${エlambda}{エvarepsilon}$ by Sato, Sakurai and Burstall (1999) is one of them. We expect that first-class environments are useful for object-oriented programming. In this work, we develop an interpretation of Hashimoto-Ohori's typed context calculus in ${エlambda}{エvarepsilon}$. We prove its soundness and show that the context calculus is strongly normalizing.
著者
登坂紘介 松原 仁
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ゲーム情報学(GI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.70, pp.9-16, 2006-06-30
被引用文献数
1

本研究ではトップクラス棋士である羽生善治氏と他のプロ棋士とを棋譜を元に比較することにより、客観的な棋風の差異を見つけることを試みた。使用するデータは日本将棋連盟より発売されている「将棋年鑑」、「羽生善治実戦集」から約4000局のデータを抽出した。今回の研究では定跡や一般的に評価されているその人の棋風といったものは一切知識として含まず、実際に羽生氏がどのような手を実戦で指したかの統計を取り、他の棋士と統計学上どれほど信頼できる差がどのような項目にあるのかについて調べた。その結果、いくつかの興味深い知見が得られた。例えば、羽生氏は龍の使用頻度が他の棋士に比べて多い、などである。In this paper, we have investigated objective differences of playing style of Shogi by comparing Mr. Habu Yoshiharu`s game records with other players` game records. The data are 4000 games extracted from "Shogi Nenkan" and "Habu Yoshiharu Jissensyu". In our comparison, we don`t use any Shogi knowledge or any players` characteristics. We have got several interesting results. For example,mr.Habu plays more Ryu moves than other players.
著者
小嶋 大亮 井上 亮文 星 徹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.49, pp.1-6, 2014-03-06

写真活用において多くの場合,写真を整理・検索するのは撮影者本人である.既存の検索手法では,Exif を利用した 「いつ・どこで・誰が・何を」 など被写体に関連するものを検索キーとしたものがほとんどであった.そのため,撮影者の主体的な体験などを検索キーとした撮影者にとって直感的な検索手法は実現されていない.本研究では,写真撮影と同時にそのときのカメラの仰俯角を写真とともに記録し,検索時にカメラの角度を変更することで,撮影時の姿勢に近かった写真を直感的に絞り込むことができるシステムを提案する.本システムでは,撮影時のカメラの仰俯角を利用し 「どのように」 撮影したかという主体的な体験を活用することで,似たような状況で撮影された写真だけを表示するなどの新たな検索手法を実現した.評価実験の結果,多少角度のずれがあったが,仰俯角での検索が正しく行われていることを確認した.The majority of the In most cases, photo search browsers are used by the photographers themselves, and the retrieval key is based on the five Ws (Who, What, When, Where, and Why). In this paper, we propose a personal photo retrieval browser based on photographer's subjective experiences. This system sends and records the following data when a photographer press the shutter button of the camera: (i) picture, (ii) elevating/depression angle of the camera. In search phase, we can retrieve those pictures by controling the tilt angle of a physical camera. Experimental results with our prototype system indicated that the subjects could retrieve intended pictures desipte some accuracy problems.
著者
菊池 新 加藤誠巳 高木 啓三郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.25, pp.25-32, 1994-03-15
被引用文献数
2

近年、我国の公共交通網は一段と整備されて来ているが、それに伴い時刻表を考慮に入れて任意の出発地から任意の目的地に至る最適な経路を求めることは困難になりつつある。筆者らは従来からパーソナルコンピュータを用いて、新幹線特急と航空便の時刻表を考慮して最適な乗継系列を探索するシステムを作成したが、出発地、目的地は新幹線の駅または空港に限定されており、最寄りに新幹線の駅あるいは空港がないところが出発地または目的地である場合にはどこの新幹線の駅あるいは空港にアクセスするのが適当であるか分からない欠点があった。本論文では、日本全国の私鉄を含む9,015の鉄道駅ならびに空港を出発地あるいは目的地として指定したとき、航空機、新幹線特急、JR在来線特急の時刻表を考慮に入れて、第k最適乗継系列 (=1,2,・・・) を探索する方法ならびに実際に最適乗継系列をパーソナルコンピュータPC?9821を用いてWindows3.1の下で探索した結果について述べている。In recent year, the public transportation networks of Japan have made remarkable progress, so that one cannot easily find the optimal route from his origin to his destination. The authors already developed a system which provides the optimal transfer sequence of the Shinkansen limited expresses and the airplanes with the timetables taken into account. The defect of this system is that only the Shinkansen stations and the airports can be designated as an origin or a destination. As a result, a person whose nearest access point is the local station does not know where to go in order to take the limited expresses or the airplanes. In this paper, an optimal transfer sequence searching method and system is presented, in which any one of 9,015 stations and airports can be chosen as an origin or a destination. This system treats not only the airplanes and the Shinaknsen limited expresses but also the limited expresses of the conventional JR lines. The time require to obtain the optimal transfer sequences is quite reasonable, which reveals that the system running on a personal computer under Windows 3.1 is of practical use.
著者
西光 雅弘 秋田 祐哉 河原 達也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.69, pp.25-30, 2005-07-15

本稿では落語を対象に劇場内においてリアルタイムで字幕を付与する方法を検討する.落語は演目ごとに基本的なシナリオ(台本)が決まっており,同一演者・演目の音声データとその書き起こしの収集が可能であることから,これを用いて当該演目専用の音響モデルと言語モデルを構築する.特に,台本からの逸脱への頑健性を保持しながら,言語的制約を強力に反映させるために,言語モデルの単位として文節を採用する.実際の落語3演目を用いて認識実験を行ったところ,3演目平均で90%に近い単語認識精度を得た.Automatic real-time captioning of Rakugo using large vocabulary continuous speech recognition is addressed. Rakugo is a Japanese traditional monologue show of story telling performed by a professional Rakugo-ka. Rakugo-ka follows a script, but does not read out it like drama. For automatic captioning, we construct a dedicated language model from the script and an adapted acoustic model. In addition, we adopt the phrase (bunsetsu) unit for language modeling. At this moment, we achieved word accuracy close to 90%.
著者
奥野 洋平 朱青 小舘 亮之 富永 英義
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.19, pp.59-64, 2001-03-02

デジタルビデオカメラの普及およびPCの発達により,一般人でも映像の撮影,保存を行なえる環境が整いつつある.しかし編集および閲覧するための設備はいまだ不十分であり.より容易に高速に所望のシーンにアクセスするため,映像の特徴を示す情報(インデックス)を自動的に抽出し,ラベル付けする技術(インデキシング)が必要とされている.一般人の撮影する映像には撮影対象が人物である場合が多く,インデックスとして登場人物や人数,人物の動きなどが求められる.本稿では,これらのインデックスを抽出するために,人物顔を映像から検出するシステムを検討している.中でも顔追跡の方法にCamShiftアルゴリズムを用いており,インデキシングに適した応用方法について述べる.By the spread of a digital video camera and the development of PC, we can film and store it easily now. However, the facility to edit and watch is not enough. IN order to access a desired scene at high speed more easily, a technology extractinng information to show video contents is needed. There are many cases that the target is a person to the picture which we film as a hobby, and a character and the number of people, movement of a person are needed as an index. I examine a system detecting human faces from a picture in order to extract these indexes in this paper. I use CamShift algorithm in a method of a face traking and describe a suitable method to index.
著者
幸島 明男 池田 剛 井上 豊 車谷浩一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.116, pp.37-44, 2006-11-09
被引用文献数
1

さまざまなセンサデバイスからのセンサ情報をどのようにして管理し,人間向けの具体的なサービスへと結びつけるかという問題は,依然として,状況に基づくサービスを実現する上で重要な課題となっている.本研究では,このような問題の解決に向けて,複数の異なるセンサ情報を統一的に管理し,高次のサービスと連携させる機能を提供するミドルウェアSENSORD (Sensor-Event-Driven ServiceCoordination Middleware) を提案する.SENSORDは,低次元のセンサデータを高速に解析するために,センサデータをその時空間情報とともに共有メモリ上に保持する機能を持つ.SENSORDは,ユーザが登録したルールに基づいて,非同期・同期的に蓄積されたセンサデータの評価を行い,ルールが適合する場合には対応するサービスを起動する.これらの機能を利用することで,ユーザは状況に基づくサービスを容易に実現することができる.本論文では,まず,状況に基づくサービスのためのミドルウェアに求められる機能について整理し,時空間情報管理とルールに基づくサービスに着目する.そして,そのような機能を提供するミドルウェアとしてSENSORDを提案する.最後に,SENSORDのアプリケーションとして,現在開発中の緊急時における屋内避難誘導システムについて述べる.How various kinds of sensor devices are handled, and how numerous 0lower-level sensor data are managed and integrated into higher-level context services are important issues to realize context-aware information systems. We have been developing Sensor-Event-Driven Service Coordination Middleware (SENSORD) to fill coordination gaps betweepn higher-level services and lower-level sensors. The SENSORD system obtains and stores sensor data into an in-memory data container to achieve fast, complex analysis of the sensed data. The facility of real-time analysis, which includes periodical evaluations of spatio-temporal conditions, enables application developers to outsource context-aware mechanisms. As described in this paper, we first examine middleware of context-aware services and our approaches. We then show the outline of SENSORD and an exemplary application: an indoor emergency response system in our laboratories. Preparing for emergency situations, such as fire emergencies, it manages sensor devices (thermometers, hygrometers, vision systems, microphone arrays, etc.) to detect emergent situations.
著者
新里 圭司 益子 宗 関根 聡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.1305-1316, 2015-04-15

本稿では商品の使用感を記述した文を商品レビューから抽出する手法について述べる.オンラインショッピングサイトでは,実店舗で買い物するときのように商品に触れたり,試したりしてから購入することができない.そのため,ユーザがいだく商品のイメージと実際に届く商品の間に,質感や食感などの使用感に関して不一致が生じることがあり,顧客満足度低下の原因となっている.購入前のユーザに対して,商品の使用感に関する情報を提供することはオンラインショッピングサイトの普及のために重要である.提案手法は,「オノマトペを含む文に出現しやすい表現は商品の使用感を記述する際に用いられやすい」という仮説に従い,単語とオノマトペのレビュー文中での共起の強さを計算し,得られた語の共起の強さを用いてレビュー中の文が使用感を記述しているかどうか判定する.実験の結果,F1値で65.9ポイントの精度で使用感を記述した文を抽出できることが分かった.This paper describes an automatic methodology for extracting sentences that contain product impressions (the description about "how a purchased product was after obtaining and using it") from review data in an e-commerce site. E-commerce users cannot grasp such information before purchasing the product. This can be regarded as one of the shortcomings of e-commerce. It is important to convey this information to the users in order to prevent them from having a bad shopping experience. First, we investigate product review sentences that contain onomatopoeias, and reveal that these sentences tend to contain product impressions. Through this finding we assume that words frequently co-occurring with onomatopoeias are likely to be used for describing product impressions. According to this assumption, the proposed method calculates scores for given sentences using co-occurrence strength between words and onomatopoeias, and extracts the sentences that exceed a threshold value. The co-occurrence strength for each word is calculated from sentences in product reviews beforehand. The experimental results show that the performance of our method achieves an average F1 score of 65.9 points and that the method outperforms its alternatives.
著者
北脇 信彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.39, no.11, pp.1112-1117, 1998-11-15
被引用文献数
3
著者
矢澤 櫻子 寺澤 洋子 平田 圭二 東条 敏 浜中 雅俊
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告音声言語情報処理(SLP)
巻号頁・発行日
vol.2012, no.32, pp.1-6, 2012-01-27

本稿では Eugene Narmour が提唱した暗意実現モデルを用いたメロディ構造分析と,その結果について報告する.暗意実現モデルではある音列とある音列同士の関係を連鎖構造と定義されている.我々は与えられたメロディから連鎖構造を抽出するシステムを実装し,実際に暗意実現モデルにおいて定義されている連鎖構造が発生するかを確認した.This paper describes a melody analysis based on Implication-Realization Model(IRM), which was proposed by Eugene Narmour. In IRM, The relation between a tone series and some tone series is defined as chain structure. We mounted the system which extracts chain structure from the given melody, and checked whether the chain structure actually defined in IRM would occur.
著者
耿霽 池田 剛 乾 伸雄 小谷 善行
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.16, pp.31-36, 2003-02-21
被引用文献数
2

本研究の目的は、自然で多様な音符列を生成することである。そのために、音符の隣接情報と曲の構造に着目する。音符の隣接情報は音高と音価に分けて考える。音高は隣接情報によって構成されたマルコフ過程を使って生成する。音価はマルコフ過程で表現すると不自然な組み合わせが生成されるため、音価終了(開始)時間を隠れ状態とした隠れマルコフモデルを用いる。そして、マルコフモデルでは曲の構造を生成することができないという問題を解決するために、MFSと呼ぶ柔軟な曲構造を提案する。MFSに音符の隣接情報を適用することで自然な音符列を生成できることが実験結果からわかった。This research aims to generate natural and various sequences of notes for an automatic composition system. We focus on information between adjacent of notes and musical structure in this paper. Our system generates pitches and durations of notes independently. We assume that a sequence of pitches can be Markov process composed of adjacent pitch information and a sequence of durations can be Hidden Markov process such that note ending (starting) time is a hidden state to avoid generating unnatural sequences of durations. In addition, we propose a flexible musical structure, called MFS, to resolve a weakness of the (hidden) Markov model against the structural expression. Finally our system can generate a sequence of notes by adjacent information of notes with restrictions of MFS acquired from musical database. Preliminary experiments show that our method is effective for our aim.