著者
田岡 康裕 納谷 太 野間 春生 小暮 潔 李周浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ユビキタスコンピューティングシステム(UBI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.66, pp.147-152, 2008-07-10

本稿では Bluetooth による受信信号強度を用いたユーザの位置推定手法を提案する. 本手法は医療事故の発生要因の分析などにおいて重要となる 看護師のインタラクション情報を得るためのものである. 本手法ではユーザに装着した移動局が複数の固定局から一定時間で得られる受信信号強度の平均値 最大値 最小値 中央値を特徴量として用いて位置推定を行う. 本手法の有効性を評価するために 2 床のベッドを配置した模擬的な病室環境での実験を行い ベッド際のどの位置にいるかおよびそれ以外にいるかという識別については 80% 以上 どちらのベッドの患者に対するインタラクションかの識別においては 90% 以上の識別率が得られることがわかった.This paper proposes a method for estimating a user's location with RSSI (Receiver Signal Strength Indicator) of Bluetooth in order to obtain information about the user's interactions. The method uses average, maximal, minimum and median values of RSSI that the mobile station attached to the user obtains from some fixed stations in a sliding window. This method has been evaluated experimentally in simulated ward environment with two beds. The method obtains more than 90% accuracy for identifying the patient that the user interacts.
著者
玉真昭男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.128, pp.29-36, 2008-12-13
被引用文献数
1

プログラミング教育において重要なことは、文法マスターと数多くの問題演習に加えて、数千行以上のプログラムの開発体験を積ませることである。 3D ゲーム開発は格好の課題となる。これまでに、 Visual C++ と DirectX を組み合わせ、 3D 描画技術を用いた各種のゲームを作成してきた。物理モデルを取り入れ、ゲームに登場する 3D オブジェクトに物理法則に従ったリアルな運動や挙動をさせることも出来た。今回、シューティングゲームとレースゲームの2つの成果を報告する。後者に於いては、運転再現モード等を追加して、運転の評価・分析が行えるシステムに拡張した。これを 「全日本学生フォーミュラ大会」 に向けたドライバーの運転練習に活用し、総合成績アップにつながる成果が得られた。In the programming education, what is important are not only mastering the programming language grammar and solving many exercises, but also development experience of a program over 3000 lines. 3D-games are good targets for that purpose. This year, two students developed a shooting game and an F1-racing game. Each of them developed an over-10,000 line program and found how difficult a 3D-game development was. They also knew the necessity of knowledge in mathematics and physics, which proved that game development is very good target for the programming education as well as basic subjects education. The F1-racing game has been developed to a racing simulator for the "Student Formula SAE Competition 2008" and helped the driver train his driving skill off the course.
著者
常川 真央 小野 永貴 安西 慧 矢ヶ部光
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.34, pp.1-6, 2008-03-28

本研究では利用者同士のコミュニケーション促進を目的とした図書館システム Shizuku の開発を行った。現在の図書館は、情報提供機関であることを越えて知識創出を支援する機関となることを求められつつある。知識創出を目指すためには、コミュニティの形成が欠かせない。そこで、本システムでは図書館利用者のコミュニティ形成を支援する機能の実装を目指した。具体的には貸出履歴情報を活用し、仮想本棚や仮想図書カードによる交流機能を実装した。We developed the library system 'Shizuku' accelerating better communications between users. Libraries are expected to be fields of knowledge creation. But now, library systems are developed mainly for assisting librarians' works. In order to fill the library's role as a knowledge creation field, it is necessary to organize users' communities in the system. We developed two functions that create user communities; 1) the virtual bookshelf, 2) the virtual library card with circulation record.
著者
上原 哲太郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.48, no.8, pp.889-898, 2007-08-15
参考文献数
5
被引用文献数
3
著者
山本 昌弘 中崎 良成 横田 実 箱崎 勝也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.65-71, 1982-01-15

本論文は開発したCOBOLマシンのアーキテクチャについて その特徴と設計思想に重点をおいて論じている.COBOLマシンはCOBOLで書かれたソースプログラムに簡単な変換を行って作られた中間言語プログラムを直接実行する高級言語マシンで 汎用計算機に接続されて付加プロセッサとして動作する.そして COBOLの演算処理 データ操作 表操作 実行順序制御などの機能はCOBOLマシンで実行し 入出力処理や通信制御などの機能はホストプロセッサである汎用計算機で実行される.COBOLマシンのアーキテクチャはCOBOLの言語仕様にできる限り近づけるように設定されており (1)多種類の内部データ形式 (2)複雑な属性のデータを効率良く表現するデータディスクリプタ (3)高度なデータアクセス機構 (4)ソースステートメントと直接対応する高機能命令 (5)ホストプロセッサとの高度なインタフェース機能 などを備えている.その結果 COBOLの大部分のステートメントはCOBOLマシンの1命令へ展開でき 翻訳処理が高速化され オブジェクトメモリ量も大幅に減少することが明らかになった.また COBOLマシンを高性能なハードウェアで実現することにより 実行速度も向上する.
著者
大谷貴胤 佐々木 広 近藤 正章 中村 宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.79, pp.145-150, 2007-08-02

ウェブサーバ用計算機クラスタは消費エネルギーと冷却コストの増加に伴い,電力管理が重要になってきている.従来のウェブサーバクラスタは負荷のピーク時に備え全てのノードが常時稼動している設計であった.、しかし,実際には負荷がピークに達するような状況は少なく,性能の余裕を残した状態で稼動している時間が多いそこで,我々はこれまでに負荷状況に応じてノード数と動作周波数を変化させることにより,応答時間制約を満たし最も消費電力の低い構成を選択し従来よりも低消費電力であるシステムを実現する手法を提案している.本稿では,その実現上必要となる処理性能と消費電力のモデリングについて述べる.With increasing costs of energy consumption and cooling, power management in Web server clusters has become an increasingly important design issue. Current Web server clusters are designed to handle peak loads, where all servers are fully utilized. But in practice, peak load conditions rarely happen and servers are most of the time underutilized. We, so far, proposed a low power cluster-based Web server, which is reconfigured to reduce power consumption by adjusting the number of nodes and clock frequency of each node according to load conditions. In this paper, we describe power-performance modeling in cluster-based Web servers.
著者
五木 宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告エンタテインメントコンピューティング(EC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.62, pp.1-6, 2008-06-28

良質で豊富なシリアスゲームは社会的資産であり,その充実は開発生産性の向上なくしては達成できないシリアスゲームの企画開発における特殊性への対応と,コンテンツ制作環境の変化への対応,および制作ワークロードの軽減が重要な課題であるシリアスゲームの企画のワークフローに内在する隘路を仮定し,これに対応するフレームワークおよび支援ツールについての検討をすることとした.隘路としては次の三点であると仮定した.すなわち,企画作業の体制および方法に関する問題,プロトタイピングの問題,レベルデザインの問題である.これらの問題に対処する具体的な解決策について今後,制作と実験を行ってゆく予定である.The productivity improvements of seriousgame are required to fill the gap between increasing various and good-quality demand and limited supply. There are three main bottlenecks lying on the workflow of seriousgame development, the planning work, the prototyping and the leveldesign. The key factors on defusing the bottlenecks are solutions for the particularity on planning and reduction of workload under the rich-media environment. For the sake of providing the solutions, such as frameworks for planning and productivity tool, a research and experiment are ongoing.
著者
小畑 郁男
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.123, pp.29-34, 2002-12-22
参考文献数
15
被引用文献数
1

多くの音楽様式が混在する現代においては、どのような音楽様式にも適用することができ、音楽の聴覚的な把握に貢献する中立的な音楽理論の必要性は高いといえる。このような状況を背景として、本報告では、量的に不協和度を算出する感覚的協和理論の作曲技法への三つの応用例が提示される。この12等分平均率を前提とする三つの例は、(1) 感覚的不協和度の差異による音高構成の設計、(2) 声部の澄明性の差異による音高構成の設計、そして (3)「R協和音列」に関する応用例である。R協和音列は、基準音を中心とした上下に対称的な音程構造を持ち、「和声二元論」を例証する音響現象である。Music today having a great variety of styles, new music theory that is based on auditory sense and able to apply to every musical style is needed. With the background of necessity for such new theory, three applications of sensory consonance theory to the design of pitch combination are presented based on the following three criteria. They are (1) difference of sensory dissonance, (2) the clearness of voice part in music, and (3) sensory consonance tone series, which consists of symmetrical interval structure centering around optional base tone and illustrates "Harmonic Dualism".
著者
服部 裕介 田中 彰人 星野 准一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.111, pp.85-90, 2007-11-13

格闘ゲームのような対戦型のアクションゲームにおいて,コンピュータが操作するキャラクタ(以下COM)の行動は変化に乏しく,プレイヤは繰り返しプレイすることによって COM の行動パターンを憶えてしまい,ゲームに飽きてしまうという問題がある.そこで,本稿ではプレイヤを模倣学習する手法を用いて,COM の行動パターンを拡張する手法を提案する.本手法では,プレイログを記録し,対戦相手であるプレイヤの行動パターンを分析し,そのプレイヤの行動パターンの一部を模倣することでCOMの行動パターンを拡張する.本手法を用いることで,試合ごとに行動パターンを拡張し,成長していけるCOMを生成することが可能となる.In action game, the computer's behavior lacks diversity and human players are able to learn how the computer behaves by playing the same game over and over again. As a result, human players eventually grow tired of the game. Therefore, this paper proposes technique to expand the behavior pattern of COM. To this end, we use imitation learning. In this technique, play log is recorded. And COM expands the behavior pattern by imitating a part of player's behavior pattern. In the result, COM is able to expand the behavior pattern every match and grow up.
著者
森勢将雅 河原 英紀 片寄 晴弘
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.50, pp.117-122, 2008-05-21

STRAIGHT を用いた音声モーフィング技術の拡張として,スペクトル包絡,基本周波数を個別にモーフィングできる,部分モーフィングが提案された.さらに,部分モーフィングを用い,歌唱の特徴を声質・歌い回しに分離し,それぞれを個別にモーフィングできる歌唱デザインインタフェースが提案されている.今回,声質・歌い回しについて様々なモーフィング率で合成した歌唱をあらかじめデータとして蓄積し,波形を接続することで擬似的にリアルタイムでモーフィング率を変化させることが可能なインタフェースを実装した.本報告では,再生中にリアルタイムでモーフィング率を変化させる方法,停止中にモーフィング率の時系列を編集し,編集されたモーフィング率の時系列に基づいて再生を行う方法について説明する.また,リアルタイムにモーフィング率を変化させた歌唱の品質や問題点について述べる.Partial morphing by using STRAIGHT was proposed for independent processing in spectral and source parameters. Moreover, an extension of partial morphing, which enables individual control of voice identity and singing style, was implemented to design the singers' voice identity and their singing style. We describe the implementation of the real-time application in STRAIGHT-based morphing system. This morphing system enables us to control two (voice identity and singing style) morphing-rate during reproducing. This paper shows how to achieve the "real-time" morphing by using a lot of synthesized voices. The quality of real-time morphed singing is also discussed.
著者
吉田 将人 福原 知宏 増田 英孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告デジタルドキュメント(DD)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.35, pp.37-44, 2009-03-18

ブログ記事と Web ページを利用したイベント情報抽出手法を提案する.提案手法は,ブログ記事からイベント名抽出パターンを構築し, Web ページからイベント名を抽出する.本研究では,ブログ記事と Web ページを利用したイベント情報抽出手法を提案する.ブログ記事を用いることにより,記事の書かれた日付が分かり,イベント名抽出パターンとイベント開催日の関係を把握できる.Web ページを用いることにより,イベント名検索の網羅性を広げることができる.提案手法では,まず,いくつかのイベント名に対してブログ記事を収集し,そこからイベント名の前後に連接しやすいパターンを抽出する.次に,抽出したパターンを用いて Web 全体からイベント名を収集する.提案手法のイベント名収集適合率と将来構想について報告する.An extraction method of event names appeared on the Web using blog and Web articles is described. Proposed method extracts event names from Web pages by finding extraction patterns of event names from blog articles. The method finds extraction patterns from blog articles that contain event names given by a user. Because different names for the same event can be appeared on the Web, the method identifies the same event using a string kernel that can measure similarities of event names. Then, the method finds event names by using extracted patterns. Preliminary results of an experiment are described.
著者
吉川 厚 斉藤康己
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.103, pp.41-53, 1993-11-24
被引用文献数
1

人間がいかに状況を認識し,それを使って行動を決めるかのモデルをつくるために,囲碁を題材として認知実験を行い,いくつかの現象を見いだした。実験は被験者を非対峙状況において自手を決定するまでの一連の思考を内省しながら対局してもらうことにした。また,片方にはアイカメラを装着し視線データをとった.このような方法で様々な角度からのプロトコルを入手し,それを分析した結果,境界の認識,先読み時の注目点や深さなどにいくつかの知見を得たのでこれを報告する。加えて、今後解明すべき認知的な課題を列挙する。We present an experimental analysis of several phenomena when subjects are playing Go, in order to investigate how people recognize the situation of a game and decide what to do next. Subjects were asked to reflect by themselves while playing a game. One subject wore an eye camera, and we recorded the eye movement data. We analysed those protocols, such as verbal protocol, eye movement, the record of the game and so on. We found out some interesting phenomena and a lot of future research directions.
著者
獅々堀正幹 大西 泰代 柘植 覚 北 研二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.300-311, 2007-01-15
被引用文献数
1

近年,楽曲配信サービスの普及により,容易に音楽データをダウンロードして試聴できるようになった.しかし,サーバ側で蓄積している音楽データが膨大になるにつれ,音楽データに対する効率的な検索手法が必要になっている.特にハミングを入力とする検索手法が近年活発に研究されており,音楽特徴量間の類似度計算にDP マッチングやユークリッド距離を用いる手法が主流であった.本論文では,距離尺度としてEarth Mover's Distance(EMD)を用いたハミング検索手法を提案する.EMD は輸送問題における輸送コストの最適解であり,本手法では輸送問題における各供給地が有する資源量を各音符の音長,輸送コストを各音符の出現時間と音高情報から算出することで,リズムと音程との類似度を同じ距離尺度で計り,全体の曲調が類似した曲を検索する.さらに,EMD の計算量が音符数に対して指数関数的に増加することに着目し,検索精度を維持しつつ計算コストを低減可能な音楽特徴量を提案する.約500 曲の音楽データベースに対してハミングデータ40 曲を入力とした評価実験を行った結果,ユークリッド距離を用いる手法より検索結果上位10 位以内に正解データが出現する割合が約30%向上した.また,DP マッチングを用いる手法と比べて,極端に音高の外れた音符を含むハミングデータに対する柔軟性を確認した. 付録:<a href="http://www.ipsj.or.jp/08editt/contents/JNL4801/index.html#28"target="_brank">http://www.ipsj.or.jp/08editt/contents/JNL4801/index.html#28</a>Music retrieval systems are extremely useful for collecting digital music data from on-line music distribution sites. Especially, there is a great need to develop effective techniques for content-based music retrieval systems, which can retrieve by humming query. The main issues in this research is how to decide the similarity of each music features extracted from music data. In order to calculate the similarity, some conventional methods use Euclid distance or DP matching, but it is very hard to solve the problem of the vagueness of humming query. In this paper, we propose a new similar music retrieval method based on humming query using the Earth Mover's Distance as the distance measure. Computing the EMD is based on a solution to the transportation problem, and the EMD is applied as the distance measure on similar image retrieval systems. In addition, we focus that the time complexity of the EMD is exponential worst case toward the number of notes, the improved method to decrease the number of notes in the music feature is also proposed. Experimental results show that the proposed method can improve the retrieval precision of conventional systems.appendices:<a href="http://www.ipsj.or.jp/08editt/contents/JNL4801/index.html#28"target="_brank">http://www.ipsj.or.jp/08editt/contents/JNL4801/index.html#28</a>
著者
工藤 拓 松本 裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.9, pp.2146-2156, 2004-09-15
被引用文献数
25

近年,テキスト分類は,単純なトピック分類から,文のモダリティ,意見性,主観性といった書き手の意図に基づく分類へと,そのタスクの多様化が進んでいる.それにともない,単語の集合(bag-of-words)を素性とする古典的手法では十分な精度を得にくくなっている.精度向上には,テキストの構造(構文/レイアウト)を考慮する必要があるが,恣意的に選択された部分構造のみを用いた手法が多い.本稿では,構造を考慮したテキスト分類(半構造化テキスト分類)に向け,部分木を素性とするdecision stumpsと,それを弱学習器とするBoostingアルゴリズムを提案する.また,Tree Kernelを用いたSVMとの関連性,および本手法の利点について言及する.実データを用いた実験により,提案手法の有効性を検証する.The research focus in text classification has expanded from a simple topic identification to a more challenging task, such as opinion/modality identification. For the latter, the traditional bag-of-word representations are not sufficient, and a richer, structural representation will be required. Accordingly, learning algorithms must be able to handle such sub-structures observed in text. In this paper, we propose a Boosting algorithm that captures sub-structures embedded in text. The proposal consists of i) decision stumps that use subtrees as features and ii) Boosting algorithm in which the subtree-based decision stumps are applied as weak learners. We also discuss a relation between our algorithm and SVM with Tree Kernel. Two experiments on the opinion/modality classification tasks confirm that subtree features are important. Our Boosting algorithm is computationally efficient for classification tasks involving discrete structural features.
著者
水野 淳太 緒方 淳 後藤 真孝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.46, pp.31-38, 2008-05-15

本稿では,エピソードと呼ばれる音声ファイルの集合から成るポッドキャスト(音声ブログ)を対象とした,類似エピソードの検索手法について述べる.動画共有サイト等で,あるコンテンツの再生後に関連・類似したコンテンツを提示する機能を持つものが多いが,それらは書誌情報やタダユーザの視聴履歴に基づいている.本稿では,エピソードを音声認識した結果に基づいて,音声認識結果を confusion network に変換し,そこからエピソードを特徴づけるキーワードセットを抽出して,キーワードセット間の類似度を計算することで,関連エピソードを検索・提示できる手法を提案する.単語正解率や話者数など,傾向の異なるいくつかのエピソードに対して実験を行い,本手法がどのような場合に有効であるかについて評価を行った.本成果は,音声認識に基づくポッドキャスト検索サービス PodCastle で,関連エピソードを提示するためにも利用できる.Given podcasts (audio blogs) which are sets of speech files called episodes, this paper describes a method for retrieving similar episodes. Although video sharing services usualy have a function of showing a set of relevant /similar content after playing back a piece of content, they are based on bibliographic information, tags, and users' playback behaviours. In this paper, we propose a method that extracts keywords from confusion networks converted from speech recognition results and then retrieves and shows relevant episodes on the basis of similarity between those keywords. We evaluated this method using several episodes including a variety of speech recognition accuracy and the number of speakers. This result can be applied to show relevant episodes on PodCastle, a podcast search service based on speech recognition.
著者
横井 俊夫 仲尾 由雄 荻野 孝野 田中 裕一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.38, no.1, pp.32-43, 1997-01-15
被引用文献数
8

大規模な電子化辞書(その情報内容である言語知識)が概念レベルで持つべき情報構造を明らかにする.ここでいう電子化辞書とは 通常の辞書ばかりではなく シソーラス コーパス テキストベースなどを含む統合的な言語情報(言語知識)のことである.概念レベルは意味を扱う深層レベルの中で基準となる役割を果たす.表層レベルに最も近く それに沿う情報構造を持つ.なお この情報構造はEDR電子化辞書の成果を再整理することにより得られたものである.実現事例としてEDR電子化辞書の概念対応部分を仕様と統計データの両面から説明する.大規模知識ベースなどの議論に見られるように 大規模な情報や知識の構造を解明していく研究の重要性が指摘され始めている.本稿の内容は 本格的な実現事例を持つ初めての試みとなっている.This paper describes a model of the information structure of large-scale electronic dictionaries at the concept level that contain wide-ranging linguistic knowledge. The term electronic dictionary in this paper means an integrated body of linguistic information and knowledge that includes the information provided by thesauri, tagged corpora, and raw corpora as well as ordinary dictionaries. The concept level plays an important role for deep levels containing the information of semantic processing. It is the nearest to the surface level and its structure is similar. This information structure is obtained by rearranging the structure of the EDR Electronic Dictionary. An example of actual realization of the information structure is described in view of both the specifications and numeristic data of the EDR Dictionary at the concept level. Recently, the importance of the research on the structure of large-scale information and knowledge has become a focus of interest, as shown in the discussions for large-scale knowledge bases, etc. This paper introduces the results of the first trial including full-scale example of actual realization.
著者
牛田 博英 平山 裕司 中嶋 宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.127-136, 2000-02-15
被引用文献数
7

デジタルペットは道具として存在していた従来の機械とは異なる.それは,人間のパートナーとして新しい人間と機械の関係を具現化するものの1つと捉えることができる.機械が人間のパートナーになる上で重要になるのは,人間から逐一指示を与えられなくても,機械が自分の判断をもとに自発的に行動を起こすことができる自律性である.
著者
浅原 正幸 松本 裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. NL,自然言語処理研究会報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.137, pp.39-46, 2000-06-01
参考文献数
9
被引用文献数
1

我々は日本語形態素解析器『茶筌』のための学習ツールを開発している。現在『茶筌』では階層構造をもった品詞体系を採用し、タグの種類は約500にもなっている。このため、通常の品詞tri-gramモデルの作成は困難で、品詞bi-gramモデルでも適当な量のタグづけコーパスを得ることは難しい。通常、このような細かいタグを取り扱うために、複数のタグを同値類へとグループ化することによってタグの数を減らすことが行われる。我々はこれを拡張し、マルコフモデルの条件付き確率計算について各件でタグの同値類を変更するようにした。さらに、例外的な現象によるデータスパースネスに対処するため、単語レベルまで品詞として見るモデルと、選択的tri-gramモデルを導入した。また、単語レベルまで品詞として見る場合には、単語-品詞間スムージングを導入した。『茶筌』にこれらのモデルを適用し、各拡張の評価を行った。