著者
堀 敦史 手塚 宏史 高橋 俊行 住元 真司 曽田哲之 原田 浩 石川 裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.66, pp.83-88, 1999-08-02
被引用文献数
3

SCoreクラスタシステムソフトウェアは,Myrinetを用いたクラスタを対象とした高性能かつスケーラブルな並列プログラミング環境のソフトウェアパッケージである.本稿は,Myrinet以外のネットワーク,SMPクラスタ,及びクラスタ化されたクラスタという3つの新たな形態のクラスタにSCoreを対応させる方法について提案するものである."Composite"と呼ばれる仮想ネットワークデバイスを設け,compositeネットワークデバイスが複数の実ネットワークデバイスとルーティングテーブルを持つことで,これらの形態のクラスタに対応可能であることを示す.ここで提案された方法は,見方を変えれば,ヘテロなネットワーク構成のクラスタへの対応と考えることができる.提案された方法は,現在SCore 3.0として開発が進められている.A high performance scalable cluster system software package, SCore, was designed for clusters using Myrinet. To adapt it to a cluster using other networks, an SMP cluster, and a cluster of clusters, the notion of "composite" is proposed in this paper. The "composite" is a virtual network device which consists of a routing table and several physical network devices. From the viewpoint of seamless computing, the "composite" is to handle heterogeneity. New SCore 3.0 is under development for implementing the "composite".
著者
堀 敦史 手塚 宏史 石川 裕 曽田 哲之 原田 浩 古田 敦 山田 務 岡 靖裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.79, pp.121-126, 1996-08-26
被引用文献数
3

我々は並列マシンにおける時分割空間分割スケジューリング方式を提案し、ワークステーションクラスタ用のスケジューリングシステムSCore?DをUNIXのデーモンプロセスとして開発した.現在,対話的な並列プログラミング環境実現方式の研究の最初のステップとして,オンライン並列デバッガSCDBの設計開発を行ってきている.一般に,デバッガプロセスはシステムコールによってデバッグ対象のプロセスの実行制御を行う.このような環境では、SCore?Dはユーザプロセスの状態を制御できず,スケジューリングシステムが正常に動作しない.そこで,SCore?Dがユーザプロセスに対してOS機能をサービス可能とするための機構を,プロセス間共有メモリおよびUNIXのシグナルを用いて設計開発した.We have been proposing Time-Space-Sharing Scheduline (TSSS) and developed a scheduling system, named SCore-D, as demon processes on UNIX. As a first step towards the research and development of an interactive parallel programming environment, we are designing a parallel online debugger, named SCDB. Generally debugger process has a control of debugee process. In the case of SCore-D, however, SCore-D can not control debugger and debugee processes, and the sceduling of SCore-D and the control of debugger can conflict. To avoid this situation, we design and develop a mechanism for SCore-D to support OS functions using inter-process shared memory and UNIX signals.
著者
藤木 淳 牛尼剛聡 富松 潔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.3762-3771, 2007-12-15
被引用文献数
1

人間は静止した2 次元画像の観測からだけでなく,2 次元動画像によるキャラクタの運動表現からも3 次元構造を解釈する視知覚特性を持つ.一方で,静止した2 次元画像から3 次元構造を解釈する際に,1 つの2 次元画像から推測される3 次元構造が一意に定まらない場合がある.我々はこのような2 次元動画像に対する3 次元解釈の視知覚特性を利用したインタラクティブなだまし絵表現を持つアニメーションシステムOLE Coordinate System のプロトタイプを考案した.また,プロトタイプで提案する5 種類のキャラクタのだまし絵表現の評価のために被験者実験を実施した.本論文ではシステム概要と5 種類のだまし絵表現について述べ,被験者実験から本だまし絵表現が鑑賞者の知的好奇心を刺激する効果とシステムの有効性を議論する.While the human has the characteristic of visual perception which recognize a 3D structure from the movement, the human may create the incorrect 3D structure by a variety of interpretation for the 2D image. Using the characteristics of visual perception, we present five interactive optical illusionary expressions of characters. Also, we produced an prototype system of OLE Coordinate System which has our optical illusionary expressions. In this paper, we introduce the OLE Coordinate System and the five character's optical illusionary expressions, and discuss the effectiveness of the proposed expressions based on the user experiment.
著者
松川 昌洋
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.11, pp.17-24, 2005-01-28
被引用文献数
1

現在、携帯電話やPDA、電子書籍端末など、小型ディスプレイに文書コンテンツを表示して読む機会が増えてきた。しかし、小型ディスプレイ上での組版ルールが存在しないため、各文書コンテンツの表現に際しては、それぞれ独自仕様の組版が行われている。今回、紙への印刷に適用する組版エンジンを使用して組版した文字コンテンツを小型ディスプレイに表示させ、小型ディスプレイへの文字組版の有用性を検討する。Recently, the opportunity to display and read document contents on small displays, such as a cellular phone, PDA, and e-book reader, has increased. However, since the typesetting rule applicable to a small monitor does not exist, on the occasion of expression of each document contents, the typesetting of original specification is performed, respectively. This time, the character contents which carried out the typesetting using the typesetting engine applied to paper printing are displayed on a small monitor, and the usefulness of the character typesetting to a small monitor is examined.
著者
中島 秀之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.67, pp.71-79, 1994-07-21

我々は"新ソフトウェア構造化モデル"プロジェクトにおいて,柔軟に協調的動作を行なうプログラムを構築する方法論を研究している.本論文ではこれらを満たすプログラミング像として,有機的プログラミングの考え方を提案し,その上のマルチ・エージェントシステムの実現に関して述べる.We are developing a new software methodology for building large, complicated systems out of simple units. The emphasis is on the architecture (called cooperative architecture) which is used to combine the units, rather than on the intelligence of individual units. We named the methodology "organic programming" after the flexibility of organic systems such as plants and animals. This paper describes how to implement "agents" and communication among agents on Gaea.
著者
白鳥 嘉勇 小橋 史彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.658-667, 1987-06-15
被引用文献数
7

本報告は 文字キー数が少なく かつシフトキー操作を必要としない利点を有するローマ字入力について日本語入力に適したキー配列を検討したものである.キーボードの打けん速度を向上することをねらいとして ?交互打けん率の向上 ?キーストローク数の低減 ?ホーム段キー使用率の向上 ?各指使用率のバランス ?同指段越え打ちの減少の5項目を設計指針として取上げた.この結果 子音と母音を左右に分離し かつ1キーに複数の文字を割りつけた複合キーを含む3段10列のローマ字配列を得た.この配列の交互打けん率は91% ホーム段キー使用率は68%であり 従来のQWERTY配列を用いたローマ字入力の場合(同:各69 29%)に比べて高い操作特性値を有する.3名の被験者について操作実験を行った結果 文字入力速度の習熟曲線は各被験者とも早い立上り特性を示した.うち1名のかな文入力速度は 約330時間の練習後に 240字/分(360ストローク/分)の高い値に達した.また エラー率は 練習によって0.5%に低下し操作上の問題はみられない.以上のことから 本配列が日本語入力に適していることが分かった.
著者
原 大輔 尾崎 亮太 兵頭 和樹 中山 泰一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.3127-3137, 2005-12-15
被引用文献数
2

現在のWWWサーバには実行時のユーザ権限に起因する問題が存在する.PHP プログラムがデータをファイルに書き込む場合,データファイルの所有者がWWW サーバを実行するユーザとなるため,サーバを共有する別の利用者のPHP プログラムからそのデータファイルを盗視されたり削除されたりする危険性がある.1 台のサーバ計算機を多数の利用者で共有する共有型ホスティングサービスにおいて,これは深刻な問題である.本研究では,この問題を克服するWWW サーバ,Haracheを提案する.提案するシステムではサーバプロセスをファイル所有者の権限で動作させる.これにより,WebDAV やPHP といったサーバ組み込みのプログラムを用いる際の問題を解決することができる.また,不必要なサーバプロセスを適宜終了することで利用者数に対する高いスケーラビリティを達成できる.本論文では,Harache の設計および実装法について述べる.Harache をSELinux を有効にしたLinux OS 上に実現し,評価実験を行った.その結果,ユーザ権限に起因する問題を解決すること,他の実現方式に対してスケーラビリティの面で優位性を持つこと,実用に耐えうるだけの性能を達成していることを確認した.This paper presents a WWW server named Harache, that runs under the authority of the file owner. Existing servers have problems that occur because of the user authority during execution. When a PHP program creates data files, the owner of the created files is the special user account that runs a server. Therefore, other users that share the same server can steal and delete these data files. These problems are serious for a hosting service where many users share a server. Harache has server processes that run under the authority of the file owner. Hence Harache can solve these problems that occur because of the user authority. In addition, Harache terminates unnecessary server processes when needed to improve scalability of the number of users. For a proof of concept, we implemented Harache on a Linux OS with a SELinux and performed evaluation experiments. Experimental results show that Harache achieves high performance and scalability.
著者
砂田 徹也 関 直臣 中田 光貴 香嶋 俊裕 近藤 正章 天野 英晴 宇佐美 公良 中村 宏 並木 美太郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.35, pp.163-170, 2008-04-24
被引用文献数
6

本報告は,省電力化技術であるパワーゲーティングを細粒度に施した MIPS R3000 ベースの CPU チップ Geyser-0 に対して,その上で動作する OS の試作およびその OS を用いてシミュレーションによる電力評価を行う.細粒度は,ALU,SHIFT,MULT, DIV および CP0 のそれぞれを PG の対象とすることを意味する.試作した OS は,例外・割り込み管理機能,システムコール, タスク管理機能を備えており,タイマ割込みによるマルチタスクを実現する.試作 OS によって 4 種類のベンチマークプログラムをマルチタスクで動作させた際の電力評価を行った結果,総電力で平均約 50%,リーク電力で平均約 72%の消費電力削減を実現した.This paper describes prototype of OS for processor Geyser-0 based on MIPS R3000 with a fine grain power gating technique to reduce power consumption and evaluation of power by the simulations when running the OS. The processor has power gating units such as ALU, SHIFT, MULT, DIV, and CP0. The prototype OS has the exception management, the system call, and the task management, and its OS achieves the multitask by the timer interruption. As the results of evaluation running four benchmark program on the OS and the processor, 50% working power and 72% leakage power are reduced.
著者
古志 智也 齋藤 孝道
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.64, pp.33-38, 2003-06-19

P2Pネットワークモデルにおいて,通信を暗号化するためのグループ鍵(共通鍵)をどのようにして安全に共有するかが問題の一つとしてある.多くのP2Pネットワークモデルの実現方式では,公開鍵の取得をPKI(Public Key Infrastructure)などの利用を前提にしており,さらに,IPアドレスの取得にはDNS(Domain Name System)を利用している.しかし,これらCA(Certificate Authority)やDNSなどの利用,もしくは,処理を一部委託するといった形態は,外部サーバの非依存を特徴とするP2Pの本来の趣旨になじまない.したがって,本論文では,「知り合い」という信頼モデルを導入することにより,外部サーバに依存しないノードだけで構成する安全で閉じたネットワークの構成方式の提案を行い,その安全性に関する議論を行なう.The P2P network model has a problem how to distribute a group key to proper members. Many P2P network models use server systems, such as PKI's CA and DNS. However, these methods are not applied to P2P feature : independent of external servers. Therefore, in this paper, we propose a secure grouping method, which is independent of external servers, and we discuss its security.
著者
白田 由香利 橋本 隆子 飯沢 篤志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.10, pp.107-112, 2000-01-24
被引用文献数
3

放送のデジタル化に伴い、映像情報の補足情報をインデックスとして付加し、そのインデックスを用いて映像のダイジェスト版を作成する場合、切り出したシーンごとの説明文を生成する機能が重要となる。我々はシーンごとの説明文の接続関係に着目し、全体としてつながりのよい文章を生成する方式を検討した。また、従来検索結果の提示方式は中立的立場の表現をとっていたが、本方式では個人の嗜好を指標としてその人の感情表現、つまり嬉しさ度悲しさ度を加味した表現を生成する。Beyond program contents, digital data broadcasting can deliver additional data as indexes attached to the contents. Using these indexes, we can construct a digest of the program and generate an explanation for each extracted scene. We focus on the relationship between scenes to create conjunctive expressions. With conjunctives, the explanations become more natural for users. In addition, we also generate emotional expressions for the explanations. While the current method outputs neutral expressions, our new method generates an expression including the hapiness or sadness level based on the user preferences.
著者
戸塚 米太郎 大津 金光 中里 学 秋葉 智弘 松本 尚 平木 敬
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.36, no.7, pp.1652-1661, 1995-07-15

多くの大規模実用アプリケーションは、並列度の抽出が容易に可能な部分と困難な部分を含む。粗粒度により並列実行可能な部分はプロセッサの台数効果によりスピードアップが可能であるが、粗粒度並列化が困難な部分がボトルネックとなる。並列化が困難な部分にも高速化を達成するために細粒度の並列性の活用が不可欠である。しかし、従来のバス結合型マルチプロセッサでは低オーバヘッドの通信・同期機構が備わっていなかったため、命令レベルの並列性を利用する細粒度並列処理を効率良く行うことは不可能であった。我々が開発したお茶の水1号は市販の高性能マイクロプロセッサを用いた共有メモリ共有バス型のマルチプロセッサである。お茶の水1号は効率的な細粒度並列処理を達成するために、低オーバヘッドで通信・同期を実現するための細粒度支援機構を備えている。細粒度支援機構には共有バスを使用せず極めて小さいオーバヘッドで同期を実現する大域同期機構・メモリベースの通信・同期を融合したデータ駆動同期機構、大規模な配列データを効率的にフェッチする大域構造体先行フェッチ機構、および、最適なスヌープ・プロトコルに動的に切替え可能なスヌープキャッシュ制御機構、等を備えている。本論文ではお茶の水1号におけるこれらの細粒度支援機構の構成について述べ、並列アプリケーションを用いたシミュレーションによる性能を示す。また、お茶の水1号上でプログラムを実行した結果を述べる。
著者
鈴木 弘 今城 哲二 中鉢欣秀 大岩 元
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.41, no.9, pp.102-102, 2000-11-15

我々は,日本人のためのプログラミング言語として,日本語による文章表現を基にしたプログラミング言語を設計し実装している.普段使用している日本語のほうが従来の英語的なプログラミング言語よりも書きやすく,読みやすいという考えに基づいている.日本語は英語のように単語を空白で区切ることなく,続けて書くのが一般的である.我々が設計しているプログラミング言語も一般的な日本語に合わせ,空白で区切ることをしない言語を前提にしている.これを分かち書きしないという意味で,非分かち書き日本語プログラミング言語とする.本論文では,非分かち書き日本語プログラミング言語,すなわちセパレータのないプログラミング言語に対しての字句解析について述べる.We design new programming language for Japanese. We think Japanese-based programming language is better than English-based programming language for Japanese. The feature of this language is that grammar are based on Japanese and tokens are not separated by space character like a sentence in Japanese. This paper discusses a lexical analysis method for non-separated Japanese-based programming language.
著者
後藤 洋信 坂本 雅洋 江見 圭司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.15, pp.51-56, 2009-02-20

数学教育をウェブ上で行う場合,数式表示が課題となる。 「数式表示可能なウェブ上でのコミュニケーションシステムの構築」 と題して発表したが,今回は数式表示可能なブログを用いた教材開発の一端について報告する。ブログによる教材の提供は,通常のウェブと同様の操作性で利用することができ,コミュニケーション機能も備えているので,学習者・指導者の双方にとって有効な e-Learning システムとして活用することができる。また,ブログは無料提供されている場合が多く,システム構築の作業が軽減される。本研究では,ブログなどのコミュニケーションシステムを用いたインストラクショナル・デザインについて述べる。When we carry out math education on the Web, it is necessary to display math equations on Web pages.Formerly, we had a report whise title is "Constructioning communication system that can display math equation on the web". We have developed math-communication system, such as Bulletin Board System, Wiki and Blog. We are going to discuss about instructional design for math with blog sytem that can display math equation on the Web.
著者
山田 誠二 山口 智浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.105, pp.93-98, 2002-11-12
被引用文献数
1

ペットロボットやお掃除ロボットが実際に一般家庭に広まる時代をむかえ,今後人間とロボットとが関わりをもつ状況が増えることが予想される.そのように,人間とロボットがインタラクションをもつとき,人間は不可避的にロボットに適応し,ロボットも人間に対して適応することが期待される.本研究では,人間がペットロボットをしつけて,行動をコントロールできるようになる枠組みを提案し,そこにおける人間とロボットの相互適応のためのインタラクション設計について議論する.This paper describes a framework for mutual adaptation between a human and a pet robot, and design of the human-agent interaction. In our work, a pet robot learns which behavior it should execute when some stimuli are given and a human user learns how to give commands to the robot through its various sensors. A pet robot utilizes a computational classical conditioning model for learning to interpret human commands. Finally we discuss heuristics to accelerate this mutual adaptation.
著者
内木 哲也 明星聖子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.53, pp.43-50, 2004-05-21

本論文では、電子書籍出版ビジネスを、電子書籍を媒体とする情報システムと捉え、電子書籍が持つ機能性と共に、それを巡る社会、利用者、普及活動などの利用環境の視点から総合的に分析する。分析の結果として、現在の電子書籍出版ビジネスを巡る問題点が、大型の書物では優位とされてきた可搬性と利用シーンでの使い勝手の悪さにあることを明らかにする。この結果に基づき、大型でない一般書物の電子書籍出版ビジネスの可能性について考察する。This paper describes the view points of the analysis of an electronic publication business as information systems, which are the functions, social impacts, users, enlightenment activities for electronic text. Because, we consider that an electronic text is an information media and is consist of an information system. The analysis shows us the problem of the present electronic books publication business as the result. In the field of the users, mobility and usability of the text are not so significant, which have been made the dominant characteristics in electronic texts based on a large size book. As the result, we consider about the possibility of electronic publication businesses on general books that are not large size.
著者
宮森 恒
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.41, pp.9-16, 2002-05-21
被引用文献数
4

本稿では,動作インデックスによる映像の自動注釈付けと,それを利用した柔軟な内容検索システムについて報告する.応用例としてテニスを考える.目的は,スマッシュなど一選手の単独動作だけでなく,ネットダッシュするといった複数選手・複数動作からなる,より一般的な特定動作を検索することである.まず,入力映像・音響データから,コート・ネットライン,選手・ボール位置,選手によるボール打撃時刻を抽出し,これらを総合的に評価してフォアハンドスイングなど選手基本動作インデックスを出力する.次に,予め定義済みの動作成立条件とすでに出力された基本動作・一般動作インデックスを評価し,新たに一般動作インデックスを出力する.実験の結果,動作成立条件の再定義と更新により,さまざまな一般動作を柔軟に追加・検索できることを確認した.This paper presents automatic video annotation method based on action indices and its application to flexible content-based retrieval system. Our test domain is tennis. The goal here is to retrieve not only simple actions by single player, such as smashing, but also more general actions composed of several players and actions, such as "net-dashing". First, input video and audio data are analyzed to extract court-net lines, positions of players and the ball, and the moments a player hits the ball. These data are totally evaluated to output basic action indices by each player, such as forehand swings. Then, the predefined conditions to satisfy a certain general action, and the already generated basic and general action indices are evaluated to output new indices of the corresponding general action. Experimental results show that redefinition and updates of conditions for a specific general action enable the system to append and retrieve various kinds of actions flexibly.
著者
古川 まき 鈴木 泰博 中村 純 森 敏彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.85, pp.43-46, 2008-09-11

ミツバチの集団的知性 (Collective Intelligence) の代表的な例として、巣内の蜂蜜需要量に応じた労働調整がある。明確な言語などの情報伝達なしに採蜜蜂が適切な労働調整を行う挙動は以前から注目されていたが、蜂蜜の必要量が巣のミツバチの個体数や季節、時間帯、そのときの貯蔵量など考慮すべき点が多く複雑なため今までモデル化が行われていない。本研究では、巣の中の限られた少数の貯蜜用空き巣穴を対象とし、採蜜蜂から受け取った蜜を貯蔵蜂が空き巣穴を探しあてて貯蔵する素過程に絞ってコンピュータシミュレーションした。本報告はこのモデルが現実の蜜蜂の採蜜・貯蜜行動の連携行動を表現するに有効であるということを示すものである。It is well known that labor quantity is controlled depending on amount of demanded honey as a typical example of a collective intelligence of honey bee. It has attracted attention long before this is conducted without any information media such as a language, but a modeling of this labor control has not been carried out because there are many complicated things to be considered. In this paper, for simplicity a few limited hoarding cells are treated and the thing simulated by a computer is restricted that a field workers has picks nectar from a flower, gives it to an inside bee and a latter see looks for and hoards to a cell
著者
山本 幹雄 貞光 九月 三品 拓也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.104, pp.29-34, 2003-10-17
参考文献数
10
被引用文献数
9

混合ディレクレ分布を多項分布パラメータの事前分布とした(合成分布は混合Polya分布)、文脈/文書の確率モデルを検討する。本稿では、混合ディレクレ分布のパラメータおよび適応時に必要な事後分布の期待値推定方法をいくつか述べ、動的に適応する?textit{n}gram言語モデルを用いた実験で確率的LSAのベイズ的な発展モデルとの比較を示す。混合ディレクレ分布や混合Polya分布は他のベイズ的な文脈モデルに比べて単純なので、予測分布を閉じた式で導出可能である。これは、Latent Dirichlet Allocation (LDA)のような他のベイズ的なモデルがいずれも予測分布の推定に近似を必要とする点と比べて、大きな優位性といえる。実験では、混合ディレクレ分布を用いたモデルが低い混合数で比較モデルよりも低いパープレキシティを達成できることを示す。We investigate a generative context/text model using Dirichlet mixtures as a distribution for parameters of a multinominal distribution, whose compound distribution is Polya mixtures. In this paper, we describe some estimation methods for parameters of Dirichlet mixtures and a posterior distribution (adaptation), and show experiments to compare the proposed model with the other Bayesian variants of Probabilistic LSA in perplexity of adaptive \textit{n}gram language models. Since the Dirichlet and Polya mixtures are simpler than the other Baysian context models such as Latent Dirichlet Allocation (LDA), the posterior distribution can be derived as a closed form without approximations needed by LDA. In the experiments we show lower perplexity of Dirichlet mixtures than that of the other.
著者
平井 聡 山本 昌生 佐藤充 成瀬 彰 久門 耕一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.1018-1027, 2002-04-15
被引用文献数
1

本論文では,NUMA(Non Uniform Memory Access)マシンでCommercial Workloadを実行する際のLinuxカーネルの最適化実験について述べる.評価システムには,2ノード4プロセッサの小規模なNUMAマシンの実機を使用し,性能の検証にはWEBサーバとアプリケーションサーバをモデル化した2種類のベンチマークを用いた.また,カーネルプロファイラによるOS動作の関数レベルでの実測,およびハードウェア・バストレーサによるメモリアクセスの実測を行い,動作分析を行った.実験の結果,これらのベンチマークプログラムではNUMAマシンのオーバヘッドは主にOS部に依存していることが分かり,メモリアクセス局所化によりOS実行時間を18%?20%削減し,NUMAオーバヘッドを1/3?2/3に削減した.In this paper,we describe the experimental optimization of Linux kernel on a NUMA machine for commercial workloads.For the evaluation,we used a small-scale NUMA machine which consists of two nodes total of four processors.Two kinds of benchmark programs were used for the measurements,each models WEB server execution or application server execution.We measured the OS function execution timings by a kernel profiler and also measured the memory access statistics by a hardware bus tracer.By using these data, we analyzed the execution characteristics of the programs.The experimental results showed the overhead of the NUMA machine is mainly in OS,and the OS execution time can be reduced 18%--20% by the memory access localization for these benchmark programs.
著者
相川 哲弥
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.93, pp.9-15, 1997-09-19

戸籍簿は数年前までは紙に記録することが法律で定めてあったのが、電子化記録でも良くなった。保険会社の契約書や金融機関の預金記録や会社経理記録は早くから電子化された。それらの不正書き換えを防ぐ対策を考える。Recently census registers can be are recorded digitally by law. Contracts of insurance companies and deposits of banks and management of companies are recorded digitally many years ago. I state a method to prevent unlawful rewriting of them.