著者
山田 寛康 松本 裕治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.112, pp.33-38, 2001-11-20
被引用文献数
7

本研究では 日本語固有表現抽出タスクを題材に 機械学習アルゴリズムSupport Vector Machine(SVM)を多値分類問題に適用する手法を提案し 代表的な従来手法である one vs. rest 法 及び pairwise法 との比較を行なう. 二値分類器であるSVMを固有表現抽出タスクに適用するためには 多値分類器に拡張する必要がある. しかし分類するクラス数に比例して計算コストが増加するため 現実的な時間での学習 及び分類が困難となる. 我々は 多値分類問題を 比較的分類が容易な二値分類へ分割し 二分木を構築する手法を応用し 効率的な学習 及び分類ができるよう SVMの多値分類器への拡張を行う. 固有表現抽出実験では 従来法である pairwise 法 及び one vs. rest 法と比べ ほぼ同等な抽出精度を維持し 抽出時間を削減できることを確認した.This paper proposes a method for multi-class classification with Support Vector Machines(SVM) and evaluates its effectiveness using Japanese named entity extraction task. Multi-class problems with more than two classes have typically been solved by combining independently produced binary classifiers, such as pairwise and one vs. rest method. However, these methods require large computational cost with increasing the number of classes. We propose a method to reduce multi-class classification to binary using a method called as tree-structured model for efficient learning and classifying. Results of our extraction experiments suggest that the method is comparable to the one vs. rest and pairwise methods, and it can reduce the extraction time.
著者
星澤 裕二 岡田 晃市郎 山村 元昭 椎木孝斉
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータセキュリティ(CSEC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.71, pp.265-269, 2007-07-20
被引用文献数
2

マルウェアのホストやネットワーク上での振る舞いを知る方法として 他のシステムに影響を与えない隔離された環境でマルウェアを実行し,その挙動を観察する動的解析がある.レジストリやファイルへのアクセスを記録したり,ネットワークトラフイックをキャプチャしたりするツールが数多く存在するので,比較的容易に環境を構築することが実現でき,短時間である程度の結果を得ることができる.しかし,日時により処理を分岐したり,特定のファイルが存在する場合のみ動作したりといった特定の条件下で動作するマルウェアを解析する場合には,その条件の洗い出しとマルウェア実行環境の調整が必要となり,短時間で解析することは困難である.本稿では,動的解析手法を用いたマルウェア挙動解析の解析時間の短縮と解析結果の精度を高めるためにマルウェアの動作条件を自動的に抽出する方法を検討する.As a way of knowing host or behavior of malware on the network, we run malware in an isolated environment that doesn't affect other systems and monitor the behavior, which is called dynamic analysis. It is relatively easy to realize and get a certain level of results quickly, because there are many tools that record the access to the registry or files and capture the network traffic. However, it is far from easy to analyze malware that work under specific conditions, such as malware that change process depending on time and date or the day of the week, or work only when there are particular files. In this paper, we consider the way of exploring required conditions of malware automatically, to reduce the analyzing time and to improve the accuracy of the result of analysis using the dynamic analysis.
著者
藤原 暁宏 石水 隆 井上 美智子 増澤 利光 藤原 秀雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. PRO, [プログラミング]
巻号頁・発行日
vol.98, no.30, pp.129-136, 1998-03-23

本稿では, 近年注目されている並列計算モデルであるCGMモデル及びBSPモデル上で, 要素数nの選択及びソートを行う決定性の並列アルゴリズムを提案する.まず最初に, 内部計算時間がO(n/p)時間, 通信ラウンド数がO(min(log p, loglog n)のコスト最適な選択を行う並列アルゴリズムを提案する.次に内部計算時間がO(n/p log p)時間, 定数通信ラウンド数の通信ラウンド数が最適な並列アルゴリズムを提案する.上記の2つのアルゴリズムは, n/p≥P^εかつε>0を満たすプロセッサ数pに対して動作する.最後に, 2つ目の選択アルゴリズムの拡張として, n/p≥P^2を満たすpに対して, O(n/p log n)時間, 定数通信ラウンド数でソートを行うアルゴリズムを提案する.
著者
鈴木 勝也 桑原 恒夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.102, pp.13-17, 2007-10-11

一つの楽曲を作成するにあたり、通常複数の人間の多様なインタラクションが存在する。そのインタラクションには、楽曲コンセプトの提供、メロディ・伴奏・歌詞の作成、編曲、ボーカルパートの付加などが含まれる。現実世界でのそうした作業の内、インターネット上で実現可能な機能をウェブ上のシステムとして提供することにより、楽曲の共同創作を支援する。また、システム上において自作曲として扱われる楽曲の著作権侵害の確認支援を目的とした盗作判定支援システムを提案する。We propose song co-operation support system which enables many people to offer each part of a song on web space: melody, lyrics, accompaniment and arrangement. We also propose plagiarism judging support system based on relative variables of musical notes.
著者
大川 恵子 伊集院 百合 村井 純
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.10, pp.3801-3810, 1999-10-15
参考文献数
11
被引用文献数
23

既存の大学の教育環境を可能な限り利用する手法を用いてインターネット上での教育システム(SOI School of Internet)を設計し構築した.システムは,講義そのものを取り扱う講義システム,課題の提出とコメントの関係を実現する課題提出システム,授業全体の評価を開放的に調査する授業調査システムの3つの要素に抽象化を行うことにより構築した.これらの機能を,学生,教員,管理・事務という実際の大学の3つの主体と関連付けることにより設計と実装を行った.それぞれのシステムは,映像と音声の情報とテキスト情報として授業情報を取り扱い,主体間のコミュニケーション全体をこれらを取り扱うデジタル情報処理として実現した.また,実験全体は「インターネット学科」という架空の学科を,実存する大学の講義,チュートリアルなどを利用して構築するという概念でとりまとめた.実際の大学教育を直接抽象化した本システムの構築手法により,システムごとの独立した開発と改善が可能となり,電子化以前の授業に対する課題を直接的に解決することができ,かつ,実際の大学の授業に本システムを取り入れることで継続的に大規模な実証実験が可能となった.1年間で11授業,44特別講義,300時間,約2000人の登録受講者という実験結果は,従来の遠隔教育システムに比べて,特殊な設備を前提とせず,かつ,現状の大学教育の電子化への段階的な移行に対して有用性が証明された.本システムは,インターネット上のインターネット教育を授業内容とし,1997年10月から1年間行われた実証実験に基づいて評価を行った.We established an educational system on the Internet by using the existing university educational environment.The education system consists of the three major parts.First part is a lecture on demand system using video,audio and text information from the real classroom.Second part is the assignment system with a mechanism to encourage open communication among students and faculties through writing a feedback to submitted assignments each other.Third part is the course evaluation system with an open policy to keep the quality of the lecture on the Internet.Students,faculties and administrations are three subject on the educational system on the Internet and we define the education as a sequence of the communication of among those subjects.As an experimental of this idea,we established a virtual school course "School of Internet"by degitizing the educational activities in the existing university courses,tutorials and special lectures and putting them on the Internet to share.Abstracting the actual university education and putting them on the Internet environment enables to improve or resolve the problems in the current university educational system.By utilizing this method in the real university courses,a continuous and large scale experimentation can be carried out.As a result of one and half years of experiment,11 university courses and 44 special lectures are archived in 320 hours of video, audio and other media materials. About 2000 registered students are continuously accessing to those lectures.This result proves the usability of this system,and possibility of the transition to the university education on the digital communication infrastructure.The "School of Internet"startd from October 1997 on the Internet.This paper evaluates the system through the result of one and half years of experimentation.
著者
斉藤克英 三田村 史子 奥山 盛弥 長澤 田美子 千種 康民
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報システムと社会環境(IS)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.25, pp.1-6, 1998-03-17

ヘアスタイルの種類は多種多様であり,また流行による変化も大きい.自分にはどのようなヘアスタイルが似合うのか,また他の人のヘアスタイルが気に入っているが自分に似合うかどうか心配である.そこで本研究では,複数のヘアスタイルの中から好みのものを選び,デジタルカメラを用いて撮影した自分の顔写真に選択したヘアスタイルをフィッティングさせることにより,その場で合成結果を表示し,手軽にヘアスタイルの疑似体験が可能となるシステムを構築した,また,合成した画像に対して,髪の毛については,脱色と色染めの効果,肌の色については,日焼け,ファンデーションによる効果,を付加することができる.本システムはJavaで作成しているため,一ヶ所のWEBサーバと,インターネットへの接続環境と顔画像の撮影環境があるクライアントがあればよく,構築の簡単化と低価格化が容易である.There is a wide variety in hair styles and there, are also many changes as fashion. A person is worried about cutting hair. She/he wants to know both if the desired hair-cut will go well with herself/himself and which hair style will be suitable for her/him. Our research has developed a system that easily allows virtual experience with desired hairstyle to whom can use internet and WEB browser. It is possible to add two functions to the composed image with a desired hair style. When a person select a hair style from many options, the selected hair is fitted onto the picture of her/him face that was taken with a digital camera, and then she/he can appreciate the composed picture. Talking about hair, it is possible to add two kind of effects to the picture: color removing and color painting. Talking about skin, two kinds of effects could be simulated: sunburn and make-up. It is easy and inexpensive to build our system. Due to software is written in Java language, our system only needs a web server and clients with connection to Internet and with the environment to take pictures.
著者
高橋 栄一 小池 汎平 田中 英彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.32, no.7, pp.867-876, 1991-07-15
被引用文献数
2

本研究は 大規模な知識処理の高速実行を目的として研究を進めている並列処理マシン PIE64の相互結合網の開発関すもので.一般に並列計算機において 相互結合網は計算機アーキテクチャの良否決定する重要なファクタの一つであり 相互結合網の性能や特徴は システム全体の処理能力と処理方式に重要な影響を与える.PIE64におけるプログラムの実行は 細粒度のプロセスを動的に生成し かつ割り付けろことにより行われ この実行過程で発生するプロセッサ間通信を効率的に支援するような特性を有する相互結合網を構成する必要がある.本稿では まず PIE64の相互結合網としてどのような構成のネットワークが最適かを考察し (1)回線交換 (2)ノンバッファリング (3)多段網 (4)動的負荷分散支援 (5)二重構成(同一構成の独立した二つのネットワークを用意)などの特徴を有するネットワークが PIE64 の相互結合網として妥当であることを述べる.次に 相互結合網ハードウェアの実装方法を検討し 実際の実装過程について説明する.最後に 作製した相互結合網ハードウェアの予備評価として 経路設定や転送遅延など基本的な機能や信号伝送路の品質などの電気的特 性の測定結果を検討し PIE64の相互結合網として十分な性能を持つことを示す.
著者
並木 美太郎 川合 秀実
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.12, pp.143-150, 2007-02-17

2004年度から開始された文部科学省の「IT人材育成プロジェクト」において、ITに関する知識・技能を有する高校生のアイデア・スキルを発揮させることで独倉雌を向上させる「ITスクール」の2006年度の実施について報告する。過去2年間同様、5泊6日の合宿形式で約30名の生徒に、SqueakとSmalltalkを用いてオブジェクト指向の概念を講義・実習し、自由研究で小規模なシステムを作成させた。結果としては、概ね好評、自由研究などでも完成度の高い作品を作成するなど、一定の効果を得ることができた。また、本稿では2004年からの3年間を概観する。
著者
古川 善吾 野木 兼六 徳永 健司
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.736-744, 1984-09-15
被引用文献数
4

ソフトウェアの機能テストのためのテスト項目を系統的に作成するAGENT技法を提案した.AGENT技法は 機能図式(Function Diagram)という形式的な記法によってソフトウェアの機能仕様を表現した後 機械的にテスト項目を作成する技法である.機能図式は 入力や出力の順序に依存した対応関係を表す状態遷移(状態遷移図で記述する)と 状態遷移の各状態での入力データと出力データや遷移先状態との対応関係を表す論理関係(原因結果グラフあるいは決定表で記述する)とから成っている.AGENT技法では この機能図式から 通過すべき状態の列と各状態での入出力データの条件の組合せとして 以下の条件を満たすテスト項目を機械的に作成する.?各状態での入出力データの条件を確認するのに十分である.?状態遷移を構造化した構造化状態遷移の各遷移を少なくとも1回は辿る.?構造化状態遷移の繰返しは0回と1回の2通りを実現する.このテスト項目作成を自動的に行うためにAGENTプログラムを開発した.本論文では テスト項目作成の考え方 AGENTプログラムの概要について述べた.
著者
岡本 高幸 朴 泰祐 佐藤三久 建部修見
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.87, pp.121-126, 2006-07-31

家庭やオフィスの遊休PCは潜在的に大きな計算能力を有しており,これらを接続して効率的に利用することができれば非常に大きな計算資源となる.しかし,NATやファイアウォールの中にあるこれらのPCを相互に接続するには,物理的なIPアドレスに依存しないノード識別子によるルーティング処理やUPnP,hole punchingなどのNAT越えの技術が必要である.これらをアプリケーションごとに実装していくことは煩雑であり,P2Pアプリケーションの開発における問題となっている.そこで本稿では,アプリケーションをネットワークの物理構成から独立させ,物理ネットワークに依存せず参加するすべてのノードを等しく接続可能とするオーバーレイネットワークを提案する.そして,その実現に必要なNAT越え技術の一つであるUDP hole punchingについてのテストシステムを作成し,市販の家庭用ルータを用いて性能評価を行った.UDP hole punchingと独自のライブラリを使うことによってTCPと比べて2 割程度のスループットの低下でNATを越えて直接通信が実現できることを確認した.An enormous number of PCs at home or office potentially implies a great amount of computation power when they are out of the work, and there is an opportunity to utilize their power for a large scale computation. However, these machines usually exist behind the NAT or firewall and it requires various techniques to access and connect them, such as logical naming independent from the original IP addresses, efficient routing, or NAT traversing with UPnP or UDP hole punching. It is troublesome to apply these techniques adequately to each application, and this is a hazard in the development of P2P application. In this paper, we propose an overlay network to connect all attending nodes in logically flat layer independently from their physical network in order to encourage the easy development of various P2P applications. In our system, we implement a generic communication library based on UDP hole punching which is one of the most common NAT traversal techniques, and evaluated the communication performance on commodity personal broadband router widely used at home. We developed an original communication layer only with UDP protocol which is basically compatible with TCP. By the direct communication through NAT box without intermediate relay server, we confirmed that our method provides a communication performance with only about 20% of performance degradation compared with TCP communication.
著者
西澤 信一郎 中川 裕志
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.56, pp.89-95, 1996-05-28
参考文献数
7
被引用文献数
2

本稿では,日本語の会話中において,発話間の因果関係がどのような形式で記述されているのか,をコーパスを用いて検討した結果について述べる.このような談話構造は,発話者の「思考の流れ」を示しているものと考えられ,発話者は,地図課題対話など目的の定まった会話の場合はもちろんのこと,雑談など特定の目的に左右されない自由会話の場合でも,この構造をある程度認識し,協調的な会話を進めているものと考えられる.そこで,本稿では,地図課題など目的の定まった会話からなるコーパスではなく,飲み会の席上での会話データを対象とした自由課題コーパスを用いた検討を行なった.また,この検討結果を利用し,因果関係を記述するような談話構造をコーパス中から取り出すために必要な手順について提案した.We discuss here how a discourse structure representing a causality relation among two or more sentences is described in Japanese task-free dialogue. The structure, we think, shows "the stream of consideration" of a speaker. We argue that the speaker recognizes the structure and have a conversation cooperatively even in the case of task-free dialogue. Then, we discuss the causality relation with a corpus of Japanese task-free dialogue and show how to find out discourse structures for the relation from the corpus systematically.
著者
井上創造 堀優子 池田大輔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告情報学基礎(FI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.109, pp.31-42, 2007-11-08

本稿では,図書館と SNS とが連携することについて,新たに SNS サービスを立ち上げるのではなく,既存の SNS と連携をする意義をのべる.また,九州大学において行った地域 SNS でとの連携の実装について述べる.実装したシステムは,所属を確実に認証することで,迷惑なメッセージが減るだけではなく,利用者の社会的な立場を把握した上でのコミュニケーションが可能になるという点で類を見ない物である.
著者
塚越 貴之 斎藤 隆文 宮村(中村) 浩子 瀬川 大勝
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告グラフィクスとCAD(CG) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.13, pp.55-60, 2005-02-07
被引用文献数
1

本稿では,多重スケール解析としてウェーブレット変換を用いた非写実的画像生成手法を提案する.分散の異なるガウス関数の差分(Difference of Gaussian; DoG)による多重スケール解析を用いた非写実的画像生成手法が提案されている.本研究では,演算量がスケール数に比例する離散2進ウェーブレット変換を用い,従来手法に類似した画像を,より高速に生成する手法の実現を目指す.従来手法と同様に,分解した各成分の詳細度を考慮した重みを乗じ合成することで,エッジのような局所的な情報や,テクスチャのような大域的な情報を得ることができる.提案手法は,インタラクティブな処理を行うアプリケーションや動画像への応用が期待できる.This study is focused on non-photorealistic rendering (NPR) based on multi scale analysis. In the previous studies, difference of Gaussian (DoG) functions has been mainly used for multi scale analysis. Although wavelet transform is a technique for multi scale analysis, it has not been used for NPR. In this paper, therefore we propose a method of NPR with wavelet transform instead of DoG functions. Proposed method is expected interactive application and applying to video image.
著者
高村 誠之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告オーディオビジュアル複合情報処理(AVM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.102, pp.71-76, 2006-09-29
参考文献数
21
被引用文献数
6

Distributed Video Coding (DVC) は、近年主に欧米において研究の高まりをみせている新しいパラダイムのVideo符号化方式である。H.264/AVC等従来の符号化の枠組みでは、符号化側が冗長性を削減した結果をエントロピ符号化し、情報圧縮を実現しているのに対し、DVCの枠組みでは、従来方式と同じ符号量を伝送しつつ、復号側で動き補償を行い従来方式と同等の復号品質を得ようとする。その理論的裏づけは1970年代のSlepian、WolfおよびWyner、Zivらの研究に端を発する古典的なものであるが、近年のDVC要素技術の性能向上、ネットワーク環境の変化に伴うDVC応用先の広がりなどが契機となり、シーズ・ニーズの両面から研究者の注目を集めることとなった。本稿では、DVCの理論、実装方法、研究動向を述べた後、性能改善や符号量制御等のDVCが抱える課題およびそれらの解決策を述べる。Distributed Video Coding (DVC), a new video coding paradigm, has recently been attracting researchers' attention, particularly in the West. Opposed to traditional coding frameworks such as of H.264/AVC, in which the encoder reduces the redundancy mainly by motion compensation, the decoder takes care of motion compensation in DVC framework, while maintaining both transmitted bit amount and decoded picture quality the same. The theoretical foundation of DVC dates back to the works of Slepian-Wolf and Wyner-Ziv in early 70s. Encouraged by recent advances of DVC-related technologies and of ubiquitous networking environment, more and more research effort has been devoted to DVC field. In this paper, after describing the theory behind DVC, its practical implementation and research trends, we will discuss its future-work items that deserve further improvement, which includes coding efficiency, rate control and so on.
著者
赤嶺 政巳 籠嶋 岳彦 土谷 勝美
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1997, no.66, pp.91-96, 1997-07-18
参考文献数
10
被引用文献数
2

従来のLPC合成器は、声道パラメータの操作により声質の変更が比較的容易で合成素片辞書も比較的コンパクトにできるという利点がある反面、音質の点で問題があった。本報告では、自然音声のデータベースから代表素片辞書を自動的に学習することにより明瞭で肉声感豊かな音質を実現する男訣鴇鴎朗初浅器を提案する。Conventional LPC synthesizers have an advantage in flexibility of controlling speech spectrum and in memory size for synthesis units, but do not have a good speech quality. This paper proposes a new residue excited LPC synthesizer with a high speech quality and a new method for automatically generating speech synthesis units. The LPC synthesis filter and its excitation are derived from the synthesis units by LPC analysis.
著者
木本 雅彦 川部 勝也 松田 一郎 大野 浩之
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.47, pp.7-12, 2000-05-26
被引用文献数
1

大規模な災害に見舞われた時、家族・知人の安否や、ライフラインの復旧状況といった情報は被災者にとって重要である。災害時でも機能する情報流通機構を作り、被災地内外から状況に応じて適切な情報を提供する体制を確立する必要がある。現在、インターネットを用いた災害情報の流通を支援するシステムの開発は盛んに行われているが、インターネット上の情報を避難所などで多数の人々へ情報を同報する手段が不足していると著者らは考えた。そこで本研究では、インターネット上に蓄積されている災害情報を、多くの被災者に提供するシステムを設計、実装した。このシステムでは、CompactHTMLで記述された情報を取得、解析したのち、1.5m四方程度の大型の情報表示装置に出力する。1999年9月と2000年1月に開催された災害訓練に参加し、このシステムの運用実験を行った。本稿ではシステムの設計実装および、このシステムを動作させるためのプラットフォームとして、HDDをもたないPC-UNIXシステムの実装を述べる。When the large scale disaster occurs, efficient information gathering and privision is neccesary. We considered methodology to provide and represent information to people under the disaster condition. We developed the information display system for disaster information. We use compact HTML as information format, and large display called Flipsign. The flipsign is enough large to provide information to many people. In this paper, we describe the design and implementation of Compact HTML parser and its display system. We also introduce PC-UNIX platform without hard drives.
著者
矢崎 武己 矢野 大機 能見 元英
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.47, no.10, pp.1100-1105, 2006-10-15
参考文献数
5

新世代ネットワークには,通信基盤を担うネットワークとして,高速性,通信継続性に加えて通信品質の保証,安心・安全なサービスの提供,環境への負荷低減が求められる.本ネットワークを構成するルータ・スイッチには,高速化,高精度なQoS(Quality of Service)機能や異常フローの探知・排除機能の実装,省電力化等が必要であり,現在,これらを実現する技術の開発が進んでいる.本稿では,この技術開発における課題と,課題を解決する最新技術について紹介する.