著者
鈴間 潔 赤木 忠道 村上 智昭 宇治 彰人 北岡 隆 藤川 亜月茶 築城 英子 松本 牧子 木下 博文 前川 有紀 劉 美智 高見 由美子 浜崎 幸子 高橋 政代
出版者
京都大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2015-04-01

2011年に故笹井芳樹先生らのグループよりマウスES細胞から網膜を組織として3次元的に再生できることが報告された(Eiraku M, Nature 2011:472:51)。我々は再生された網膜の周辺部に形態学的に毛様体組織と類似した構造があることを発見し、故笹井先生らのグループと共同で毛様体組織を効率的に再生する方法を開発することに成功した。本研究は再生毛様体を眼内に移植することにより眼球癆の治療法開発、同時に房水にサイトカインや細胞生存因子を分泌させるという新しいドラッグデリバリーの方法を応用した眼疾患の治療法開発を目指す。今後は動物モデルへの移植研究を行う予定である。
著者
中西 重忠 森吉 弘毅 横井 峰人 笹井 芳樹 CARON Marc CARON Marc G 影山 龍一郎 別所 康全
出版者
京都大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1995

グルタミン酸受容体は神経の興奮を伝達する受容体として働き、記憶・学習という高次脳機能や神経細胞死を制御する中枢神経系の重要な受容体である。本研究は、Nash博士の参加(平成7年5月から1年間滞在)も含め、相手側MarcCaron博士との共同研究のもとに、グルタミン酸受容体の細胞内情報伝達系と調節機構を明らかにすることを目的としたものである。具体的には、1.受容体の燐酸化による調節機構、2.受容体の活性化による細胞内情報伝達系の制御機構、3.細胞内情報伝達系の調節による脳神経機能のメカニズムを明らかにすることであり、得られた結果をまとめると以下の通りである。1.メタボトロピック型受容体の中で、mGluR1とmGluR5は共にIP_3細胞内情報伝達系に共役し、細胞内Ca^<2+>を増加させる。mGluR1とmGluR5を発現させた細胞を比較することにより、mGluR5はmGluR1と異なりCa^<2+>の増加がoscillatoryな反応を示すこと、又この反応はプロテインキナーゼCによるmGluR5の特異的なスレオニンの燐酸化によって引き起こされることを明らかにした。さらにastrocyteの培養系を用い、mGluR5は神経細胞においてもoscillatoryなCa^<2+>応答を示すことを明らかにした。以上の結果は、Ca^<2+>のoscillatoryな反応をもたらす標的蛋白を初めて同定し、そのメカニズムを明らかにしたものである。2.yeast two hybrid systemを用い、AMPA型グルタミン酸受容体の中でCa^<2+>の透過に重要な役割を果たすGluR2サブユニットと神経伝達物質の分泌を調整するNSF蛋白が結合することを明らかにした。さらにNSFはAMPA型グルタミン酸受容体のチャンネル活性を抑制することを示し、伝達物質放出の新しい調節メカニズムを明らかにした。
著者
高橋 淳 中辻 憲夫 笹井 芳樹
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

我々は、2005年5月から再生医科学研究所で樹立されたヒトES細胞(KhES-1,-2,-3)の解析を行っている。これらの細胞株からもドーパミン産生ニューロンが誘導され、培地中にドーパミンを放出しうることを確認した。パーキンソン病モデルカニクイザルの線条体に移植を行ったところ、3頭中1頭で腫瘍形成が認められた。このケースでは、PETスキャンにおいて腫瘍部位に限局して糖代謝の亢進が確認され、細胞分裂を示すfluorothimidineの取り込み上昇も認められた。組織診断では、未分化細胞の増殖が限局的にみられたが、奇形種を裏付ける骨・軟骨、皮膚、筋肉、消化管などの形成は認められなかった。fluorothimidine陽性部位に一致して、ES細胞のマーカーであるOct3/4陽性細胞の集積が認められた。移植細胞の解析を行ったところ、分化誘導期間の違いにより、腫瘍形成がみられたケースでは移植細胞の中にES細胞が混入していたのに対し、腫瘍形成がなかった2頭ではES細胞の混入はみられなかった。つまり、移植細胞へのES細胞混入が腫瘍形成の原因であると考えられた。また、MRIやPETは腫瘍形成を確認する上で有用な手段であることが確認された。これらの結果は現在投稿準備中である。移植細胞による腫瘍形成について、我々はマウスES細胞と正常マウスを用いて検討を加え、分化誘導後に神経系細胞のみを選別して移植することによって腫瘍形成が抑えられることを明らかにした(Fukudaら)。これらの研究によって、安全で効果的なES細胞移植を行うためには、神経幹細胞の純化が必要であることが明らかとなった。現在はヒトES細胞の選別方法開発に取り組んでいる。
著者
高橋 淳 中辻 憲夫 笹井 芳樹
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

我々は、ES細胞由来神経系細胞移植によるパーキンソン病治療法の開発を目指して研究を進めているが、臨床応用を目指すにはヒトと同じ霊長類を用いた実験が必要不可欠である。そこで、カニクイザルES細胞から誘導したドーパミン産生神経をカニクイザルパーキンソン病モデル脳に移植し、行動解析を行った。カニクイザルES細胞をPA6という間質細胞の上で約2週間培養すると、ほとんどの細胞が神経幹細胞様になる。この細胞をsphere法で培養しFGF2とFGF20を加えると、全体の約半数がニューロン、その4分の1がドパミン神経に分化するようになる。MPTPの静脈内投与でカニクイザルパーキンソン病モデルを作成し、その線状体にES細胞由来ドパミン産生神経(前駆細胞)を移植すると移植群においては徐々に神経脱落症状の改善がみられるようになり、移植後10週目に有意な改善が認められた。その後、F-dopaの取り込みをPETにて評価した。コントロール群においてはF-dopaの取り込みが低下しているのに対し、移植群においては有意な上昇がみられ、移植細胞がドーパミン神経として機能していることが確認された。PET後に脳切片の染色を行った。移植に先立ち細胞をBrdUでラベルしたが、移植群の線条体においてBrdU陽性細胞の生着がみとめられた。さらにTH陽性細胞やDAT陽性細胞も確認された。これらの多くはBrdUと共陽性であり、移植されたES細胞由来のドーパミン神経であると考えられた。また、腫瘍形成は認められなかった。カニクイザルES細胞から分化した中脳ドーパミン産生神経の移植によってカニクイザルパーキンソン病モデルの行動が改善したことは、同じ霊長類であるヒトにもこの方法が適応できる可能性を示唆する。ただし、実際の臨床応用の前には1年以上の長期経過観察によって、その効果と安全性の検証が行われなければならない。と同時に、ヒトES細胞からの中脳ドーパミン産生神経誘導とその移植実験が必要である。
著者
呉 明上
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2002

法博第36号
著者
平川 佳世 岩岡 浩二
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、銅板上に油絵具を用いて絵画を描く「銅板油彩画」の誕生と黎明期の展開について、現存する画像作品および文字資料に基づいて、詳細かつ包括的な考察を行った。その結果、「銅板油彩画」は1530年代のイタリアにおいて「諸芸術の優劣論」および「北方絵画愛好」という二つの異なる文化的文脈において個別的に誕生し、「銅」という素材のもつ永遠性に着目した政治的寓意画の制作などの新奇な試みを経て、やがて、16世紀末には、ジャンルを問わず細密描写を得意とする画家が名声を得るための一つの手段として定着していったことが明らかとなった。
著者
長嶋 一昭 今村 博臣
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

蛍光エネルギー移動(FRET)を利用した新規蛍光 ATP プローブを用いて各種刺激下での膵β細胞内 ATP 濃度変化を測定し、Fura2-AM を併用した細胞内 Ca2+濃度同時測定の系を構築し生理学的条件下での膵β細胞内イオン濃度変化を測定した。さらに、ATeam 遺伝子を導入した蛍光 ATP プローブ遺伝子導入(Tg)マウスを作成し、その単離膵β細胞で ATeam が機能し、細胞内 ATP 濃度に応じて FRET 反応を示すことを確認し、同マウス単離膵島を用いた解析を推進中である。
著者
鎌原 利成
出版者
京都大学
雑誌
京都社会学年報 : KJS
巻号頁・発行日
vol.8, pp.1-30, 2000

Various forms of sexuality exist in contemporary society. It is often said that one is able to choose his or her own sexual identity, so long as it brings no harm to others. If this is the case, how should we consider "violent sexuality?" First this paper focuses on masochistic sexual subject and self-defeating sexual relationship. Actually, some persons may have masochistic or self-defeating sexulity. But some of them compulsively suffer with such sexual orientaions. Probably, simply telling them to stop such self-defeating behavior may only act to exacerbate the problem. Yet, if we say "One selects one's own sexual identity or relationships, so there is no problem", we may admit the power and relationships which force one to live such self-defeating life. Admitting hurting oneself may follow admitting hurting someone else that defeat oneself. Therefore, we must look into the power structure which reproduces the cycle of selfdefeating sexual relationships and sexual violence. For example, there are several discourses, which say "Victims want to be raped" or "Victims cause rapes." Such discourses admit sexual violence and force victims to suffer in silence. Furthermore, how can we deal with the issue of sadistic sexual subject? Or, how can sadists live without hurting others? Or, how can those who want to rape others be satisfied without using sexual violence? In this article, two cases are presented. One is a survivor of sexual assault. Attending self-help groups, she is recovering from self-defeating sexual addiction. The second is sado-masochist. Through therapy, he was learning to do without using violence. These cases show us very important issues. They learn to accept the existence of themselves through sympathetic communications. And they bring up their inner possibility to love themselves and eventually others through comprehending their own sexual subjects. Such a possibility may help to overcome the nihilism and sadism, which are the essence of modern society.
著者
木下 政人 豊田 敦 家戸 敬太郎 吉浦 康寿 岸本 謙太 村上 悠 片山 貴士 鷲尾 洋平
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

養殖魚の育種はほとんど行われていないのが現状である。伝統的な選抜育種法による育種は、長期間を要するという欠点があった。そこで、ゲノム編集法の一つであるCRISPR/Cas9を用いて、マダイとトラフグにおいてミオスタチン遺伝子を破壊することで筋肉増量品種作製を試みた。ミオスタチン遺伝子のエキソン1内の配列をターゲットを設定し、single guideRNAおよび Cas9 RNA を人工授精した1細胞期の受精卵にマイクロインジェクション法により導入した。その結果、いずれの魚種においても高効率でミオスタチン遺伝子破壊に成功し、筋肉量を増加した個体の作製に成功した。
著者
諸熊 奎治
出版者
京都大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2014-04-01

1)不斉カウンターアニオン指向触媒(ACDC)の反応機構と制御ACDCを用いた立体選択的細見桜井反応は多成分反応であり、反応機構の全容を知るためには、どのような順番で反応が起こるのかを解析する必要がある。AFIR法を活用して複数の反応経路をもとめ、立体選択性の起源を調べた。立体選択性の起源はプレ触媒とシリルケテンアセタールの錯形成にあることがわかった。2)分岐アルデヒドのC-H結合の無金属活性化の反応機構超原子価ヨウ素化合物を用いたアルデヒドのCH結合活性化の機構を検討した。まず、光照射によりカルボキシラジカルが生成し、このカルボキシラジカルがアルデヒドのCH結合を切断することがわかった。生成したラジカルによる連鎖反応によりアシル化反応が進行する。
著者
安村 典子
出版者
京都大学
雑誌
西洋古典論集 (ISSN:02897113)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.1-23, 1998-08-10

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。One of the most controversial problems about the Hymn to Apollo concerns the composition and unity of the hymn. Since David Ruhnken (1794), most scholars have divided the hymn into a 'Delian' and a 'Pythian' part. I recognise, however, some kind of unity between the two sections, while admitting the separate authorship. The digression of the Typhon episode (305-355) has also often been regarded as an interpolation. However, I think that there is in the arrangement of the motifs a design which contributes to the effectiveness and persuasiveness of the digression. It is the aim of this essay, therefore, to look at the details of this digression, and to see if there is some detectable logic in its connection with a narrative as a whole. The episode of the dragon functions as the framework of the digression of Typhon. In the parallel of the dragon and Typhon, only the birth of Typhon and the death of the dragon are narrated. The reasons advantageous to the composer for this complicated arrangement are to stress (1)the unrivalled nature of Apollo's first oracular installation ; (2)the aetiological design in the name of the dragon ; (3)the gender of the dragon ; (4)emphasis on the role of Hera. Being female, the dragon is able to become nurse to Typhon, and this is crucial if we think of the succession myth. Since Gaia has ceased to challenge Zeus after he has established his power in Olympus (according to the Theogony), now in the hymn, Hera may attempt to destroy Zeus' order by initiating a cycle of succession catalysed by his son's rebellion ; Typhon is the figure who could have overthrown Zeus, helped by the dragon, just as Zeus overthrew Kronos, aided by his nurse, Gaia. The dragon (the nurse), by helping Typhon, might have played the decisive role in the usurpation of Zeus, if Apollo had not killed her. The killing of the dragon is, therefore, not merely evidence of Apollo's aristeia, but contributes a much graver meaning : Apollo intervenes in the succession myth, alleviating the crisis of Zeus. Hera might have accomplished her desire if Apollo had not come to help Zeus-this seems to be the implication of the hymn. It is startling to begin the hymn with a scene of potential threat. This may imply that Apollo has just returned from the battle with Typhon, and is demonstrating his authority among the gods. Although Apollo could be another threat to overthrow Zeus, his father, Leto assists Zeus, acting as a king-maker by influencing Apollo. The opening scene depicts the celebration both of Apollo's victory over Typhon and an overall peace between Zeus and Apollo. The opening scene and the digression of the Typhon episode are thus inter-related, and illustrative of the wider struggle for cosmic power. One of the main purposes in selecting the dragon-Typhon story is to sing about Hera By means of Hera's entrance into the narrative, the encomiastic aim of this hymn is fully achieved. Apollo degrades Hera by destroying the dragon and the end result is the gain of great esteem not only for himself but also for Leto. The killing of the dragon is, consequently, the most critical moment in the process of establishing his dignity and position in Olympus. To sum up, the digression of the dragon demonstrates the compositional technique of 'a story within a story' and this technique focalises the importance of the dragon. The abrupt transition back to the main narrative emphasises the doublet of the dragon and Typhon, and also functions as a deliberative device, hinting at the broader perspective, but leaving the exact linking inexplicit. Structurally and thematically the hymn can indeed be described as a unity, the digression of the dragon being linked with the rest of the hymn by the devices of repetition and nesting or embedding that constitute the narrative technique. The digression of the dragon, in short, attains its greatest effect through the development and colouring of the motifs and their arrangement within the structure of the nested narrative.
著者
薬師院 仁志
出版者
京都大学
雑誌
京都大学教育学部紀要 (ISSN:04547764)
巻号頁・発行日
no.38, pp.p311-323, 1992-03
著者
渡邊 崇人
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

白色腐朽菌 Ceriporiopsis subvermispora は,セルロースを極力壊さずにリグニンを選択的に分解する.その選択的リグニン分解機構を解明する一環として,今回は,リグニン分解フラグメントの1つであるバニリンに対する細胞応答を調べた.蛍光ディファレンスゲル二次元電気泳動を行い,バニリン存在下と非存在下での発現プロファイルを取得した結果,バニリンで発現が誘導される,または,抑制されるタンパク質が見つかった.また,サプレッションサブトラクティブハイブリダイゼーションによりバニリンで誘導される遺伝子を数多く取得した.
著者
溝口 佑爾
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

2012年度は、前年度に引き続き、これまでの研究のアウトプットを続けると同時に、これまでの理論的研究で得られた洞察を、巨大災害後の復興支援プロジェクトへと直接生かしつつ、その成果を残すための地盤作りに取り組んだ。2010年度に築いたルーマン社会システム理論の時間論的、そしてメディア論的な拡張を、2011年3月11日に起きた東日本大震災を受けて立ち上げた被災地支援活動「思い出サルベージ」プロジェクトにおいて実践していった。同プロジェクトは、宮城県亘理郡山元町において津波に飲まれて持ち主不明となった写真約70万枚を、洗浄・デジタル化・データベース化して持ち主へと届けることを目的とした支援活動である。申請者は、同プロジェクトの立ち上げ人兼現代表として、宮城県亘理郡山元町における被災写真救済活動の実質的な指導およびフィールドワークを続けてきた。また、山元町以外の被災写真救済活動(沿岸部の各被災自治体)についても、技術指導、ネットワーキングに勤めながら、フィールドワークを行った。その実践的な成果の一部は、研究発表1.および学会発表1.~4.としてアウトプットしてきた。また、アウトリーチ活動として、山元町内の各教育機関及び各地の大学、また市民に向けた学問的なコミュニケーションの場へと積極的に還元してきた。本研究は、当初の計画に比べ、理論よりも実践的な還元に重きを置くものとなった。しかし、そのことは、理論的な洞察が実践的な還元へと直結するという意味で、理論的研究たる本研究の意義を示す結果であると言えるだろう。現在も続く復興支援活動「思い出サルベージ」において活かされているのは、本研究が築いたルーマン社会システム理論の時間論的・メディア論的拡張である。もちろん、限られた時間の中で震災というイレギュラーな事態を受けたことで、やり残した課題は多いといえるだろう。一番大きな課題は、実践から理論への逆方向の還元である。再びの理論化による社会学理論への還元については、来年度以降の日本学術振興会特別研究員PDとして実施する研究での課題とする所存である。PDにおける研究は、実践的なフィールドワークから得られる洞察を、拡張されたルーマンメディア理論を手がかりにして、現代の社会学理論へと還元するものとなる見通しである。また、採用の初年度より着手している、アジアにおける「圧縮された近代」の計量的な検討もさらに発展させ、その成果を発表する機会を得た(学会発表(国内)5.&学会発表(海外)1.)。近代化のスピードに着目するこの研究は、社会学のカギとなる概念の一つである近代化のバリエーションを計量的に考察することで、当該研究であるルーマン社会システム理論の時間論的・メディア論的拡張の、応用的な側面を補うものとして位置づけられるものである。今年度は、タイのチュラロンコーン大学での研究会において、東アジアにおける家族観に対する高学歴化の影響に対して、非儒教圏にも通じる視座を獲得することができた。