著者
上野 健爾 土屋 昭博 河野 俊丈 伊達 悦朗 神保 道夫 柏原 正樹 松本 尭生 三輪 哲二
出版者
京都大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1992

本研究は重点領域研究「無限自由度の可積分系の理論とその応用」の成果取りまとめのために行われた。平成4年度から5年間にわたって行われた本重点領域研究では無限自由度の可積分系の理論を中心に数多くの重要な成果が得られたが、これらの成果を有機的にまとめ、今後の研究へのひとつの指針を与えることが本研究の目指したものである。具体的には2次元格子模型、共形場理論、量子群、3,4次元トポロジー、無限自由度の可積分系と関係した代数幾何学に関してさらに研究を進め、今までに得られた成果をさらに高い立場から見直すことを行った。この結果、Calabi-Yau多様体のミラー対称性や量子コホモロジー群、量子群の表現と古典関数のq類似、3,4次元多様体の位相不変量などに関する研究において新しい知見が得られた。さらにこれらの成果は、非線型幾何学とも呼ぶべき新しい幾何学が背後にあることを強く示唆している。特に深谷のグループはCalabi-Yau多様体のミラー対称性を幾何学的に新しい見地から論じ、今後の研究に重要な一歩を踏み出した。また本年度の研究によって、神保のグループを中心に離散的Painleve方程式が幾何学的な構造を持つことが明瞭にされ、可積分系のもつ幾何学的構造の豊かさが改めて明らかになった。今後は、本重点領域研究の成果に基づき、非線型幾何学の建設へ研究が大きく前進していくことが期待される。
著者
加須屋 誠
出版者
京都大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:03897508)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.42-99, 1988-03-31
著者
片山 一道 徳永 勝士 南川 雅男 口蔵 幸雄 関 雄二 小田 寛貴 上原 真人 清水 芳裕
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2000

南太平洋に住む人びとの祖先集団であり、ポリネシア人が生まれる直接の祖先となった先史ラピタ人の実態を解明するため、生物人類学、先史人類学、考古学、生態人類学、人類遺伝学、年代測定学、地球科学などの研究手法で多角的な研究を進めた。トンガ諸島のハアパイ・グループ、サモアのサワイイ島、フィジーのモツリキ島などで現地調査を実施して、それぞれの分野に関係する基礎資料類を収集するとともに、それらのデータ類を分析する作業を鋭意、前進させた。それと同時に、ラピタ人からポリネシア人が生まれる頃にくり広げられた南太平洋での古代の航海活動を検証すべく、ポリネシアから南アメリカの沿岸部に散らばる博物館資料を点検する調査を実施した。特記すべき研究成果は以下のごとくである。まずは、フィジーのモツリキ島にあるラピタ遺跡を発掘調査して古人骨(マナと命名)を発見し、フィジー政府の許可を得て日本に借り出し、形質人類学と分析考古学の方法で徹底的に解析することにより、古代ラピタ人の復顔模型を作成するに成功したことである。マナの骨格、ことに頭蓋骨は非常に良好な状態で遺残しており、これまでに発見されたラピタ人骨では唯一、詳細な復顔分析が可能な貴重な資料であったため、世界に先がけて古代ラピタ人の顔だちを解明することができた。それによって彼らがアジア人の特徴を有するとともに、併せて、現代のポリネシア人に相似する特徴も有することを実証できた。そのほか、一般にポリネシア人は非常に足が大きく、世界でも最大の大足グループであることを証明し、その性質がラピタ人の頃に芽生えたらしいことを推論できたこと、さらに、サモアのサワイイ島で考古学の発掘調査を実現できたこと、トンガ諸島で古代の漁労活動を類推する資料類を収集するとともに、現代人の遺伝的な関係を分析する血液試料を採集できたことなども大きな成果である。とりわけ世界で最初に復顔したラピタ人の等身模型は国内外に発信できる本研究の最大の研究実績であろう。
著者
森澤 眞輔 米田 稔 中山 亜紀
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

放射線等価係数を用いた新しいリスク評価法をベンゼン誘発白血病に適用した結果、1ppmの大気中ベンゼンに対して3.5×10-4-8.5×10-4、1μg/m3の大気中ベンゼンに対して1.2×10-7-2.8×10-7の白血病リスク推定値を得た。これらの推定値は表6に示した疫学情報に基づく報告値と比べて約30分の1から約20分の1程度の過小評価となった。白血病の標的臓器である骨髄の正常細胞を用いることでリスク推定値が改善されたと言え、エンドポイント毎に適切な細胞を用いるなど用量-反応評価の条件を整えることで、より正確な健康リスク評価が実現できると予想される。本研究の成果により使用細胞等の実験条件を発症機構に即したものへと近づけることで、より正確なリスク評価が実現できる可能性が示された。今後実験条件に更に改良を加えることで、信頼性を保った予見的な新しいリスク評価法の実現が期待できる。
著者
西田 豊明 馬場口 登 谷口 倫一郎 黒橋 禎夫 植田 一博 伝 康晴 辻井 潤一 美濃 導彦 中村 裕一
出版者
京都大学
雑誌
学術創成研究費
巻号頁・発行日
2001

(1)講義のコミュニケーションに関する一連の研究の総括を行った.マルチモーダルセンシングによる会議環境の記録の手法について知見を得た.会話に適切な構造を与えて記録し,再利用を促進するための手法を提案した.非言語的な手がかりに注目した会話量子の自動抽出法の研究を行い,実装した.(2)会話の雰囲気や焦点などの自動認識と会話構造化のための知見を得た.会話記録をマルチメディアコンテンツとして加工する研究を行った.会話量子を風景として可視化できる会話コンテンツアーカイブシステムの開発を進めた.深い理解のための言語情報処理基盤の研究と,人間の言語活動に関する認知言語学的考察を行い,種々のアプリケーションシステムを構築した.(3)身体性のある知識メディアとしての会話ロボットを一部実装した.種々の身体表現が人間に与える影響を調査した.体格に依存しない情報提示を実現した.会話エージェントパッケージUAPを用いて,異文化コミュニケーションの学習支援システムと,ユキャンパスガイドエージェントシステムを試作した.(4)人間の嘘を視線・顔方向・表情のみから自動的に判別するシステムを構築し,その評価を行った.インタラクション時の行動的指標と生理指標とユーザのインタラクション状態の関連を明らかにした.ターン構成単位の認定のための手続き的な基準を与えた.包括的読解課題および局所的読解と,「心の理論」の関係を検討し,児童期の心の発達を分析した.同調性・信頼感と心的プロセスとの間の関連を実証的に検証した.対話中の身体動作を定量的に評価する手法を提案した.会話記録のスコアリング手法を提案した.ウェアラブルセンサ・環境センサを用いて獲得された多視点の同期した体験データを閲覧・分析可能とするシステムiCorpus Studioを開発した.
著者
鄭 宰相
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
2010

博士論文
著者
山下 穣
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2002

間隔12.5μmの並行平板セルを作成し、その間にある超流動ヘリウム3のNMR信号を観測した。従来、このような間隔のセルの実験においては平行度のよいサンプルを作る事が困難であったが、我々は試料の材質、その加工方法を工夫することで平行度の良い試料容器を作ることに成功した。この結果、超流動ヘリウム3A相においてその秩序変数の方向を均一にそろえることに成功し、その回転変化を精密に測定することに成功した。回転下においてある回転数(〜1rad/s)以上ではNMR信号が変形し、静止下における信号の位置とは異なる周波数位置にNMRの共鳴信号が観測されることが分かった。この信号は並行平板間の秩序変数が回転による常流動速度場と超流動速度場の差により変形したことによるスピン波の信号であると考えられるが、その信号の周波数位置と秩序変数との関係はよくわかっていない。今回の実験では平行度の良いサンプルを用意できたことでこの新しい信号を精密に観測することができたので、数値計算との比較によってその理解が深まると考えている。また、2rad/s以上の回転数においては並行平板間に渦が入り、それが中心で集まっている事がわかった。また、こうしたNMR信号の回転変化は超流動転移温度を通過するときの回転数、磁場の大きさ、およびそれらが平行であるか、反平行であるかによって変化することが分かった。特に、回転(1rad/s以上)と磁場(27mT)の両方をかけた状態で超流動転移温度を通過した後の回転変化においては、常流動速度場による秩序変数の変形が観測できなかった。これは超流動転移温度における条件によって生成される渦が異なりその臨界速度の違いを反映している可能性がある。並行平板という境界条件においては渦量子が通常の1の渦とは別に1/2の渦の存在が予言されており、こうした特異な渦の生成を示唆している可能性がある。
著者
竹中 修 相見 満 竹中 修
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

本研究は各地の博物館に保存されている骨格標本や毛皮標本を形態学的に詳細に検討比較すると共に、皮革標本の一部の供与を受けDNAを抽出しミトコンドリアの一部の塩基配列を決定比較することを目的とした。まず、ライデン博物館に保管されているヤマイヌの毛皮標本と形態試料を入手することが出来た。ニホンオオカミについても大英博物館、北海道大学農学部附属博物館、和歌山大学教育学部、国立科学博物館のものを入手し、さらに石川県立七尾高校と愛媛県立博物館にも標本のあることが新たに判明した。後二者の資料は今回初めて明らかになったもので資料収集の面では当初予期した以上の成果を上げることが出来た。現在までに収集した資料はニホンオオカミ、エゾオオカミ、タイリクオオカミ、イヌの資料は、毛皮試料がそれぞれ、3点、3点、2点、1点で、計測資料それぞれ、10点、2点、16点、10点にのぼった。計測資料を多変量解析法の一種である正準相関分析法により検討したところ、タイリクオオカミとエゾオオカミがよく似ていること、イヌがそれらの近くに位置し、ニホンオオカミが離れたところに位置することが分かった。さらにヤマイヌとされているライデン博物館の3点の標本の内、b標本を除くaとc標本がニホンオオカミではなく、イヌではないかとの疑いが出てきた。毛皮を出発試料としたPCR法によりミトコンドリアのチトクロームb遺伝子を増幅し、直接塩基配列を決定することを試みた。最初約360塩基対の増幅では一試料を除き増幅できなかった。タンパク質のアミノ基が求核試薬として還元糖のカルボニル基を攻撃してシッフ塩基を経由してアマドリ転移生成物にいたるメイラード反応が試料の保存中に起こっている可能性があるが、DNAがさらに断片化している可能性も考えられるので、PCR法のプライマーを合成し直して現在増幅を試みている。
著者
須田 千里
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究は、神奈川近代文学館に所蔵される久生十蘭(一九〇二~五七)関係資料、すなわち、作品の草稿・原稿類、発表作品の切り抜きや手入れ資料、作品執筆に際し使用した雑誌・新聞記事など関連資料、同時代評、写真などの特別資料423点について、3年間の調査で詳細な記録を取るものである。また、作品の素材となった雑誌記事(作品毎に封筒に入れられていることが多い)と作品を照合することで、素材の確定や成立過程、推敲課程の跡付けを行う。上記特別資料は作者が死ぬまで手元に置いていたもので、直筆草稿や書き込みのある第一級の一次資料であり、多大な研究成果が期待できる。
著者
安元 暁子
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

野外調査ではニッコウキスゲはハナバチ媒花で24-48時間咲きであった。日本全国からサンプリングを行い、葉緑体DNAの系統樹を作成したところ、蛾媒花と蝶媒花がそれぞれ複数回進化したことが示唆された。蛾媒花キスゲの分布から交雑が見かけ上の複数回進化に寄与した可能性が高い。また、種子を作れない3倍体ヤブカンゾウは、全国に分布しながらも葉緑体DNA の変異がほとんどなく、人によって持ち運ばれたと考えられる。

2 0 0 0 ものさし

著者
小泉 袈裟勝
出版者
京都大学
巻号頁・発行日
1992

博士論文
著者
千葉 豊 杉山 淳司 高野 紗奈江
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

縄文時代の研究は、縄文土器の編年研究に多くの労力が費やされてきたが、過重な編年研究から考古学者を開放し、新たな学問的地平を構築すべき時が到来している。本研究では、飛躍的な進歩を遂げているA Iを編年研究に導入し、縄文土器のビッグデータを解析する。深層学習により土器型式を識別するA Iを構築し、縄文土器の時空間的な関係性を客観的に描き、既知の土器編年と系統樹を批判的に検証する。そして数理学的な根拠に基づき、研究者が価値を見落としてきた、あるいは未だ発見されていない、未知の縄文土器を予測し創造する。潜在的価値と新たな価値を見いだし、縄文時代の文化系統の動態を高精細に描き出す。
著者
上野 健爾 加藤 文元 川口 周 望月 新一 高崎 金久 桂 俊行 木村 弘信 山田 泰彦 江口 徹 森脇 淳 加藤 和也 吉田 敬之 三輪 哲二 丸山 正樹
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2002

上野のグループは複素単純リー代数をゲージ対称性に持つ共形場理論(WSWN モデル)とアーベル的共形場理論を使ってモジュラー函手を構成し、このモジュラー函手から構成される位相的場の理論の性質を解明した。また、共形場理論で登場するモジュラー変換を記述するS行列が種数0のデータから完全に決まることを示した。さらに共形場理論の応用として4点付き球面の写像類群のNielsen-Thurston分類を考察し、この分類が正整数n≧2を固定したときに量子SU(n)表現から決定できることを示した。加藤文元のグループはこれまで提案されている中では一番広い意味での剛幾何学の建設を推進し、モジュライ空間の幾何学のもつ数論的側面を代数幾何学的に極限まで推し進めた。望月新一は代数曲線とその基本群との関係およびabc予想の定式化を巡って、代数曲線のモジュライ理論に関する今までとは異なる圏論的なアプローチを行い、函数体や代数体の被覆や因子の概念の圏論的に一般化して捉えることができるFrobenioidsの理論の構築、エタール・テータ函数の理論の構築など、今後のモジュライ理論のとるべき新しい方向を示唆する重要な研究を行った。さらに、モジュライ空間の代数幾何学的・数論幾何学的研究で多くの新しい成果が得られた。無限可積分系の理論に関しては、高崎金久のグループは種々の可積分系を考察し、モジュライ空間がソリトン理論でも重要な役割をしていることを示した。また、パンルヴェ方程式とモジュライ空間との関係、無限次元代数と関係する統計モデルの考察、旗多様体の量子コホモロジーに関して種々の重要な成果が得られた。本研究によってモジュライ空間が当初の予想以上に深い構造を持ち、また数学の基礎そのものとも深く関わり、その理解のためには、さらに数学的な精緻な道具を作り出していく必要があることが明らかになった。また、そのための準備やヒントの多くが本研究を通して明らかになった。
著者
星 裕一郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2018-04-01

一つの代表的な成果として,広いクラスの一般化劣p進体上の準三点基に対する絶対版遠アーベル予想を解決して,その応用として,非特異代数多様体が遠アーベル開基を持つかという遠アーベル幾何学における古典的問題の絶対版を広いクラスの一般化劣p進体上で解決した.別の代表的な成果として,望月氏,Fesenko氏,南出氏,Porowski氏との共同研究によって,宇宙際タイヒミュラー理論のいくつかの部分を精密化することによって,ある明示的なディオファントス幾何学的不等式を得た.また別の代表的な成果として,望月氏,辻村氏との共同研究によって,有理数体の絶対ガロア群の組み合わせ論的遠アーベル幾何学的構成を確立した.
著者
梶 達也
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2000

クロマグロを含めたサバ科魚類は,水産業上の重要魚種を多く含むにも関わらずその初期発育については断片的な知見があるにすぎなかった。本研究では,通常は入手がきわめて困難なサバ型魚類仔魚を複数種利用できるという利点を最大限活用し,その初期生残戦略を明らかにすることを目的とした。昨年度に東京都葛西臨海水族園において行った実験から得られたハガツオ仔魚の胃内容物を精査した。その結果,本種仔魚は摂餌開始の翌日に速やかに魚食性へと移行するが,摂餌開始日の1日のみ動物プランクトンに依存するという食性を示すことを明らかにした。また,マサバとサワラの飼育実験と,昨年までに得ていたクロマグロ,キハダ,スマのデータから,これらサバ型魚類の魚食性・高成長という初期生残戦略の多様性は特化した消化系の発達過程に良く対応することが示された。昨年度に発見した卵白添加による海産仔魚の浮上へい死防除を,三重県科学技術振興センター水産研究部尾鷲水産研究室においてクエおよびマハタ仔魚に適用した。小規模実験の結果,両種にも卵白添加法はきわめて有効であることが明らかとなった。さらに中規模の試験結果から,本手法は量産規模へ応用できる可能性が高いことが示された。以上の研究のため,国内旅費を必要とした。昨年度の飼育実験による成果を平成14年度日本水産学会において口頭発表した。また,同学会で催されたシンポジウム「サバ型魚類の資源・増殖生物学」においてサバ型魚類の初期発育をとりまとめレビューを行った。さらに,投稿論文を2編発表した。
著者
大田 浩
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

精子や卵子の元となる細胞は胎生期に発生する始原生殖細胞に由来するが、ヒトを含めた霊長類では実験的に研究が困難なことから不明な点が数多く残されている。本研究ではヒト多能性幹細胞から誘導した始原生殖細胞を卵母細胞へ分化させることが可能な実験系を確立する。本研究計画が達成される事により、胎児医学、ヒト発生学、生殖医療など、幅広い分野において重要な知識基盤を形成する事が可能となる。
著者
喜早 ほのか 別所 和久 高橋 克
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

哺乳類の歯には、通常は退化・消失する第3歯堤が存在する。通常の歯数よりも多く形成される歯を過剰歯といい、実際にヒトにおける第3歯堤由来と考えられる過剰歯症例を経験し、報告した。本研究では歯数の制御に着目し、機能を抑制することで歯数が増加する分子と、逆に機能を亢進することで歯数が増加する分子を標的とした。USAG-1とBMP-7は歯の形態形成と大きさに重要な役割を果たす可能性があることを報告した。さらにヒトの多発性過剰歯の発生由来として幹細胞が関与する可能性を報告した。また、CEBP/βとRunx2の解析により、上皮間葉転換が離脱した歯原性上皮幹細胞に過剰歯を発生させることを報告した。
著者
野村 理朗 Rappleye Jeremy 池埜 聡 高橋 英之
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

もとより複合的な高次感情である「畏敬」は,喜び・怒り・悲しみといった基本感情とは異なり,それを生じさせる規定条件に不明な点が多い。この正負の方向へと分岐しうる畏敬の発生機序の解明が重要課題であるとともに,AI等の開発,自然災害等に関わる心理支援への応用などの可能性も秘めている。本研究は,心理学,比較文化,ロボット工学等の領域を横断して連携し,複合感情としての「畏敬」の効用,およびその個人差の基盤となる心理・生物学的機構を明らかにするとともに,フィールド調査やロボットを用いた構成論的アプローチを取り入れた方法論により,「畏敬」の応用までを視野にいれた革新的知見を得ることを目指す。