- 著者
-
藤島 博英
簗瀬 範彦
- 出版者
- 公益社団法人 土木学会
- 雑誌
- 土木学会論文集F4(建設マネジメント) (ISSN:21856605)
- 巻号頁・発行日
- vol.67, no.4, pp.I_239-I_250, 2011 (Released:2012-03-30)
- 参考文献数
- 12
平成22年度現在,全地方自治体の約70%が総合評価方式による入札制度を試行的に導入したが,多くの地方自治体では本格的な導入に至ってはいない.その理由は,最も簡便な特別簡易型による型式でさえも,事務量の増大や入札期間の長期化などが負担とされているからである.その背景として,入札を担当する人員の問題や総合評価方式に相応しい工事規模や工種と実際の発注案件との乖離といった実務的な問題,さらに公共調達に関する自治体職員の意識の問題があるものと推定できる. 本研究では,北関東3県の入札担当職員の配置状況と事務量,そして,職員の総合評価に対する意識等,地方中小自治体が総合評価導入に対して抱える実務上の課題を抽出した. その結果,上記の課題に対して小規模であっても,比較的総合評価方式に対応している自治体のグループの存在を確認できた.一方,体制と工事発注量の不均衡から,今以上の総合評価方式の導入に限界を感じている規模の自治体グループの存在も窺えた.