著者
内田 良
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学教育創造開発機構紀要 (ISSN:21860793)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.95-103, 2011-03-31
被引用文献数
2

死亡事故を防ぐには、まずもって死亡事故の研究が不可欠である。本研究の目的は、学校管理下における柔道の死亡事故に関して、その実態を明らかにし、事故防止の留意点を引き出すことである。事故実態の分析からは、主に次の知見が得られた。第一に、柔道は死亡件数が多いだけでなく、死亡確率も高い。第二に、死亡事例の多くは初心者で発生している。第三に、柔道固有の動作から死に至るケースが多く、とくに頭部外傷による死亡が目立つ。2010年は、柔道事故防止の元年となった。しかし学校現場においては、柔道事故に対する危機意識はほとんど共有されていないのが現状である。中学校での武道必修化が目前に迫っているだけに、頭部外傷に関する医学的知見をはじめとして、事故防止の知識や方法が早急に学校現場に伝えられなければならない。
著者
河村 善也 吉川 周作 阿部 祥人 古瀬 清秀 樽野 博幸 金 昌柱 高 星 張 穎奇 張 鈞翔 松浦 秀治 中川 良平 河村 愛
出版者
愛知教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

東アジアのうち,北海道を除く日本本土では後期更新世~完新世に多くの種類の哺乳類が絶滅しているが,その絶滅期はMIS 3 からMIS 2 にかけてで,大型種だけでなく小型種も絶滅している.絶滅は短期間に急激に起こったのではなく,比較的長い期間に徐々に進行したようである.この地域ではずっと森林が維持され,環境変化が穏やかで,人類の影響もさほど強くなかったことが,そのようなパターンをもたらしたと考えられる.琉球列島では島ごとに絶滅のパターンが異なり,ここでは人類が絶滅に深くかかわっていると推定される.中国東北部では,ヨーロッパでのパターンに似た絶滅が起こったが,中国中・南部では絶滅はそれより限定されたものであったようである.台湾や韓国では,まだ研究が十分ではない.
著者
竹井 史
出版者
愛知教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

幼児期における土遊びは人間形成に大きな意義を持つ。本研究は、土遊びを活性化するための土環境を「ねんど場」と位置付け、考察し、以下の点が明らかになった。①本研究期間でねんど場に使用した土は、河川プラント会社から不要材として排出された粘土質土であるが、当初の予想以上に、感触遊び、粘性や可塑性をもとにした造形的な遊び、造形物を利用した社会性を促進するごっこ遊びに有益な素材であること。②粘土質土は、乾燥状態においても粉砕可能でかつ容易に再利用でき、その粒度分布は、粘土、シルト、細砂成分を中心とした土であり、粘土成分4~14%、シルト成分20~30%、細砂成分30~50%含まれたであること。
著者
野地 恒有
出版者
愛知教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

近代以降に移住者の開拓によってその集落が形成された島において、定住化のための「持続する生業体系」 の特徴について調査研究した。その結果、周辺社会との間に張りめぐらされた海縁ネットワークにより定住生活は持続され安定されること、移住先の定住生活を成立させる生業体系とは外部との海縁ネットワークの体系であること、その海縁ネットワークを作り出すその島独自の(ほかの地域に依存しない)生業手段・技術が必要であること、などを明らかにした。
著者
村松 常司 村松 園江 伊藤 章
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学研究報告 芸術・保健体育・家政・技術科学 (ISSN:03887367)
巻号頁・発行日
no.36, pp.p123-131, 1987-02

Six healthy male students who have a habitual inhalation of tobacco smoke were subjected in the present study. The skin temperature, systolic and diastolic blood pressure levels and heart rate were measured to grasp acute effects of smoking after exercise and eating in 1980. The results obtained from the experiments are as follows: (1) The finger skin temperature decreased by smoking cigarettes 'Seven Star'. This decrease was observed from the first cigarette. (2) Systolic and diastolic blood pressure levels and heart rate increased after smoking and exercise, respectively. (3) The increase of heart rate was observed further by smoking after exercise than only by exercise. On the other hand, systolic and diastolic blood pressure levels did not increase just after exercise, but the recovery time to control period level was prolonged as compared with merely exercise. (4) After eating, the decreases of finger skin temperature and diastolic blood pressure level were observed, while the increases were observed among systolic blood pressure level and heart rate, respectively. (5) By the smoking after eating, the decreases of finger skin temperature and diastolic blood pressure level were observed further, while the increases were observed among the systolic blood pressure level and heart rate. The recovery time to control period level among every index, was prolonged.指先の皮膚温,収縮期および拡張期血圧,心拍数を指標にして,運動後,摂食後の喫煙による急性影響を把握することを目的として,喫煙習慣を持つ健康な大学生6名を対象にして, 1980年9月~10月に実験を行い,以下のような成績を得た。(1)セブンスターを喫煙することによって指先の皮膚温は低下し,1本目から低下が観察された。(2)喫煙後ならびに運動後の収縮期および拡張期血圧,心拍数は増加した。(3)運動後の喫煙によって,心拍数は運動直後よりもさらに増加した。収縮期および拡張期血圧は運動後の喫煙によっては上昇はみられなかったが,運動だけの時より安静時レベルヘの回復が遅れた。(4)摂食後の指先の皮膚温および拡張期血圧は低下し,収縮期血圧および心拍数は増加した。(5)摂食後の喫煙によって指先の皮膚温および拡張期血圧は,摂食後よりさらに低下し,収縮期血圧ならびに心拍数はさらに増加し,安静時レベルヘの回復が遅れた。
著者
戸谷 義明
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学研究報告. 自然科学編 (ISSN:18845169)
巻号頁・発行日
vol.63, pp.41-51, 2014-03-01

Confections are remarkably familiar and attractive not only for the preschool or primary school children, but also for adults. Karumeyaki (foam candy made from heated sugar syrup) is known as one of confections adopted from Portugal during the Azuchi-Momoyama period and since Japanized. In order to be realized the importance and usefulness of the subject “science” by the people, a reliable experimental method for “Making Karumeyaki” with high success probability was developed. A practice by using the method was performed in a cooking room at Nagoya-Nishi Life Learning Center. The procedures and the result of the practice were detailed in this report.
著者
吉岡 恒生
出版者
愛知教育大学
雑誌
治療教育学研究 (ISSN:09104690)
巻号頁・発行日
vol.30, pp.13-21, 2010-02

本論では,子どもを援助する者の「心の傷」が援助プロセスへ与える影響について論じた。子どもを援助する者の「心の傷」が子どもの「心の傷」に触れる際に,どのようなプロセスが起こりうるか,またその癒しの効果と危険性はどのようなものかについて,「傷ついた癒し手」「メサイア・コンプレックス」等の概念を用いて論じた。また,特別支援学校教員への記述式アンケートにより,自身の子ども時代の「心の傷」をめぐるエピソードが,特別支援学校教員としての職業選択・教育実践に影響しているかもしれない,と半数近い者が感じていることがわかった。またアンケートの記述をもとに,「心の傷」が職業選択・教育実践にどのように影響するかについて,7事例を紹介しつつ考察した。以上を踏まえて最後に,特別支援学校における「子どもたちの心の傷とその対応」について論じた。