著者
松村 真宏 加藤 優 大澤 幸生 石塚 満
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.554-564, 2003-10-15
被引用文献数
17

議論の論点をすばやく発見し理解するためには、議論構造を可視化してユーザに提示することが有効である。そこで本稿では、議事録から話題の単位(セグメント)を同定し、さらに同定したセグメント間の関連を調べることにより、議論構造を構造化マップとして可視化するシステムを提案する。また、構造化された議論に影響の普及モデルIDMを適用することにより、議論の発展のトリガとなる話題を発見することを試みる。アンケートによる調査の結果、適度に議論が分割・構造化された構造化マップは、ユーザが議論の論点を直感的に捕らえるための手がかりを提供していることを示す。また、IDMにより同定された話題は、構造化マップにおける入次数、出次数に着目した結果よりもPrecisionが高いことを示す。
著者
小林 一郎 岩爪 道昭 杉本 徹 岩下 志乃 小澤 順 菅野 道夫
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.5, pp.59-70, 2002-10-15

本稿では、ヒトの言葉による知的な作業をコンピュータ上に実現する枠組みである「日常言語コンピューティング」の中心的な要素技術となる「言語プロトコル」と呼ばれるコンピュータの通信プロトコルを自然言語に替えた新しい通信プロトコルとそれを利用した新しい通信方法を提案する.提案する手法の枠組みにおいて,コミュニケーション対象を選ばない柔軟な通信が実現可能になるこを示す.また,言語プロトコル通信のシミュレーション例を示し,提案する手法の有効性を示す.
著者
大和田 純 吉井 伸一郎 古川 正志
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第22回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.206, 2006 (Released:2007-05-30)

本研究では,成長する複雑ネットワークに観察されるコミュニティの抽出問題を対象とし,安定なコミュニティ分割を行う方法を提案する.そのため.コミュニティ抽出の安定度を評価する新たな指標を導入し,より安定度の高いコミュニティ分割方法を構築した.数値実験として,3種類の成長するネットワークモデル及び実際のWeblogのデータに既存及び新方法を適用したところ,提案方法が効果的な分割を行えることが検証された.
著者
中岡 伊織 氏平 淳子 串田 淳一 亀井 且有
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第24回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.130, 2008 (Released:2008-12-06)

バナー広告はインターネット広告において主流となっている.ユーザにクリックされやすいバナー広告をデザインするためには,広告のデザイン要素と感性との関係を明らかにする必要がある. 本研究では,さまざまなデザイン要素を持つバナー広告に対するユーザの感性やイメージを,感性工学を用いて明らかにし,ニューラルネットワークを用いてモデル構築を行う.また,「ついクリックしたくなる」度数である人気度とバナー広告の感性を結びつけ,ユーザが「ついクリックしたくなる」バナー広告に対してどんな感性を持っているかを明らかにする.
著者
目良 和也 市村 匠 黒澤 義明 竹澤 寿幸
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.10-24, 2010-02-15
被引用文献数
1 8

現在,音声によるインタフェースに対する注目は年々高まっており,応用システムとしても,さまざまな用途のアプリケーションが開発されている.このような人間とインタラクションを行うエージェントにとって重要な機能として,人間の意図の理解,エージェントの行動の決定,エージェントの状態表出の3機能が挙げられるが,本研究では特にエージェントが自身の感情状態を表出する機能に注目する.本研究では,CGエージェント型の音声情報案内システムである「たけまるくん」に対してエージェントの感情を付与することで,より親しみやすいコミュニケーションを実現することを目指す.「たけまるくん」はユーザ発話を想定した質問文データベースを持っており,それぞれの質問文には,応答文とエージェントのリアクション動画が対応付けられている.そして音声入力からスコアリングにより質問文が選択され,リンクされた応答文とリアクション動画を出力する.本手法では,まず情緒計算手法を用いてユーザの発話内容に対するエージェントの生起情緒を計算する.次に,気分の変化を状態遷移によって表すため,心的状態遷移ネットワークを用いる.これにより気分状態はエージェントの生起情緒をもとにして心的状態遷移ネットワーク上を連続的に変化していく.各気分における固有の応答文データベースとリアクションデータベースを作成することで,質問文に対し気分によって異なる反応を返す.さらに,事前に計算され質問文に付与された生起情緒を基に気分の遷移を行う.生起情緒は,入力文,応答文,リアクション,気分の4つのセットに対して計算される.そのために,まずこのセットを人間が認識および行動したときに心の中で認識される事象を抽出し,その事象に対して情緒計算手法を適用することで生起情緒を計算する.そして,生起情緒と心的状態遷移ネットワークの遷移コストをもとに7種類の気分状態を遷移する.従来のエージェントと本手法のエージェントに対する印象を18の形容詞に対し評価した結果,本手法においては好感因子の平均得点が高く,性格に関する項目においては,「やんちゃ」や「不真面目」の項目の平均得点が従来手法に比べて高かった.使用感に関する項目では,「楽しめそう」の項目で高い平均得点を得た.本手法は従来手法より好ましい印象を与え,エージェントが性格を持っているように感じられることから,本手法に基づくエージェントに対して,ユーザがより親しみを感じているといえる.
著者
目良 和也 市村 匠 山下 利之 三木 睦明
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.465-474, 2003-08-15

相手が発した文章の内容を,相手の好き嫌いの基準をもとに解析し,そこから相手の情緒を推測する手法として,情緒計算手法が提案されている.しかしこの手法では,連体修飾構造,特に節構造による連体修飾の際の好感度計算について有効であるとは言えず,これらの情緒空間に対して,例外処理となっていた.本研究ではこのような問題点を解決するため,連体修飾節の好感度計算に対して,ファジィ真理値限定を適用することによって,適切な計算と処理の統一を試みた.ファジィ真理値限定における真理値計算のうち,言語真理値による影響を修飾節の内容による影響と見なして計算を行う.その際,"好き"の度合を表す真理値と"嫌い"の度合を表す真理値を別々に用意し,被修飾語の持つ好感度に対して,修飾節の影響が打ち消す方向に大きければ,修飾構造全体の好感度を好きから嫌い,嫌いから好きへと変化させる.さらに,情緒計算手法の処理手順についても,効率化を図った.本手法を童話「かちかち山」に現れた連体修飾節に適用した結果を述べる.
著者
韓 生廉 関口 隆 高橋 宏
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.5, pp.1142-1154, 1247-1248, 1993-10-15
被引用文献数
6

人間の操作特性と主観評価の関係などような, あいまいな量を含む説明変数と目的変数の関係記述としてファジィ理論を用いた表現方法が有効である.本論文では, ファジィ関係式およびその拡張として, ファジィ関係不等式, 区間値ファジィ関係式の3つの関係に着目し, ファジィ関係行列と目的変数行列が与えられたとき, 説明変数行列を求めるファジィ関係逆問題において, 解の存在する条件を上記3つの関係式について, それぞれ検討した.著者らが提案している記号行列の概念を導入することによって, ファジィ関係式, ファジィ関係式のすべての行列において, その要素が区間値で表されている場合においても, 解の存在性を容易に判別できた.本論文にて提案した判別法のアルゴリズムが極めて簡単であるので, 今後のファジィ関係逆問題の解の存在性の検討に有効な判別方法を与えることができた.
著者
河合 由起子 熊本 忠彦 田中 克己
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.173-183, 2006-04-15
被引用文献数
5

近年,複数のWebサイトにまたがって存在している同一テーマのWebコンテンツをまとめて提示する情報統合に関する研究はますます盛んになっており,大量の情報をどのように分類し統合して提示するかが大きな問題となっている.筆者らは,複数のニュースサイトから収集した大量の記事をユーザの閲覧履歴に基づいて分類し,そのユーザが使い慣れているニュースサイトのトップページに写像して提示するという新しいタイプのニュースポータルサイトシステム「My Portal Viewer (MPV)」を提案してきた.MPVは,ユーザの閲覧した記事から頻度情報を用いてキーワード(ユーザが興味のある語)を抽出し,その興味語の有無に基づいて収集した記事を分類する.このとき,新しく生成したカテゴリの名称を興味語そのものとすることにより,それぞれのカテゴリにどのような記事が含まれているか判別しやすくしている.また,各カテゴリをユーザが普段利用しているニュースサイトのトップページに,元々のレイアウトを維持しつつ再配置することにより,読みたい記事がどこにあるか効率的に探し出せるようになっている.しかしながら,その一方で,興味語の有無という分類基準だけでは,ユーザの好む記事と好まない記事をうまく分離できないことがあった.そこで,本論文では記事の印象というこれまでにない新たな分類基準を導入し,ユーザの記事に対する選好を印象と興味の両面からモデル化するとともに,提案モデルをMPVに実装し,ユーザが共感(感情移入)しやすい記事を優先的に提示するMPV Plusについて検討する.
著者
増井 重弘 寺野 寿郎 関口 俊宏
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.6, no.5, pp.1000-1011, 1994-10-15
被引用文献数
22

情報メディアとしての画像処理の研究としては、これまでのようにコンピュータ上の処理による2次元画像の輪郭や形状をはっきりさせる画像の認識のみでなく、画像の持つ情報内容に立ち入った研究を行う必要がある。人間は、対象物である画像を目でとらえ、持ち合わせている経験や知識を柔軟に用いて、認識や判断を瞬時に行い、意味内容をも理解する。この人間の視覚情報の処理過程は非常に複雑で簡単には理解できない。ましてコンピュータ上で画像の意味を理解させ、人間に伝えることは大変困難なことである。本論文はその第一歩として、風景画の構成要素を認識し、この認識結果をふまえた言語表現を行うことで、画像理解と定義づけ実験を試みた。そして、この風景画による画像から人間への情報伝達について人間が持つ認識と言語表現に近い方法による画像理解について提案する。風景画の構成要素は同一要素であっても不定形であるので数式的な扱いは困難である。そこで、構成要素をファジィ理論を用いたフレーム形式の内部知識を用いて入力画像とのファジィマッチングにより認識を行った。また、風景画の言語表現をするにあたって、人間の情報認識形態をアイカメラによる注視実験により調べるとともに、人間による画像の言語表現に基づいてどのような表現が適格であるかを調べた。その結果、画像の言語表現には構成要素の位置、大きさ、形の情報とシーンの全体表現が必要であることが解った。自然言語表現も定性的表現となるのでファジィ論理を用いて言語表現方式を構築した。この言語表現による風景画の再現実験の結果は、ほぼ原画に近い状態で再現された。
著者
堀田 創 野澤 貴 萩原 将文
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.347-356, 2008-06-15
被引用文献数
1 1

本論文では,位置情報に基づく新しいインターネット広告システムを提案する.インターネット上の広告システムは,一般的に効果の高いと考えられるユーザに対して広告を配信するものが望ましい.本研究では,広告効果向上の方法の一つとして,位置情報を根拠とする方式を提案している.位置情報に基づくインターネット広告配信は,ターゲットとしたい地域から近い位置に居るユーザに広告を配信することで実現される.しかしながら広告の効果的な範囲は地域ごとの特性および広告の質によってそれぞれ異なり,それらを詳細に広告主が指定するのは極めて困難である.その結果,産業界における実現可能性が非常に低くなるという問題がある.提案システムは,ニューラルネットワークにより自動的に広告の効果的な範囲を推定し,それを配信アルゴリズムに組み込むことで広告主に負担をかけない広告配信を可能としている.このシステムは携帯電話用の広告配信として利用され,現在も実際に運用されている.検証実験の結果,広告の効果的な範囲の自動推定および,位置情報に基づく広告が有効であることが確認されている.
著者
大原 健 能島 裕介 石渕 久生
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.867-873, 2006-12-15
参考文献数
8
被引用文献数
3 3

本研究では, 道路状況が動的に変化するために, 道路利用者が経路選択を行う時に個々の経路の走行時間に関する情報が利用可能でないような交通流モデルを考える. このような交通流モデルに対して, 全走行車両の平均走行時間を最小にするために, 2種類の経路選択手法の性能を比較する. 一つは, 大域的に平均走行時間の最小化を行う手法である. この手法では, 全走行車両の経路選択を中央管理者が決定する. 走行車両台数が多い場合では, 走行車両に対する経路選択の組合せ総数が大きくなり, 最適解を求めることが困難になる. そこで本論文では, 遺伝的アルゴリズムを用いることで効率的に近似最適解を求めることにする. もう一つの手法は, 個々の車両ごとに局所的に走行時間の最小化を行う手法である. この手法では, 各車両は, 予測走行時間の短い経路を選択する. 本論文では, ニューラルネットワークを用いて走行時間の予測を行う. 数値実験により, 2種類の経路選択手法を比較し, 各々の手法の特徴を明らかにする.
著者
山下 利之 高橋 雅博 酒井 秀昭 武田 利浩 市村 匠
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.105-112, 2000-04-15
被引用文献数
8

高度情報化社会の発展に伴い, コンピュータとのコミュニケーションにより, 長時間の仕事, 作業を進める機会がますます増えつつある.人間同士のコミュニケーションの場合, 自然言語によるverbal情報に, 表情や身振りによるnonverbal情報が加わり, 円滑なコミュニケーションが行われている.そこで, 人間とコンピュータとの円滑なコミュニケーションを促進するインタフェースとして, 本研究では顔に注目した.そして, 特定の状況において生じる感情を表している表情をファジィ推論によって選択するモデルを提唱した.眉と目の傾きに関する3条件と口の形の3条件の組合せによる9種類の顔を用いてファジィ推論モデルを構成した.本モデルを, コンピュータ画面上に入力された文章に表されている感情を表情で表現するシステムへ応用することを試みた.システムに関する質問紙調査の結果, ヒューマンインタフェースとしての顔表示の有効性が示された.
著者
笹島 宗彦 來村 徳信 長沼 武史 倉掛 正治 溝口 理一郎
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.171-189, 2008-04-15
被引用文献数
3 4

日常生活行動のオントロジーに基づくユーザモデル構築方式を提案し,携帯電話を介して利用されるモバイルインターネットサービス利便性向上への提案方式適用について述べる.現状のドメイン指向型で分類されたメニュー階層の問題点を改善するために筆者らは,タスク指向型メニューを提案してきた.プロトタイプでは良い性能を示したタスク指向型メニューを実規模に拡張するには,モバイルユーザの日常行動をできるだけ一般性をもってモデル記述するためのスケーラブルな方式が必要であり,本研究ではモバイルユーザの行動に関するオントロジーを構築して利用する.構築したオントロジーと提案方式に関する評価実験を行い,提案方式がモバイルユーザの状況モデル記述を支援し,現状のモバイルサービスが想定する状況の大部分を記述する能力があることを確認できた.
著者
赤穂 昭太郎
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.12, no.5, pp.594-602, 2000-10-15
参考文献数
31
被引用文献数
5
著者
大橋 剛介 久森 隆史 望月 圭太
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.537-545, 2007-10-15 (Released:2008-01-25)
参考文献数
20
被引用文献数
1

画像内容検索に関する研究は,画像認識の応用研究の一つとして,盛んに行われ成果をあげてきているが,カラー情報,形状,テクスチャ情報などによる low-levelな画像特徴量と high-levelなユーザの主観のギャップであるセマンティック・ギャップを埋めることは未だ画像検索研究の大きな課題として残されている.そして,情報検索の分野で成果をあげている,ユーザとシステムが対話的に検索をすすめていく適合性フィードバックが画像内容検索にも導入されてきている.そこで,本研究では,筆者らが既に提案しているスケッチ画像検索を応用した適合性フィードバック画像検索を提案し,セマンティック・ギャップを埋める手法を開発することを目的とする.本手法は,ユーザの検索意図が含まれている入力スケッチを有効に利用しようすることで,セマンティック・ギャップを埋めようとしている点に特徴がある.Corel Photo Galleryの 6,500点の画像データセットに対して,適合性フィードバックを用いたスケッチ画像検索を試みたところ,従来は検索が困難であった画像に対しても検索が可能になり,本手法の有効性を確認した.
著者
田中 成典 中村 健二 山本 雄平 今井 龍一 窪田 諭 姜 文渊
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.826-845, 2016-10-15 (Released:2016-11-12)
参考文献数
26
被引用文献数
4 2

高度経済成長期に建設された多くの高架道路橋は老朽化を迎えているため維持管理が必要である.しかし,これらの高架道路橋は,設計時や竣工時の図面が紙媒体であり,廃棄されているケースが多く維持管理業務に支障をきたしている.そこで,MMSの点群データから高架道路橋の維持管理用のSXF図面を自動生成する研究がなされている.既研究では,高架道路橋の継ぎ手の位置で点列を分割しスパンごとに道路橋の線形を生成している.しかし,継ぎ手を抽出できない場合や設計図に記載された線形の起終点が継ぎ手の位置から離れている場合,生成したクロソイド曲線と直線や円弧との連続性が失われる問題がある.そこで,本研究では,平面の直線,クロソイド曲線,円弧と縦断面の直線と2次曲線の起終点を算出し,各線形を連続に接続する解析手法を提案する.それにより,継ぎ手の情報なしで,高架道路橋上部工のSXF図面を高精度に生成することを実現する.
著者
瀧本 浩志 星野 孝総
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第25回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.61, 2009 (Released:2009-12-15)

現在,ファジィ制御に関する研究開発が、多方面で行なわれている。ライントレースロボットや工場などの自動搬送車などの制御方法に,ファジィ制御を用いられていることは多い.そこで,ライントレースカーのように,走行速度の速い物体にファジィ制御は応用できるか検証する.本研究は,ライントレースカーの操舵角とモータの制御に簡略型推論法を用いることで,ジグザグ走行をせずに,滑らかに制御することができると考えている.システムの構成は,ライントレースカーが,走行中に読み取ったセンサの値を入力として,操舵角を求める.その後,出力された操舵角から,左右のモータ出力を求める.
著者
田中 ちひろ 山本 雄平 姜 文渊 田中 成典 中村 健二 中島 伸介
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.580-589, 2020-02-15 (Released:2020-02-15)
参考文献数
18
被引用文献数
3

スポーツ庁では,我が国の国際競技力の向上に関する重点政策において,日本代表選手の活躍を科学な側面から支援することを目指している.そこで,筆者らは,GNSSセンサによるフィールドスポーツの可視化システムを開発してきた.特に,アメリカンフットボールに着目し,QB,WR,DBのマッチアップを対象にした軌跡画像を用いて,深層学習によるパス成否の判定を目指してきた.ただし,プレーが完結したトラッキング情報のみを用いているため,プレー中の成功率の予測や,その予測値に基づくタイムリーな動作の選択と修正をサイドラインから指示できるようなプレー中の気づき情報の獲得には至っていなかった.そこで,本研究では,軌跡の経時変化を加味したトラッキング情報を用いることで,プレー中の成功率を予測することを試みる.実験では,クイックパス,ショートパスやロングパスなどの軌跡を対象に分析を行い,その有用性を実証した.