著者
山口 伸平 安信 誠二
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.73-73, 2006

現在、地球温暖化が進み、エネルギー消費を削減することが重要になってきている。自動車の自動運転の研究がなされているが、従来制御では人間が運転しているときのような省エネルギーで走ろうという意識が組み込みにくい。そこで本研究では知的制御により省エネルギーな自動運転の構築を目指す。そこで、本研究では、人間が運転中に行っている判断_-_操作を知的制御系によってコンピュータに組み込む。知的制御系は状況判断部、制御部の2つから構成されている。今回、構築した制御系によって、10モード燃費測定時の速度パターンを走行する場合のシミュレーションを行った。
著者
加藤 浩介 坂和 正敏 片桐 英樹 小川 篤
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.402-411, 2007-08-15

多目的確率計画問題に対して,従来,期待値最適化モデルや分散最小化モデルに基づいて意思決定者の満足解を導出するための方法が提案されてきている.しかし,これらのモデルに基づいて得られる解と,不確実な意思決定状況で意思決定者が目的関数に対する満足度を表す効用関数の期待値を最大化しようとするという期待効用最大化原則に基づいて得られる解の整合性は保証されていない.一方,確率変数の分布関数を積分した二次分布関数の大小関係により確率変数を順序付けする二次確率優越という概念があり,目的関数に対する意思決定者の効用関数がリスク回避的である場合には,二次確率優越は期待効用最大化原則と整合的であるという性質がある.そこで,本研究では,多目的確率計画問題に焦点をあて,二次確率優越の概念に基づくパレート最適性を定義し,期待効用最大化原則と整合的な満足解を導出するための対話型ファジィ満足化手法を提案する.
著者
三好 哲也 中易 秀敏 鈴木 大介
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第22回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.139, 2006 (Released:2007-05-30)

本研究では、まず自動車運転時に運転状況に応じて眼球運動が変化しているかどうかを確認し、自動車運転時の眼球運動特性を明らかにする。そして、眼球運動と視野画像の関連性を分析することで、眼球運動を誘発する条件や環境を明らかにする。視野画像全体を特徴づける指標として、視野画像のフレーム間の各画素のRGB値の差の総和を取り上げ、眼球運動特性との関係性を考察する。
著者
西野 順二
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第26回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.286, 2010 (Released:2010-11-05)

時間変化をともなう人間行動を多次元のパラメータ空間上の遷移経路としてみたとき、その特性をファジィ集合によって表現することを試みる。 多次元ファジィ集合は2次元以上の空間における任意形状のファジィ部分集合であり1次元のファジィ集合の直積に比べ高い柔軟性と表現精度をもつものである。多次元空間でのファジィ部分集合をこのへんファジィと呼ぶ。 いっけん複雑な行動をこのへんファジィをもちいることで精度良くモデル化する事を目的とし、行った実験結果とその効果について報告する。
著者
塚田 義典 田中 成典 窪田 諭 中村 健二 岡中 秀騎
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.27, no.5, pp.796-812, 2015-10-15 (Released:2015-11-13)
参考文献数
16
被引用文献数
1 6

我が国では,高度経済成長期に集中整備された多くの道路橋が老朽化しており,適切な長寿命化修繕計画の策定が急務である.適切な点検・補修計画の策定,および工法の選定には,現況の形状を正確に把握する必要がある.しかし,現地での再測量作業には通行止め等の措置が付随するため,全国で約70万橋を対象に実施することは,コスト面と人的資源の面で困難である.この問題に対して,MMSを用いることにより道路の通行止めを行わずに道路橋上部工の現況を3次元で可視化する研究がなされている.しかし,MMSは道路に面した領域のみを計測対象にしていることから,路面だけのモデルにとどまり,上部工全体のモデルを生成することはできない.加えて,橋梁の下部工のモデル化も不可能である.そこで,本研究では,地上設置型のレーザスキャナとUAVを用いて取得した点群データから橋梁の上部工と下部工を一体とした3次元モデルの生成手法を提案する.
著者
片井 修
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.958-975, 2009-12-15 (Released:2010-03-01)
参考文献数
36
被引用文献数
1

本論文は,制約指向の立場からファジィ集合を捉え,そこから導かれた問題解決の枠組みを起点として,自然なシステムの成り立ちを分析することにより,新しいシステムの在り方やコミュニケーションの捉え方さらに情報概念の拡張などについて究明するものである.まず,制約指向の立場から厳密な二値論理と接合可能なファジィネスの捉え方を追求し,その結果,逆に,自己組織型問題解決に行き着くことを示す.さらに,この立場の根底にある「区切れない」という対象の捉え方に注目し,その延長線上にある自然農法やパーマカルチャーに見られる新しい農のシステム観を通して,「重層性」という構造の成り立ちの重要性を明らかにする.その端的な形としてセミラティス構造のあることを示す.さらに,「べてるの家」という集団の場の在り方に注目し,グループダイナミックスの基礎づけとしての「かやの理論」を参照することによって,自然な人間集団の重層的な成り立ちを明らかにする.さらに,コミュニケーションにおける重層性をライプニッツの空間と時間の概念を通し,さらに存在グラフやペトリネットのような数学的表現を導入して論じる.その上で演劇戯曲を題材に重層的コミュニケーションの構造を明らかにする.この重層的なライプニッツ時空間は,コミュニケーションの生成を通して形成されつつ,逆に,コミュニケーションの生成を支えるという「コミュニケーションの土壌」としての役割を有している.その働きを究明する「情報土壌学」という新しい学域の可能性を展望するとともに,従来からのシャノンの情報概念に加えて「包摂的情報」という新たな情報概念の在り方があることを示す.この「区切れない」という重層性が結果として生じたシステム構造であるのに対して,その生成的な特性を特徴づけるものとして「毛羽立った」システムという概念の可能性を示す.それは,リスク回避など近年の人工システム構築で強調される偶然性や想定外事象を排除するのではなく,むしろ偶然的出来事や出会いを活かし,区切りを越境してゆくという新しいシステムの在り方を示すものである.
著者
中村 千紗 鬼沢 武久
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第24回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.3, 2008 (Released:2008-12-06)

本論文は、ユーザの曲の好みを考慮した作詞作曲システムを提案する。本システムは詞生成部と曲生成部から構成されている。本論文では、「恋愛」と「自然」をテーマとして取り上げる。詞生成部では、マルコフ連鎖に基づいた詞の集合をデータベースとして用いる。ユーザがテーマを選ぶと、システムはデータベースからランダムに詞を選び、詞の初期候補として提示する。提示された詞を見て自分のイメージに合うかどうかを評価するプロセスと繰り返し、ユーザが気に入った4行の詞ができたら、曲生成部に入る。曲生成部では、「人間の評価を取り入れた楽曲生成システム」[1]を用いる。この楽曲生成システムに適応度評価関数を組み込み、詞に合ったメロディを初期候補として提示する。ユーザは提示された曲と詞を見比べ、評価を行う。曲の評価には対話型遺伝的アルゴリズムを用いる。最後に被験者実験を行い、システムの有効性を確認する。
著者
北島 宗雄
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.5, pp.446-460, 2002-10-15
参考文献数
36
被引用文献数
10

本稿では、ウェブサイトユーザビリティ評価法のひとつであるウェブ認知ウォークスルー(CWW;Cognitive Walkthrough for the Web)についてその原理と実施方法について説明する。CWWは、Walk-Up-And-Useデバイスを対象としたユーザビリティインスペクション法として開発された認知ウォークスルーをウェブサイトのユーザビリティ評価に適合するように改良したものである。CWWではユーザがウェブサイトをナビゲートする過程をシミュレートしながらユーザビリティの問題を発見する。ここで、ユーザは、ウェブページのなかから注目すべき部分領域を選択し、そこから情報探索ゴールに意味的にもっとも近いリンクを選択するものとしてモデル化される。ユーザビリティの問題の発見は、部分領域の選択、およびリンクの選択が問題なく行えるかどうかの評価を、潜在意味解析(LSA;Latent Semantic Analysis)を利用してゴールとの意味的類似度を求めることにより客観的に行われる。ゴールの記述には、探索すべき情報ばかりでなく、動機や背景知識も含まれる。また、意味的類似度は、ユーザの知識をもっともよく表現する意味空間を選択して行われる。したがって、CWWでは、多様なゴール、ユーザに対応したユーザビリティ評価が可能となっている。さらに、本稿では、現実のウェブサイトをとりあげて、CWWの実施方法を具体的に説明する。
著者
本多 克宏 田中 大士 大塩 竣也 野津 亮
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第29回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.14, 2013 (Released:2015-01-24)

共クラスタリングの有望な応用事例として,インターネット上での協調フィルタリングが注目されている.嗜好の類似したユーザ群に関連性の強いアイテムを割り当てる共クラスタリングにより,未購入・未評価のアイテムを推薦する.大規模なユーザ群への実応用を目指す上では,従来の共クラスタリングアルゴリズムでは計算コストの面で限界があった.本研究では,サンプリングアプローチに基づく大規模データへの適用可能性について,検証する.
著者
椹木 哲夫
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第21回ファジィ システム シンポジウム
巻号頁・発行日
pp.125, 2005 (Released:2007-05-29)

一般に知的な自律行動主体と環境との相互作用は主体内部の自閉的な内部活動に帰属される.すなわち,振舞いの多様性を規定しているものが,環境から入力のみではなく,システムが内部で造り出している「認識」あるいは「知覚」である点が「自律性」の本質である.本稿では,このような行動主体と環境を結びつけている「知」の本質を,パースの記号論(semiotics)に求め,人間が捉えている主観的世界とその動態を説明づける理論としての可能性について述べる.セミオーシスは,これまで言語学のみならず,さまざまな分野で議論が展開されており,分野横断的な新たな知の枠組みとして見直され始めている.それは生命分野,動物行動学,認知心理学,脳科学,社会学,インタフェース設計,コミュニケーション,ヒューマンコンピュータインタラクション,人間の日常的な活動分析から,芸術・芸能の分野まで多岐に亘るとともに,ロボッティクス分野での身体性・認知ロボティクスや記号接地の問題とも関連を有する.本稿では,セミオーシスで捉える知覚世界の特質について中心にまとめる.
著者
前田 博 石飛 康浩
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.108-119, 1991-02-15
被引用文献数
6

本論文は, ファジィ表現を許容した自然言語によるデータベースのファジィ検索について述べたものである.これを実現するためには, 3種類のあいまいさに対処しなければならない.第1は, 「給料の良い会社」といった検索条件のあいまいさ, 第2,第3は, 自然言語処理に関するあいまいさであり, 前者は問い合わせ文の解釈に関するあいまいさ, 後者は, 例えば, 給料, 賃金, 給与, といった同一検索項目に対する表現の多様性に依存するあいまいさである.第1については, ファジィ集合理論を適用する.第2については, 問い合わせ文中の平仮名のみを検索する平仮名検索辞書と, 0-1計画法という最適モデルを組み合わせた自然言語問い合わせ文解析手法を提案する.これは, 平仮名検索のみから問い合わせ文の意味解釈を幾通りか推定し, 最適モデルによって一つを確定するという方式である.第3については, すでに提案したシソーラス, 語の部分マッチング, ファジィ推論を総合した未登録語の推定手法を適用する.
著者
稲邑 哲也 タン ジェフリートゥ チュアン 萩原 良信 杉浦 孔明 長井 隆行 岡田 浩之
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.698-709, 2014-06-15 (Released:2014-07-17)
参考文献数
19

ロボカップ@ホームはHuman-Robot Interaction (HRI) 研究の発展のために,今後重要な位置づけを持ったコンペティションである.HRIにおける研究開発では,膨大な量の対話実験による経験データベースが必要となる場合が多いが,実機のロボットでは実験実施のコストが高く,また,シミュレーションでは人間とロボットとの身体的インタラクションに制約が生じる.そこで,没入型のユーザインタフェースと,複数のクライアントが同時に同一の仮想世界にログイン可能な機能の双方をロボットシミュレータに搭載し,HRI研究を促進させることの可能なロボカップ@ホームシミュレーションの枠組みを提案する.また具体的なシステム実装に必要となる基盤技術の設計指針を示す.
著者
福島 隆寛 内海 彰
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.239-249, 2007-06-15
参考文献数
14
被引用文献数
11 1

本論文では,Web ページに記載されている情報の信頼性(Web ページの信頼性)を,そのWeb ページやそこに含まれているテキストのさまざまな特徴から推定する手法を提案する.提案手法は,信頼性判断に影響を与える各特徴が推定対象のWeb ページで成立しているかどうかを自動判定する処理と,成立すると判断された特徴からそのWeb ページの信頼度を求める処理から構成される.どのような特徴が信頼性判断に影響を及ぼすかについては,アンケート調査を実施して,68個の特徴とWeb ページの信頼性への影響度を得た.本研究では,それらのうちの40個の特徴(信頼性の尺度)の成立を自動判定する手法を開発した.また信頼度を計算する手法として,影響度の総和を取る方法とSupport Vector Machineを用いた機械学習により信頼度を求める手法を開発した.そして,評価実験を通じて,信頼性の尺度の判断処理の有効性と信頼できる/信頼できないページの二値分類に対する提案手法の有効性を確認した.
著者
五百旗頭 正 菅家 正康 藤本 泰成 鈴木 新悟
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.186-194, 1995-02-15
参考文献数
10
被引用文献数
30

カオス的振る舞いをする時系列データの短期予測は、従来ノイズ、あるいは規則性の無いものと考えられていた事象に、何らかの決定論的規則性を見いだし、その近未来の状態を予測しようとするものである。これは、観測された時系列データをタケンスの埋め込み定理により多次元状態空間に再構成し、最新に観測されたデータを含むデータベクトルの近傍ベクトルを用いて局所再構成を行う事により短期予測を行うものである。この方法としてグラムシュミットの直交系法やテセレーション法などの提案があるが、前者は近傍ベクトルの選択の仕方によっては、予測不可能になる事があり、また後者は再構成状態空間の次元が高くなるに従って、計算時間が急激に増大するといった問題がある。本論文ではこれらの問題を解決するために、局所ファジィ再構成(Local Fuzzy Reconstruction)法を提案する。そして、この方法の有効生を確認するために、代表的なカオス的振る舞いをするロジスティックマップおよびローレンツアトラクタの短期予測に適用しその結果について考察する。
著者
山根 宏彰 萩原 将文
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.671-679, 2012-04-15 (Released:2012-04-26)
参考文献数
40

本論文では,ことわざすかしの自動生成システムを提案する.提案システムでは,身近であることわざを「すかし」と呼ばれるオチに利用することにより,面白い文章を生成する.すなわち,ことわざの文末を変更して,ユーザの予想を裏切ることで笑いを生む短文を出力する.提案システムには以下の3つの特徴がある.まず第1に,前述のような笑いに関する新しいフレームワークである「すかし」の利用である.第2に,2,550億単語から構築された膨大な情報量を有するGoogle N-gramを活用した大量で多様な候補の生成である.第3に,これまでの駄洒落研究などにおいて扱われてきた,音の長さ,単語間音韻類似度,単語間意味類似度に加えて,さらにイメージのし易さ,具象度の考慮である.これによりファジィルールの構築と面白さの自動評価を行い,優れた候補の選択が可能となった.評価実験により,人手作成に近いレベルで意外性が高く面白いすかしの生成が可能であることなどが確認された.
著者
李 銀珍 玄 光男
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本ファジィ学会誌 (ISSN:0915647X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.5, pp.888-898, 1998
参考文献数
17
被引用文献数
3

<p>本論文では, 輸送問題の新たな進化算法として, スパニングツリーのコーディングをベースにした新しい遺伝的アルゴリズムを提案する.輸送問題を解く進化算法として, 従来マトリックス表現がそのまま1つの染色体(いわゆる, 解)として使われてきたが, 大規模な問題に対しては, その解表現によるコーディングでは大量なメモリが必要とされ, またそれによる計算時間も大幅に必要であった.ネットワーク問題の1つの基本モデルである輸送問題は、その解構造において、スパニングツリーの特殊な構造性をもつ.ツリーコーディングに必要とするメモリと計算時間は, マトリックス表現より, 特に大きな問題に対しては, 少なくて済む.このような問題の特殊な構造性に基づいて、遺伝的操作としては交叉と突然変異を新たに設計し, これらの遺伝的操作による新しい染色体は常に輸送問題の1つの実行可能解を保ように保証している.また, 選択操作では, (μ+λ)選択とルーレット選択による混合選択法を活用している.提案するスパニングツリーベースの遺伝的アルゴリズムの有効性を確認するために, まず単一目的のみ考慮した場合の輸送問題を解くことによって新しいコーディング法と従来のマトリックス法との比較を行う.さらに, 2目的輸送問題を解くための提案手法を示し, その有効性を示す.</p>