著者
内田 脩斗 吉川 大弘 古橋 武
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第34回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.214-216, 2018 (Released:2019-01-09)

Word2Vecを用いて単語の意味関係をベクトルへ埋め込む分散表現型単語ベクトルが近年注目を集めている.さらに,この単語ベクトルは,構文解析や文書分類など,言語処理分野において幅広く利用され,その有効性も報告され始めている.一般的に,単語ベクトルとして利用されるのは,Word2Vec学習ネットワーク上の入力側重みであり,同時に生成される出力側重みは利用されない.これに対し著者らは,対となる出力側重みの有用性に着目し,本稿において,前者と後者を併用した単語ベクトルを提案する.また,実際に単語ベクトルの性能評価実験を行い,その有効性を示す.
著者
石井 康夫 大久保 あかね 鈴木 大介
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.745-753, 2019-08-15 (Released:2019-08-15)
参考文献数
19

本論文では,観光マーケティングにおける現地でのアンケート調査結果を用いて,回答項目の全体構造を把握するための新たな分析手法を提案する.すなわち,伊豆半島における観光客の行動を明らかにするため,地域自治体,観光関連産業,観光客の地域連携の可能性を探るためのアンケート調査を実施し,この結果を対象に,ノンパラメトリック検定により統計的に有意な項目を抽出し,対象を絞り込んだうえで,テキストマイニング手法を用いて,観光客の評価構造の可視化を行った.この結果,今回採用したアプローチ手法の有効性の確認と,今後の採用すべき観光施策の考察に対し,有用な情報を提供することができた.
著者
江崎 朋人 橋山 智訓 平林 里葉子 市野 順子 田野 俊一
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第26回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.99, 2010 (Released:2010-11-05)

可能性クラスタリングでは、クラスタ数をあらかじめ決める必要がなく、クラスタ中心がデータの密集した場所に収束する性質がある。そこで、密集地探索に適用したところ、良い結果が得られたので報告する。
著者
宅和 晃志 吉川 大弘 ジメネス フェリックス 古橋 武
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.30, no.5, pp.744-752, 2018-10-15 (Released:2018-10-15)
参考文献数
20

近年,ユーザと自然な雑談を行うことを目指した非タスク指向型対話システムが注目されている.ユーザのシステムへの満足度を高めるためには,自然な対話を行うことに加え,ユーザの興味を惹きつける内容の発話を行うことが有効であると考えられる.そこで本論文では,「共感を得ることで笑いを誘う発話文」として,Twitterより「あるあるネタ」を表すツイートを取得し,発話文として用いる手法を提案する.「あるあるネタ」とは,聴衆の共感を得ることで笑いを誘う演芸における手法の一つである.一往復対話の評価実験(-3〜+3点の評価)の結果,雑談対話APIの平均評価点-0.24に対し,提案手法の平均評価点0.76となり,提案手法の有効性を確認した.
著者
渡邊 香 鈴木 秀和
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.28, pp.709-710, 2012

近年,ロボットの技術の向上・発展を目指した競技大会としてRoboCupが開催されている.RoboCupとは,2050年までにサッカーのワールドチャンピオンチームに勝つことのできるロボットチームの開発を目的とした大会である.RoboCupでは年々自己位置同定技術の重要性が高まっており,ボールをゴールに運ぶだけでなく,フリーキックやパスなどの戦術的な面でも注目されている.サッカーフィールドの環境では様々なセンサを用いることで,自己位置同定に必要な指標を得ることができる.本報告では,周囲情報を用いた基礎的な自己位置同定の構築を行う.
著者
ファン ミントゥン 吉川 大弘 古橋 武 橘 完太
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集
巻号頁・発行日
vol.25, pp.15-15, 2009

機械学習をより効率よく行うために,階層的なモデルの構築が盛んに研究されている.これらの中で特にデータが高次元の場合に階層的なモデルの構築を行う際,データ分布を把握するためにPCAやMDAなどの線形手法がよく用いられている.しかし,それらの線形手法でのデータの可視化は,インスタンス間の非類似度(距離)を考慮していないため,それらに基づいた階層構造の構築には適切ではない.本稿では,インスタンス間の非類似度を考慮したばねモデルを用いた多次元尺度構成法による,2次元デンドログラムマップの構築手法を提案する.さらに,可視化結果に基づく機械学習における階層構造の構築手法を提案する.実験結果により,提案した2次元デンドログラムマップは,機械学習へのフィードバックに有効であることを確認できた.
著者
島川 学 村上 聡一朗 清田 公保
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第31回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.699-702, 2015 (Released:2016-02-26)

カメラ画像を用いて段差や階段を検出することで視覚障害者の安全な歩行を支援する研究が行われている.マイクロソフト社のKinectセンサーに代表されるRGB-Depth画像センサーから取得される距離画像は対象物までの距離情報を取得できるため周辺環境情報を把握するのに有利である.しかし,太陽光が直接当たるような環境では正しい情報を取得できないため,屋外での利用ができない.本研究ではRGB画像を補間的に利用することでその欠点を補う手法を提案する.
著者
孟 曉順 吉田 直人 万 キン 米澤 朋子
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.742-756, 2021

<p>本論文では,鳥肌,発汗,および震えを用いたロボットの皮膚上のクロスモーダルな生理的表現に関する検証を紹介する.人間や他の生物は生理的現象を介して随意的,不随意的な状態を示し,視覚的かつ触覚的表現が皮膚に現れる.特に,上記の3つの不随意表現を組み合わせることにより,感情の表現性と本能的感情の要素や強度に焦点を当てた.検証の結果,ロボットの恐怖感情は,3つの異なる不随意表現のうち1つのみで伝達できたことから,各モダリティの強い有効性による天井効果が起きた可能性がある.この皮膚上のクロスモーダルな生理的表現はロボットの生物感とその他の印象にも影響する.因子分析の結果,恐怖の要素として4因子が抽出された.各因子の標準因子得点の分散分析から,それぞれの因子の表現において3種の不随意な生理表現が有効であること,および少量の発汗と多量の鳥肌表現量の組み合わせにおいて煩慌性が高くなるなど,複数の不随意表現の量的組み合わせにより異なる効果が示された.</p>
著者
大宮 望 中邨 良樹
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.935-943, 2020

<p>昨今,邦画における興行収入は,洋画を上回っている.興行収入を多く得るためには,映画によって観客に様々な感情を抱かせることが重要であると言われている.観客に様々な感情を抱かせるには,非日常的な感情の起伏を惹き起こすことが,重要であると言われている.そしてこれを実現する1つに,台詞がある.本研究では,この台詞と興行収入の関係性に着目して進めていく.興行収入と台詞における取り組みは,国外で多く国内では少ない.そこで本研究では,台詞を定量化し興行収入との関係性について評価をおこなう.加えて映画の受賞歴などの映画における基本的な情報が興行収入に与える影響について評価する.これらの2つの評価を分析する枠組みから,考察をおこなう.そしてそれらの結果から,邦画においても台詞及び受賞歴における特徴が興行収入に影響を与えていることを示した.また新たな知見として,1) 興行収入を予測するにあたり台詞や感情の起伏を用いることによって誤差を少なくできること,及び2) 主演には受賞歴の少ない俳優を起用することが有益である可能性があること,の2つを示した.</p>
著者
Liu Yuan Tian Yajie Sawaragi Tetsuo
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.837-848, 2006-12-15
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

The container loading problem, a real hard problem, is usually difficult to obtain even a suboptimal solution because of not only multiple complicated restrictions but also of multiple objectives. In this paper, a heuristic algorithm is proposed for solving the container loading problem in the real-world. The algorithm is based on Drum-Buffer-Rope presented in the Theory of Constraints and the multi-agent cooperative negotiation strategy. A particular attention is focused on improving the constrained agent by striving for the trade-off of restrictions and cooperative negotiations, so that the final solution can arrive its biggest profit. Since many real-world problems are restricted by many complicated restriction that are difficult to be satisfied simultaneously, a method used by human experts called restriction relaxation is embedded in the proposed algorithm, which makes the algorithm have a high degree of flexibility. In this paper, the proposed algorithm is also compared with other two classical optimization algorithms based on Local Search and Tabu Search.