著者
野須 潔
出版者
東海大学
雑誌
産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 地域事業 地域イノベーション創出総合支援事業 シーズ発掘試験
巻号頁・発行日
2007 (Released:2016-04-26)

本提案は、コンピュータ画面を見ている人やビデオゲームを享受している人等の顔をビデオカメラで撮影し、その顔表情から心理状態をリアルタイムでかつ高い確率で推定するものであり、顔表情解析プログラムに、新たに顔画像から特徴点を自動的に解析・抽出するプログラムを開発して実現する。映像提供→顔表情撮影→心理状態の推定→映像制御等のループは組めるので、アミューズメント等で新たなコンテンツ提供も可能になる。
著者
佐藤 恵子
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 開発工学部 (ISSN:09177612)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.1-7, 2002-03-30

We daily use the public transportation system such as trains, buses or streetcars, to go to the office, school, shopping, etc. In the inside of these cars, the passengers are required tacitly to feign inattention to one another. For they just happen to be there, for a short time, as strangers. From the viewpoint of communication in the public sphere in the city, this rule is very important to keep our relations smooth, but it is not strictly formulated. Recently we are often annoyed in the cars by behaviors and disturbances such as talking over a mobile phone, noise leaking out of a mobile stereo, people sitting directly on the floor, people putting makeup on, etc., feeling that this is a violation of the tacit rule in the public sphere. But people who behave so assert that they obey the rule of inattention and cannot understand why they are blamed. There must be a misunderstanding. By analyzing some typical examples of the nuisances, the true meaning of this rule will be shown. This paper will clarify, what this tacit rule is -historically and sociologically-, why the above-mentioned behaviors are against the rule, and particularly what kind of effect the new mobile medium has on human relations in public.
著者
岡 茂
出版者
東海大学
雑誌
東海大学健康科学部紀要 (ISSN:13474162)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.51-56, 2000

疾病・障害をもつ人間の生き方における課題を、一回限りの独自の生命としての価値実現、外在的ではなく内在的な価値基準に転換していくことと捉えた。そのために、同質性志向対独自性志向、競争志向対協同志向、自己肯定感、目標行動という4要因を生き方・価値観の骨格と考え、それぞれについて考察した。次に、4要因中の2要因の組合せによる座標軸をとり、各座標軸で作られる平面の構造を検討した。4要因の組合せのパターンは、今日の教育・社会状況を把握する上で有効だと考えられた。同時に個人と社会の在り方の相互関連性が推測された。
著者
片桐 康宏
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 文学部 (ISSN:05636760)
巻号頁・発行日
vol.74, pp.111-125, 2000

1962年9月, ミシシッピー州北部オックスフォードにあるミシシッピー大学へ, ジェームズ・H・メレディスという名の一人の学生が, 初の黒人学生としての入学を果たした。この入学は, なにもメレディス本人の勇気によってのみ果たせたものではなく, 時のジョン・F・ケネディー大統領政権によるキャンパスへの連邦軍投入, そして二つの尊い人命を失った結果, 可能となったのである。この「ミシシッピー大学事件」(ないしは「メレディス事件」とも呼ばれる)に際しては, 州知事ロス・R・バーネットを中心としたミシシッピー州政府が, メレディス入学に対する徹底した抵抗を見せたものの, 最終的にバーネットによる州権論の援用-すなわち, 連邦政府と自州民との間に州の権限を差し挟み, 連邦裁判所によるメレディス入学命令を効力の及ばないものとする, 「インターポジション」理論の展開-は, 連邦軍に象徴された連邦政府の圧倒的な力の前に崩れ去ることとなる。同時にまた, 1950年代なかばよりアメリカ南部社会を嵐の中に巻き込んできた, 黒人による公民権運動史の文脈において, この「ミシシッピー大学事件」は, 合衆国憲法で保障された黒人の市民的諸権利行使への抵抗手段として, 州権論を持ち出すことの非有効性を, ミシシッピー州のみならず南部諸州へ知らしめることともなった。「ミシシッピー大学事件」から40年の歳月が流れようとしている今日, ジョン・F・ケネディー大統領図書館(マサチューセッツ州ボストン)から公開された大統領執務室における録音テープ, ならびに本稿執筆者自身によるミシシッピー州でのオーラル・ヒストリー・インタビューの一部を基に, 「ニュー・フロンティア」を標榜する一方において, 南部が抱える人種問題への介入に踏み切れないでいる若き合衆国大統領ケネディーと, 人種差別主義者としての面子を保ちながらも, 武力を伴う形での連邦政府との全面衝突をなんとしても避けたいと願うミシシッピー州知事バーネットとの間に繰り広げられた, 舞台裏での駆け引きを描き出すことを, 本稿執筆における目的とする。なお本稿は, 1999年度および2000年度東海大学学部等研究教育補助金個人研究プロジェクト(「1950-60年代アメリカ深南部州における公民権と州権-ミシシッピー州主権委員会の史的考察を中心として」)における, 研究成果の一部でもある。
著者
佐藤 武 柴崎 達雄 伊津 信之介 根元 謙次 柴崎 逹雄 星野 通平
出版者
東海大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1984

第一鹿島海山の地形を検討すると、いくつかの地形面に区分することができる。そのうちで特徴的なものは、山頂部(水深3,700〜4,000m)の平担面と山体西半分を構成する鞍部(水深5,100〜5,500m)の平担面である。また、山体斜面部には、水深4,700m付近をとりまくように発逹する平担面と水深6,000m付近に同一深度をもつ平担面が識別できる。これらの面のうち、山頂部平担面と鞍部平担面とに礁性石灰岩の分布が確認されていること、さらに各面がほぼ同一深度に水平に発逹することから、これらの面の形成が過去の海水面の位置を示すものと考えることができる。さらに、それぞれの面には、その面を切り下位に開口する谷地形の存在が知られている。これらのことは海水面の変化が複雑な過程を経ていることを示している。これらの地形面(平担面)と谷地形を解析して白亜紀初期からの海水準変化を明らかにした。つぎに、山頂部平担面から採取した礁性石灰岩はチョーク,ウーライトを含み、石灰岩岩石学、古生物学的検討の結果、この石灰岩は一つの独立したbarrier reefの原形を残したまま沈水したものと考えられる。山頂部石灰岩の地質時代は前期白亜紀のlower Albianに対比される。また、鞍部石灰岩からも多数の二枚貝類,腹足類,石灰藻などが発見されているが、保存がわるく、同定が困難である。しかし、前期白亜紀のBarremianに特有な底生有孔虫が発見されていることから、山頂部石灰岩よりも古い時代に形成されたものと考えられる。鞍部の礁性石灰岩は未発達な礁を形成していたものと考えられる。音波探査,堆積物分析,岩石学的検討の結果も上記の古生物学検討の結果を支持している。
著者
武井 泰 田爪 正氣 松木 秀明 豊田 淑恵 石井 美里 西野 廣子 長谷川 秀隆 横山 久美 築地 真実
出版者
東海大学
雑誌
東海大学健康科学部紀要 (ISSN:13474162)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.27-31, 2006

A病院NICUにおいて、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の実態を把握するために患児頭部下タオル、保育器袖窓、クベースカバーおよび室内空気からブドウ球菌を採取し、薬剤感受性試験およびパルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)法によって解析を行った。薬剤感受性試験およびCD-PCR法の結果、MRSAは患児頭部下タオルから1/30株、保育器袖窓から1/15株、クベースカバーから0/19株、室内空気から2/54株検出され、これらのMRSAは多剤耐性菌であった。また、PFGE法を用いMRSAの染色体DNA切断パターンから菌株間の相同性を検討した結果、患児頭部下タオル、保育器袖窓およびNICUの室内空気から共通したゲノタイプが検出され、同一の菌株であることが確認された。
著者
寺尾 裕
出版者
東海大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

流体中円柱のVIMを用いた発電装置で、低速流中の基礎研究を行った。これは流体中左右に振動する振子で、円柱上部にフープ式発電装置を組み込んだ。本システム性能把握のため、小型模型を製作、またその計測に新制作のData Loggerで、発電量とフープ運動を計測した。これより円柱の発電効率の良い配置を見出すことができた。またフープ式発電装置と、振動円柱は2重振子を構成し、その振子運動は強非線形復元力下での大振幅運動となる。その解析のため新たな振子運動方程式を構築、数値解析を行い、この運動系にはカオスが発生する発生領域が分かった。またカオス発生を制御すれば高性能の発電性能を発揮できる可能性がある。
著者
志水 恵子
出版者
東海大学
雑誌
東海大学健康科学部紀要 (ISSN:13474162)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.35-38, 2003

In vitro条件下におけるウシラクトフェリン(bLF)およびヒトラクトフェリン(hLF)の抗マウスサイトメガロウイルス(MCMV)効果について検討した。bLF、hLFともにMCMV粒子に直接作用させた場合には効果が認められなかったが、MCMV感染前に細胞側に60分間作用させることによって、顕著なMCMV感染阻止効果が認められた。この結果から、bLF、hLFはMCMVが細胞に吸着ないしは侵入する際に阻止効果をもたらすものと推察された。顕著な抗MCMV効果を示すbLF、hLFの最少濃度はそれぞれ0.01mg/ml、1mg/mlであった。人乳のLF濃度は初乳3〜7mg/ml、永久乳1mg/mlであることと本結果を考え合わせると、人乳中のLFの抗サイトメガロウイルス効果が期待される。
著者
齋藤 道子
出版者
東海大学
雑誌
東海大学紀要. 文学部 (ISSN:05636760)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.75-89, 1999

The state (国guo) in ancient China generally consisted of one city. Yet, the actual details of the state (国) in the Spring and Autumn period have not been described in a comprehensive way. This study tries to illuminate several details of the state system in this period, through which we can get a much clearer picture. First, the inhabitants living within the walls thought of their state as not only being inside the walls but also within the inner part of the borders (竟 jing). The maximum distance between the border lines (竟) and the walls was about 20〜25 km. Second, the space within the borders (竟) was dominated by the ancestors of the rulers. Consequently, the rulers had to inform their ancestors of their movement within and without the territory. Without permission, foreigners were forbidden to enter the state space.
著者
堤 梨恵 秋元 史恵 早川 裕子 後藤 由紀 榎 悦子 鈴木 昌子 河野 啓子
出版者
東海大学
雑誌
東海大学健康科学部紀要 (ISSN:13474162)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.115-120, 2001

本研究は精神健康調査の一部として得られた自由記載欄の内容を分析することによって具体的なストレッサーを把握し、また看護婦・士が考える対応策を明らかにすることを目的に行った。NIOSH (National Institute for Occupational Safety and Health:米国国立安全保健研究所)の職業性ストレスモデルを用いてT大学病院のストレッサーを分類すると、仕事のストレッサー(226件)、仕事外の要因(14件)、個人要因(148件)であり、仕事のストレッサーが最も多かった。ストレッサーの中では、長時間労働や休日労働の記載が多く、反対に看護技術に関する記載が少なかったことが特徴的であった。また、看護婦・士が考える対応策として、「ストレスを軽減するような病院のサポートシステム」(5件)や「ストレスを軽減するような病院環境」(5件)、「組織運営の改善」(4件)、「仕事に対する評価」(2件)があった。
著者
菅野 孝彦
出版者
東海大学
雑誌
総合教育センター紀要 (ISSN:13473727)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.57-67, 2003-03-30

リルケは, 1915年に訪れたミュンヘン在住の作家ヘルタ・ケーニヒ夫人宅の一室に飾られていたピカソが描いた『軽業師の家族』(Famille de saltimbanques, ワシントンナショナルギャラリー,212.8×229.6cm,油彩)に深い感銘をうけ,かつてパリで見た軽業師たちの技の数々をも思い起こしつつ,後に1922年『ドゥイノの悲歌』の第五歌を書き上げた。われわれは,ここで,ピカソとリルケとの間に伝記的交流を見ることはできない。しかし,『軽業師の家族』という一枚の絵を通じたピカソとリルケの結びつきを,すなわち一人の画家と一人の詩人との間の真の交流をかいま見ることができるのではなかろうか。それはまた,『軽業師の家族』という絵画作品と『ドゥイノの悲歌』という詩作品との間に架橋される橋を現出させる試みとなるのではなかろうか。